2013シーズン試合結果
試合前
上空を雲に覆われた愛知県名古屋市。2013J1第16節は、ホームでサガン鳥栖との対戦となる。
リーグ戦再開とともに梅雨明けし、本格的な夏を迎えた東海地方。連日35度を超える酷暑の中、短い間隔で試合が行われるハードな日程だが、第15節を終え勝ち点15での13位に沈む名古屋にとっては、どの試合も負けられない厳しいゲームが続く。
「COOL MIZ HOT」と題され、氷の彫刻や打ち水大作戦など涼を取るためのイベントで盛り上がった瑞穂だが、スタジアム内にはキックオフ1時間前からすでにサポーターの熱気が溢れている。ピッチ上での各イベントを終えた午後6時25分過ぎ、ウォーミングアップのため選手達がピッチへと姿を現した。
前節、アウェイでの首位・大宮戦では先制しながら後半逆転を許し、敗れた名古屋。その大宮戦では出場停止だった増川、さらに出場停止開けに怪我のため出場を見送ったダニルソンが今日は戻ってきた。勝ち点差1で15位の鳥栖とホームでの対戦、勝ち点3が至上命題とされる今日の試合だが、中2日での試合となる選手達も試合前から気合いに満ち溢れているようだ。
バックスタンドには雨具が見られるようになり、弱い雨がちらつきはじめた瑞穂だが、少し涼しくなったピッチで再びグランパスの選手の躍動に期待したい。
前半
ウォーミングアップ中の通り雨で、少しだけ涼しく感じられるようになった瑞穂陸上競技場。両サポーターの拍手と歓声が響くスタジアムに22人の選手が姿を現す。
今日の名古屋、ゴールキーパーは楢崎。ディフェンスラインは右から田中(隼)、闘莉王、増川、阿部の4人。藤本、中村、ダニルソン、小川の4人が中盤を構成し、玉田、ケネディの2トップによる4-4-2のシステムでのスタートが予想される。
キックオフ直前になって再び雨の舞い始めた前半、メインスタンドから向かって左にエンドを取った赤のユニフォーム・名古屋ボールでキックオフ。
1分、ハーフライン付近の浮き球をダニルソンがヘディングで前線へ狙うが、戻り切れなかった玉田の位置でオフサイドの判定となる。
2分、鳥栖・豊田がオフサイドぎりぎりで飛び出しフリーで抜け出すが、エリア内でのシュートは楢崎がクリア。こぼれ球のシュートも再びゴールラインへとクリア。鳥栖・右からのコーナーキックはダニルソンがヘディングでクリア。
3分、中盤からのパスに鳥栖・池田が左へ走り出すが、前を狙ったボールは闘莉王がクリア。
4分、中央右寄りを上がった鳥栖・水沼のシュートは楢崎が触り、枠の右へと外れる。
5分、鳥栖・右からのコーナーキックはダニルソンがクリア。再びエリア内左の豊田に繋いで、中への折り返しは楢崎が抑える。
6分、名古屋陣内右で鳥栖・野田を中村が倒し、フリーキックを与える。名古屋ゴール左45度、30m強の位置から鳥栖ボールのフリーキック。小さくそらし鳥栖・藤田が名古屋ゴール前へ上げたボールは増川が触り、阿部がクリア。
8分、鳥栖陣内中央で闘莉王からのボールを受けた玉田が左を上がる阿部の前へ。ここからペナルティエリア内左で阿部からのリターンを狙うが、球足が速くボールは直接ゴールラインを割る。
9分、名古屋ゴール正面30m弱の位置で藤本が鳥栖・水沼を倒し、フリーキックを与える。
10分、この位置からのフリーキック。鳥栖・水沼が狙ったボールはディフェンスの壁に当たり、闘莉王がクリア。
11分、鳥栖ペナルティエリア手前左、25m強いの位置で玉田が倒され得たフリーキック。小川が右足で直接狙うが、このシュートは鳥栖・赤星にパンチングでクリアされる。
【得点】
12分、鳥栖陣内で阿部からの縦へのパス。これをペナルティエリア付近の闘莉王がダイレクトで落とし藤本へ。さらにペナルティエリア内へのボールを受けたケネディが冷静に右足で流し込み、ファーストチャンスで名古屋が先制ゴールを奪った。
14分、鳥栖陣内右ハーフライン付近で玉田が後ろから引っかけられ、フリーキックを得る。
15分、この位置からのフリーキック、藤本が左足で鳥栖ゴール前へ上げたボールに複数の選手が走り込むが、ここはオフサイドの判定となる。
試合開始から積極的な守備でペースを掴んだ鳥栖に対し、フリーキック後のファーストチャンスで先制した名古屋。リーグ戦再開後の清水戦、大宮戦でも先制しながらその後の試合運びに課題が見られたため、出るべきところと抑えるべきところを見極め、慎重に試合を進めたい。
