2013シーズン試合結果

2013J1リーグ第23節:名古屋グランパスvs大分トリニータ

最終更新日時 2013/08/29 12:43

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名古屋市瑞穂陸上競技場 8/28(水) 19:04キックオフ

試合前

週末の雨で暑さもピークを超し、過ごしやすさも出てきた名古屋市瑞穂陸上競技場。2013J1第23節はホームで大分トリニータとの対戦となる。

土曜日に行われた第22節、カウンターを狙うセレッソ大阪の術中にはまり、先制されながらも矢野の名古屋移籍後リーグ戦初ゴールで追いつき、引き分けたグランパス。しかし、そのセレッソ戦で攻守の要、闘莉王が負傷退場。診断の結果全治1週間と深刻な怪我は逃れたが、それでも中3日で行われる今節、そして中2日で行われる週末のアウェイ鳥栖戦への出場は厳しく、リーグ戦再開後好調をキープするグランパスにとってチーム力を試される時が来た。

平日開催なため午後6時を過ぎてもスタンドには空席が目立つが、それでも「直帰DE瑞穂」キャンペーン効果もあってか、仕事を定時で終えたサポーターが徐々に集まり始めている。そしてキックオフ約30分前にウォーミングアップのため選手がピッチへと姿を現すと、ゴール裏サポーターズシートを中心とした歓声で迎え入れられた。

怪我で欠場の闘莉王の位置にはダニエルが先発する今日の名古屋。セレッソ大阪戦でも試合途中から同ポジションで守備に奮闘したが、今日は90分を通しセンターバックでコンビを組む増川と同様に、守備はもちろん、攻撃の起点としても仕事が期待される。ダニエル自身にとっては久しぶりの先発出場のチャンスだが、気負った表情は見られず、淡々とウォーミングアップを行い、ピッチの感触を確かめているようだ。

前半

午後7時を回り、サポーターズシートはすでに赤いユニフォームを着込んだサポーターで埋め尽くされたスタジアムに、22人の選手が姿を現す。

今日の名古屋、ゴールキーパーは楢崎。ディフェンスラインは右から田中(隼)、ダニエル、増川、阿部の4人。藤本、中村、ダニルソン、小川の4人が中盤を構成し、玉田、そしてオーストラリア代表に選ばれたケネディの2トップによる4-4-2のシステムでのスタートが予想される。

前半、メインスタンドから向かって左にエンドを取った名古屋に対し、大分ボールでキックオフ。

1分、キックオフ早々、大分がロングボールで名古屋の右サイドを狙うが、このボールはダニエルがタッチラインへとクリア。
3分、自陣でパスをカットした大分・ロドリゴが左サイドをドリブル。サポートの大分・松田とワンツーで突破を狙うが、リターンボールは直接タッチラインを割る。
4分、大分陣内中央でケネディが倒され、フリーキックを得る。
5分、大分ゴール正面、30m強の位置から名古屋ボールのフリーキック。これを藤本が左足で直接狙うが、このシュートは枠の右へと外れる。
6分、自陣でのルーズボールを阿部がダイレクトで縦へ。そのまま左サイドの玉田がボールを追うが、ここは大分・土岐田にクリアされる。
7分、自陣で中央でボールを拾ったダニルソンが大分・森島に後ろから引っかけられ、フリーキックを得る。
8分、阿部からの縦パスに左サイドを駆け上がった小川。左足で折り返すが、このクロスは大分ゴール前を通り抜け、逆サイドでクリアされる。
9分、大分陣内右で田中(隼)が相手ディフェンス裏に蹴り出し、突破を狙うが、ボールは大分・安川にクリアされる。
10分、右サイド大分・為田からのクロスをペナルティエリア内の大分・森島が受けるが、ここはオフサイドの判定。
11分、増川からの縦パスを藤本が大分ディフェンスライン裏で落とすが、ここはオフサイドの判定となってしまう。
12分、大分・梶山のペナルティエリア手前からのミドルシュートはディフェンスに当たり、ゴールラインを割る。大分・右からのコーナーキックがゴール前を抜け、逆サイドの大分・安川がボレーで狙うが、このシュートはダニルソンが体に当てクリア。
13分、大分ペナルティエリア手前で藤本がヘディングでボールを流すと、これをエリア内左深い位置で追いついたケネディが中へと折り返す。しかし、このボールは相手ディフェンスにクリアされる。
14分、大分ペナルティエリア右でボールを持った藤本がボールを中へ。ケネディが相手ディフェンスと交錯し倒れるが、その前にケネディのオフサイドが取られる。

