2013シーズン試合結果

2013J1リーグ第20節:名古屋グランパスvs浦和レッズ

最終更新日時 2013/08/11 22:06

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豊田スタジアム 8/10(土) 19:04キックオフ

試合前

日中は気温が35度を超え、湿度も高く厳しいコンディションが予想される豊田スタジアム。2013J1第20節はホームで浦和レッズとの対戦となる。

前節、アウェイでのジュビロ磐田戦に勝利し、リーグ戦連勝を4とした名古屋。中断明けからここまで6試合で5勝1敗と調子を上げているが、どの試合でも先制しながら不意の失点などまだ脆さも見え、克服すべき課題は数多く見られる。今日の対戦相手は現在リーグ3位と上位の浦和。アウェイで行われた第2節の対戦では0-1のスコア以上に完敗した相手だが、調子を上げつつある名古屋にとってはこれから上位進出を狙うための試金石となりそうだ。

午後6時を回り日が陰り気温は少し下がったが、それでも非常に湿度が高く蒸し暑いスタジアム。サポーター、クラブが一体となり「アカイ大作戦」と銘打ち行われた集客キャンペーンによりすでにゴール裏サポーターズシートを中心に、赤く染まったスタジアムにウォーミングアップの為選手が姿を現すと拍手と歓声で迎え入れられた。

先々週、水曜日に同スタジアムで開催された鹿島戦同様、ピッチのコンディションは少し荒れ気味だが、そのピッチ、そして天候を含めたコンディションを確認する選手達にはすでに汗が噴き出している。

今シーズンはじめて3万人を超えるであろうホームの大観衆の前で、今日こそは上位浦和に快勝を期待したい。

前半

ホーム、アウェイサポーターを中心にぎっしりと埋まった豊田スタジアム。グランパスサポーターがアカイパネルを頭上に掲げ、グランパスレッドに染められたスタジアムに22人の選手が姿を現す。

今日の名古屋、ゴールキーパーは楢崎。ディフェンスラインは右から田中(隼)、闘莉王、増川、阿部の4人。藤本、中村、ダニルソン、小川が中盤を構成し、玉田、ケネディの2トップによる4-4-2のシステムでのスタートが予想される。

前半、メインスタンドから向かって左にエンドを取った黒の記念ユニフォーム名古屋に対し、浦和ボールでキックオフ。

1分、浦和陣内左ハーフライン付近でケネディが倒され、フリーキックを得る。
2分、ダニルソンから縦へのボールを藤本がダイレクトで落とし、小川へ繋ぐが、トラップが大きくなりボールはクリアされる。
3分、浦和陣内右で浦和・が宇賀神が倒れたため、一旦プレーが止められる。
5分、浦和・平川が右サイドから中へ持ち込み、左足でのミドルシュートを狙うが、このボールはクロスバーを超える。
6分、左サイドから中へ持ち込んだ浦和・宇賀神の右足のシュートは枠の左へと外れる。
7分、センタサークル内の闘莉王から浦和ペナルティエリアのケネディの前を狙ったボールは、直接ゴールラインを割る。
8分、浦和陣内右の藤本からゴール間へ走る小川を狙ったボールは浦和・加藤が直接抑える。
10分、浦和・森脇から左サイド前線へのボールは田中(隼)がヘディングでクリア。
11分、浦和陣内左で阿部が相手パスをカット。ゴールライン付近のケネディへ預け、マイナス方向へ折り返すが、浦和・那須にタッチラインへとクリアされる。
12分、名古屋陣内中央で浦和・興梠のドリブルを中村が引っぱり、フリーキックを与える。
14分、自陣センターサークル付近で浮いたルーズボールを闘莉王が一気に縦へと狙うが、このボールは浦和・加藤が抑える。
15分、左サイド高い位置でボールを受けた浦和・宇賀神からのクロスは直接ゴールラインを割る。

