2014シーズン試合結果

第94回天皇杯全日本サッカー選手権大会2回戦:名古屋グランパスvsトヨタ蹴球団

最終更新日時 2014/07/13 12:20

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名古屋市瑞穂陸上競技場 7/12(土) 15:00キックオフ

試合前

台風一過、30度を超える真夏日にみまわれた名古屋市瑞穂陸上競技場。第94回天皇杯2回戦は、グランパスにとって戦い慣れた瑞穂で、トヨタ蹴球団(愛知県代表)との対戦となる。

「元旦国立」が合い言葉のように競われる伝統の大会だが、今年からは決勝が12月13日(土)に変更となり、その決勝の舞台をめざしJ1J2全クラブ、そして各都道府県代表チームがプロアマの垣根を越えて戦う。

6月の中断期に新しくL.ドミンゲスが加わり飛騨古川でのキャンプ、さらにクラブハウスのあるトヨタスポーツセンターで7月19日(土)に再開されるリーグ戦へ向けて準備をすすめるグランパス。リーグ戦再開まで1週間にせまった今日の試合、L.ドミンゲスはまだグランパスでの選手登録が行なわれないため出場できないが、怪我から調整中の楢崎、中村、玉田を除きリーグ戦再開を見据えたほぼレギュラーメンバーでの戦いとなる。

14時を過ぎ少し雲が出て日差しは遮られたが、それでもまだまだ暑いピッチにグランパスの選手達がウォーミングアップのため姿を現す。久しぶりの試合を待ちわびたサポーターから激励を受けると、直前にスプリンクラーで散水が行なわれたピッチへと散らばりボール回しなどで体をほぐしているようだ。

昨年は2回戦で敗退してしまった天皇杯。毎年アマチュアがプロを破る「ジャイアントキリング」と言われる波乱が起こる同大会だが、2年連続での2回戦敗退は許されない。

前半

今日の名古屋、ゴールキーパーは高木。牟田、闘莉王、本多の3バック、矢野、ダニルソン、田口、佐藤、矢田の5人が中盤を構成し永井、小川の2トップによる3-5-2のシステムでのスタートが予想される。

前半、メインスタンドから向かって左にエンドを取った赤のユニフォーム・名古屋に対しトヨタ・ボールでキックオフ。

1分、名古屋陣内右からトヨタボールのスローイン、ペナルティエリア手前のトヨタ・鈴木へボールが渡るがダニルソンと交錯、ここは名古屋ボールのフリーキックとなる。

2分、トヨタ陣内中央でハイボールを競り合った永井が押されフリーキックを得る。このリスタート、田口からペナルティエリア内左へのボールを牟田が頭で折り返すが、このボールは中央でクリアされる。

3分、トヨタペナルティエリア内左の牟田が折り返したボール、これを右の小川が右足ボレーで狙うが、このシュートは枠の左へと外れる。

4分、センターサークルの田口から左の佐藤へ、ここからトヨタペナルティエリア方向へ低く狙ったボールは相手ディフェンスにクリアされる。

5分、永井の右足のシュートが相手ディフェンスに当たり得た名古屋・右からのコーナーキック。田口からのボールが逆サイドへ抜け牟田が折り返し、さらに闘莉王が足先で救い上げたボールは相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。

6分、名古屋・左からのコーナーキック。田口からのボール、相手ディフェンスのクリアをダニルソンが頭で狙うが、山なりのボールはトヨタ・北川が直接キャッチ。

7分、トヨタ・増田から縦へのボールは闘莉王が見送り高木が抑える。

8分、矢野からのアーリークロスを小川がペナルティエリア内でトラップしコントロールするが、相手ディフェンスに囲まれシュートへは持ち込めずボールはクリアされる。

9分、トヨタ陣内左高い位置でボールを受けた永井が中へのドリブルを仕掛けるが、ここは相手ディフェンスにカットされてしまう。

11分、名古屋陣内でボールを奪ったトヨタ。ペナルティエリア手前右でボールを受けたトヨタ・奥村のシュートはディフェンスに当たり高木が抑える。

12分、センターサークル内の田口からのボールを右サイドに開いた矢野が受けるが、僅かにタッチラインを割ってしまう。

13分、トヨタ陣内中央の田口から縦への浮き球に矢田が抜け出そうとするが、ボールは先に相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。

