2014シーズン試合結果

2014J1リーグ第16節:ベガルタ仙台vs名古屋グランパス

最終更新日時 2014/07/24 14:27

AWAY GAME

ユアテックスタジアム仙台 7/23(水) 19:03キックオフ

試合前

高い湿度に見舞われたユアテックスタジアム仙台。2014J1第16節はアウェイでベガルタ仙台との対戦となる。

前節、J1リーグ再開となるホームでの徳島戦に引き分けた名古屋。今シーズンここまで勝ち点4と苦しむ徳島が相手だけに、痛い取りこぼしとなった。その試合、6月に新加入したL.ドミンゲスをトップ下の位置に入れた新システムで戦った名古屋だが、まだまだ戦術、コンビネーションともに発展途上の感が否めなかった。今節はそのメンバーから3バックの中心で攻守に渡っての活躍が期待された闘莉王が怪我で離脱、小川がベンチスタートと、やはり難しいゲームが想像される。

日も沈み、スタジアム4方向の屋根に備え付けられた照明がすべて灯された午後6時30分、ウォーミングアップのためゴールキーパー陣に続きフィールドプレイヤーがピッチへと姿を現した。強化指定選手として福岡大学からグランパスへ再合流した大武がスターティングメンバーに名を連ねる。久しぶりのグランパスでの試合、さらには古川キャンプから取り組む新しい3バックでの出場は未知数ではあるが、春のタイキャンプでも3バックにの挑戦した西野監督。そのキャンプへの参加で能力の高さを認められた大武だけに、牟田、本多という若い3人の3バックにも注目したい。

そして中村、玉田がベンチ入りとなった控えメンバー。2人もキャンプ時から別メニュー調整を続けてきたが、ベテランらしく、仕合途中からでも出場を求められれば仕事に徹しようと、試合前はリラックスした表情が見られる。

前半

今日の名古屋、ゴールキーパーは楢崎。ディフェンスは大武を中央に牟田、本多の3バック、ダニルソン、田口が中盤底に入り両サイドに矢野、佐藤の2人。永井、松田の2トップの後ろにL.ドミンゲスが控える、3-5-2のシステムでのスタートが予想される。

前半、メインスタンドから向かって右にエンドを取った白のユニフォーム・名古屋に対し仙台ボールでキックオフ。

1分、仙台・菅井から前線へのボールは大武がカット、本多が前線の松田へと狙うが、このボールは相手ディフェンスにクリアされる。

2分、仙台陣内右で大武が仙台・赤嶺を引っかけファールの判定、素早いリスタートで左から仙台・ウイルソンが抜け出すが、左足でのシュートは枠の右へと外れる。

3分、仙台ペナルティエリア内で右の矢野からのボールを松田が落としL.ドミンゲスが受けるが、縦へのドリブルはシュートへと持ち込めずボールはクリアされる。

5分、名古屋陣内右ゴールライン際でボールを受けた仙台・ウイルソンがそのままライン際を中へとドリブル、グラウンダーでの折り返しはダニルソンに当たり楢崎が抑える。

6分、仙台陣内右、ハーフライン付近で牟田と仙台・赤嶺が交錯、これは仙台・赤嶺のファールとなる。

7分、仙台陣内中央でダニルソンが後ろからドリブルを引っかけられ得たフリーキック、L.ドミンゲスから仙台ゴール前へのボールは中央で相手ディフェンスにクリアされる。

8分、仙台陣内右高い位置でボールを受けた永井が相手ディフェンスに密着されながら粘るが、ボールは永井自身に当たりゴールラインを割る。

9分、仙台・鎌田へ戻したボールに松田がプレッシャーを掛けるが、ボールはペナルティエリアを出た仙台・関に先にクリアされてしまう。

10分、仙台左サイドの梁から仙台・ウイルソンの前を狙ったボールは本多がヘディングで楢崎へと戻す。

11分、センターサークル付近でのダニルソンのパスカットから一気に縦へと鋭いボール、相手ディフェンス2人の間を抜けた永井がペナルティエリアへ飛び込むが、内側を相手ディフェンスに抑えられ右足で外からのシュートは枠の右へと外れる。

