2013シーズン試合結果

2013J1リーグ第34節:アルビレックス新潟vs名古屋グランパス

最終更新日時 2013/12/08 10:22

AWAY GAME

東北電力ビッグスワンスタジアム 12/7(土) 15:34キックオフ

試合前

真冬の寒気に覆われ、厳しい寒さの新潟県新潟市。2013J1最終節はアウェイでアルビレックス新潟との対戦となる。

前節、ホームでの最終戦をヴァンフォーレ甲府と引き分け、連勝が3で止まったグランパス。今シーズン限りでチームを退団するストイコビッチ監督、田中隼磨、阿部翔平ら選手・スタッフにとって、いよいよグランパスのユニフォームを着て戦う試合も今日の一戦のみとなった。ストイコビッチ監督就任初年には最終節まで優勝を争い3位、初のACLを戦った2009年、そして初のリーグ優勝を果たした2010年と、ファミリーとして戦ってきたチームにとっても来年は大きな変革な年となりそうだ。しかし、今のチームで最後まで共に戦おうと、遠く新潟までも1000人を超えるグランパスサポーターが駆けつけている。

午後3時、ゴールキーパー陣に続きフィールドプレイヤーがウォーミングアップのためピッチへと姿を現すと、アウェイサポーター席には見慣れたビッグフラッグやゲートフラッグ、退団する選手へのメッセージが記されたフラッグなどが掲げられ、大きな歓声で迎え入れられた。

今日の対戦相手・新潟は第33節を終え、勝ち点52での7位。22得点でランキング2位のFW川又を中心に攻撃陣が好調で、賞金圏内でのシーズン終了を狙っている。対する名古屋はフォワードの玉田、ケネディ、ディフェンスではダニエルと出場停止の闘莉王が抜けた苦しい布陣での戦いとなる。特にビッグスワンでの対戦は苦手とし簡単な相手では無いが、それでもこの6年間の集大成として、そしてチームを去る全ての人を気持ち良く送り出すためにも、気持ちのこもった試合で勝ち点3を持って帰りたい。

前半

新潟ホーム最終戦を彩る地元専門学生1500人によるパフォーマンスで、オレンジに染まったビッグスワンに22人の選手が姿を現す。

今日の名古屋、ゴールキーパーは楢崎。ディフェンスラインは右から田中(隼)、牟田、増川、阿部の4人。小川、田口、磯村、藤本の4人が中盤を構成し、永井、田中(輝)の2トップによる4-4-2のシステムでのスタートが予想される。

前半、メインスタンドから向かって右にエンドを取った白のユニフォーム名古屋に対し、新潟ボールでキックオフ。

1分、左サイドを上がった新潟・岡本からのクロスを中央の新潟・川又にヘディングで合わせられるが、このシュートは枠の左へと外れる。
2分、左ハーフライン上の阿部から永井の前を狙った低いボールは、前へ出た新潟・東口にキャッチされる。
3分、右サイドを上がった新潟・三門からのアーリークロスはペナルティエリア内の牟田に当たり、楢崎が抑える。
4分、自陣右で名古屋ボールのスローイン。田中(隼)からのボールを田中(輝)がヘディングで前へと狙うが、このボールは直接タッチラインを割ってしまう。
6分、新潟陣内中央で田中(輝)が落としたボール、これを田口がダイレクトで右を上がる田中(隼)の前へと狙うが、ここは新潟・金にクリアされる。
8分、左から名古屋ペナルティエリア内へ入った新潟・レオシルバの右足のシュートは楢崎が抑える。
9分、ハーフライン付近で増川に当たり転がったボールを新潟・田中(達)が前へと狙うが、コースを抑えた阿部が引っ張られ、名古屋ボールのフリーキックとなる。
10分、左サイド高い位置でフェイントで抜いた田中(輝)からのグラウンダーのクロス。永井がニアサイドで飛び込むが、ボールは相手ディフェンスに当たりゴールラインを割る。
11分、名古屋・左からのコーナーキック。ショートで繋ぎ、小川からのボールは逆サイドの増川を超え、ゴールラインを割る。
12分、名古屋ペナルティエリア手前でボールを受けた新潟・岡本のミドルシュートはクロスバーを超える。
14分、センターサークル内で新潟・レオシルバを小川が引っ掛け、フリーキックを与える。
15分、名古屋ペナルティエリア手間左で磯村が新潟・田中(達)を倒し、フリーキックを与える。名古屋ゴール左30m強の位置から新潟ボールのフリーキック。新潟・田中(亜)が直接狙ったボールはディフェンスの壁に当たり跳ね返す。