試合開始からここまで、序盤はお互いに様子見の静かな展開が続く。

16分、大分陣内中央の玉田の左足からのパスに小川が右を上がるが、ボールは相手ディフェンスにゴールラインへとクリアされる。
17分、名古屋・右からのコーナーキック。小川が右足で上げたボールは大分ゴール前でこぼれ、ダニルソンが拾うが、シュートへは持ち込めずボールはクリアされる。
18分、先のコーナーキックでダニエルが大分ペナルティエリア内に倒れたため、一旦プレーが止められるが、その場で立ち上がりプレーは続けられるようだ。
19分、センターサークルでのボールカットから一気に名古屋ペナルティエリア手前の大分・森島へパスを通されるが、前へと流れたボールはダニエルがスライディングでゴールラインへとクリア。
20分、大分・右からのコーナーキックはニアサイドの小川がヘディングでタッチラインへとクリア。
21分、田中(隼)からのクロスを大分ペナルティエリア内のケネディが左足で丁寧に落とすが、ボールは相手ディフェンスにクリアされる。
22分、左サイド高い位置でボールを拾った阿部からのクロス。ケネディが相手ディフェンス2人と重なりながらヘディングで叩き付けるが、このシュートは枠の右へと外れる。
23分、自陣左の阿部から左サイドを上がる小川の前を狙ったボールは、ペナルティエリア内で前へと出た大分・丹野に直接キャッチされる。
25分、名古屋ペナルティエリア手前でボールを受けた大分・森島のミドルシュートはダニルソンに当たり、その裏で阿部がクリア。
26分、大分陣内で中村から楔のボールを受けたケネディが前へと持ち直し、縦へとスルーパス。藤本が抜け出すが、ここはオフサイドの判定となってしまう。
28分、ダニエルからの楔のボールをペナルティエリア付近の玉田がトラップするが、背面へと浮いたボールは相手ディフェンスにクリアされる。
29分、名古屋ペナルティエリア手前右で小さくボールを蹴り出し、コースを作った大分・梶山のミドルシュートはクロスバーを超える。

しっかりとした守備からカウンターを狙う大分に対し、ここ数試合同様、攻め崩せない展開が続く名古屋。ホームでの試合、前半のうちに何とか打開し、先制ゴールを奪いたい。

31分、増川からのボールを大分陣内右で受ける田中(隼)。相手ディフェンスに体を付けられながら何とかキープするが、ボールはタッチラインへとクリアされる。
32分、阿部からのロングボールが相手ディフェンス裏へ抜け、藤本がエリア内へ走り込むが、前へ出る大分・丹野の上を浮かせたダイレクトでのシュートはクロスバーを超える。
34分、大分ペナルティエリア手前右でボールを受けた玉田からのクロス。ケネディが走り込むが、ボールは相手ディフェンスにヘディングでクリアされる。
36分、右からのボールをペナルティエリア内の大分・松田に頭で触られるが、ボールはディフェンスに当たり枠を外れる。
37分、大分・左からのコーナーキックは中央のダニエルがヘディングでクリア。こぼれ球を拾った大分・梶山のミドルシュートは阿部が体でブロックし、タッチラインへとクリア。
38分、ダニエルのクリアから大分・右コーナーキックはダニルソンがクリア。これを藤本がダイレクトで落とし、ダニルソン自身が大分陣内へと走り込むが、1度ボールを浮かせたところで相手ディフェンスと交錯しファールを取られる。
39分、左サイドの大分・安川からのアーリークロスは阿部がクリア。
40分、大分陣内右の田中(隼)からのボールをペナルティエリア手前のケネディが受け、相手ディフェンスと交錯し倒れるが、ノーファールの判定。ボールは前線へとクリアされる。
41分、名古屋ペナルティエリア内左でのこぼれ球を大分・チェに左足で狙われるが、このシュートはしっかりと打てず、枠の左へと外れる。
43分、楢崎からのゴールキックのボールを大分陣内センターサークル付近で受けるケネディが後ろから押され、フリーキックを得る。
44分、玉田からのボールを大分ペナルティエリア付近で受けた小川。粘ってボールを戻すと、これを受けた藤本が左へずらし左足で狙うが、このシュートは枠の左へと外れる。
45分、名古屋陣内左でスローインからのボールを奪った大分・松田の左足でのシュートは枠の右へと外れる。
(ロスタイム表示:1分)

ロスタイム1、大分陣内右、ハーフライン付近でボールを受けた藤本が倒され、フリーキックを得る。これを左へと繋ぎ、阿部からのクロスをケネディが頭で落とすが、小川へは届かずボールはクリアされる。これを拾った大分・森島が左へ流れながらカウンターとなるドリブルを仕掛けるが、戻ったダニエルがタッチラインへとクリア。

