2014シーズン試合結果

第94回天皇杯全日本サッカー選手権大会4回戦:名古屋グランパスvsザスパクサツ群馬

最終更新日時 2014/09/11 12:59

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名古屋市瑞穂陸上競技場 910(水) 19:04キックオフ

試合前

秋の気配の感じられる名古屋市瑞穂陸上競技場。第94回天皇杯4回戦は、グランパスにとって戦い慣れた瑞穂で、ザスパクサツ群馬との対戦となる。

トヨタ蹴球団、京都サンガF.Cと下のカテゴリー所属チームに快勝し迎えた今日の試合。対戦相手のザスパクサツ群馬は同3回戦でJ1首位争いをする浦和レッズを破り、J2所属クラブとはいえ、グランパスにとっても油断できない対戦相手となりそうだ。

日本代表を含む各国代表チームが親善試合を行なう「国際Aマッチデー」指定となりリーグ戦が開催されなかった週末、グランパスにとっては8月30日(土)の川崎フロンターレ戦以来、少し感覚の空いた公式戦となる。

週末にはアウェイでJリーグ、横浜F・マリノス戦が開催されるため多少のメンバーの入れ替えも予想されたが、発表された先発メンバーを見る限り怪我のケネディを除きベストメンバーで臨む今日のグランパス。今日の対戦相手ザスパクサツ群馬を率いる秋葉監督とはアトランタ五輪以来の旧知の知り合いであるが、師弟対決という側面もサポーターにとっては楽しみなのではないだろうか。

午後6時25分、直前の散水でしっかりと水を含んだピッチへウォーミングアップのため選手が姿を現した。ナビスコカップはグループステージで敗退、リーグ戦でもここまで下位に甘んじ現実的に今シーズン獲得可能なタイトルはこの天皇杯となりそうだが、選手達も、もちろん今週末から再開されるリーグ戦での浮上を誓いながらこの大会の頂きを目指し、試合への集中力を高めているようだ。

前半

今日の名古屋、ゴールキーパーは楢崎。ディフェンスラインは右から矢野、牟田、闘莉王、本多の4人。L.ドミンゲス、田口、ダニルソン、矢田の4人が中盤を構成し玉田、永井の2トップによる4-4-2のシステムでのスタートが予想される。

前半、メインスタンドから向かって左にエンドを取った赤のユニフォーム・名古屋ボールでキックオフ。

1分、群馬ディフェンスラインから前線へのロングボールは闘莉王が見送り楢崎が抑える。

2分、ハーフライン上で玉田がフリーキックを得る。

4分、群馬ペナルティエリア手前でボールを受けた永井から入れ替わりでエリア内を狙うL.ドミンゲスへのボールは相手ディフェンスにカットされてしまう。

5分、群馬ペナルティエリア左でボールを受けた本多のクロスは群馬・富居が直接抑える。

6分、名古屋陣内左サイド高い位置でボールを受けた群馬・瀬川のグラウンダーのクロスは牟田がゴールラインへとクリア。

7分、群馬・左からのコーナーキック、名古屋ペナルティエリア内マイナス方向へ低く入れたボールを群馬・宮崎が左足で狙うが、このシュートはクロスバーを越える。

8分、群馬陣内中央でボールを受けたダニルソンの低く鋭いシュートは群馬・富居が弾き枠を外れる。名古屋・右からのコーナーキック。L.ドミンゲスが右足で上げたボールは中央でクリアされる。

9分、右からのクロスを名古屋ペナルティエリア内へ飛び込んだ群馬・小林に頭で合わせられるが、このシュートは楢崎が枠の外へとクリア。

10分、群馬・右からのコーナーキック、ショートで繋ぎ名古屋ペナルティエリア内へのボールは闘莉王がヘディングで左タッチラインへとクリア。

11分、群馬陣内左でダニルソンからのボールを受けた本多が縦へと抜ける矢田の前を狙うが、このボールは相手ディフェンスにクリアされる。

13分、ハーフライン付近で矢野のパスカットから玉田、右を上がる矢野へのリターンボールが通るが、ここで相手ディフェンスに引っかけられフリーキックを得る。

14分、群馬ペナルティエリア手前右から名古屋ボールのフリーキック。L.ドミンゲスが右足で上げた鋭く曲がるボールは相手ディフェンスがヘディングでクリア、このボールを玉田が左足ダイレクトで狙うが、このシュートはクロスバーを越える。

