2013シーズン試合結果
試合前
湿度が高く蒸し暑い、この地方特有の天候に見舞われた豊田スタジアム。2013J1第18節はホームで鹿島アントラーズとの対戦となる。
7月のリーグ戦中断明け4試合を3勝1敗と、まずまずの結果で乗り切ったグランパス。結果にこだわり数字の上では満足できるが、それでも選手達にとって内容での満足はまだまだのようで、各試合後のコメントや表情を見ても、更なる向上が求められているようだ。今日の対戦相手は、現在勝ち点29で6位の鹿島アントラーズ。4月にはリーグ戦、ナビスコカップでアウェイでの2試合に敗れた相手だけに、その借りを返し、更に上を目指したい。
水曜日の豊田スタジアムでの開催、特に名古屋市内に住むサポーターに取っては観戦は難しいかもしれないが、それでもキックオフ時間が通常より30分遅い19時30分、そして「直帰DE豊田」と銘打たれたイベントキャンペーンにより、キックオフ1時間前あたりからサポーターズシートを中心に徐々に観客が集まっている。
19時少し前、ウォーミングアップのため選手がピッチへと姿を現すと、そのサポーターズシートを中心とした拍手、歓声で包まれた。試合前には散水が行われ少し水を含むピッチでは、ハーフコートに散らばった選手達が長短のパスや短いスプリントダッシュなどで、そのピッチの感触を確かめている。
今日で第18節、折り返しとなる2013J1リーグだが、ホームでの快勝で後半戦に勢いをつけたい。
前半
両チームの選手紹介が終わり、サポーターの臨戦態勢も整ったスタジアムに22人の選手が姿を現す。
今日の名古屋、ゴールキーパーは楢崎。ディフェンスラインは右から田中(隼)、闘莉王、増川、阿部の4人。藤本、中村、ダニルソン、小川の4人が中盤を構成し、玉田、ケネディの2トップによる4-4-2のシステムでのスタートが予想される。
前半、メインスタンドから向かって左にエンドを取った黒の記念ユニフォーム・名古屋に対し、鹿島ボールでキックオフ。
1分、鹿島陣内左で小川がドリブルを仕掛けるが、鹿島・西のスライディングを交わし、タッチラインを割る。
2分、鹿島陣内右で玉田、サポートに上がった闘莉王、藤本、闘莉王と繋ぎ、ペナルティエリア付近のケネディの前を狙うが、このボールは鹿島・曽ヶ端が抑える。
3分、藤本からのパスにケネディが相手ディフェンスライン左裏を狙うが、ここはオフサイドの判定となってしまう。
5分、鹿島・ダヴィが左サイド高い位置でボールをキープするが、ディフェンスに付いた田中(隼)が押され、ここは名古屋ボールのフリーキックとなる。
6分、鹿島・ダヴィが左からドリブルを仕掛けるが、闘莉王、田中(隼)がマーク。前へ蹴り出したボールは直接ゴールラインを割る。
8分、阿部からのクロスをケネディが頭で落とし、走り込んだ玉田がヘディングでゴールネットを揺らすが、ここはオフサイドによりノーゴールの判定となる。
9分、田中(隼)からのアーリークロス。ペナルティエリア内で飛び込もうとしたケネディが鹿島・青木に後ろから倒され、PKを得る。
【得点】
10分、このPKをケネディ自身がゴール左上に決め、幸先良く名古屋が先制ゴールを奪った。
12分、鹿島陣内左ハーフライン付近で小川と鹿島・大迫が交錯、ここは小川のファールを取られる。
15分、鹿島陣内中央でケネディのパスカットから玉田、さらに左へ流れる小川の前へスルーパスを狙うが、ここは相手にカットされてしまう。
試合開始からボールを支配する名古屋。最初のゴールはオフサイドのため取り消されたが、その後ケネディのPKで先制。ホームでの試合、更なる追加点を狙いたい。
16分、鹿島・西からのアーリークロス。闘莉王の前に入った鹿島・ダヴィに叩き付けるヘディングで合わせられるが、このシュートは楢崎が枠の外へと弾き出す。鹿島・右からのコーナーキックは、ニアサイドで小川がタッチラインへとクリア。
18分、名古屋ペナルティエリア手前右でボールを受けた鹿島・ジュニーニョから中への速いボールは、ゴール前を通り抜け、逆サイドタッチラインを割る。
19分、鹿島陣内中央左寄り、35m強の位置で小川が倒され、フリーキックを得る。
