2014シーズン試合結果

2014Jリーグヤマザキナビスコカップ第7節:浦和レッズvs名古屋グランパス

最終更新日時 2014/06/02 11:27

AWAY GAME

埼玉スタジアム2002 6/1(日) 15:04キックオフ

試合前

突然の猛暑に見舞われた日本列島。2014Jリーグヤマザキナビスコカップ、グループステージ最終節はアウェイで浦和レッズとの対戦となる。

前節、ホームでの柏レイソル戦に勝利し勝ち点10の3位へと浮上したグランパス。同勝ち点ながら得失点差で上回るヴァンフォーレ甲府がすでに6試合を消化したため、引き分け以上でグループステージ突破のチャンスがある。しかしながら勝ち点8で4位の柏レイソルも今日は、ここまで勝ち星の無い徳島との対戦となるため、そこで柏が勝利する可能性を考えれば、グループステージ突破のために今日は勝利が必須と考えた方が良さそうだ。

正午を過ぎすでに気温は30度超えと、試合を行なうには少し厳しいコンディションが予想されるなか、ゴールキーパー陣に続きフィールドプレイヤーがウォーミングアップのためピッチへと姿を現した。1000人程度のグランパスサポーターもグループステージ突破のための最終戦に気合いが入っているようだ。

カード累積のため出場と停止となった闘莉王の位置には高い身体能力を有する本多が入り、同大会・甲府戦以来、佐藤が2度目の先発メンバーに名を連ねる。今シーズン、矢田をはじめ徐々に出場機会を増やす若手選手の中で、佐藤にとっても今日の試合でのアピールは重要だが、試合前の表情を見る限り気負った様子は無く、淡々と試合に向けた準備を進めているようだ。

前半

今日の名古屋、ゴールキーパーは楢崎。ディフェンスラインは右から矢野、牟田、本多、佐藤の4人。矢田、ダニルソン、田口、小川の4人が中盤を構成し玉田、永井の2トップによる4-4-2のシステムでのスタートが予想される。

前半、メインスタンドから向かって右にエンドを取った白のユニフォーム・名古屋ボールでキックオフ。

1分、自陣で本多から牟田へボールを落とすが牟田が転倒、そのままボールを浦和・李に奪われシュートまで持ち込まれるが、このボールはクロスバーを越える。

2分、浦和ペナルティエリア手前で佐藤がヘディング、ペナルティエリア内でのボール小川、永井と繋ぐがシュートへは持ち込めずクリアされる。

3分、左からの低いクロスを名古屋ペナルティエリア内中央の浦和・李に合わせられるが、このシュートは楢崎が弾きクリア。

5分、右に開いた浦和・平川へのサイドチェンジ、トラップが大きく流れたボールは牟田がスライディングでタッチラインへとクリアする。

6分、浦和・那須から前へのボールは本多が胸で落とし佐藤から前へと繋ぐが小川が倒されフリーキックを得る。

7分、名古屋ペナルティエリア手前左の浦和・原口からエリア内へのボールは本多がクリアする。

9分、名古屋ペナルティエリア手前左から浦和ボールのフリーキック、浦和・槙野が右足で直接狙う強烈なシュートが枠を捉えるが、左へ飛んだ楢崎が弾きクリアする。

10分、自陣左でボールを切り返した佐藤と浦和・柏木が交錯、名古屋ボールのフリーキックとなる。

11分、浦和ペナルティエリア手前の田口から永井、田口、玉田とダイレクトで繋ぎ後ろから走り込む矢田へアウトサイドで狙うが、このボールは相手ディフェンスにカットされてしまう。

13分、右サイドをから中へと持ち込んだ矢野から縦へのパス、これをペナルティエリア内右で受けた小川の角度のない位置から右足のシュートはクロスバーを越える。

14分、自陣センターサークル付近でルーズボールを狙った田口が浦和・李に後ろからスライディングで倒されフリーキックを得る。

16分、浦和・槙野が一気に名古屋陣内まで持ち上がるとペナルティエリア手前右の浦和・柏木へ、ここからのシュートは楢崎が正面で抑える。

【失点】
18分、名古屋ペナルティエリア内右の浦和・李から左の原口へ、ダイレクトの折り返しに走り込んだ浦和・柏木に倒れながら左足でのシュートを決められ先制ゴールを許してしまう。