13分、左サイドから牟田の外を体半分抜け出した仙台・ウイルソンの強引な右足のシュートはクロスバーを越える。

15分、名古屋陣内右深い位置でダニルソンが仙台・ウイルソンのドリブルを止めフリーキックを与える。

16分、名古屋ペナルィエリア左から仙台ボールのフリーキック、名古屋ゴール前へ速いボールはニアサイドの牟田がヘディングでクリアする。

17分、仙台ペナルティエリア手前でダニルソンが相手パスをカット、そのボールを受けたL.ドミンゲスからペナルティエリア内へ浮かせたボールに永井が反応するが、胸で落としたボールは大きく流れ仙台・関に先に抑えられてしまう。

【失点】
19分、後方からのボールに名古屋ペナルティエリア内中央へオフサイドぎりぎりのタイミングで抜け出した仙台・赤嶺にフリーで右足のシュートを許し先制ゴールを奪われてしまう。

21分、名古屋ペナルティエリア内左でボールを受けた仙台・太田からの折り返しは逆サイドで佐藤がクリアする。

23分、左サイド高い位置でボールを奪った永井からサポートの佐藤へ、ここから相手ディフェンス2人の間を狙ったドリブルはボールをクリアされる。

25分、左サイド高い位置で田口からのボールを受けた佐藤のクロス、これをゴール前ファーサイドの永井が頭で折り返すが、内側の松田は届かずボールはゴールラインを割る。

27分、右サイドに開いてボールを受ける仙台・太田が動きを止めたところを止まり切れず本多が後ろから倒してしまいフリーキックを与える。ここからのフリーキック、名古屋ゴール前へのボールを仙台・角田が頭で合わせるが、このシュートはクロスバーを越える。

29分、仙台ペナルティエリア手前でL.ドミンゲスと仙台・角田が交錯、ここはL.ドミンゲスのファールを取られる。

30分、仙台ペナルティエリア手前左で田口が佐藤とのワンツーで縦を狙うが、ここは相手ディフェンスに囲まれボールをクリアされる。

32分、右サイド高い位置で仙台・菅井が粘り佐藤の外から右足で名古屋ゴール方向へのボールを狙うが、これは楢崎が見送り直接ゴールラインを割る。

33分、仙台ペナルティエリア内へのボールを永井が追うが、ここは相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。名古屋・左からのコーナーキック。L.ドミンゲスが右足で上げたボールは中央で仙台・関にクリアされる。これを右で拾った名古屋が再び仙台ゴール前へ、ファーサイドの松田が頭で折り返しを狙うが、永井へは合わずボールはゴールラインを割る。

35分、仙台右サイド高い位置でL.ドミンゲスがドリブルを仕掛けコーナーキックを得る。

36分、名古屋・右からのコーナーキック。L.ドミンゲスが右足で高く上げたボールをファーサイドで矢野、大武が重なりながら頭で狙うがボールは枠を外れる。

37分、ハーフライン付近で本多がボールを拾うが、仙台・ウイルソンの激しいショルダーチャージでドリブルを止められてしまう。

38分、左サイド高い位置の佐藤からの低く速いクロスにファーサイドから走り込んだ永井が右足を出すが、転がったボールは仙台・関にキャッチされてしまう。

39分、仙台・石川からのアーリークロスは大武がヘディングでタッチラインへとクリアする。

40分、右に開いた仙台・太田からのクロスはディフェンスがゴールラインへとクリア。仙台・左からのコーナーキック、名古屋ゴール前へのボールは中央で牟田が引っかけられ名古屋ボールのフリーキックとなる。

41分、ハーフライン付近左で田口がダイレクトプレーで縦へ、これを松田が追うがボールは先にゴールラインを割る。

42分、名古屋ペナルティエリア内左で仙台・太田がボールを受けるが、これはオフサイドの判定。

43分、自陣からのボールに右サイドを駆け上がった仙台・太田が僅かにボールを触るが、ここは本多がゴールラインへとクリアする。仙台・右からのコーナーキックは中央で楢崎が直接キャッチする。

44分、右サイドを上がった仙台・太田のクロスは佐藤が足先に当て浮き上がり、楢崎が抑える。

45分、仙台ペナルティエリア手前で強引にボールを奪ったL.ドミンゲスが縦へとドリブル、相手ディフェンス2人に囲まれヒールで後ろへと落とすがサポートが間に合わずボールはクリアされる。
(アディショナルタイム表示:1分)