暑さ、湿度ともに厳しいコンディション。開始からここまで両チームとも積極的な動きは見られず、静かな展開が続く。

16分、浦和・原口が左サイドからドリブルを仕掛けるが、闘莉王が体を入れファールを誘い、自陣で名古屋ボールのフリーキックとなる。
18分、小川からのパスに左サイドを上がった阿部のクロスは、中央で相手ディフェンスにクリアされる。
19分、キーパーからのロングボールを浦和・原口が名古屋陣内左で味方へとダイレクトで繋ぐが、ここはオフサイドの判定。
20分、左サイドを上がった阿部からのクロス。ファーサイドのケネディが相手ディフェンスの上からヘディングで合わせるが、このシュートは浦和・加藤に正面でキャッチされてしまう。
21分、名古屋陣内中央で田中(隼)が浦和・原口を倒し、フリーキックを与える。
22分、名古屋ゴール正面35m強の位置から浦和ボールのフリーキック。浦和・槙野が右足で直接狙ったシュートは大きく枠の右へ外れる。
23分、名古屋陣内中央の浦和・柏木からペナルティエリアへのボールは増川がカットし、これをクリア。
24分、浦和ペナルティエリア内右でケネディのヘディングでの繋ぎを拾った藤本から中へのクロス。これにケネディと浦和・那須が交錯するが、ボールはクリアされる。
25分、浦和陣内左の阿部が右足へ持ち替え、前へのボールに小川が走り出すが、ここは前へ出た浦和・加藤にキャッチされる。
27分、左サイド高い位置でボールを受けた浦和・宇賀神の右足でのクロスは、ゴール前の密集を抜け、直接ゴールラインを割る。
28分、ハーフライン付近で闘莉王が浦和・興梠を倒し、ファールの判定となる。
29分、ハーフライン付近の田中(隼)からゴール前へのボールは浦和・加藤が直接抑える。

依然として決定機、シュートともに少ない両チーム。プレーが止まると水分補給を行ったり、ピッチ上は非常に厳しいコンディションのようだ。

31分、玉田からのパスに左サイドを上がった小川からグラウンダーのクロス。これにケネディが走り込むが、手前に入った浦和・加藤にキャッチされてしまう。
33分、ハーフライン付近から浦和のカウンター。左へ流れる浦和・興梠の前を狙ったボールは中村がクリア。
34分、浦和ペナルティエリア手前での浮き球をダニルソンがペナルティエリア内へ狙うが、オフサイドポジションにいた小川はプレーを続けられず、ボールは直接ゴールラインを割る。
35分、浦和陣内で上手く体を入れ替え、ボールを受けたケネディ。前線へ上がる闘莉王へ狙うが、ボールは相手ディフェンスにカットされる。
36分、名古屋陣内中央を浦和・原口がドリブルで上がると、ペナルティエリア手前での切り返しを中村が後ろから引っかけてしまい、ファールの判定。このプレーで中村にイエローカードが提示される。
38分、名古屋ゴール正面20m程度の位置から浦和ボールのフリーキック。浦和・柏木が左足で直接狙ったシュートは枠の右へと外れる。
39分、名古屋ペナルティエリア内左でボールを受けた浦和・原口からの折り返しは、増川がヘディングで触り、阿部がクリア。
42分、名古屋陣内左でダニルソンが浦和・平川を倒し、フリーキックを与える。
43分、名古屋陣内左タッチライン際から浦和ボールのフリーキック。名古屋ゴール前へのボールは楢崎が直接抑える。
45分、名古屋ペナルティエリア手前でのダイレクトプレーから浦和・興梠がフリーで抜け出し、楢崎の脇を狙うが、このシュートは枠の左へと外れる。
(ロスタイム表示:2分)

ロスタイム1、ハーフラインを超えた闘莉王から縦へのボールは浦和・那須にヘディングでクリアされる。
ロスタイム2、自陣から名古屋ペナルティエリア内までボールを運ばれると、中央の浦和・柏木に左足でのシュートを放たれるが、枠を捉えたシュートは楢崎が弾き出す。浦和・左からのコーナーキックはニアサイドで増川がクリア。

そして、ここで前半終了。

ロスタイム前後に2度の決定機を与えた名古屋だが、楢崎のビッグセーブもあり、スコアレスで折り返し。気温、湿度が高く集中力を保つだけでも難しいコンディションだが、消耗戦、神経戦が予想される後半も集中し、そして勝機を見い出したい。