20分、ここからのフリーキック、小川がゴール前へ上げたボールに闘莉王が密着する鹿島・ダヴィの裏を狙うが、ここはオフサイドの判定となってしまう。
21分、鹿島・ジュニーニョのハーフライン付近でのキープから前へのボールは楢崎が直接抑える。
23分、鹿島・大迫が右から中へのドリブルを仕掛けるが、増川、闘莉王がコースを塞ぎ、前へのボールは楢崎が抑える。
25分、名古屋ペナルティエリア付近で右からのボールを受けた鹿島・大迫の右足のシュートは楢崎がわずかに触り、枠の右へと外れる。
26分、鹿島・右からのコーナーキック。中央で触られたボールが逆サイドへ流れ、鹿島・ジュニーニョがボールを拾うが、ダニルソンがタッチラインへとクリア。
27分、自陣右タッチライン際で田中(隼)が鹿島・ジュニーニョを倒し、フリーキックを与える。ここからのフリーキック、鹿島・小笠原が名古屋ゴール前を狙ったボールは逆サイドのゴールラインを直接超える。
29分、闘莉王のヘディングクリアを受けた小川からのカウンター。鹿島ペナルティエリア付近で玉田とのワンツーから右へ。相手ディフェンスのカットしたこぼれ球に左から走り込んだケネディが合わせるが、このシュートはクロスバーを超えてしまう。
30分、鹿島ペナルティエリア手前中央でボールを受けたケネディからエリア内右の藤本を狙うが、このボールは鹿島・曽ヶ端にキャッチされてしまう。
15分過ぎからはペースを取り戻した鹿島に2度の決定機を作られるが、楢崎の好セーブで抑えた。鹿島の精度の高い攻撃に対し、しっかりと集中して戦いたい。
31分、名古屋ペナルティエリア手前右でボールを受けた鹿島・野沢のループシュートは、楢崎がしっかりと抑える。
32分、左サイドを上がった鹿島・中田からのクロス。ここは逆サイドの阿部が鹿島・ダヴィのコースを抑え、ファールを誘う。
34分、鹿島陣内左から中へ持ち込んだ阿部が左足でミドルシュートを狙うが、このシュートは鹿島・曽ヶ端の正面を突き、一旦弾きながらキャッチされる。
35分、鹿島・ダヴィのドリブルから得た鹿島・左からのコーナーキックは、阿部がヘディングでクリア。
36分、中央を上がった闘莉王からのダイレクトパスに玉田が相手ディフェンス裏へ抜けるが、ここはオフサイドの判定を取られてしまう。
38分、右からのクロスをペナルティエリア内中央の鹿島・ダヴィにヘディングで合わせられるが、この至近距離からのシュートも楢崎が弾き、増川がクリア。
39分、名古屋ペナルティエリア手前右で増川が鹿島・ダヴィを倒し与えたフリーキック、名古屋ゴール前へのボールは壁の藤本が弾き返す。ここからのカウンター、センターサークル付近でボールを受ける玉田が鹿島・西に後ろからのタックルで倒される。このプレーで鹿島・西にイエローカードが提示される。
40分、自陣右で鹿島・ジュニーニョから藤本がパスカット。こぼれ球を鹿島・中田と藤本が競うが、藤本に当たったボールはゴールラインを割る。
【得点】
41分、鹿島・左からのコーナーキックは中央の増川がヘディングでクリア。ここからセンターサークル付近の藤本にボールを届けカウンターを仕掛けると、鹿島・ペナルティエリア手前でシザースフェイントから右足で交差してペナルティエリア内左へ走り込む玉田へ完璧なスルーパス。相手ディフェンスに当たられ少しバランスを崩した玉田だが、それでも右足でしっかりとゴール隅へ蹴り込み、前半のうちに名古屋が欲しかった2点目を奪った。
44分、名古屋ペナルティエリア手前左でボールを受けた鹿島・ジュニーニョのミドルシュートは枠の左へと外れる。
45分、鹿島陣内左で小川が相手ディフェンスラインのパスをインターセプトするが、足を伸ばし触ったボールは直接タッチラインを割る。
(ロスタイム表示:2分)
ロスタイム1、右からのスローインを鹿島陣内右高い位置で藤本が受けるが、このボールはタッチラインへと蹴り出される。
ロスタイム2、自陣左でダニルソンがボールを奪取、そのまま左サイドを上がる小川の前を狙うが、このボールはペナルティエリアを飛び出した鹿島・曽ヶ端にクリアされる。
ここで前半終了。
前半開始早々からボールを支配し、PKから先制した名古屋。その後、何度か鹿島に決定的なチャンスを作られるがこれを凌ぐと、完璧なカウンターから玉田が追加点。2-0と理想的な展開で前半を折り返す事となった。
