2014シーズン試合結果
試合前
好天に恵まれた豊田スタジアム。2014Jリーグヤマザキナビスコカップ第5節はホームで徳島ヴォルティスとの対戦となる。
水曜日に行なわれた第4節、アウェイでの大宮アルディージャ戦に快勝し3試合を終え勝ち点4の5位に浮上したグループステージ。上位2チームが勝ち上がる決勝トーナメント進出のためには今日と来週水曜日に瑞穂で行なわれる柏レイソル戦、このホームの2試合は絶対に勝たなければいけない。
今日の対戦相手は今シーズン、四国のクラブとしては初のJ1昇格を果たした徳島ヴォルティス。グランパスユースからトップチームに所属した青山、津田、花井の3人も今日のスターティングメンバーに名を連ね、グランパスサポーターとしては3選手の徳島での活躍を願いながらも、今日だけは絶対に活躍させてはならないと、複雑な気持ちなのではないだろうか。
ピッチ上での散水、チアリーディングイベントも終わり緊張感が漂いはじめたスタジアムに午後2時30分、ゴールキーパー陣に続きフィールドプレイヤーがウォーミングアップのため姿を現す。
今日の名古屋、前節大宮戦同様にリーグ戦からほぼ変わらないレギュラーメンバーに、枝村に代り前節出場停止だった小川が加わる顔ぶれとなっている。対戦相手となる徳島は今シーズンここまで、初のJ1リーグ、及びナビスコカップで結果を出せず苦しんでいるが、「毎試合が決勝戦のつもり、100%の力で押し切らないとしっかり戦えない相手」と西野監督が話す通り、テスト的な意味合いを持つ選手起用は見られず、決勝トーナメント進出のための必勝態勢が感じられる。
来週も水曜日にホーム、そして週末にはアウェイ浦和と過密スケジュールでの連戦が続くが、少しでも疲労を残さないためには、勝利という結果でチームとしての良い流れ、上昇気流を作り出したい。
前半
今日の名古屋、ゴールキーパーは楢崎。ディフェンスラインは右から矢野、牟田、闘莉王、本多の4人。小川、ダニルソン、田口、矢田の4人が中盤を構成し玉田、永井の2トップによる4-4-2のシステムでのスタートが予想される。
前半、メインスタンドから向かって左にエンドを取った名古屋に対し徳島ボールでキックオフ。
1分、牟田からのクリアボールを右の永井が追うが、ここは先に徳島・那須川にクリアされる。
2分、徳島ペナルティエリア手前でボールを受けたダニルソンが左足で低い弾道のシュートを狙うが、このボールは徳島・川浪が左へ倒れながらキャッチ。
3分、徳島ペナルティエリア手前で田口から楔のボールを受けた小川が前へと持ち替え左足で狙うが、このシュートはクロスバーを越える。
4分、右サイドハーフライン付近の田口から右前方へ流れる玉田の前へ浮き球を狙うが、このボールは徳島・青山に先にクリアされる。
6分、左サイドハーフライン付近で徳島・キムが後ろからのボールを受けるが、牟田が密着、タッチラインへと押し出す。
8分、自陣右ハーフライン付近で矢野が顔を押さえ倒れたため、ここは徳島・花井が一旦ボールを外へと出し試合を止める。
9分、このリスタートは牟田が徳島・川浪へボールを返す。
10分、センターサークル付近でボールを受けた徳島・キムとダニルソンが接触、これはダニルソンのファールを取られる。
11分、徳島・李が右サイドを一気に上がるが、その前へのボールは追いついた本多がゴールラインへとクリア。徳島・右からのコーナーキック変則的に低く中へ狙ったボールは闘莉王がクリア。
12分、闘莉王のクリアボールを拾ったダニルソンが一気に徳島陣内まで持ち上がると玉田、田口と繋ぎ再び左のダニルソンへ。ここで右足へ切り替え中へのクロスを狙うが、このボールは徳島ゴール前を抜け逆サイドゴールラインを割る。
13分、牟田のクリアが相手に当たりそのまま名古屋ペナルティエリア手前の徳島・キムへ。ここから左足で狙われるが、このシュートはディフェンスに当たり右へと外れる。
14分、徳島・右からのコーナーキックは中央の矢野がヘディングでクリア。ここからセンターサークル付近の永井へと繋ぎカウンターを仕掛ける名古屋。ペナルティエリア手前で田口から右の小川へ、ここからのシュートは徳島・川浪に弾かれゴールラインを割る。
15分、名古屋・右からのコーナーキック。ショートで繋ぎ田口からのクロスをファーサイドから走り込んだ闘莉王がヘディングで合わせるが、このシュートは枠の左へと外れる。