後半

エンドを替えた後半、名古屋ボールでキックオフ。

1分、自陣右の闘莉王から縦へのボールは浦和・槙野にクリアされる。
2分、右サイドを上がった浦和・平川からのクロスは、増川がヘディングでゴールラインへとクリア。
3分、浦和・右からのコーナーキックは中央の中村がヘディングでクリア。
4分、浦和陣内右ハーフライン付近でボールを受ける玉田が後ろから引っ張られ、フリーキックを得る。
5分、浦和陣内左高い位置でダニルソンからのボールを受けた阿部のクロス。ゴール前ニアサイドの小川が潰れながら頭で逸らし、ファーサイドのケネディが左足で狙うが、このシュートはクロスバーを超えてしまう。
6分、浦和・宇賀神が左サイドからドリブルを仕掛けるが、対応した藤本がボールをタッチラインへとクリア。
8分、左から浦和陣内へ進入した玉田が浦和・鈴木に倒される。このプレーで浦和・鈴木にイエローカードが提示される。
9分、自陣の浦和・柏木から前を狙ったボールは、楢崎がペナルティエリアを出て、左タッチラインへとクリア。
10分、玉田からのパスに反応した藤本が浦和ペナルティエリア手前右で浦和・槙野に倒される。このプレーで浦和・槙野にイエローカードが提示される。
11分、浦和ゴール右45度、28m程度の位置から名古屋ボールのフリーキック。藤本が左足で上げたボールは直接ゴールラインを割る。
12分、浦和陣内右でケネディが浦和・阿部を倒すと、このプレーで通算4枚目となるイエローカードが提示される。
14分、浦和陣内右の田中(隼)からのアーリークロス。ペナルティエリア内中央の藤本が体をひねりながらヘディングで合わせるが、このシュートはクロスバーを超える。

【得点】
15分、自陣で藤本が相手パスをカット、そのまま左の小川へ繋ぐと、ペナルティエリア内で中へグラウンダーのクロス。相手ディフェンスと交錯し、一旦バランスを崩した玉田が体勢を立て直し押し込み、5試合連続となるゴールで名古屋が先制。

後半に入り、若干、ボールポゼッション率を上げた名古屋。2度の決定機は決められなかったが、カウンターから玉田がゴール。それでも試合は残り、まだ30分。しっかりと集中して戦いたい。

18分、浦和陣内でボールを回す名古屋。阿部からペナルティエリア付近のケネディへ楔のボールを入れるが、ここはオフサイドの判定。

【得点】
19分、浦和陣内右の藤本から縦のケネディへ。これをケネディがキープし、サポートの玉田へ。ダイレクトでのスルーパスにペナルティエリア内右へ進入した藤本が折り返すと、これをケネディが押し込み、流れるような美しいプレーで2点差とするゴールを決めた。

22分、浦和1人目交代:鈴木→山田

23分、闘莉王が浦和陣内右で縦へのドリブルを仕掛けるが、ここは浦和・槙野体を入れられ止められてしまう。
24分、名古屋ペナルティエリア手前左でダニルソンが山田を倒し、フリーキックを与える。これを浦和・阿部に直接狙われるが、このシュートはディフェンスの壁に当たりクリア。
26分、名古屋ペナルティエリア手前右でボールを受けた浦和・山田のシュートは増川が体でブロック、これをクリア。
27分、浦和・柏木から縦へ楔のボールはディフェンスがラインを上げ、オフサイドを取る。

28分、浦和2人目交代:平川→関口

29分、ハーフライン付近左で増川の弾いたボールを阿部が倒れながら前へ狙うが、このボールは直接タッチラインを割る。
30分、左からのクロスに浦和・関口がペナルティエリア内右へ進入し右足で狙うが、このボレーシュートは枠の右へと外れる。

ケネディのゴールで2点差とした名古屋。試合は残り15分、ホームのサポーターの期待に応える勝利はもちろん、リーグ戦では4月以来となる完封にこだわりたい。

31分、浦和・関口が右からドリブル、グラウンダーのボールを入れるが、ここはオフサイドの判定。

32分、名古屋1人目交代:中村→ダニエル

34分、楢崎からのゴールキックをケネディが浦和陣内中央で競り合うが、相手ディフェンスを押さえてしまいファールの判定となる。
35分、浦和・山田が右サイド高い位置で粘るが、阿部がスライディング、ボールは浦和・山田に当たりゴールラインを割る。
36分、浦和・興梠を狙った縦へのボールは闘莉王がペナルティエリア手前でカット、ここで倒され、名古屋ボールのフリーキックとなる。
38分、名古屋ペナルティエリア手前左の浦和・柏木からペナルティエリア内へのボールは、増川、楢崎が見送り、直接ゴールラインを割る。
39分、名古屋ペナルティエリア手前の浦和・関口から中へのボールは楢崎が直接抑える。
40分、浦和・ペナルティエリア内の浦和・原口へのボールは闘莉王がクリア。
41分、名古屋ペナルティエリア手前から浦和・森脇のミドルシュートは増川がクリア。