19分、浦和・梅崎が左サイド高い位置でボールを受けるが、矢野が密着しボールは浦和・梅崎に当たりゴールラインを割る。

21分、自陣からカウンターのボールに浦和・李が右へ開くが、このボールは牟田がタッチラインへとクリアする。

22分、浦和・平川からのクロスは佐藤がヘディングでクリアする。

【得点】
23分、センターサークル付近でのパスカットを浦和陣内で受けた玉田が縦へとドリブル、右をオーバーラップした矢野へと送り中央へ折り返し。玉田が足先で触ったボールを最後永井が押し込み同点に成功した。

25分、玉田と縦へのワンツーでボールを受けた田口がペナルティエリア手前から右足で狙うが、このシュートは相手ディフェンスに当たり浦和・加藤がキャッチ。

26分、自陣右で矢野が浦和・原口を倒しフリーキックを与える。

27分、名古屋ペナルティエリア左から浦和ボールのフリーキック、名古屋ゴール前へのボールは前へ出た楢崎が右手の先でクリアする。

28分、名古屋ペナルティエリア内中央で左からのボールを受けた浦和・原口のシュートは楢崎が好セーブを見せクリアする。

29分、自陣でパスカットしたダニルソンが縦へとドリブル、これを止めた体で浦和・柏木に対しイエローカードが提示される。

30分、浦和陣内左で浦和・柏木のドリブルを佐藤が体を入れて止めてしまい、このプレーで佐藤に対しイエローカードが提示される。

31分、浦和・原口のドリブルを牟田がカット、そのまま永井へ預けカウンターを仕掛けるが、ペナルティエリア手前左で受けた小川の右への切り返しは相手ディフェンスにカットされてしまう。

34分、左サイドを上がった佐藤からのアーリークロス、これをペナルティエリア内右の永井が胸で前へと落とし右足で狙うが、このシュートは浦和・加藤に弾かれてしまう。

35分、浦和ペナルティエリア手前で永井がボール奪取、相手ディフェンスの間から走り込む玉田を狙うが、このボールは短くなってしまいクリアされる。

36分、浦和・柏木からのクロスは中央の牟田がヘディングでクリア。

37分、名古屋ペナルティエリア手前でボールを受けた浦和・原口のミドルシュートはクロスバーを越える。

39分、浦和陣内左でダニルソンがボールを受けるが、ここは相手ディフェンスと接触、ボールはクリアされる。

【失点】
40分、名古屋ペナルティエリア右でボールを受けた浦和・原口からグラウンダーのボールを中央に走り込んだ浦和・李にダイレクトで合わせられ再びリードを許してしまう。

42分、本多からの縦パスを矢田が浦和ディフェンスライン裏へ抜け追うが、ボールは直接ゴールラインを割る。

44分、名古屋ペナルティエリア手前右で味方の落としに走り込んだ浦和・森脇のシュートは枠の右へと外れる。
(アディショナルタイム表示:1分)

アディショナルタイム1、浦和・原口が左サイドからドリブル突破を狙うが、矢野がマーク、前へと蹴りだしたボールはゴールラインを割る。

アディショナルタイム2、名古屋ペナルティエリア左へのボールを浦和・原口が追うが、先の追いついた本多がボールを奪う。

そしてここで前半終了。

先制されながら1度追いついた名古屋だったが、再びリードを許しての折り返し。
過密日程での連戦最終戦、30度を超す暑さもあり厳しいコンディションでの試合となっているが後半、再び同点、そしてグループステージ突破を決める逆転ゴールを奪いたい。

後半

エンドを替えた後半、浦和ボールでキックオフ。
名古屋1人目交代:玉田→松田

1分、浦和・槙野が左サイド高い位置でボールを受けるが、これはオフサイドの判定。

2分、左サイドを上がった佐藤からのクロスは浦和ペナルティエリア内ファーサイドでクリアされる。

4分、浦和ペナルティエリア内でのこぼれ球を松田が狙うが、このシュートは浦和・加藤に弾かれてしまう。

6分、右サイド高い位置でボールを受けた矢野がドリブルを仕掛けコーナーキックを得る。名古屋・右からのコーナーキック。田口が右足で上げたボールは中央でクリアされる。

7分、クリアボールを拾った名古屋が再び右の田口へ、ここからのクロスをファーサイドの牟田が頭で出会わせるが、このシュートは枠の左へと外れる。

8分、自陣センターサークル付近の矢田から左へ開く小川への大きな展開を狙うが、ここはオフサイドの判定となってしまう。

9分、左サイドで佐藤の仕掛けから小川、ここからのシュートにファーサイドへ走り込んだ松田がジャンピングボレー。しかしこのシュートはクロスバーを叩き跳ね返りを狙った永井のヘディングもクロスバーを越えてしまう。