開始からここまでボールポゼッション、チャンスともに互角の展開。ケネディの高さが無い今日の名古屋だが、前線のスピードと足下のテクニックが揃う中盤で試合を作りたい。

16分、新潟陣内左タッチライン際で永井、小川、永井と縦へのワンツーを狙うが、リターンボールが永井の背面に入り直接タッチラインを割る。
17分、名古屋ペナルティエリア内へ左から進入した新潟・金のシュートは増川がスライディングでブロック、これをクリアする。
18分、右から名古屋ペナルティエリア内へ進入した新潟・田中(亜)。切り返してのシュートは楢崎が枠の外へと弾き出す。
19分、新潟・右からのコーナーキックは中央の田中(輝)がヘディングでクリア。こぼれ球を拾った新潟・金のミドルシュートはクロスバーを超える。
21分、名古屋陣内右でボールを持った新潟・レオシルバの強引なシュートはそのまま逆サイドへと流れる。
23分、新潟陣内中央の田口が左足でミドルシュート。これが相手ディフェンスに当たり、浮いたボールを小川が中央の田中(輝)へ落とす。しかし、歩幅がずれて合わせられず、ボールは新潟・東口に先に抑えられてしまう。
25分、右からのクロスを名古屋ペナルティエリア内左ゴールライン際の新潟・岡本に折り返されるが、このボールは阿部がタッチラインへとクリア。
26分、名古屋陣内左でボールを奪った新潟・岡本からのショートカウンター。ペナルティエリア方向へのボールは牟田がタッチルラインへとクリア。
28分、新潟陣内右の藤本からペナルティエリア内の永井へ。これを永井がヒールで落とし、走り込んだ田中(隼)の左足のシュートは新潟・東口が弾く。再び田中(隼)が難しい体勢で狙うが、このシュートはクロスバーを超える。
29分、阿部からのパスに左サイドを突破した永井から田中(輝)へのグラウンダー。このボールが相手ディフェンスに当たり、ゴール方向へと向きを変えるが、左ポストに当たりクリアされる。

お互いに何度もチャンスを作りながら決められず無得点。アウェイの名古屋としては苦手のビッグスワンで先制ゴールを奪いたい。

31分、左サイドハーフライン付近から永井が新潟・レオシルバと競りながら突破を狙うが、2度目の切り返しで倒され、ボールはクリアされる。
32分、新潟陣内右で藤本が相手ディフェンスからのボールをカット。縦へのドリブルでコーナーキックを得る。
33分、名古屋・右からのコーナーキック。藤本が左足で上げたボールはニアサイドで相手ディフェンスにクリアされる。
35分、新潟陣内中央でルーズとなったボールに走り込んだ小川が新潟・成岡にスライディングで倒される。このプレーで新潟・成岡にイエローカードが提示される。
36分、新潟ゴール正面右寄り32m程度の位置から名古屋ボールのフリーキック。藤本が左足で直接狙ったシュートは新潟・東口に一旦弾かれながらキャッチされる。
37分、名古屋ペナルティエリア手前右の新潟・田中(亜)からシュート気味の中へのボールは牟田が見送り、逆サイドゴールラインを割る。
38分、新潟陣内の田中(隼)から縦へのボールをペナルティエリア内右で受けた永井。走り込む田中(隼)へヒールで狙うが、このボールは先に相手ディフェンスにクリアされる。
40分、センターサークル付近の磯村からのボールを受けた藤本。右サイドを上がる田中(隼)の前へダイレクトで狙うが、ボールは新潟・金にクリアされる。
42分、名古屋ペナルティエリア手前の新潟・岡本から縦へ楔のボールは増川が交わし、楢崎が抑える。
43分、新潟陣内中央で磯村へのワンツーがカットされ、一気に左を上がる新潟・川又へと狙われるが、ここは戻りながら牟田がヘディングでクリア。
45分、センターサークル内の磯村から左サイドを上がった増川の前を狙うが、このボールは直接ゴールラインを割る。
(ロスタイム表示:1分)

ロスタイム1、名古屋陣内左でスローインのボールを受けた新潟・金を藤本が倒し、フリーキックを与える。
ロスタイム2、名古屋ペナルティエリア左から新潟ボールのフリーキック。名古屋ゴール前へのボールは田口がヘディングでクリア。これを再びペナルティエリア内へと狙われるが、増川がヘディングでクリア。