アディショナルタイム1、仙台・太田が右サイド高い位置でボールを受けるが、これはオフサイドの判定。

アディショナルタイム2、左へ開いた仙台・梁のドリブルは牟田がドリブルでカット。

ここで前半終了。

ボールポゼッションでは上回った名古屋だが、決定的な場面まではあまり持ち込めず。逆に仙台にワンチャンスから先制ゴールを許し0-1での折り返しとなった前半。
ホームで先制し、守備時は4-4-2の綺麗なブロックを作り強固な守備、そしてそこからのカウンターの狙いがより強くなった仙台相手に苦しむが後半、早い段階にゴールをこじ開け同点、そして逆転を狙いたい。

後半

エンドを替えた後半、名古屋ボールでキックオフ。

名古屋1、2人目交代:永井、佐藤→小川、玉田

後半開始から西野監督は経験のある2人を投入、矢野を右サイドバックへ下げ玉田、松田の2トップによる4-4-2のシステムへと変更し同点、逆転を狙う。

1分、ハーフライン付近で名古屋ディフェンスライン裏を狙った仙台ボールはオフサイドの判定となる。

2分、仙台陣内右でボールを受けた玉田の中方向へのドリブルからペナルティエリア内の松田の前を狙ったボールは相手ディフェンスにクリアされる。

4分、玉田からの浮き球に仙台ペナルティエリア内右へと走り込んだ松田が中の玉田へと折り返すが、このボールは相手ディフェンスにクリアされる。名古屋・右からのコーナーキック。L.ドミンゲスが上げたボールは中央で相手ディフェンスにクリアされる。

7分、左サイド高い位置の仙台・石川からグラウンダーでの折り返しは牟田がクリア。仙台1人目交代:石川→二見

8分、左サイドを上がった本多が小川とのワンツーで縦への突破を狙うが、ボールはゴールラインを割る。

9分、自陣センターサークル付近でボールを受けたダニルソンが仙台・富田に後ろから引っかけられフリーキックを得る。

11分、仙台ペナルティエリア付近で玉田からのボールを受けたL.ドミンゲスから玉田へのリターン、左へ小さく蹴りだしたボールに走り込んだ田口が左足で狙うが、このシュートは枠の右へと外れる。

12分、仙台ペナルティエリア手前左でボールを受けた玉田が鋭いターンで前へと持ち替え左を上がる田口の前へと狙うが、このボールは相手ディフェンスにカットされてしまう。

【得点】
13分、仙台ペナルティエリア手前左でのボールを拾った田口が右足でミドルシュートを決め、ペースを掴みはじめた名古屋が同点とした。

14分、右に開いた仙台・ウイルソンからのクロスはディフェンスに当たり逆サイドタッチラインを割る。

15分、仙台ペナルティエリア手前でボールを受けた玉田の左足でのミドルシュートは枠の左へと外れる。

16分、仙台ペナルティエリア手前からL.ドミンゲスのミドルシュートが相手ディフェンスに当たりこぼれ球をダニルソンが左足で狙うが、このシュートは仙台・関の正面を突きキャッチされてしまう。

18分、仙台2人目交代:太田→武藤

19分、仙台ペナルティエリア内左へのボールを玉田、松田の2人が追うが、僅かに早く前へと出た仙台・関にキャッチされてしまう。

20分、名古屋ペナルティエリア右で仙台・ウイルソンのドリブルをダニルソンが止め、このプレーでダニルソンに対しイエローカードが提示される。

【失点】
21分、名古屋ペナルティエリア右、コーナーフラッグ付近から仙台ボールのフリーキック、名古屋ゴール前へ浮かせたボールをニアサイド2人目の仙台・菅井に頭で合わせられ、再びリードを許してしまう。

23分、仙台陣内ペナルティエリア手前左で玉田がドリブルを倒されフリーキックを得る。

24分、ここからのフリーキック、L.ドミンゲスが仙台ゴール前へと上げたボールはファーサイドで相手ディフェンスにクリアされる。これを拾い再び繋ぐ名古屋。右サイド高い位置で受けた矢野がドリブルを仙台・武藤にスライディングで止められフリーキックを得る