15分、群馬ペナルティエリア手前で右後方のL.ドミンゲスからのボールを矢田がダイレクトで右の永井の前へと狙うが、このボールは直接ゴールラインを割る。

17分、群馬陣内右で玉田がドリブルを仕掛けこぼれたボールを拾った矢野が縦へと仕掛けるが、ここは相手ディフェンスに体ごとゴールライン外へ出されてしまう。

18分、群馬陣内右ハーフライン付近でボールを受けたL.ドミンゲスからペナルティエリア内へ走る玉田の前を狙うが、わずかに届かずボールは群馬・富居が直接抑える。

20分、群馬ペナルティエリア手前で玉田がドリブルを仕掛けこぼれ球を拾ったL.ドミンゲスのシュートは群馬・富居の正面を突きキャッチされてしまう。

22分、群馬ペナルティエリア右の矢野からのクロスをファーサイドの玉田が頭で折り返すが、このボールは群馬・富居が直接抑える。

23分、自陣でダニルソンのカットしたボールを拾ったL.ドミンゲスが一気に前線へと狙うが、これは玉田、永井と呼吸が合わず群馬・富居が直接抑える。

25分、群馬・左からのコーナーキックはニアサイドで永井がゴールラインへとクリア。

26分、再び群馬・左からのコーナーキックはニアサイドの永井がヘディングで前へとクリア。

27分、群馬陣内右の矢野からタッチライン際の矢田を狙うが、このボールは背面に入り直接タッチラインを割る。

28分、群馬陣内中央右から名古屋ボールのフリーキック、L.ドミンゲスから群馬ゴール前へのボールは中央でクリアされる。

29分、群馬ペナルティエリア付近でL.ドミンゲスがダイレクトで落としたボールを玉田、サポートの田口、左の永井と狙うが、このボールはコースが外れタッチラインを割る。

31分、群馬ペナルティエリア手前中央でボールを受けた玉田から左の永井を狙ったボールは相手ディフェンスにカットされてしまう。

32分、ハーフラインを超えた位置の群馬・久富から前へのボールは楢崎が直接抑える。

34分、群馬ペナルティエリア手前で闘莉王からの楔を玉田が落としL.ドミンゲス、玉田へのワンツーは相手ディフェンスに先にクリアされる。このボールを右で拾った矢野から矢田、左足へ持ち替えゴール前へのボールは群馬・小柳にヘディングでクリアされる。

35分、群馬ペナルティエリア内でL.ドミンゲスからのボールを田口が落とし玉田が左足で狙うが、このシュートは相手ディフェンスに当たりゴールラインを割る。名古屋・左からのコーナーキック。L.ドミンゲスが右足で上げたゴール方向へ向かうボールは中央でクリアされる。

36分、群馬陣内中央でダニルソンがドリブルを仕掛けるが、蹴り出したボールを狙う群馬・黄(誠)を引っかけてしまいファールの判定となる。

37分、群馬陣内右を持ち上がった矢田から斜めに右前へと入る田口へ、ここからのクロスは群馬・富居が抑える。

38分、左サイドを上がった群馬・瀬川からのクロスは牟田がゴールラインへとクリア。

39分、群馬・左からのコーナーキックは永井が右タッチラインへとクリア。

42分、群馬陣内中央から縦へと仕掛けた玉田がペナルティエリア付近の永井へと預けエリア内でのリターンを狙うが、このボールは相手ディフェンスにカットされてしまう。

44分、群馬陣内右内側で矢野からのボールを受けた玉田が縦へと加速、ゴールライン付近から永井へと戻しを狙うが、このボールはカットされてしまう。

45分、群馬ペナルティエリア手前右の玉田から縦への浮き球にペナルティエリア内へ矢田が狙うが、群馬・小柳に前を塞がれそのまま交錯、矢田のファールを取られる。
(アディショナルタイム表示:1分)

アディショナルタイム1、群馬陣内中央で田口が引っかけられ得たフリーキック。L.ドミンゲスからのボールを左の闘莉王が粘りサポートの玉田へ、ここからのクロスは逆サイドゴールラインを割る。