ここで前半終了。

ボールポゼッション率では僅かに上回った名古屋だが、ゴールネットは揺らせず。逆にシュート数では大分に上回られ、広島戦、C大阪戦に続き、相手の出方を伺う神経戦のような戦いが続く。

後半

エンドを替えた後半、名古屋ボールでキックオフ。

1分、大分陣内左タッチライン際、高い位置でボールを受けたケネディが当て、ディフェンスの裏へ抜け、中への折り返しを狙うが、ボールは相手ディフェンスにクリアされる。
2分、左サイドを上がった大分・チェからのクロスは名古屋ゴール前を抜け、逆サイドでタッチラインを割る。
3分、ハーフライン付近でルーズボールを狙ったダニルソンがスライディングで倒され、フリーキックとなる。
4分、大分・チェから名古屋ペナルティエリア内へのパスに大分・森島が抜け出すが、ここはオフサイドの判定。
5分、左サイドハーフライン付近でボールを受けたケネディが大分・土岐田に倒され、フリーキックとなる。
6分、大分ペナルティエリア付近右で藤本が小川とのワンツーから強引にペナルティエリア内へと進入するが、シュートへは持ち込めずボールはクリアされる。
7分、自陣で田中(隼)のボールカットから玉田、センターサークル内でドリブルを倒されるが、ノーファールの判定。そのまま名古屋ゴール前へボールを運ばれると、こぼれ球を大分・木村が右足で狙うが、このシュートはクロスバーを超える。
9分、大分ペナルティエリア手前で右の田中(隼)からのボールを小川、ケネディ、玉田とスルーするが、藤本へ届く前にボールはクリアされる。
10分、田中(隼)から楔のボールを大分ディフェンスラインに並んだケネディが右足で落とすが、ここはオフサイドの判定。
11分、名古屋ペナルティエリア手前でボールを受ける大分・森島をダニエルが後ろから倒し、フリーキックを与える。
12分、名古屋ゴール正面左寄り30m弱の位置から大分ボールのフリーキック。大分・木村が右足で狙ったシュートは壁の選手に当たり、左へとクリア。
15分、大分ペナルティエリア付近で藤本をおとりにボールをキープした小川から阿部へ。これを阿部が大分ゴール前へと上げるが、ここはファーサイドでクリアされる。

後半に入っても攻め手に欠ける名古屋。スペースが限られ、なかなか決定機も作り出せていないが、何とか打開したい。

16分、大分ペナルティエリア左高い位置でボールを受けた玉田からグラウンダーのクロス。小川がニアサイドへトップスピードで走り込むが、ボールに触れる事ができず、大分・丹野にキャッチされる。
18分、大分陣内左高い位置で玉田からのボールを受けた阿部のクロス。玉田、ケネディが相手ディフェンスと重なりながら頭で飛び込むが、このボールはクロスバーを超える。

19分、名古屋1、2人目交代:中村、小川→永井、矢野

20分、自陣右でルーズとなったボールをダニエルが胸トラップ。前線へとクリアを狙うが、ここでボールが手に当たってしまい、大分ボールのフリーキックとなる。ここから名古屋ゴール前へのボールは矢野がヘディングでゴールラインへとクリア。

【失点】
21分、名古屋ペナルティエリア手前で左寄りでボールを受けた大分・松田にターンし、左足での強烈なミドルシュートを許してしまい、先制ゴールを奪われてしまった。

22分、大分陣内中央左寄りで永井が倒され、フリーキックを得る。
23分、ここからのフリーキック、藤本が左足で大分ゴール前へ上げたボールは前へ出た大分・丹野に直接キャッチされる。
24分、大分ペナルティエリア手前の藤本が近くの永井へ預け走ると、その永井からのボールをペナルティエリア内のケネディが落とすが、ここはオフサイドの判定となってしまう。
26分、大分・為田が左からドリブル突破を狙うが、戻った永井がスライディングでボールをゴールラインへとクリア。

27分、大分・右からのコーナーキックは中央のダニルソンがヘディングでクリア。こぼれ球を大分・梶山が右足で狙うが、このシュートはクロスバーを超える。
大分1人目交代:木村→松本(昌)

28分、田中(隼)からのアーリークロスをケネディが頭で落とし、矢野が裏へ走り込むが、ここはオフサイドの判定を取られてしまう。

【得点】
30分、大分陣内右サイド高い位置でボールを受けた田中(隼)からのクロス。これをペナルティエリア内のケネディが胸トラップで落とし相手ディフェンスを交わすと、そのまま右足で蹴り込み同点とした。