ここで前半終了。

前半、お互いに何度か大きなチャンスを作りながらもスコアレスでの折り返し。高さの無い今日の名古屋だが、中盤から前での工夫からチャンスも作り出せており、後半、先にゴールを奪いたい。

後半

エンドを替えた後半、名古屋ボールでキックオフ。

1分、阿部から永井の前へロングボールを狙うが、ここは前へ出た新潟・東口にキャッチされてしまう。
3分、センターサークル付近で新潟・田中(達)がボールを受けるが、ここは田中(隼)がファールで止める。
4分、新潟陣内中央で藤本が新潟・東口のクリアボールを拾うが、縦へのドリブルはペナルティエリア付近で止められ、ボールはクリアされる。
5分、名古屋陣内右で中央のレオシルバとワンツーを狙った新潟・三門へのリターンボールは直接タッチラインを割る。
6分、名古屋ペナルティエリア手前でボールを拾った新潟・岡本の右足でのミドルシュートはディフェンスに当たり、枠を外れる。新潟・左からのコーナーキックは田中(輝)がクリア。こぼれ球を新潟・成岡に狙われるが、このシュートはクロスバーに当たり枠を外れる。
9分、左サイドをドリブルで上がった新潟・金のグラウンダーのクロスは、牟田がタッチラインへとクリア。
10分、新潟ペナルティエリア内左を突破した永井。マイナス方向への折り返しは新潟・東口が直接抑える。
11分、名古屋陣内センターサークル付近でボールを受けた新潟・川又のドリブルからさらに左を上がる新潟・金へ。ゴールライン付近から中へと折り返されるが、ここは先にボールがゴールラインを割る。
14分、新潟ペナルティエリア内左で粘った永井からの折り返しに藤本が飛び込むが、下と深くに入ったボールのシュートはクロスバーを超える。

15分、名古屋1人目交代:藤本→田鍋

後半に入っても互角の両チーム。先制を狙う名古屋はスピードのある田鍋を投入。先に動きを見せてきた。

16分、左サイドハーフライン付近から新潟ボールのスローイン。前線の新潟・川又を狙ったボールは増川が付いて動かせず、楢崎へ戻しクリア。
18分、新潟・金の左からのクロスは田鍋がゴールラインへとクリア。
19分、新潟・左からのコーナーキック。ファーサイドで選手が重なり、こぼれたボールを新潟・岡本に狙われるが、このシュートは楢崎が弾きクリア。ここから前線右の永井へ繋ぎ、さらに左を抜け出す田中(輝)へとパスを通すが、ここはオフサイドの判定となってしまう。

【失点】
20分、名古屋ペナルティエリア方向への楔のボールに阿部が飛び込むが、こぼれ球を拾った新潟・川又にペナルティエリア外から左足で右隅への先制ゴールを決められてしまう。

21分、新潟1人目交代:田中(達)→鈴木
名古屋2人目交代:田中(輝)→矢野

23分、ハーフライン上左で相手選手と交錯し永井が倒れたため、一旦プレーが止められるが、その場で立ち上がりプレーは続けられるようだ。
26分、阿部からの縦パスに矢野が左へ流れながら相手ディフェンスと競り合うが、互いに交錯し、矢野のファールを取られてしまう。

27分、名古屋3人目交代:磯村→ダニルソン

28分、新潟陣内右のダニルソンから左足へ持ち替えてのクロスは相手ディフェンスにクリアされる。
30分、右からのクロスを名古屋ペナルティエリア内左で新潟・川又が受けるが、田中(隼)がしっかりと付き、左足でのシュートはゴールラインへとクリア。

アウェイ・ビッグスワンで先制ゴールを許した名古屋。すかさずストイコビッチ監督は古巣との対戦となる矢野をピッチへと投入。同点、そして逆転ゴールを狙う。

31分、新潟・左からのコーナーキックを中央の新潟・川又にヘディングで合わせられるが、このシュートは枠の左へと外れる。
32分、左サイドを上がった増川が中へと入ったところで新潟・レオシルバと交錯し倒れる。その後、相手を倒してしまい、このプレーで増川にイエローカードが提示される。
34分、新潟陣内中央の小川からペナルティエリア内右へ流れる矢野へ。ここからのシュートが枠を捉えるが、新潟・東口にクリアされる。
37分、センターサークル付近でボールを拾った新潟・川又。そのまま持ち上がり、左足でのミドルシュートを狙うが、このボールはクロスバーを超える。

【失点】
38分、新潟陣内中央でダニルソンがボールを奪われると、そのまま2対3の状況で中央の新潟・田中(亜)からエリア内左の川又へ。そのリターンを新潟・田中(亜)に決められ、アウェイで2点差とされるゴールを許してしまう。