アディショナルタイム2、自陣右ハーフライン付近で矢野が倒されフリーキックを得るが、このリスタートを田口が蹴ったところで前半終了。

試合開始から守備時には5バックで守る群馬に対し攻めあぐねた印象の名古屋。J2の群馬としてはまずは失点しない事が勝利と考えている事が予想され、その意味では群馬の狙い通りの45分となった。名古屋としては後半、パスの精度を高め、また前線スピードを活かし突破口を見い出したい。

後半

エンドを替えた後半、群馬ボールでキックオフ。

1分、キックオフ直後の前線へのボールに競り勝った本多からハーフライン付近のL.ドミンゲスへ、ドリブルで持ち上がり玉田の前を狙ったボールは群馬・富居が直接抑える。

2分、群馬陣内左で永井が後ろから倒されフリーキックを得る。

3分、群馬ペナルティエリア手前左から名古屋ボールのフリーキック。L.ドミンゲスが右足で上げたボールは中央でクリアされるが、これを拾った永井からダニルソン、戻したボールに走り込んだ田口のミドルシュートは相手ディフェンスに当たり枠を外れる。

4分、名古屋・右からのコーナーキック。L.ドミンゲスからのボール、中央の混戦の中で味方に当たったボールはゴールラインを割る。

5分、群馬陣内中央で田口のカットから前へこぼれたボールにそのまま走った田口が相手ディフェンスの間で奪うが、角度の難しい位置からのシュートはクロスバーを越えてしまう。

7分、名古屋ペナルティリア手前で左から戻したボールを受けた群馬・小林(裕)の右足のシュートは枠の左へと外れる。

8分、左サイドでスピードを活かし縦へと仕掛けた永井の左足のクロスは群馬ゴール前を抜け逆サイドでクリアされる。

9分、群馬ペナルティエリア右で玉田からのボールを受け左足へ持ち替えた矢田のクロスをL.ドミンゲスが体をひねりながら頭で合わせるが、このシュートは相手に当たり枠を外れる。名古屋・左からのコーナーキック。L.ドミンゲスから田口へショートで繋ぎ中へのボールをファーサイドの闘莉王がヘディングで合わせるが、このシュートはクロスバーを越える。

11分、左サイド高い位置で本多が縦へと仕掛けコーナーキックを得る。名古屋・左からのコーナーキック。L.ドミンゲスから群馬ゴール前へのボールは中央外よりで相手ディフェンスにクリアされる。

12分、群馬ペナルティエリア手前右でL.ドミンゲスが素早いプレスでボールを奪うと右足で強いシュートを狙うが、このボールは右ポストに嫌われてしまう。

13分、センターサークルでボールを奪った永井から右前方へ、これにゴールライン付近で追いついた玉田が相手ディフェンスにバランスを崩されながら耐えサポートのダニルソンを狙うが、このボールはカットされてしまう。

14分、群馬ペナルティエリア内右でL.ドミンゲスからのボールを矢野が頭で折り返し、ここへトップスピードで飛び込んだ玉田が相手ディフェンスに体を当てられながら頭で合わせるが、このシュートはクロスバーを越えてしまう。

15分、群馬陣内中央で玉田のドリブルから左の永井へ、ここからのクロスは相手ディフェンスにタッチラインへとクリアされる。
群馬1人目交代:加藤→金沢

17分、群馬陣内中央でボールを受けたL.ドミンゲスからペナルティエリア付近右の矢田へ、ここから相手ディフェンスを巻き左足で弧を描くように狙ったシュートは枠の左へと外れる。

19分、名古屋1、2人目交代:玉田、矢田→小川、佐藤

20分、自陣中央の小川から左を上がる佐藤の前を狙ったボールは直接タッチラインを割る。

21分、L.ドミンゲスが左サイドで群馬・久富からボールを奪うと素早くゴール前の闘莉王を狙うが、このボールは群馬・富居が先に抑える。

22分、群馬・左からのコーナーキック、中央でのこぼれ球はダニルソンがタッチラインへとクリア。

23分、群馬2人目交代:野崎→平繁

24分、自陣で田口から右へのボールをカットされると群馬・平繁のドリブルからカウンターを受けるが、中へのボールはダニルソンがクリアする。

25分、右サイドを上がった群馬・久富からマイナス方向へのボールに群馬・平繁が走り込み危ない場面を迎えるが、このシュートは上手く合わせられず枠の左へと外れる。

26分、群馬陣内中央右タッチライン際で矢野が倒され得たフリーキック。L.ドミンゲスから群馬ゴール前へのボールを闘莉王が体をひねり高い打点で合わせるが、このシュートは群馬・富居が抑える。