11分、浦和ペナルティエリア付近で松田のディフェンスからこぼれたボールに小川が追いつくとマイナス方向へ田口へと戻すが、足下深くにボールが入りシュートへは持ち込めずクリアされてしまう。

12分、浦和1人目交代:平川→関根

13分、名古屋ペナルティエリア右でボールを受けた浦和・李からの折り返しはファーサイドで松田がクリア。

14分、名古屋ペナルティエリア手前左でダニルソンのハンドからフリーキックを与えてしまう。

【失点】
15分、名古屋ペナルティエリア手前左よりから浦和ボールのフリーキック。浦和・原口が右足で直接狙ったシュートは楢崎が左へ飛び弾くが、こぼれ球を浦和・槙野に押し込まれ2点差とされてしまう。

17分、ハーフライン付近で浦和・李とボールを競った牟田が引っかけられフリーキックを得る。

18分、名古屋ペナルティエリア内右でボールを受けた浦和・柏木からのクロスは牟田がゴールラインへとクリア。

19分、浦和2人目交代:原口→山田
浦和・左からのコーナーキック、名古屋ペナルティエリア内でのこぼれ球は本多がクリアする。

20分、右からマイナス方向へのボールに走り込んだ浦和・山田のシュートは楢崎が弾きクロスバーを越える。

21分、浦和・右からのコーナーキックは矢野が逆サイドゴールラインへとクリア。浦和・左からのコーナーキック、ファーサイドでのこぼれ球を浦和・阿部に右足で狙われるが、このシュートはクロスバーを越える。

22分、名古屋2人目交代:小川→枝村

24分、名古屋ペナルティエリア左へ走り込んだ浦和・梅崎の前へのボールは直接ゴールラインを割る。

25分、浦和3人目交代:柏木→関口

26分、浦和ペナルティエリア右でボールを受けた矢田からのクロスに枝村が体ごと飛び込むが僅かに届かず、ボールは浦和・加藤がキャッチ。

【得点】
27分、浦和ペナルティエリア手前で右の矢田から足下へのパスを受けた松田が反転し右足でシュート。これがゴール左下隅に決まり1点差とした。

28分、名古屋ペナルティエリア手前で枝村が浦和・李のドリブルを止めフリーキックを与えてしまう。

29分、名古屋ペナルティエリア手前右寄りから浦和ボールのフリーキック、浦和・槙野が右足で狙ったボールは壁に当たりクリアする。

30分、浦和ペナルティエリア右で粘った矢野からのクロスは浦和・加藤に直接キャッチされてしまう。

【失点】
31分、左からのクロスに名古屋ペナルティエリア内右から中央へと走り込んだ浦和・李にヘディングでのゴールを許してしまい再び2点差とされてしまう。

32分、名古屋3人目交代:佐藤→田鍋

33分、名古屋ペナルティエリア手前左でボールを受けた浦和・関口の右足のシュートは枠の右へと大きく外れる。

34分、浦和陣内右寄りでボールを受けた田鍋の右足でのミドルシュートは枠の左へと外れる。

35分、浦和ペナルティエリア内右で枝村からのボールを受けた永井のシュートはクロスバーに嫌われてしまう。

37分、右からのクロスを名古屋ペナルティエリア内中央の浦和・梅崎にヘディングで合わせられるが、このシュートは枠の左へと外れる。

38分、牟田から縦へのボールを永井がペナルティエリア右で受けるが、このボールは相手ディフェンスにタッチラインへとクリアされる。

39分、浦和・関根が右からドリブル突破を狙うが、ダニルソンが体を入れてボールを奪いクリアする。

41分、浦和陣内中央で田口のディフェンスからこぼれ球を拾った永井がペナルティエリア付近まで持ち上がるが、切り返しを狙ったところでボールはクリアされる。

42分、中央を上がった浦和・槙野から名古屋ペナルティエリア内へ縦へのボールを狙われるが、これはエリア内で受けた浦和・山田がオフサイドの判定となる。

【失点】
43分、名古屋陣内左タッチライン際で浦和・関口が粘り矢野を交わすとそのまま中へとドリブル、右足でのシュートをニアサイドへ決められ3点差とされてしまう。

44分、田口からのパスに右サイドを一気に上がった田鍋からのクロスはファーサイドでクリアされてしまう。

45分、浦和陣内右で永井が浦和・槙野に倒されフリーキックを得る。
(アディショナルタイム表示:4分)