17分、左サイドをオーバーラップした鳥栖・野田からのクロスは、阿部がヘディングでゴールラインへとクリア。鳥栖・右からのコーナーキック。名古屋ゴール間へを抜け、ファーサイドへ流れたボールを受けた鳥栖・金が名古屋ゴール前へ再び狙うが、このボールは闘莉王がクリア。
18分、鳥栖・水沼の右サイドからのドリブルは阿部が対応、ボールをタッチラインへとクリア。
20分、味方とのワンツーで左サイドを上がった鳥栖・高橋のクロスは、阿部がヘディングでクリア。
21分、鳥栖・藤田から前線へのボールは楢崎が見送り、直接ゴールラインを割る。
22分、鳥栖陣内中央左タッチライン際で玉田が倒され、フリーキックを得る。ここからのフリーキック、小川が右足でゴール前へ上げたボールは中央で相手ディフェンスにクリアされる。
23分、鳥栖陣内中央左寄りで小川が倒され得たフリーキック。再び小川が右足で鳥栖ゴール前へ上げたボールは、前へ出た鳥栖・赤星にパンチングでクリアされる。
24分、藤本とのワンツーで右サイドを上がった田中(隼)からライナー性のクロス。玉田が苦しい体勢から右足ダイレクトで合わせるが、このシュートはクロスバーを超えてしまう。
25分、右サイドハーフライン付近で田中(隼)が鳥栖・水沼からボール奪取を狙うが、相手を倒してしまい、ファールの判定となる。
27分、藤本からのボールを自陣右で受けた田中(隼)が縦への突破を狙うが、鳥栖・金の裏を狙ったボールは相手に当たりタッチラインを割る。
28分、阿部からのパスにペナルティエリア内左へ走り込んだ藤本がコーナーキックを得る。鳥栖・左からのコーナーキック。藤本が左足で上げたボールは中央で鳥栖・赤星がクリア。これをペナルティエリア手前の闘莉王がヘディングで中へと繋ぎ、ケネディが倒れながらヘディングで合わせるが、このシュートも鳥栖・赤星にクリアされてしまう。
30分、ハーフライン付近の増川から前線右の藤本を狙った速いボールはコースが合わず、直接ゴールラインを割る。
依然としてペースの上がり切らない名古屋だが、それでも何度か得たセットプレーのチャンス。こういった機会で追加点を決め、試合を有利に進めたい。
31分、鳥栖ペナルティエリア右でボールを持った藤本。中へのドリブルから、外を上がる田中(隼)へヒールでのパス。再び田中(隼)からのボールを藤本へと戻すが、シュートまで打ち切れず、ボールはクリアされる。
33分、ハーフライン付近で中村と鳥栖・豊田が交錯。ここは鳥栖ボールのフリーキックとなる。そのフリーキックからのリスタートを左へ運び、名古屋ゴール前へのクロス。鳥栖・豊田がヘディングで味方へと落とすが、ここは阿部がコースを塞ぎ、ボールは直接ゴールラインを割る。
34分、名古屋陣内左ハーフライン付近から鳥栖ボールのフリーキック。鳥栖・金が名古屋ゴール前ファーサイドへ上げたボールは阿部がヘディングでクリア。鳥栖・右からのコーナーキック。ショートで繋ぎ、中へのボールは闘莉王がヘディングでクリア。
36分、名古屋ペナルティエリア右の鳥栖・丹羽からのクロスは楢崎が直接抑える。
37分、鳥栖陣内右から鳥栖ボールのフリーキック。名古屋ゴール前へのボールは闘莉王、田中(隼)とヘディングで繋ぎ、楢崎へと戻す。
38分、楢崎からのボールを右に流れたケネディが前の藤本へヘディングで狙うが、このボールは直接ゴールラインを割る。
【失点】
39分、名古屋ペナルティエリア手前左から鳥栖・野田が中へとドリブル。ワンツーで繋ぎ、混戦となったペナルティエリア手前中央から右足でのシュートを決められ、同点とされてしまう。
40分、右からのグラウンダーのクロスをペナルティエリア内中央の鳥栖・豊田に右足で狙われるが、このシュートは楢崎が正面で抑える。
41分、名古屋陣内右でボールを受けた鳥栖・豊田を闘莉王が倒し、フリーキックを与える。
42分、名古屋ゴール右から鳥栖ボールのフリーキック。名古屋ゴール前へのボールは逆サイドへ流れ、田中(隼)がクリア。これを拾った鳥栖・水沼にミドルシュートを狙われるが、ボールはクロスバーを超える。
43分、ハーフライン付近左で阿部がパスカット。そのまま玉田へ繋ぎ、ペナルティエリア内左まで持ち上がるが、相手ディフェンスに体を付けられボールはゴールラインを割る。
44分、名古屋陣内左から鳥栖・高橋のミドルシュートは枠の左へと外れる。