27分、闘莉王との縦へのワンツーでエリア内左へ抜け出したL.ドミンゲスがコーナーキックを得る。名古屋・左からのコーナーキック。L.ドミンゲスが右足で上げたボールは中央でクリアされる。

28分、群馬陣内で田口から縦へのボール、相手ディフェンスのクリアがL.ドミンゲスに当たりこぼれたボールを永井がゴールへと押し込むが、その前のプレーでハンドと判定されてしまう。

【得点】
30分、右からのクロスを群馬ペナルティエリア内左の闘莉王が頭で落とすと、中の永井は合わせられなかったが背面へこぼれたボールをL.ドミンゲスが押し込み、ついに名古屋が先制ゴールを奪った。

31分、名古屋ゴール前へのクロスが流れ右で拾った群馬・久富のクロスはディフェンスラインへと戻った闘莉王がヘディングでクリア。

34分、ハーフライン付近右で矢野が牟田からのボールを背面のL.ドミンゲスへ狙うが、このボールはコースが合わずディフェンスにクリアされる。

35分、群馬ペナルティエリア手前からL.ドミンゲスが永井との縦へのワンツーでエリア内を狙いコーナーキックを得る。

36分、名古屋3人目交代:永井→松田
名古屋・右からのコーナーキック。L.ドミンゲスが右足で上げたボールを闘莉王が頭で合わせると、相手ディフェスに当たりこぼれたボールを松田が右足で狙うが、このシュートも相手ディフェンスに当たり枠を外れる。

37分、名古屋・左からのコーナーキック。L.ドミンゲスの右足からのボールは中央で弾かれるが、再び左へ繋ぎL.ドミンゲスから中へのボール、こぼれ球を牟田が右足で狙うが、このシュートも相手ディフェンスに当たり枠を外れる。
群馬3人目交代:有園→大津

38分、名古屋・左からのコーナーキック。L.ドミンゲスから田口、L.ドミンゲスと戻し中へのボールは相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。

39分、名古屋・右からのコーナーキック。L.ドミンゲスからのボールは中央外でクリアされる。

40分、自陣中央でダニルソンと群馬・金沢が交錯、名古屋ボールのフリーキックとなる。

42分、ハーフライン付近右の牟田から前線へのボールは前へと出た群馬・富居が直接抑える。

43分、自陣左でこぼれたボールは佐藤が大きく前線へとクリアする。

44分、ハーフライン付近でボールを受けた小川が右へと流れながらペナルティエリア付近まで持ち上がり右足で狙うが、このシュートはクロスバーを越える。

45分、群馬・クォンに対し松田がボール奪取を狙い強いプレッシャーをかけるが、ここは一旦キーパーへと戻しクリアされる。
(アディショナルタイム表示:3分)

アディショナルタイム1、自陣で田口のトラップからバランスを崩したボールを群馬・小林に奪われるが、縦へのドリブルはダニルソンが追いつき前線へとクリア。

アディショナルタイム2、左サイドハーフライン付近から名古屋ボールのスローイン。佐藤から中の小川へ、これをダイレクトで左前の松田へと狙うが、このボールはタッチラインを割る。

アディショナルタイム3、群馬陣内左高い位置でダニルソンへのボールが背面に入りタッチラインを割ったところで試合終了。

後半途中からダニルソンが中央に入った3バック、闘莉王を前線へと上げ前への圧力を高めた名古屋。永井のゴールはその前のハンドで無効となったが、それでも闘莉王の高さ、強さを活かしたチャンスからL.ドミンゲスが決めた1点を守り切り、1-0で勝利。相手ペナルティエリア付近での迫力不足やパスミスなど課題も見られたが、10月に行なわれる準々決勝への進出をしっかりと決めた。