3試合連続となる先制ゴールを許しながら追いついた名古屋。それでもホームで現在リーグ戦最下位の大分には引き分けでも許されず、水曜日にもかかわらず駆けつけてくれたサポーターの前で逆転ゴールを奪いたい。

32分、名古屋ペナルティエリア内左で粘った大分・松本(昌)の左足でのシュートは枠の右へと外れる。
33分、大分ペナルティエリア手前の藤本から楔のボールをケネディがダイレクトで左へ流し、走り込んだ玉田のシュートは大分・丹野に弾かれ枠を外れる。

【得点】
34分、名古屋・左からのコーナーキック。藤本が左足で上げたボールを、中央少し下がり、相手マークを外したケネディがヘディングでゴール右へと押し込み、名古屋が逆転に成功した。

35分、大分2人目交代:梶山→松本(怜)

37分、大分・左からのアーリークロスにニアサイドへ飛び込んだ大分・森島に合わせられるが、このシュートは楢崎が一旦弾きながらも抑える。
38分、自陣からのボールに左サイドを上がった永井。中央の玉田の上がりを待ち、左足で巻くようにクロスを狙うが、ここは手前に入った相手ディフェンスにクリアされる。
39分、名古屋ペナルティエリア内右深い位置から大分・松本(昌)の折り返しは、中央のダニエルがクリア。

42分、大分・左からのクロスは阿部がヘディングで落とし、増川がタッチラインへとクリア。
大分3人目交代:森島→松原

43分、自陣左ルーズボールを競り合ったケネディが与えたフリーキック、名古屋ゴール前へのボールはそのケネディがヘディングでクリア。

44分、名古屋3人目交代:玉田→ヤキモフスキー

45分、名古屋陣内右でボールがタッチラインを割ったところで、大分・チェが痛んだため一旦プレーが止められるが、その場で立ち上がりプレーは続けられるようだ。
(ロスタイム表示:3分)

ロスタイム1、左サイド高い位置でボールを受けたヤキモフスキーからのクロス。中央のケネディが体をひねりながら頭で合わせるが、枠を捉えたシュートも大分・丹野にキャッチされてしまう。
ロスタイム3、大分・為田からボール奪った藤本。自ら持ち上がり、大分陣内へ入ると左の永井の前を狙うが、このボールは相手ディフェンスにクリアされる。ここから一気に名古屋ゴール前へボールを運ばれるが、中へのボールはダニエルがゴールラインへとクリア。
ロスタイム4、大分・左からのコーナーキックは中央でディフェンスがクリア。こぼれ球を競り合いながらヤキモフスキーが拾ったところで試合終了。

3試合連続相手に先制ゴールを奪われる苦しい展開だったが、ケネディの技ありのゴールで追いつくと、その直後、コーナーキックからまたもケネディのヘディングでのゴールで逆転に成功。ホームで対戦相手の順位状況を考えれば決して満足できる内容では無かったが、それでも今シーズンここまで少なかったセットプレーという武器を見せた名古屋が引き分けを2で止め、これで8戦負け無しとなる勝利を得た。


試合終了後記者会見

130828mr.jpg今日は我々の目標を達成することが出来ました。ホームでの戦いで勝点3を挙げられ、結果と内容、共に満足しています。

今日は皆さんもご覧になられた通り、難しい戦いになりました。ただ、本当に今日のゲームには満足しています。

Q.前節では、チャンスに恵まれながらも得点を決めることが出来なかったケネディ選手でしたが、今日の試合では2得点と、"エース"の意地というものが見られたのではないでしょうか?

今日の試合は、今季の中でも特に難しいゲームの一つになったと思いますし、我々にとって、精神面を試されるテストといえる一戦となりました。

その中で、0-1という状況で折り返しながらも、選手達の強いリアクションが見られ、それぞれの「勝ちたい」という気持ちが全面的にプレーに反映されていたと思います。

今日、ケネディは2得点してくれ、C大阪戦のミスを今日しっかりと埋め合わせてくれたと思っています。

Q.今日の試合で、ストイコビッチ監督が名古屋グランパスに監督として就任してから100勝目となりますが、この偉業を達成してみて今のお気持ちはいかがですか?

ありがとうございます(笑)。

まず始めに、この5年半、多大な努力をしながらプレーをし続け、素晴らしいパフォーマンスで共に戦ってきてくれた選手達に感謝の気持ちを贈りたいと思います。この5年半は私にとっての"誇り"です。

ただ、この記録をここで止めたくはありません。これからも勝ち続けていきたいと思います。