41分、新潟ペナルティエリア手前でボールを受けた増川の左足のシュートは枠の右へと外れる。
42分、自陣センターサークル付近の田口が左へ流れる小川をおとりに右の田鍋へと狙うが、このボールは相手ディフェンスに当たりクリアされる。

43分、新潟2人目交代:成岡→本間

44分、左からのボールを新潟・鈴木にペナルティエリア内中央で受けられるが、ディフェンス2人で囲んでシュートは打たせずボールをクリア。
(ロスタイム表示:4分)

ロスタイム1、新潟3人目交代:三門→内田

ロスタイム3、名古屋ペナルティエリア内左でボールを受けた新潟・田中(亜)からの折り返しはゴール前を抜け、逆サイドでクリア。
ロスタイム4、名古屋ペナルティエリア手前中央の新潟・鈴木の左足のシュートはクロスバーを超える。
ロスタイム5、名古屋陣内右で新潟・鈴木のドリブルをダニルソンが止め、フリーキックを与える。細かく繋ぐ新潟ボールを奪った名古屋。左の阿部からセンターサークルの小川へ繋ぐが、縦へのドリブルを止められてしまう。

そして、ここで試合終了。

2013年Jリーグ最終節、アウェイの新潟へ乗り込んだ名古屋だったが、何度からチャンスを作りながらも最後までゴールネットを揺らせず、逆に2失点。既に今シーズン限りでの退団が発表されているストイコビッチ監督、田中(隼)、阿部にとって最後のグランパスの試合だったが、勝利で飾ることができず、2013年J1リーグは最終的に勝ち点47の11位という不本意な結果で終えることとなってしまった。


試合終了後記者会見

131207mr.jpgまずアルビレックス新潟におめでとうと言いたいと思います。後半は勝利に値する試合をしていました。

今日の試合ですが、今シーズンのグランパスを象徴していました。良い時もあれば悪い時もある、波のあるゲームが今シーズン数多くありましたが、今日のゲームがそのシーズンを象徴していました。

Q.今日は若い選手を多く起用しましたが、試合の評価をお聞かせください。

今日はチャンスも多くありました。藤本から永井、そして田中輝希にもチャンスがありました。そのチャンスを決めなければ、アウェイでは勝つことができません。それがサッカーのルールです。今日はある程度ボールをコントロールできていました。2軍に近いメンバーだったかもしれませんが、これが今年のグランパスを象徴したゲームだったと思います。新潟の川又選手は1度のチャンスでゴールを決めました。彼は本当のストライカーです。

Q.今シーズン、安定した戦いができなかった要因はどこにあったとお考えでしょうか?

ひと言ではまとめられませんが、シーズンを通し安定した戦いができていませんでした。どこがウィークポイントだったか絞る事はできませんが、例えば今日のダニルソンのプレーを見ても、プロとして受け入れられないプレーがありました。

今シーズンは攻撃面、得点力が足りませんでした。これは攻撃に関わる全ての人の責任です。

Q.これでストイコビッチ監督として名古屋での6年が終わりましたが?

まず明日、選手に「さようなら」の言葉を伝えます。その後スタッフと夕食を取り、そして私の新しい人生がはじまります。 私を応援してくれた日本の全ての方にお礼を言いたいと思います。本当に素晴らしい経験をさせてもらいましたし、またいつか必ず日本へ戻ってくると思っています。本当に心の底からみなさまに感謝しています。どのゲームも一緒に戦い、そして結果を祝いました。これをみなさまと一緒に100回以上共にできましたし、素晴らしい記憶でいっぱいです。

それから、メディアのみなさまにも感謝しています。選手達は、今日もあきらめない気持ちを見せてくれましたが、この6年で培った「Never Give Up」の精神をこれからも受け継いで欲しいと思います。

Q.昨日発表されたスターティングメンバーから実際は若い2人が入れ替わり加わりましたが、グランパスの未来を見据えてのメンバーだったのでしょうか?

田口と磯村は若い選手ですが、グランパスの将来を担う重要な選手です。ダニルソンは実は昨日電車に乗り遅れるという事がありました。また中村についても状態が完全では無いという事で今日の2人を起用しましたが冷静で技術も高く、クオリティのある選手です。今日もしっかりとプレーしていましたし、これが経験となり今後のグランパスを背負ってくれるのではないでしょうか。この2人を同時に起用した事は良い選択だったと思っています。