14分、名古屋・右からのコーナーキック、田口からのボールはゴール前を抜け逆サイドで拾った永井が右足でクロス、これを闘莉王が頭で狙うが、このシュートは枠の左へと外れてしまう。

15分、ハーフライン付近の田口から相手ディフェンスライン間を抜ける永井を狙ったボールがカットされカウンターを受けるが、トヨタ・片山のシュートは高木が正面で抑える。

16分、右に開いた矢田から大きく外を上がった矢野へ、ここからのクロスは中央で相手エィフェンスにクリアされる。

【得点】
17分、小川からの浮き球に抜け出した永井が相手キーパーを背負いながらボールをコントロール、そのまま反転し左足でのシュートを転がして決め名古屋が先制ゴールを奪った。

19分、トヨタ陣内へ入った闘莉王から右の小川へ、ここで相手選手と小川が交錯すると小川のファールの判定となる。

20分、トヨタ・ペナルティエリア手前で小川の落としを受けた田口のミドルシュートは相手ディフェンスに当たりクリアされる。

【得点】
21分、トヨタ陣内まで攻撃に上がった闘莉王がペナルティエリア左でボールを受けると右足へ持ち替え中央へ折り返し、これを永井がダイレクトで合わせ2点目となるゴールを決めた。

【得点】
22分、トヨタ・ペナルティエリア右で矢野からのボールを受けた小川が中央へグラウンダーのクロス。中央の矢田のシュートはキックミスとなるが、左でそのボールを拾った永井が右足で豪快に蹴り込み、この試合早くもハットトリックとなるゴールを決めた。

24分、トヨタ陣内中央右のダニルソンから隣の田口へ、これをダイレクトで右前方へ走る矢田へと狙うが、このボールはクリアされてしまう。

25分、センターサークル内でダニルソンとトヨタ・渡辺が交錯、ここはダニルソンのファールとなるが、そのままトヨタ・渡辺がピッチへと倒れ込んだため試合が一旦止められる。

27分、トヨタ・ボールでのリスタート、中央から右へと振り一気に名古屋ゴール前を狙ったロングボールはエリア内で前へと出た高木が直接抑える。

28分、自陣左へ下がったダニルソンから前線の永井を狙うが、ここはオフサイドの判定。

29分、名古屋陣内中央でダニルソンのディフェンスを交わしたトヨタ・鈴木からペナルティエリア方向へのボールは牟田がクリアする。

30分、右サイドを突破したダニルソンからグラウンダーのボール、これをペナルティエリア左の佐藤が狙うが、このシュートは相手ディフェンスに当たり枠を外れる。

【得点】
31分、名古屋・右からのコーナーキック。田口からのボールを中央の闘莉王が高いヘディングで叩き付けゴールネットを揺らし4点差とした。

33分、名古屋陣内左ハーフライン付近で相手と交錯した佐藤に対し、プレーが切れたところでイエローカードが提示された。

34分、闘莉王から右のダニルソンへ、さらに中の小川がダブルタッチでディフェンスを交わし矢田、前へと流れるようにボールを繋ぐが、ここは相手ディフェンスにクリアされてしまう。

36分、トヨタ・奥村が左からドリブル突破を狙うが、ディフェンスに戻った田口が相手のコースを切り蹴り出したボールは直接ゴールラインを割る。

37分、右サイドで小川からのボールを受けた矢野がそのままカットインしてペナルティエリアへ、ここで相手ディフェンスと交錯するがファールの判定は無くボールはクリアされる。

38分、センターサークル付近でダニルソンが倒され得たフリーキック、これを細かく繋ぎ右の矢野からトヨタ・ペナルティエリア手前の永井、さらにダイレクトで右を上がる小川の前へと狙うが、このボールは直接ゴールラインを割ってしまう。