16分、矢田が左サイドで仕掛けるが、ここは相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。
17分、名古屋・左からのコーナーキック。田口からのボールは中央でクリアされるが、これをなんとか繋ぎペナルティエリア手前のダニルソンが拾うと左足でのシュートを狙うが、このボールはクロスバーを越える。
18分、名古屋陣内右高い位置で粘った徳島・花井がペナルティエリア内へ仕掛けるが、ここは本多がゴールラインへとボールをクリア。
19分、徳島・右からのコーナーキックはニアサイドの闘莉王が触りダニルソンがクリア。ハーフライン付近左でボールを受けた玉田が中央方向へドリブル、徳島ペナルティエリア内左へ斜めに入る矢田へと繋ぎ中への折り返しを狙うが、このボールは徳島ゴール前を抜け逆サイドでクリアされる。
21分、左に開いた徳島・キムの前へのボールは牟田がスライディングでタッチラインへとクリア。
22分、右サイドハーフライン付近で少しルーズになったボールに飛び込んだ小川の腹部に徳島・木下の足が入り名古屋ボールのフリーキックとなる。
23分、徳島ペナルティエリア左から縦へと抜けた本多のグラウンダーのクロスは徳島・川浪が直接抑える。
24分、名古屋陣内右タッチライン際でボールを受けた徳島・李から名古屋ゴール前へのボールは楢崎が直接抑える。
【失点】
26分、右からトップスピードで名古屋ペナルティエリア内へ走り込んだ津田のシュートは楢崎がクリア。しかしこれを再び右へ繋ぎゴール前へと上げられると、名古屋ゴール前ファーサイドでフリーの徳島・キムに頭で合わせられ先制ゴールを許してしまう。
【得点】
28分、徳島ペナルティエリア手前で玉田、田口、永井、矢田と繋ぎペナルティエリア内へのボールに抜けた玉田が左足で小さく浮かせたシュートを決め、失点直後に同点とした。
30分、徳島・左からのコーナーキックはファーサイドへ出た楢崎がパンチングでクリアする。
31分、小川からのボールに左サイドをオーバーラップした本多のゴールライン付近から中への折り返しは相手ディフェンスにクリアされる。
34分、徳島陣内中央を上がった闘莉王から小川への楔のボール、これを小川がダイレクトで矢田へと繋ぐがシュートへは持ち込めず。粘った名古屋がペナルティエリア内まで入った闘莉王が落としエリア手前の小川が左足で狙うが、このシュートはクロスバーを越える。
35分、本多からのパスに左を抜けた小川から中の永井へ、相手ディフェンスに当たりボールが一旦こぼれ、これを再び永井が拾い繋ぐがシュートへは持ち込めずボールはクリアされてしまう。
38分、左サイドの本多からペナルティエリア付近の矢田へ低く速い楔のボール、これを矢田がダイレクトで落とし走り込んだ小川が右足で狙うが、このシュートは枠の左へと外れる。
40分、徳島ディフェンスから前線へのクリアボールは牟田が徳島・キムをマーク、裏へこぼれたボールはカバーの闘莉王が拾う。
42分、自陣右で小川のパスカットから中央の玉田、左の本多と持ち上がり中央へと戻すが、上がった闘莉王と矢田が重なりボールが落ち着かず相手ディフェンスにクリアされてしまう。
43分、徳島陣内左の田口から右への大きなボールをペナルティエリア内右の矢野が頭で折り返すが、相手ディフェンスを抑えてしまいファールの判定となる。
44分、右からのボールに牟田と体を重ねながらペナルティエリア内で粘った徳島・キムのシュートはクロスバーを越える。
45分、右からドリブルで上がった徳島・木暮の蹴りだしたボールを闘莉王が奪取。そのまま飛び込み接触した徳島・木暮に対しイエローカードが提示される。
（アディショナルタイム表示：1分）
アディショナルタイム1、徳島陣内左の本多からサポートの玉田、永井と繋ぐがボールは相手ディフェンスに当たりタッチラインを割る。このスローインを繋ぎ矢田から左の本多の前を狙うが、このボールはタイミングが合わずタッチラインを割る。
ここで前半終了。
試合開始からボールポゼッション、シュート数ともに大きく上回った名古屋だが枠を捉えられないと、ワンチャンスから徳島に先制ゴールを許してしまった。その後すぐに玉田のゴールで追いついたが、シュート数の割には消化不良感も否めなかった前半。連戦の疲労もあるだろうが、後半、攻撃の精度を高め逆転ゴールを決めたい。
後半
エンドを替えた後半、名古屋ボールでキックオフ。
名古屋1人目交代：矢野→田鍋
徳島1人目交代：那須川→ソン