25分、仙台ペナルティエリア右から名古屋ボールのフリーキック。玉田からニアサイドへ低いボールは相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。

【得点】
26分、名古屋・右からのコーナーキック。L.ドミンゲスから仙台ゴール前中央へのボールをファーサイドから走り込んだ矢野が強烈なヘディングで突き刺し、名古屋サポーターの目の前で再び同点とした。

27分、名古屋陣内右から仙台ボールのフリーキック、名古屋ゴール前へのボールは楢崎が指先でクリアすると、これを左で拾われ再び名古屋ゴール前へとクロス。しかしこのボールも楢崎がパンチングでペナルティエリア外へとクリアする。

29分、仙台陣内左、ハーフライン付近で小川がハイボールを競り合いフリーキックを得る。ここで仙台陣内で足をつったようすの松田が倒れ込んでいたため担架でピッチの外へと出される。

30分、名古屋3人目交代:松田→矢田

31分、玉田からのパスに左サイドを上がった小川からマイナス方向への折り返し、ここへ玉田が右足で飛び込むがこのシュートはクロスバーを越える。

32分、仙台・二見からのクリアボールに仙台・ウイルソンがディフェンスライン裏へと抜け出すが、ここはオフサイドの判定。

33分、仙台・ウイルソンが右からドリブルを仕掛けるが、ここは本多がボールをゴールラインへとクリア。

34分、仙台・右からのコーナーキック、ニアサイドでディフェンスが触りファーサイドへと流れたボールは田口が抑える。ここからカウンターを仕掛ける名古屋。仙台陣内左寄りでL.ドミンゲスがボールを受けるとペナルティエリア内へ走り込む小川へ、背面に入ったボールを玉田へ落とそうと狙うがボールは届かず相手ディフェンスにクリアされてしまう。

36分、センターサークル付近でL.ドミンゲスが触りこぼれたボール、これを拾った玉田が一旦体勢を崩しながら粘り縦へと持ち込むとペナルティエリア右へ走り込む矢田へ、ここからシュート気味のボールを仙台・関が弾くと小川が逆サイドから走り込むが、ボールは背面へ流れクリアされてしまう。

【失点】
37分、名古屋ペナルティエリア左から仙台ボールのフリーキック。名古屋ゴール前への上げられたボールを中央の仙台・二見に打点の高いヘディングで合わせられ三たび勝ち越しを許してしまう。

38分、名古屋ペナルティエリア手前左でボールを受けた仙台・ウイルソンの強烈なシュートは楢崎が弾きゴールラインを割る。

40分、仙台3人目交代:赤嶺→鈴木。仙台・左からのコーナーキックは中央の大武がヘディングでクリア。ここからのカウンターをカットされると逆に持ち上がった仙台・武藤に左足のシュートを狙われるが、このボールは楢崎が正面で抑える。

41分、センターサークル付近で田口へのボールをカットされるとそのままカウンターを仕掛けられるが、右からの折り返しは楢崎が抑える。

43分、田口からのボールを右で受けた矢田が外の矢野をおとりにゴール前へクロス。しかし玉田へは相手ディフェンスがマークに付きシュートへは持ち込めずボールはクリアされる。

45分、センターサークル内で相手パスを拾った大武から左を狙ったボールはタッチラインを割る。
(アディショナルタイム表示:4分)

アディショナルタイム1、仙台陣内左タッチライン際から名古屋ボールのフリーキック。田口から仙台ゴール前へのボールは相手ディフェンスにカットされなんとか繋いだ名古屋、最後はL.ドミンゲスが左足で狙うがこのシュートは上手くヒットできず枠の右へと外れる。

【得点】
アディショナルタイム2、左サイドを上がった田口へのボール、仙台ペナルティエリア手前で相手ディフェンスのクリアをL.ドミンゲスが胸トラップ、そのままダイレクトで美しい右足ボレーを決め再び同点とした。

アディショナルタイム4、名古屋陣内左、ハーフライン付近から名古屋ボールのフリーキック。楢崎がここまで上がり仙台ゴール前へのボールは相手ディフェンスにヘディングでクリアされる。

アディショナルタイム5、名古屋陣内右から仙台ボールのスローイン、仙台・菅井へのボールへは田口がプレッシャーをかけリターンボールはゴールラインを割る。ゴールキックでのリスタート、楢崎が前線へと蹴ったところで試合終了。