後半
エンドを替えた後半、名古屋ボールでキックオフ。
1分、右から名古屋ボールのスローイン。田中(隼)からのボールを藤本が落とし、サポートのケネディへ狙うが、ここはタッチラインへとクリアされる。
2分、鹿島陣内右でスローインからペナルティエリア付近のケネディへ。ここで1人交わし、横へのボールに走り込んだダニルソンが左足で狙うが、このシュートはクロスバーを超える。
3分、鹿島・ダヴィのペナルティエリア付近でのドリブルは闘莉王がカット、こぼれ球を田中(隼)が右の藤本へと繋ぐ。しかし、ここで鹿島・ダヴィがペナルティエリア付近で痛んだため、一旦ボールをピッチの外へと出し、プレーを止める。
4分、鹿島1人目交代:ダヴィ→本山
5分、小川とのワンツーで中央を突破したダニルソン。相手ディフェンス2人を引きづりながら強引に左足でシュートを放つが、このボールは枠の左へと外れる。
6分、右サイドで玉田からのボールを受けた藤本が中へとドリブル。得意とする形から左足でのシュートを狙うが、このボールは相手ディフェンスに当たりクリアされる。
7分、鹿島・本山が右から中へドリブル。ディフェンス1人を交わし、左足でのシュートを狙われるが、ボールは枠の左へと外れる。
8分、鹿島陣内右で藤本が右前の玉田へダイレクトプレーで狙うが、このボールは鹿島・中田にクリアされる。
9分、阿部からのアーリークロス。これをヘディングで落としたケネディが再度鹿島・青木と競り合うが、ここで激しく当たったケネディにイエローカードが提示される。
11分、鹿島・小笠原から前線へのボールは増川が素早くポジションを上げ、オフサイドの判定となる。
13分、自陣でケネディのパスカットから左サイドの中村、中の玉田へ。さらに鹿島ペナルティエリア付近まで一気に駆け上がる藤本の前へスルーパスを狙うが、ボールが背面を突き、鹿島・曽ヶ端にキャッチされる。
14分、名古屋ペナルティエリア手前左寄りでボールを受けた鹿島・本山の枠を捉えたミドルシュートは、楢崎が外へと弾き出す。鹿島・右からのコーナーキックは中央で闘莉王がクリア。
15分、楢崎からのゴールキック。前線のケネディが頭で逸らし、小川がその裏を狙うが、ボールは鹿島・青木にクリアされる。
2点差での折り返しがサッカーでは最も難しいとも言われるが、後半開始からここまでの名古屋、浮き足立つ事無くしっかりと試合をコントロールしている。あとは、試合を決定づける3点目を奪いたい。
16分、鹿島2人目交代:中田→前野
17分、藤本が右高い位置のディンスでボールをカット。一旦持ち直し、ペナルティエリア内左の小川を狙うが、ボールは相手ディフェンスにクリアされる。
18分、鹿島・前野の左からのクロスは闘莉王がヘディングでクリア。
19分、鹿島陣内センタサークル付近で増川からのボールを受ける小川が倒され、フリーキックとなる。
20分、藤本からのパスに右サイドをオーバーラップした田中(隼)のグラウンダーのクロスに小川が飛び込むが、鹿島・西と交錯、ボールはクリアされる。
21分、鹿島ペナルティエリア手前中央で阿部からのボールを受けるケネディが鹿島・山村に後ろから引っぱり倒され、フリーキックを得る。
22分、鹿島ゴール正面左、20m程度の位置から名古屋ボールのフリーキック。玉田が左足で直接狙うが、このシュートは枠の左へと外れる。
23分、鹿島陣内右でケネディのボールを受けた玉田。左サイドへの大きなサイドチェンジを狙うが、ここは味方とは呼吸が合わず、ボールは直接タッチラインを割る。
24分、鹿島陣内中央で玉田が倒され、フリーキックを得る。
26分、鹿島陣内でボールをキープする名古屋。左のケネディから中のダニルソン、中村を経由し、右を上がった田中(隼)へと繋ぐと、ここからのドリブルでコーナーキックを得る。
27分、名古屋・右からのコーナーキック。藤本が左足でゴール近くを狙ったボールは鹿島・曽ヶ端にパンチングでクリアされる。
28分、自陣左タッチライン際で鹿島・ジュニーニョのドリブルを阿部が止め、フリーキックを与える。
鹿島3人目交代:本山→梅鉢