39分、右サイドを上がった矢野からのクロスをペナルティエリア内ファーサイドの永井がヘディングで合わせるが、このシュートは枠の右へと外れる。

41分、トヨタ・ペナルティエリア右で矢野からのボールを受けた小川のクロスを田口が右足ボレーで狙う。上手くヒットできず浮いたボールは相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。

【得点】
42分、名古屋・右からのコーナーキック。田口からのボールをニアサイドのダニルソンが頭で合わし、このボールは一旦相手キーパーに弾かれるがこぼれ球を永井が押し込み5点差とした。

【得点】
45分、トヨタ陣内右でボールを受けた矢田からのクロス。高いボールでトヨタ・北川が触れず裏へ抜けたボールを佐藤が頭で押し込み6点目となるゴールを決めた。

(アディショナルタイム表示:2分)
アディショナルタイム2、センターサークル付近からトヨタボールのフリーキックでのリスタート。ディフェンスラインで繋ぎ右のトヨタ・奥村へと繋がれるが、ここは佐藤がタッチラインへとクリア。ここからスローインのリスタートで中へとボールを入れられたところで前半終了。

社会人・東海リーグのトヨタ蹴球団が相手ということもあり前半から6点の大量リードに成功した名古屋。時折流れるようなパスによる攻撃も見られたが、後半もゴールはもちろん、来週からのリーグ戦再開に向け内容を追求した戦いを続けたい。

後半

エンドを替えた後半、名古屋ボールでキックオフ。

1分、トヨタ陣内左で佐藤がドリブルを仕掛け倒されるがノーファール、ボールを奪われてしまうが素早く寄せた田口がボールを奪い返す。

2分、矢野からのクロスはトヨタ・北川が直接キャッチ。

3分、左サイドのトヨタ・鈴木の前を狙ったボールは矢野がタッチラインへとクリア。

4分、トヨタ陣内中央の田口から縦へのボールを矢田が追うが、ここは相手ディフェンスにコースを抑えられボールは直接ゴールラインを割る。

5分、トヨタ・ペナルティエリア右でドリブルを狙った永井が倒されフリーキックを得る。

6分、ここからのフリーキック、田口からトリックプレーのようにペナルティエリア手前中央の小川へと渡し右足で狙うが、このシュートはクロスバーを越えてしまう。

9分、トヨタ・ペナルティエリア手前でボールを受けた小川がターンしエリア内へ走る永井の前へと狙うが、このボールはトヨタ・北川にキャッチされてしまう。

10分、名古屋陣内左でボールを奪ったトヨタ・鈴木のシュートが味方に当たりエリア内でこぼれるが、ここは本多が足先でクリアする。

11分、名古屋陣内中央のトヨタ・増田から右前方を狙ったボールは直接ゴールラインを割る。

12分、矢田とのワンツーで右サイドを上がった矢野からグランダーでのボールに永井が詰めるが、先にトヨタ・北川にキャッチされてしまう。

14分、名古屋ペナルティエリア手前左でボールを受けたトヨタ・鈴木からのクロスは本多がヘディングでクリア。

15分、名古屋ペナルティエリア手前でボールを受けたトヨタ・渡辺のシュートはディフェンスに当たり枠を外れる。トヨタ・右からのコーナーキックをファーサイドで合わせられるが、これは相手選手が抑えたとされファールの判定、ノーゴールとなる。

16分、トヨタ・ペナルティエリア内左でボールを受けた矢田が強引に左足で狙うが、このシュートは枠を外れる。

17分、名古屋1、2人目交代:小川、矢野→松田、田鍋

18分、トヨタ・ペナルティエリア左でフェイントで前へとボールを運んだ佐藤のクロスをファーサイドの田鍋が頭で折り返すが、このボールは直接ゴールラインを割る。

20分、左サイドでダニルソンからのボールを受けた佐藤のワンフェイント入れてからのクロスは相手ディフェンスにスライディングでゴールラインへとクリアされる。

21分、トヨタ1人目交代:片山→田村
名古屋・左からのコーナーキック、田口からのボールをニアサイドのダニルソンが頭で合わせるがこのシュートはゴールライン付近でクリア、さらに闘莉王が押し込もうとするが、このボールもゴールラインギリギリでクリアされる。