後半、玉田、小川の2人を入れシステムを変更すると、その玉田の機転の利いたプレーで数多くのチャンスを作った名古屋。同点に成功するとその後も逆転のチャンスはあったが決められず、セットプレーからの2失点を喫してしまった。それでも終了間際の後半アディショナルタイム、暑さと中3日の厳しい日程で足も止まりかけるが諦めず攻撃し続けると、L.ドミンゲスの移籍初ゴールで同点に成功。下位争いをするチーム同士の対戦としては勝ち点3を持ち帰りたかった試合だったが、それでも最低限となる勝ち点1を分け合う結果となった。


試合終了後記者会見

140723-nis.jpgこのコンディションで90分プラスアルファというゲームでしたが、両チームとも最後まで良く戦いました。本当に見応えのあるゲームだったと思います。決着は付きませんでしたが、両チームが健闘したゲームでした。我々は相手を追う形となったのですが、なかなかスコア上で相手を上回ることが出来ませんでした。逆転出来るかなというシーンもあったのですが、後半のリスタート(セットプレー)での2失点は残念に思います。システム、選手を変更した事を選手達も理解しながら戦っていただけに、止まったボールに対応できなかったことへの悔いは残っています。

全体的には予想していたほど相手からのプレスを受けず、試合開始からボールを保持した戦いが出来ていました。その展開で得点が取れないという流れが今のチームにはあります。悪かった前半では決して無かったのですが、後半は思い切ってフレッシュな状態の選手を入れ、システムも積極的に、オフェンシブな形へと変更し戦いました。選手達はしっかりと理解していましたし、後半に関しては主導権が取れていました。最終的にはスコア通りのゲームです。最初の失点も後半の失点も、自分達の対応の悪さから簡単に与えてしまいました。それでも、厳しいコンディションのなかで両チームが良いゲームを見せてくれたと思います。

Q.L.ドミンゲス選手が2試合目でゴールを決めましたが、西野監督が求めるレベルまでは、あとどのくらい必要でしょうか?

現時点で彼にこれ以上の要求は必要ありません。ここまでの短い時間の中で、本当に毎日、チームに融合しようと努力しています。もっと彼自身のイマジネーションを、高いところでチームで共有させたいという思いはあります。彼は技術が高く、戦術面でも多くのバリエーションを持っています。しかしながら、周りの選手との呼吸がワンテンポ合わないだけで、彼のプレーは生きなくなってしまいます。それを引き出させてあげたいと思っていますが、前線の選手と彼の感覚的な共通理解はまだ足りていません。これから時間をかければ彼自身も生き、他の選手を生かすことも出来ますが、一朝一夕に完成するとも思っていません。現時点では、想定よりも早くチームのためにプレーしていますし、これ以上現時点で要求するつもりはありません。

Q.セットプレーからの失点については、闘莉王選手の不在を感じたのでしょうか?

それほど強くは感じていません。3人のディフェンダーがなんとかしなければいけないと言う気持ちで戦っていました。キャプテンがいない状況で、名古屋へ帰ってから何を言われるかはわかりませんが(笑)、その状況でセットプレーでのラインコントロール自体はミスだったとは思っていません。闘莉王がいない状況で3失点を決して褒める事は出来ませんが、それでも充分戦ってくれました。今日もいろいろな経験を積めたと思います。3人でしっかりと戦えていた時間もありましたし、その感覚を掴めたのではないでしょうか。

Q.後半からシステムを変更しましたが、今後の戦いでスタートから4バックを採用する可能性もあるのでしょうか?

システムを変えた事に違和感を持つチームではありません。スムーズに移行できる部分は出来ています。初めて挑戦するシステムを突然やらせたわけではありませんし、精度の問題は別として、色々な状況で柔軟に対応できるレベルはあります。選手達は理解した上で迷い無く戦えていました。スコアを含めた状況の中で変更する事は、今後も考えたいと思います。前節でも闘莉王を前線へと上げましたが、私はピッチへ強いメッセージを送りたいと思っています。それがシステムであったり、選手間のポジショニングであったり、1つの方向性を持った中で考えれば、選手もそれに応えてくれると思います。