1分、徳島陣内左の闘莉王の縦への仕掛けは徳島・津田にタッチラインへとクリアされる。
【得点】
2分、右サイドを縦に突破した田鍋のクロスを徳島ペナルティエリア内中央の小川が倒れながらヘディングで合わせ逆転に成功した。
3分、右サイド高い位置で田鍋が縦へのドリブルを仕掛けるが、ここは徳島・ソンにスライディングで止められてしまう。
4分、中央を上がった闘莉王からペナルティエリア左の玉田へ、ここから闘莉王への折り返しは相手ディフェンスがカット、こぼれ球を田口が右足で狙うが、このシュートは相手ディフェンスに当たりタッチラインを割る。
5分、名古屋陣内中央左寄りの徳島・廣瀬から縦へのボールは楢崎が直接抑える。
7分、自陣からのボールを徳島・キムが闘莉王の裏で受けるが、カバーの牟田が奪い一旦楢崎へと戻し前線へクリアする。
8分、徳島・津田が名古屋ディンフェスライン左裏でボールを受けるが、ここはオフサイドの判定。
9分、本多からのボールを受けた永井が左コーナーフラッグ付近でキープするが相手ディフェンス2人に囲まれ、ボールは最後永井に当たりタッチラインを割る。
10分、徳島ペナルティエリア手前で田口からのボールを永井が頭で落とし走り込んだ矢田が足先で触るが、シュートまでは持ち込めずボールはクリアされる。
12分、徳島ペナルティエリア手前右寄りの位置で田鍋からの楔を受ける永井が後ろから倒されフリーキックを得る。
13分、徳島ゴール正面左寄り30m強の位置から名古屋ボールのフリーキック。これを玉田が小さくそらしダニルソンが左足で狙うが、このシュートは相手ディフェンスに当たりクリアされる。
14分、田鍋が右サイドから縦へと仕掛け中へのクロスを狙うが、このボールは徳島・ソンにタッチラインへとクリアされる。
15分、徳島陣内中央の田口がヒールで落としたボール。これを受けた玉田が短いドリブルから左足で狙うが、このシュートはクロスバーを越える。
16分、徳島ペナルティエリア手前で矢田が倒れるが、右へこぼれたボールを拾った田鍋が縦へと仕掛ける。しかしここは相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。
17分、名古屋・右からのコーナーキック。田口が右足で上げたボールは徳島・川浪がキャッチ。
19分、徳島・キムが右からドリブルを仕掛けるがダニルソンが体を前へと入れ相手のファールを誘う。
名古屋2人目交代：玉田→松田
20分、センターサークル付近で徳島・キムからボール奪取を狙った田口が相手を倒してしまいファールの判定となる。
21分、矢田からのパスに右サイドを上がった田鍋のクロスは相手ディフェンスに当たり逆サイドタッチラインを割る。
23分、徳島ペナルティエリア手前左の闘莉王から中へのボールを永井が反転して落とすが、味方へは繋がらずボールはクリアされる。
24分、徳島2人目交代：津田→藤原
25分、自陣右で田口が徳島・廣瀬のドリブルを止めファールの判定。
26分、ここからのフリーキックを徳島・花井が右足で狙うが、このシュートは枠の左へと外れる。
27分、左サイド高い位置で田口がボール奪取、中の小川から落としたボールに走り込んだ矢田の左足のシュートは相手ディフェンスに当たりクリアされる。
28分、自陣中央でボールを拾った小川と徳島・花井が交錯、名古屋ボールのフリーキックとなる。
30分、左サイド高い位置で縦へと仕掛けた矢田から中へのクロスは相手ディフェンスにクリアされる。
31分、ダニルソンからの縦パスを受けた永井が一気に縦へと加速、徳島ペナルティエリア内左で相手ディフェンスも振り切り左足でのシュートを放つが、このボールはわずかに枠の右へと外れる。
徳島3人目交代：花井→斉藤
32分、名古屋ペナルティエリア手前で本多を取りボールを受けた徳島・小暮の左足のシュートはクロスバーを越える。
33分、名古屋3人目交代：永井→枝村
34分、右サイドで縦へと仕掛けた田鍋のクロスは中央で相手ディフェンスにクリアされる。
35分、徳島ペナルティエリア内左で縦へと仕掛けた小川の中への折り返しは相手ディフェンスにタッチラインへとクリアされる。
36分、徳島ペナルティエリア左で小川が倒され得たフリーキック。田口が低く速く入れたボールにニアサイドへ走り込んだ闘莉王がヒールで向きを変えるが、このボールは相手ディフェンスに当たりクリアされる。
37分、右サイド高い位置でボールを受けた田鍋が縦へとしかけコーナーキックを得る。