【得点】
22分、左の佐藤からのクロスをトヨタ・ペナルティエリア内右の闘莉王がトラップ、完全にボールをコントロールし相手ディフェンスのプレスを交わすと、中央への折り返しをフリーの永井が蹴り込み7点目となるゴールを決めた。

【得点】
23分、左サイド高い位置でボールを受けた佐藤から低く速いクロス、これを中央の矢田がスルーするとペナルティエリア内右の松田が足下へ止めるトラップ後右足で蹴り込み8点差とした。

24分、トヨタ2人目交代:小池→蓮尾

【得点】
25分、田鍋が右サイドから中へとドリブル、ペナルティエリア内の松田へと通すとその松田が縦へと短いドリブルでディフェンスを引きつけ切り返すと中央のフリーの矢田へ。これを矢田が蹴り込み9点目となるゴールを決めた。

28分、名古屋3人目交代:永井→磯村
ここで西野監督は磯村を中盤へ入れるとダニルソンを3バックの真ん中へ、そして闘莉王を前線へと上げ、再開後のリーグ戦、得点を追う状況を想定したスクランブルのテストへと移ったようだ。

30分、トヨタ・蓮尾の間へと狙ったボールはスピードのあるダニルソンが軽くカバーに入りクリアする。

【得点】
32分、左サイドに開いた矢田からのクロスがトヨタ・ゴール前を抜けるが逆サイドで拾った田鍋が再びクロス、中央の闘莉王が足先で触りこぼれたボールに走り込んだ佐藤の左足のシュートが相手に当たり方向が変わると、これに相手キーパーが反応しきれずゴールラインを越え10点目となるゴールを決めた。

33分、トヨタ・ペナルティエリア手前左でボールを受けた松田が小さく右へと反らし右足で強烈なシュートを狙うが、このボールは相手ディフェンスに当たりゴールラインを割る。

34分、トヨタ3人目交代:杉山→中田
名古屋・左からのコーナーキック。田口からのボールをニアサイドの闘莉王が背面でのヘディングで逸らすが、このボールは枠を外れる。

35分、ハーフライン付近で佐藤のパスカットからフォローの松田、再度左の佐藤へと返し中へのクロスにニアサイドへ飛び込んだ田口が足裏で合わせるが、このシュートは枠の左へと外れる。

37分、左サイドを上がった佐藤からのクロス、ペナルティエリア外へのこぼれたボールを矢田がエリア内右の闘莉王へ再び繋ぐが、闘莉王のシュートは力が無く、トヨタ・北川の正面でキャッチされてしまう。

38分、矢田からのボールを左サイド高い位置で受けた佐藤のクロスをペナルティエリア中央の松田が頭で狙うが、このシュートはトヨタ・北川の正面を突き一旦弾きながらキャッチされてしまう。

40分、トヨタ陣内左の闘莉王からペナルティエリア内へ入る松田の前を狙うが、このボールはコースが合わずトヨタ・北川が直接抑える。

41分、田鍋からのクロスが流れ逆サイドで拾った佐藤のシュートは相手ディフェンスに弾かれてしまう。

43分、トヨタ・ペナルティエリア左、コーナーフラッグ付近から名古屋ボールのフリーキック。田口から戻したボールを佐藤が左足で狙うが、弧を描くシュートも僅かに隅を外れてしまう。

44分、トヨタ陣内中央の闘莉王からのスルーパスに左を抜け出した田口の左足のシュートはトヨタ・北川に弾かれゴールラインを割る。

45分、ディフェンスライン中央でダニルソンがトヨタ・奥村にボールを奪われ危ないシーンをむかえるが、一瞬でもどったダニルソンがボールを奪い返す。

(アディショナルタイム表示:5分)
【得点】
アディショナルタイム1、右サイドでドリブルを仕掛けた田鍋が縦へと抜け中央へクロス。これをファーサイドの闘莉王がヘディングで叩き付けると、このシュートは左ポストに嫌われるがこぼれ球を松田が押し込み11点目となるゴールを決めた。

アディショナルタイム3、トヨタ・ペナルティエリア左の松田を狙ったボールは相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。

