2013シーズン試合結果

2013J1リーグ第17節:大分トリニータvs名古屋グランパス

最終更新日時 2013/07/18 13:51

AWAY GAME

大分銀行ドーム 7/17(水) 19:05キックオフ

試合前

日中は刺すような日差しと高い気温に見舞われた大分県大分市。2013J1第17節、今シーズンのリーグ戦折り返しとなる試合は、4年ぶりとなるアウェイで大分トリニータとの一戦となる。

前節、ホームでの鳥栖戦に3-2で勝利した名古屋。真夏の連戦で思うように動けず、内容面でも決して満足のいくものでは無かったが、それでも勝ち点3が必須と言われる試合で結果を残した。これで16節を終え勝ち点18、リーグ中盤戦から後半戦にかけ「残留圏」をちらつかせないためにも、今日のアウェイでの対戦も勝たなければならない重要な試合となる。

ここ1週間半で4試合目、前節から中3日で九州までの移動とコンディション面で難しいが、厳しい日程は全チーム同じ状況であり、言い訳にはできない。今日も気温が非常に高く消耗戦が予想されるが、あと1歩が出るか出ないか、最後は気持ちの強さが試されるのではないだろうか。

まだバックスタンドには西日が残る午後6時30分、ウォーミングアップのため選手達がピッチへと姿を現すと、水曜日にも関わらず遠く大分まで駆けつけてくれたサポーターから歓声が沸き起こった。そのサポーターに一礼を入れると選手達はハーフコートに散らばりボール回しやストレッチ、短いスプリントなどで体を動かす。やはり過密日程により疲れは見られるが、それでも今日の試合を終えると東アジア選手権開催のための小休止を迎えるJリーグ、前半戦最後となる目の前の試合に集中しているようだ。

前半

4年振りにJ1の舞台に帰ってきた大分サポーターと、平日開催のため少数ながら、それでもスタジアムの一角を陣取るグランパスサポーターの力強い声が響く中、22人の選手がピッチへと姿を現す。

今日の名古屋、ゴールキーパーは楢崎。ディフェンスラインは右から田中(隼)、闘莉王、増川、阿部の4人。藤本、中村、ダニルソン、小川の4人が中盤を構成し、玉田、ケネディの2トップによる4-4-2のシステムでのスタートが予想される。

前半、メインスタンドから向かって右にエンドを取った赤のユニフォーム・名古屋に対し、大分ボールでキックオフ。

1分、大分・為田が右サイドからドリブルを仕掛けるが、阿部がゴールラインへとクリア。
2分、大分・右からのコーナーキックを中央の大分・ロドリゴがヘディングで合わせるが、このシュートはクロスバーを超える。
3分、名古屋陣内左ハーフライン付近から大分ボールのフリーキック。名古屋ペナルティエリア方向へのボールは増川がヘディングでクリア。
4分、闘莉王からの縦パスをペナルティエリア内左で受けた藤本。中へと持ち替え、マイナス方向へのボールをケネディが合わせるが、このシュートはクロスバーに当たり枠を外れる。
6分、右サイドから藤本が田中(隼)と縦へのワンツーパスで突破を狙うが、リターンボールは相手ディフェンスにタッチラインへとクリアされる。
7分、大分・高木から前線へのボールは阿部がタッチラインへとクリア。
8分、名古屋ペナルティエリア内右の大分・高松を狙ったボールは闘莉王がゴールラインへとクリア。大分・右からのコーナーキック。ニアサイドで大分・高松に頭で飛び込まれるが、このシュートは枠の右へと外れる。
10分、大分陣内左高い位置でケネディがキープ。ダニルソンへとボールを戻すが、大きくなったトラップを奪われカウンターを仕掛けられる。しかし、大分左サイド前線へのボールは田中(隼)がタッチラインへとクリア。
11分、左サイドからドリブルを仕掛けた大分・永芳のクロスは、闘莉王がゴールラインへとクリア。
12分、大分・左からのコーナーキックはニアサイドの小川が触り、逆サイドゴールラインを割る。大分・右からのコーナーキックは中央の増川がクリア。
13分、コーナーキックのこぼれ球を右へ繋ぎ、大分・宮沢のミドルシュートは楢崎が正面で抑える。
14分、増川からの縦パスに藤本が相手ディフェンスラインの裏を狙うが、このボールは前へ出た大分・丹野にパンチングでクリアされる。