試合終了後記者会見

140910-nis1.jpg事前に予想していたメンバー・システムから大分異なっていたので、試合直前に微修正してから臨んだ試合となりました。それでも群馬は奇襲や奇策をもったチームなので、今日もそういう形を想像してチームを構築していきました。しかし、予想以上にディフェンシブに戦われたこともあり、一番我々が苦手とするような戦い方だったのではないかと思っています。なかなか崩しきれず、ショートカウンターも効かない中で、ゴール前に進入していく回数が前半は少なかったと思います。何か手を打たなければならない状況で、システムを4-2-3-1に切り替えたり3バックにしたり、動きをつけて打開を図りました。その中の一つとして闘莉王を上げて、ようやく1点を挙げられたという感じです。

全体的に見れば、我々が主導権を取れているように見える試合だったと思いますが、逆にこれは群馬のペースであり、群馬のゲームであったと思います。どこかでギアチェンジをされて、それに対してリスク管理をしながら、ゲームを進行していきました。そのため得点も何とかという形でした。試合に勝ったのは我々ですが、戦略的に成功したのは群馬の方だと思っています。

ともあれ、勝ち抜くことがこのゲームの最大の目標でしたし、90分で決着をつけるつもりだったので、後半に3人交代したことも、「このゲームは90分で成立させるぞ」というベンチからのメッセージでした。その中でなんとか逃げ切れた形となりました。

Q.厳しい試合の中でも、戦略的な手応えを感じた部分はありましたか?

オプション的には多くありませんが、3バックの形にして、サイドからのクロスに本多よりも佐藤をチョイスしたところであったり、闘莉王を上げるシステムチェンジは、ある程度押し込めている状況では有効だったと思います。ゲームが拮抗し、ショートカウンター主体の中で、闘莉王をあげることはかなりリスクがあったのですが、ポゼッションをするものの最後のゴール前でのフィニッシュがとれない状況での闘莉王を上げる選択は、ある程度計算できるし、期待通りでした。彼が前線にいることによって、全員がターゲットをはっきりできる戦術的な意識の共有も出来ていたと思います。

Q.出来れば闘莉王選手を上げる前に、点を取って試合を有利に進めたかったのが本音だと思いますが、前半のメンバー・システムには何を求めていたのでしょうか?

確かに早めに点を取りたかった部分はありますが、天皇杯では力の差はそう著しくあるものではありません。J2のチームがJ1のチームに対してとってくる戦術というのは、やはりある程度ディフェンシブなものだと思いますし、あれだけリトリートされれば、我々でなくてもなかなか前半にリードするのは難しいと思います。スマートに取れるとは思っていませんし、理詰めでボールを動かしているだけでも取れません。ハーフタイムには、『ねじ込んでいく・泥臭く』というような指示を出すくらい、難しい状況を強いられていた訳でしたし、点を取ること自体が難しいと思います。

逆に取りにいってリスクを負うよりも、ポゼッションをしてスタミナを落としていくとか、色々な隙を見つけることが必要だと思います。早急に点を取りにいくためのハイボールであったり、パワープレーで仕掛けていくということも大事だと思いますが、不要に行う必要はありません。もちろん点を取りたいですし、自分たちがゲームをコントロールしたい気持ちも当然ですが、それよりもゲームをどう組み立てていくのかが最優先ですし、『勝ち抜く・点を取る・取られない』という見極めをしながら、試合を進めることも必要だと思います。

ただ、もっとチャレンジのボールは必要だったと思います。今日は外でボールが動いていましたが、相手がリトリートして中に8、9人いる状況で楔のボールを打ち込んでポイントを作ることがもっとあっても良かったと思います。今日はダニルソンも田口もある程度セーフティにボールを動かしてはいましたが、もっと厳しいボールを入れなければゴール前でポイントを作れたり、さらなるチャンスは生まれません。玉田も引きすぎて奪われてカウンターというシーンもありましたし、そういった縦関係が全体であまりとれなかったのが、ゴール前に人数を掛けられなかった原因だと思っています。

Q.かつて指導をされた秋葉監督と同じ監督という立場で相まみえた訳ですが、試合を終えてみて感想をお願いします。

立派になったという感じでしょうか(笑)。彼とは今年も1月くらいに食事をしていますし、そこでJリーグでの話とかもしたりしています。彼はやはり野望みたいなものを持っていますね。色々なところで様々なことを吸収しながら、成長していきたいという野心みたいなものをとても感じます。その食事の席でも「明日練習だから」と途中退席で帰ったくらいでしたし、よっぽど現場が好きなのか、もしくは我々と話しているのが嫌いなのか...(笑)。色々熱心な奴だなと思っていますよ。