42分、名古屋2人目交代:玉田→矢野
浦和3人目交代:宇賀神→マルシオ

43分、名古屋陣内右でボールを受けた浦和・マルシオからのクロスは闘莉王がクリア。
44分、自陣右で藤本が浦和・マルシオに倒され得たフリーキック。楢崎が前線のケネディへ狙うが、このボールは直接ゴールラインを割る。
(ロスタイム表示:4分)

ロスタイム1、センターサークル内の浦和・柏木から縦へのボールはケネディが足を伸ばしカット、ボールは右タッチラインを割る。

ロスタイム2、浦和・森脇から前へのボールは阿部が見送り、ゴールラインを割る。
名古屋3人目交代:藤本→田中(輝)

ロスタイム3、浦和陣内左で名古屋ボールのスローイン。これをコーナーフラッグ付近の矢野がキープし、残り時間を有効に使う。
ロスタイム4、ケネディが左サイド高い位置で粘り、コーナーキックを得る。ここは小川、矢野と繋ぎ、時間を使う。しかし、奪われ、前へのボールは増川がスライディングでクリア。
ロスタイム5、このリスタートで試合終了。

「アカイ大作戦」と銘打ち、サポーター、クラブが一体となって臨んだこの試合。豊田スタジムでのリーグ戦最多動員を更新することは出来なかったが、それでも厳しい気候の中でサポーターの声援を受け、自分達の時間帯に2得点を奪うと、最後まで集中を切らす事無く守り抜いた。これで4月13日瑞穂での新潟戦以来となる完封で連勝を5に伸ばし、勝ち点30、順位を久しぶりの1桁となる9位へと上げた。


試合終了後記者会見

130810-mr.jpg今日は全体的に見て戦術的なゲームだったと思います。守備的な部分で言えば、我々の理想とするブロックを作りながら守るという形を作ることができ、浦和の攻撃を完璧に避けることが出来ました。

前半は50:50、どちらに転んでもおかしくないような内容だったと思います。ただ、後半は完全に我々がゲームをコントロールしていたと思います。その結果が2-0という形で出たと思います。今日の試合は、戦術面・技術面の部分から、我々の方が一枚上手だったと思います。

Q.無失点の試合は4月の新潟戦以来となりますが、シーズンを再開して以来、守備が上手く機能しているようですが、手応えは感じていますか?

今日の試合では、守備も攻撃も含めた、戦術的な部分を尊重してやってくれました。本当にこれは監督として喜ばしいことだと思います。これを一つの良い例として続けていきたいと思っています。今日は集中力という部分でも維持出来ていたと思いますし、アグレッシブさも出せていました。

守備の部分では、前半、浦和の興梠選手にチャンスを作られたシーンもありましたし、90分を通して全てパーフェクトというのは難しいですが、今日は本当に良いゲームでしたし、限りなくパーフェクトに近い内容だったと思います。

Q.現在、玉田選手が得点をとり続けていますが、藤本選手のコンディションも非常に良く見えます。彼らのコンビネーションについては、どう評価していますか?

本当に全ての選手が良かったと思っていますが、玉田選手には、もっともっとゴールを決めて欲しいと思っていますし、決められる力があると思っています。ただ、今日のコンビネーションに関しては素晴らしかったと思います。特に2点目のゴールは、彼らにとっての最大の"ベストアンサー"だったと思います。本当にサッカーの美しさというものが詰まっていたと思います。我々はこのようなゴールを奪うために日々トレーニングを行っています。

ただ、忘れてはいけないのが小川と藤本のハードワークです。彼らが走ってくれるからこそ、ああいうシーンが生まれるのです。やはり重要なのは、彼らの動きと、それに合わせた玉田とケネディの決定力です。今日は我々にとって必要な部分が出せていましたので、とても満足しています。

Q.ここ数試合、ケネディ選手のパフォーマンスが非常に高いように思えますが、どう評価していますか?

彼が得点を決めていることも含めて、チームが勝っていることで、全てが上手く言っていると思います。彼は全てにフィットしていると思いますし、ケガも無いようで、我々にとって必要なストライカーとなってくれています。このケネディが本物のケネディであって、この玉田が本物の玉田だということです。