やはり連戦の疲れと暑さのためか、セットプレーを除き、試合開始からここまで若干ホームの大分ペースながら静かな展開が続く。

16分、名古屋ペナルティエリア手前でボールを受けた大分・松田のミドルシュートは増川が体でブロック、ボールはゴールラインを割る。
17分、大分・左からのコーナーキックはダニルソンがヘディングでクリア。これを右で拾った大分・安川のゴール前へのボールは楢崎が抑える。
18分、ケネディからのボールを大分ペナルティエリア手前右寄りで受けたダニルソン。左足でのミドルシュートを放つが、大分・丹野の正面を突きキャッチされてしまう。
19分、ワンツーパスをペナルティエリア内右で受けた大分・松田の至近距離からのシュートは楢崎が弾き、ダニルソンが左タッチラインへとクリア。
21分、ハーフライン付近でボールを奪った大分・高松のドリブルは増川が密着し、こぼれ球は阿部がクリア。
22分、ディフェンスラインに入ったダニルソンから左サイド高い位置を取る阿部を狙ったボールは高く、ヘディングでのコントロールを狙うが、ワンタッチで左タッチラインを割る。
23分、阿部から戻したボールを楢崎が前線へ。これをケネディが左の藤本へヘディングで狙うが、このボールはコースが合わずタッチラインを割る。
24分、闘莉王から縦へのボールに阿部が左サイドを上がるが大分・高木と交錯、阿部に当たったボールはゴールラインを割る。
25分、名古屋ペナルティエリア付近で繋ぎ、こぼれた大分ボールは田中(隼)がクリア。
26分、ディフェンスラインでボールを回す名古屋。左よりの闘莉王から右を上がる小川の前を狙ったボールは大分・丹野にキャッチされる。
27分、小川からのボールを左で受けた阿部。中の藤本の前を狙うが、タイミングが合わずボールはクリアされてしまう。
29分、大分陣内左で藤本がボールを受けるが、ここはオフサイドの判定となる。
30分、ハーフライン付近でのボール奪取から前線の大分・高松に預け、カウンターを狙われるが、ダニルソンがチェックし、中村がボールをクリア。

ボールポゼッション、シュート数共に上回る大分。アウェイの名古屋としては前半に失点しないよう、慎重に戦いたい。

32分、大分・高木から前へのボールは阿部が大分・西にヘディングで競り勝ち、タッチラインへとクリア。
33分、名古屋陣内での大分のカウンターを中村がインターセプト。素早く左の小川を狙うが、このボールは大分・ロドリゴに当たり奪われてしまう。

【得点】
35分、大分陣内右でボールを受けた玉田が前へとドリブル。ペナルティエリア内のケネディへ預けると、ケネディがゴール方向へのターンで相手ディフェンスを交わし、中へと折り返す。ここへ走り込んだ玉田が倒れながら右足で合わせ、名古屋が先制ゴールを奪った。

37分、左サイドを上がった大分・永芳からのクロスは楢崎が抑える。
38分、阿部からの縦パスを相手ディフェンスライン裏へ抜け受けた小川のクロスは逆サイドへと流れてしまう。
39分、ケネディからの落としを大分ペナルティエリア手前で受けた玉田。右足でのミドルシュートを放つが、クロスバーを超える。
40分、大分中央右、タッチライン際でケネディが倒され得たフリーキック。藤本が左足で大分ゴール前へ上げたボールをファーサイドの増川が体で触るが、このシュートは枠の左へと外れる。
41分、大分陣内左の増川から左を上がる小川の前を狙ったボールは直接ゴールラインを割る。
43分、大分陣内右から藤本がドリブル。サポートの玉田へ戻し、素早くペナルティエリア付近の小川へ楔のパスを入れるが、トラップが乱れたボールはクリアされてしまう。
44分、大分・西が右へ開きボールを受けるが、素早く増川が体を寄せ、ボールをタッチラインへとクリア。

ロスタイム1、大分・松田から名古屋ゴール前へのボールは直接ゴールラインを割る。

ここで前半終了。

試合開始直後のケネディのシュートからは決定機をあまり作り出せなかった名古屋だが、それでも少ないチャンスを玉田が決め1点リードでの折り返し。暑さ、連戦の疲れで後半も消耗戦が予想されるが、今日こそ、課題とされるリードしてからの展開をコントロールし、そして追加点を奪いたい。