29分、ここからのフリーキック、名古屋ゴール前へのボールは楢崎がパンチングで弾き、中村が前線へとクリア。
依然として2点リードの名古屋。試合は残り15分、もちろん追加点も欲しいが、それ以上に今シーズンここまで何度も見られる不意の失点という課題を克服し、最後までゼロで抑え切りたい。
【得点】
31分、鹿島陣内中央左寄りでケネディが倒され得たフリーキック。藤本が左足で鹿島ゴール間へ上げると、中央で闘莉王が競り合い、裏へこぼれたボールに走り込んだケネディがそのまま頭で押し込み、3点差とするゴールを決めた。
32分、名古屋1人目交代:中村→田口
33分、鹿島・前野の左サイドから中へグラウンダーのボールは田口がカット、ダニルソンがクリア。
35分、鹿島・大迫がペナルティエリア内左でボールを受けるが、闘莉王がしっかりと付き、ボールをゴールラインへとクリア。
36分、鹿島・左からのコーナーキックは中央で楢崎がキャッチ。
37分、名古屋2人目交代:ケネディ→矢野
ハーフライン付近で矢野が相手からボールを奪取。そのまま右を持ち上がり、中央の藤本へとクロスを狙うが、このボールは手前に入った鹿島・曽ヶ端にキャッチされてしまう。
38分、ハーフライン付近でダニルソンから横へのボールをカットされ、そのままカウンターを仕掛けられるが、ダニルソン自身が戻りボールを奪い返す。
40分、ペナルティエリア内左の矢野のダイレクトプレーからオーバーラップした阿部のクロスは、相手ディフェンスに当たりゴールラインを割る。名古屋・左からのコーナーキック。藤本が左足で上げたボールは鹿島・曽ヶ端にパンチングでクリアされる。
44分、名古屋ペナルティエリア手前中央で左からのボールを受けた鹿島・梅鉢のシュートはクロスバーを超える。
名古屋3人目交代:小川→田中(輝)
45分、鹿島・ジュニーニョが中央右寄りからドリブルを仕掛けると、これをダニルソンが倒し、フリーキックを与える。
(ロスタイム表示:4分)
ロスタイム1、ここからのフリーキック、名古屋ゴール前へ上げられたボールは楢崎が直接抑える。
ロスタイム2、鹿島ペナルティエリア手前で闘莉王からのボールを受けた玉田。左足でミドルシュートを狙うが、このボールは枠の右へと外れる。
【失点】
ロスタイム3、右サイドを上がった鹿島・柴崎からのクロス。このボールに相手フォワード、ディフェンス、そして楢崎が交錯。ニアサイドの鹿島・大迫がボールに僅かに触れ、そのままゴールに。終了間際に相手に1点を与えてしまった。
ロスタイム4、田中(輝)が右サイドからのスルーパスに抜け出そうとするが、ここはオフサイドの判定。
鹿島ボールでリスタートされたところで試合終了。
終了間際の失点で4月の新潟戦以来となる完封は逃してしまったが、前半から自分達のペースで戦った名古屋が90分を通し、ほぼ試合をコントロール。リーグ戦の連勝を「3」とし、勝ち点を24、順位を11位へと上げた。
試合終了後記者会見
まず始めに、田中隼磨、お誕生日おめでとうございます(笑)。
今日の結果にはとても満足しています。今シーズンでベストな内容のゲームだったと思います。今日は楢崎からケネディまで、全ての選手が全力を出して素晴らしいプレーをしてくれました。見に来てくれたサポーターの皆さんも、今日のゲームを楽しんでくれたと思います。
鹿島との試合では、主にカウンターからの失点が目立ちますが、今日はそのような場面も少なく、逆に名古屋がカウンターから得点を奪っていました。今日の試合運びなどの評価はいかがですか?
まず始めに、今日は準備をしていた戦術をパーフェクトに出すことが出来ました。カウンターは鹿島の強みなので、それをさせないようにスペースを与えませんでした。ここをしっかりやれたから、今日の結果を出すことが出来たと思います。
試合の中で、鹿島側にも決定的なシーンが2つほどありましたが、それに対し、楢崎は本当に素晴らしいパーフェクトなプレーを見せてくれました。クロスやセットプレーに対する守備は難しいものがありますが、それでも選手はしっかりと守備をしてくれたと思います。
今日は本当に内容が良かったと思います。我々のコンディションやゲームの支配率において、大きな違いを見せる事が出来ました。