【得点】
アディショナルタイム4、名古屋・左からのコーナーキック。田口からのボールは中央でクリアされるが、これを右で拾った矢田が再びクロス。ファーサイドゴールライン際でのボールを牟田がヘディングで折り返し田鍋がこれをヘディングで押し込み12点目を決めた。

アディショナルタイム5、トヨタ左サイドから前線へのボールはエリア外へ出た高木がクリア、これをディフェンスラインで繋いだところで試合終了。

高温、多湿のデイゲーム。コンディション的には非常に厳しく後半は運動量も落ちた両チームだったが、それでも再開後のリーグ戦でレギュラー定着を狙う左サイドの佐藤や、途中出場の松田らがゴールネットを揺らし続け、終わってみれば12-0という大差での勝利、8月に行なわれる3回戦への進出を決めた。


試合終了後記者会見

140712-nis.jpg今日は力の差を見せつけなければいけないゲームでしたので、スタートから全員でチャレンジし、ボールが動けば全員で連動してリアクションしていく気持ちで試合に臨みました。ただ、前半15分と後半20分くらいまでは、なかなかリズムに乗れませんでした。今日の試合は、全員が"狙い"に対して、どのように実践していくかが重要だったのですが、そういう中で少し合わない部分も見られました。もっともっと精度を上げて戦わなければいけないところは多分にあったと思います。

とにかく今は、変えたことでやれていること、そして変えてからやり始めたことをストレートに実践していくことが大事だと思います。それにあたってのメンバーチェンジもJを見据えてというわけではありませんが、今日の試合で闘莉王を最終的に前線に上げたりだとかは、今オフェンシブなところで圧力が掛けられないことを加味した上でのトライでした。

こういうコンディションですから、さらに力関係の差が出やすい状況だったと思います。ただ90分間、ペースを落とすことなく全員が戦い抜いたことは評価出来る事だと思っています。

Q.新たにシステムを変えて臨まれた試合となりましたが、手応えはいかがでしたか?

手応えは現段階では分かりませんね。まだそれなりのレベルのチームと戦っていませんし、なかなか見極めが難しい部分もあります。そういう中でも無失点でずっとキャンプ中から戦えていることは評価したいと思います。前半戦で失点が多く見られましたので、全体的にディフェンスを強調している部分もあります。ここまで失点の3分の1はサイドからの攻撃からやられているということもあり、その対応のための変化もさせたつもりです。

ただ、重心が後ろに掛かるのはいけないことだと思っています。まず基本的な3バックという形を全員で理解した上で、守る時間帯は、例え5-4-1だろうが5-5-0であっても、全員でスペースを消しながら守らなければなりません。

もちろん、現実を見た上でシフトさせたつもりです。ただ、あくまでもそれは攻撃のための形と言うことを理解して欲しいと思います。最初から5バックというわけではなく、まずは3バックの形で両ワイドが高い位置で仕事をして、最終ラインも押し上げていくわけです。Jの試合の中でさらに繰り返しやっていくことで3バックへのシフトの"意味"が見えてくると思っています。

Q.終盤、闘莉王選手を前線に上げて、最終ラインにダニルソン選手が入り、ボランチの位置に磯村選手が入った訳ですが、この形は今後も使えるような手応えは感じましたか?

これまで闘莉王を上げるシーンで、磯村をあそこに置いたり、トライはしていました。今日の場合は、完全にオフェンシブな戦いが出来ると思っていたので、ダニルソンの展開力よりは磯村の展開力を使いたかった部分もありましたし、ダニルソンを最終ラインに置いたらどうなるのかなという部分もありました。

評価については何とも言えませんね。ダニルソンは言葉の問題もあり、なかなかコーチングが的確に出来るタイプではありませんので。あの部分は闘莉王ほどとは言いませんが、ポジショニングを全体に伝えていくことが必要となる場所なので、あそこから色々な発信をしていかなければなりません。そういうこともあって、他の選手がその役割を担うことは難しい部分もあるでしょう。

ただ、スクランブルな状況で、『中盤の展開力が欲しい』、さらに『前線に圧力を掛けたい』という事があれば、今後もそういった起用は考えられると思います。