後半

エンドを替えた後半、名古屋ボールでキックオフ。

1分、右サイドへ開き、大分・高松がボールを受けるが、中方向へのパスは中村がタッチラインへとクリア。
2分、大分・高木から縦へのボールは闘莉王がヘディングでクリア。
3分、大分ペナルティエリア手前で玉田とのダイレクトパスを繋ぎ、エリア内右へ進入した藤本のグラウンダーのクロスは相手ディフェンスに当たりゴールラインを割る。
4分、名古屋・右からのコーナーキック。藤本が右足で上げたボールはファーサイドゴールライン際で大分・若狭にタッチラインへとクリアされる。
5分、大分ペナルティエリア手前のケネディが中央の藤本へ。これを藤本がスルーし、外の小川からエリア内へ走り込むケネディへのリターンを狙うが、このボールは相手ディフェンスにカットされクリアされる。
6分、阿部の裏でボールを拾った大分・西の中へのクロスは闘莉王がヘディングでクリア。
7分、名古屋ペナルティエリア手前左の大分・永芳からふわりと浮かせた中へのボールは、楢崎が直接抑える。
8分、名古屋陣内右から大分ボールのフリーキック。小さく繋ぎ、ゴール前へのボールは中村が左へとクリア。
9分、自陣左深い位置からボールを繋ぐ名古屋。増川からハーフライン付近のケネディ、さらに前の玉田へヘディングを狙うが、このボールは大分・若狭にクリアされる。
10分、自陣左でダニルソンが大分・ロドリゴを倒し、フリーキックを与える。名古屋ゴール右45度、35m強の位置から大分ボールのフリーキック。名古屋ゴール前へのボールは楢崎がパンチング、藤本が右タッチラインへとクリア。
11分、先のセットプレーで味方と交錯したケネディが治療のため、一旦ピッチの外へと出される。
12分、左サイドをを上がった大分・安川からのクロスは小川がクリア。
13分、大分ペナルティエリア手前の藤本からケネディへ楔のボール、さらに中への折り返しに玉田が走り込むが、ボールは相手ディフェンスにクリアされる。ここからのカウンターを自陣で中村が止め、このプレーでイエローカードが提示される。
14分、名古屋ゴール左から大分ボールのフリーキック。名古屋ペナルティエリア内へのボールは中村がクリア。

後半も開始からここまで、大きなチャンスの作り出せない両チーム。名古屋としては守るところと攻めるところでしっかり意思を統一して戦いたい。

17分、玉田からのパスに左サイドを上がった阿部のクロスは、相手ディフェンスがクリア。これを右で拾った藤本から中へのボールのこぼれ球を玉田が右足で狙うが、このシュートは相手ディフェンスに当たりクリアされる。
18分、闘莉王からのボールをケネディが相手ディフェンスと交錯しながら落とすが、ここは僅かにケネディの位置でオフサイドの判定となってしまう。
19分、楢崎からのボールを右へ流れたケネディがさらに前の玉田へヘディングで狙うが、玉田が一瞬ボールを見失い、相手ディフェンスにクリアされる。
20分、阿部からのボールに中央を抜け出した藤本。ペナルティエリア付近でボールを受けるが、ここはオフサイドの判定となってしまう。

【得点】
21分、大分ペナルティエリア右寄りでボールを受けたケネディから右へのボール。抜け出した藤本からグラウンダーのクロスに逆サイドを走り込んだ小川が右足で合わせ、名古屋が待望の2点目を奪った。

23分、大分・為田の右サイドでのドリブルを阿部が倒し、ファールの判定となる。
24分、藤本から左の阿部へのボールはトラップミス、タッチラインを割る。
大分1人目交代:永芳→辻尾

25分、藤本の落としダニルソンがペナルティエリア内右へ進入するが、前へ蹴り出したドリブルは大分・丹野にキャッチされてしまう。
26分、左サイドで右足へ持ち替えた大分・為田のゴール方向へのボールは楢崎が見送り、逆サイドゴールラインを割る。
27分、ケネディのダイレクトプレーで右サイドを上がった田中(隼)からのアーリークロス。逆サイドを上がった小川が相手ディフェンスに体を合わせられながら右足で触るが、このシュートは大分・丹野にクリアされる。
28分、カウンターから右へ開いた藤本、さらに中を上がった玉田へ繋ぐ。しかし、相手ディフェンスのプレーにバランスを崩した玉田のシュートは大分・丹野にキャッチされてしまう。
30分、ハーフラインを超えた位置でケネディが相手ディフェンス裏のボールを狙うが、ここで相手を押さえたとしてファールの判定を取られる。

小川のチーム最多、今シーズン6点目となるゴールで2点リードとした名古屋。試合は残り15分、このまましっかりと試合をコントロールし90分を戦い抜きたい。

32分、楢崎からのボールを右サイドの田中(隼)が僅かに触り、その裏の藤本が胸トラップでのコントロールを狙うが、ここはハンドの判定。
大分2人目交代:高松→木島

【失点】
33分、左サイド高い位置で右足へ持ち替えた大分・為田からのクロス。これをディフェンスの間に入った大分・松田に体をひねるヘディングで合わせられ、1点差とされるゴールを許してしまう。