アディショナルタイム1、浦和陣内右からのフリーキック、田口から浦和ゴール前へのボールは浦和・加藤にパンチングでクリアされる。

アディショナルタイム2、センターサークル付近で本多が倒されフリーキックを得る。矢田の素早いリスタートから左の本多へ、ここからのクロスに永井が飛び込むがここはオフサイドの判定となってしまう。

アディショナルタイム3、浦和ペナルティエリア左で松田がパスを受けるが、ここはタッチラインへとクリアされる。

アディショナルタイム4、浦和・関口が左から名古屋ペナルティエリア内へドリブルを仕掛けるが、ここは矢野がカット、ここからのクリアボールを浦和・槙野が拾ったところで試合終了。

後半に入ってからは名古屋ペースの展開、チャンスの数でも上回ったが、それでも確実にチャンスを決めた浦和に計5ゴールを許しての敗戦。最終節での逆転通過を狙った2014ヤマザキナビスコカップだったが、前節破った柏レイソルにも最終的に上回られ4位での敗退となった。


試合終了後記者会見

140601-nis.jpg最終節まで勝ち上がりのチャンスがある状況で多少の抵抗は出来ましたが、各局面でのクオリティの違いを感じました。最終的には総合的な力の差を見せつけられたゲームでした。

今シーズン序盤から最終ラインが揃わない状況が続き、今日の試合でも動かさざるを得ない状況となりました。一朝一夕でフィット感が出るとはもちろん考えていませんでしたが、それ以上に安定したディフェンス力を構築できませんでした。流れの中では後半の立ち上がりからチャンスがありましたし、展開によってはという部分もありました。中断前最後のゲームで、シーズン序盤から取り組んでいたチームが見えてきましたし、これをふまえ中断明けからリスタートしたいと思います。

Q.闘莉王選手の出場停止による影響を最も感じた部分があればお聞かせください。

彼がいたらどうだったのかということは考えますが、やはりチームですしどの選手が出場してもチーム力が落ちてはいけません。ナビスコカップ初戦以来となる闘莉王がいない状況で、様々な戦況に応じてチームを統率したり、全体の流れを感じ取ってリードする選手が必要です。しかしながら今日のディフェンスラインではやはり、各選手が自分のプレーに精一杯であり全体をリードして戦う事は出来ませんでした。その点について、闘莉王のいない状況を痛感しました。

Q.「チームが見えてきた」と話されましたが、世代交代も含め、西野監督の理想とする方向へ進んでいるのでしょうか?

現在の名古屋のチーム上体を把握してきたという意味で話しました。自分のチーム作りについてはやれている部分もありますが、はたしてそれは今後ステップアップのため順調に進むと考えても良いのだろうか、あるいは違うことを考え直さなければいけないのだろうかという思いもあります。1人1人のプレースタイルやグループでのパフォーマンスも確認出来ていますが、はたして自分が持っていきたい方向へ今後進めるべきなのかという考えもあり、とにかく現状のチーム上体を理解しているという意味で、先の事を話しました。

Q.ダニルソン選手がナビスコカップでの起用が増えていますが?

彼の中盤でのボールポゼッション、ボールの動かし方という面ではスムーズではありませんでしたし、中盤のメンバーが揃っている状況では、彼の起用を外していました。しかし、中盤がボールを持てるだけではなく、そこからカウンターを受ける守備面での弱さもありました。中村が怪我で離脱した理由もあるのですが、ダニルソンには局面での強さがあります。リーグ戦で起用しなかった時期は、ちょうどチームがポゼッションサッカーを実現しはじめている時期でした。彼の位置でそのボールが止まるような印象を感じていましたので中村を起用したのですが、ここに来て、彼のディフェス力が必要となりました。出来るだけ、攻撃へのビルドアップではシンプルにプレーするよう指示し、ダブルボランチというよりは今日のように中盤の底、アンカーのポジションへ入れた方が彼の仕事がはっきりします。攻撃面での評価と守備面での評価で彼を使い分けました。