38分、名古屋・右からのコーナーキック。田口が右足で上げたボールはニアサイドで相手ディフェンスにクリアされる。
39分、闘莉王の楔を受けた小川から左の矢田、ここからグラウンダーのクロスを中央の松田が後ろ向きで足先で触るが味方へは通せずボールはクリアされてしまう。
41分、名古屋陣内左深い位置で本多が徳島・小暮を倒しフリーキックを与える。
42分、徳島・右コーナーフラッグ付近からのフリーキック、中央へのボールはゴールラインを割る。
43分、枝村からのボールを右で受けた田鍋が縦へと仕掛けるが、ここは相手ディフェンスにしっかりとマークされそのままゴールラインを割ってしまう。
44分、徳島陣内センターサークル付近で小川が引っかけられ得たフリーキックは、右足で細かく繋ぎ時間を使う。
（アディショナルタイム表示：3分）
アディショナルタイム1、センターサークル中央の田口から縦の松田を狙った低いボールは相手ディフェンスにクリアされる。
アディショナルタイム2、徳島ペナルティエリア内左の小川から田口へ、ゴールライン付近から中への折り返しは相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。
アディショナルタイム3、名古屋・左からのコーナーキック。田口の右足からのボールをファーサイドへ回り込んだ闘莉王が頭で落とすが、このシュートは力が無く徳島・川浪にキャッチされてしまう。
アディショナルタイム4、自陣右ハーフライン付近でハイボールを競り合った闘莉王が押されファールの判定。
そしてここで前半終了。
後半開始からスピードのある田鍋を今シーズン本来起用していた右サイドバックへと投入した西野監督。すると後半開始2分、その田鍋の期待に応える突破から小川がヘディングで逆転に成功した名古屋。その後も右の田鍋、左サイド高い位置では矢田が何度も縦へと仕掛けチャンスを作り出したが追加点は奪えず。シュート数など考えればまだまだ物足りなさも感じられるが、それでも今シーズン勝てないと言われていた豊田スタジアムで公式戦初勝利。グループステージ突破のために必須の勝ち点3を獲得した。
試合終了後記者会見
ようやく豊田スタジアムで勝つことが出来て、今日来て頂いたサポーターの方々が、気持ち良く帰路についてくれると思うと非常に嬉しい限りです。今日は連戦の中で、お互いにパワーの入りにくく、なかなか持続出来ないゲーム展開となりましたが、それぞれが力を出し切るタフなゲームだったと思います。質を求めていくには厳しい時期ですが、そういう中でも両チームが力を出し切っていました。
これでまた決勝トーナメント進出に向けて可能性を残したまま、来週を迎えることになります。再び僅かな準備期間となりますが、コンディショニングやフィジカルの回復を行って、よりベストに近い状態で、ホームでの戦いにチャレンジしていきたいと思います。
ハーフタイムには、矢野選手に代えて田鍋選手を投入していきましたが、その判断については、元々ゲームプランの中にあったのでしょうか？田鍋選手の評価も含めて教えて下さい。
矢野を連戦の中で酷使し過ぎているという部分もありますし、彼自身毎試合120％のハードワークでやってくれています。前半に少しアクシデントがあったこともあり、制限を加えようと考えました。
アドバンテージを貰っている中で、田鍋をスイッチしていくことは最高のプランの中の一つでしたが、想定していた以上に、矢野の疲労度というのを強く感じましたし、拮抗したゲーム展開となり、よりオフェンシブに行かなければいけない状態でした。そのため、元々田鍋の起用は考えていましたが、当初の想定プランよりも少し早い段階でスイッチする形となりました。それでも、「最初のワンプレーをアグレッシブに入れ。」という指示に対して、あのような形で期待に応えてくれました。
玉田に関しても、もっと早い段階でスイッチ出来ればと思いましたが、少し引っ張りすぎた部分もありました。もちろん若い選手を残せば良いという訳ではありませんが、本多や田口のにも疲労度は見られました。
選手達に疲労が溜まっている今、今後のプランも難しくなってきそうですが？
大きなケガがなければ良いとは思いますが、戦力は限られています。このような状況だからこそ、フィジカル的な部分を組織で補うための戦術的な共通理解を持って戦う必要があると思います。あとはしっかり最大限にスタミナを使って、ボールをいかに有効に使うかが重要になってくると思います。