35分、左サイドハーフライン付近でボールを受けたダニルソンが倒され、フリーキックを得る。ここからのフリーキック、大分ゴール前へのボールをケネディが後ろ向きで落とし、走り込んだ藤本が左足で狙うが、このシュートは相手ディフェンスに当たりクリアされる。
36分、大分ペナルティエリア手前でボールを受けた藤本。エリア内へ走る選手をおとりに左足で狙うが、このシュートは僅かに枠の右へと外れる。
39分、左サイドを上がった大分・安川からのアーリークロスは逆サイドへ。ここからグラウンダーでの折り返しは楢崎が抑える。

40分、名古屋1人目交代:玉田→ダニエル

41分、大分3人目交代:西→森島
阿部からのクリアボールを前線の藤本が足先で抑えようと狙うが、高く上げてしまいファールの判定となる。

43分、左でボールを受けた大分・森島から名古屋ゴール前へのボールは阿部が胸で触り、楢崎が抑える。
44分、藤本が右サイドで粘り得たコーナーキック。ここからはショートでケネディへ繋ぎ、コーナーフラッグ付近でのボールキープを狙うが、ボールは相手ディフェンスにタッチラインへとクリアされる。
45分、名古屋陣内左から大分ボールのスローイン。しかし、ペナルティエリア付近へのボールはダニルソンが前線へと大きくクリア。
(ロスタイム表示:3分)

ロスタイム1、左へ開く大分・為田へのボールは田中(隼)がカット、中村が前線へとクリア。
ロスタイム2、大分右サイドへのロングボールは阿部が競り合い、直接ゴールラインを割る。
ロスタイム3、名古屋ペナルティエリア内右へのボールは闘莉王がヘディングでクリア。大分・右からのコーナーキック。ニアサイドへ大分・森島が飛び込むが、このシュートは枠の右へと外れる。
ロスタイム4、名古屋2人目交代:小川→田中(輝)
名古屋陣内中央左寄りでボールを受けた大分・安川を中村が後ろから倒し、ファールの判定。

しかし、ここで試合終了。

待望の2点差としながらその後1点を返され、最後はやはり4連戦の疲れと1点差を守るため慎重になり過ぎ、足も止まった名古屋。しかし、それでもアウェイで1点差を守り抜き、2-1での勝利。

鳥栖、大分と続く下位チームとの2連戦、勝ち点6が至上命題とされた名古屋だが、苦しみながらもそれを達成。まだまだ厳しいシーズンは続くが、それでも徐々に自信を取り戻し、折り返し後のリーグ後半戦での反撃に期待したい。


試合終了後記者会見

130717-mr.jpg今日の試合は2-0でも2-1でも、我々にとって同じ結果でした。勝ち点3を獲得した、我々の目標は達成したと思います。今日は勝つ事が重要でしたし、その結果には満足しています。

試合内容としては、簡単なゲームではありませんでした。大分トリニータのセットプレーがある程度脅威でした。それでも我々は守備についてもしっかりとこなし、良かったと感じています。

Q.今日は前半よりも後半の方が良かったように感じますが、ハーフタイムにはどのような指示を出されたのでしょうか?

私にとって前半も後半も同じ試合でした。前半に1点決め、後半にも1点を決めました。これ以上求める事はありません。1-0で試合を折り返し、後半は自信を持って戦えていました。自分達のスタイルを持って戦うことが出来ました。特にケネディが私の期待に応え、しっかりとボールをキープし、1点目も2点目も得点に絡んでくれました。後半は相手にスペースが沢山できたため、カバーすることが難しかったのではないでしょうか。

Q.これで17節を終えて、勝ち点が21になりました。岐阜県の古川でのキャンプ後には、今シーズンはJ1への残留が第一の目標だと話されていましたが、ここ4試合で勝ち点9を獲得し、目標を上方修正されるのでしょうか?

J1残留という目標を話したのは冗談で言ったのですが、皆さんは本気にされていたのでしょうか?

名古屋というチームはJ2へは落ちません。我々は1つ1つの試合を決勝戦だと思い、そして勝ち点を積み上げていくだけです。言い訳のできないゲームが続きますが、後半戦も様子を見たいと思います。

後半戦は最初から最後まで集中力を保って走り切る、強いファイティングスピリットを持って戦ってほしいと思います。今日でリーグ戦が折り返しですが、今日は勝ち点3を獲得しました。そして次のゲームでも獲得したいと思いますし、最後まで集中力を保って戦う必要があります。

我々グランパスは過去にも、下位チームから取りこぼすという悪い経験があります。選手達には取りこぼしの無いよう、相手にサプライズを起こさせるなという話をしてきました。目標は勝つことであり、どのように勝つかは予想できませんが、なんとしても勝利が欲しかった。そして今日はこのような形で勝つことができました。