45分、自陣での藤本のパスカットからセンターサークル付近の玉田、ダニルソン、ダイレクトで左の小川へと狙うが、ボールはカットされてしまう。
(ロスタイム表示:2分)
ロスタイム1、自陣からの縦パスに鳥栖・豊田が完全にフリーで飛び出すが、ペナルティエリアを飛び出した楢崎が胸でボールをクリア。
ロスタイム2、鳥栖ゴール前へのロングボールは鳥栖・赤星が直接抑える。
ロスタイム3、自陣左の浮き球を阿部が右足で前へ狙うが、このボールは相手ディフェンスがクリア。再び増川が右足アウトサイドで前へと蹴るが、ここで前半終了。
得点シーン以外で決定機があまり作り出せなかった名古屋。課題の先制後の試合運びで追いつかれる厳しい展開だが、後半、何とかペースを掴み、勝越しゴールを奪いたい。
後半
エンドを替えた後半、鳥栖ボールでキックオフ。
1分、鳥栖・金からの縦パスをペナルティエリア付近の鳥栖・豊田がヘディングで前へと流すが、このボールは楢崎が直接抑える。
2分、名古屋ペナルティエリア手前で鳥栖・野田からボールを奪った闘莉王が引っ張られ、名古屋ボールのフリーキックとなる。
3分、鳥栖ペナルティエリア内でケネディがボールを落とすと、右からトップスピードで走り込んだ藤本がワンタッチし、左足で狙うが、このシュートは抑えが効かずクロスバーを超えてしまう。
4分、野田からのボールに右サイドを上がった鳥栖・水沼からのクロスは楢崎が抑える。
5分、右サイドで1人交わし、縦へと上がった田中(隼)からのクロスがゴール前でこぼれるが、ここは鳥栖・赤星にクリアされてしまう。
6分、鳥栖陣内中央でボールを受けたケネディがワンテンポ置き、右を上がる田中(隼)の前を狙うが、このボールは直接タッチラインを割ってしまう。
8分、鳥栖・金からのアーリークロスを名古屋ペナルティエリア内右ゴールライン付近で鳥栖・豊田に折り返されるが、このボールは増川がスライディングでゴールラインへとクリア。
9分、鳥栖・右からのコーナーキックは中央の中村がクリア。
10分、名古屋ペナルティエリア内で鳥栖のオフサイドからのリスタート。楢崎からダニルソンへのボールを奪われ、右前へと狙われるが、ここはオフサイドの判定となる。
11分、自陣左で阿部からのボールを受けた玉田が倒され、フリーキックとなる。
14分、自陣左でボールを受けた小川から左前へ流れるケネディを狙うが、ここはタイミングが合わず、ボールはクリアされる。
15分、左サイドハーフライン付近で玉田が倒され得たフリーキック。リスタートから右へ繋ぎ、さらに中央の中村から鳥栖ゴール間へのボールをケネディがヘディングで落とすが、味方とは合わずボールはクリアされる。
後半開始からここまでは若干名古屋ペースながらも、追加点は奪えていない。中央でのミスから何度かカウンターを狙われる場面もあり、失点をしないよう、落ち着いて戦いたい。
【得点】
16分、闘莉王からのパスを右サイドで受けた田中(隼)。左足へ切り返し、中へのドリブルからシュート気味のボールを玉田が僅かに触りコースを変えると、これが鳥栖ゴールを揺らし、名古屋が勝ち越しゴールを奪った。
【失点】
18分、センターサークル付近でボールを受けた鳥栖・藤田を闘莉王がファール覚悟のスライディングで止め、イエローカードが提示される。ここからのリスタート、左サイドへ展開。名古屋ゴール前へのアーリークロスにディフェンスが重なってしまったところを鳥栖・豊田にヘディングで決められ、再び同点とされてしまう。
20分、名古屋陣内センターサークル付近で中村が鳥栖・池田を倒し、フリーキックを与える。ここからのフリーキックは田中(隼)がヘディングで弾き、闘莉王がクリア。
21分、センターサークル内から鳥栖ボールのフリーキック。名古屋ゴール前中央の危ない位置へボールを上げられるが、前へ出た楢崎と鳥栖・池田が交錯し、ここは名古屋ボールのフリーキックとなる。
23分、鳥栖陣内センターサークル付近右でダニルソンが倒され、フリーキックを得る。
24分、名古屋ペナルティエリア内左で鳥栖・豊田が後ろからのボールを受けるが、ここからのドリブルは闘莉王がボールをゴールラインへとクリア。
25分、鳥栖・左からのコーナーキック。ショートで繋ぎ、鳥栖・高橋が右足で狙うが、このシュートは枠の左へと外れる。
26分、カウンターから左を上がる鳥栖・小田のドリブルを中村が止め、このプレーでイエローカードが提示される。名古屋ゴール左30m程度の位置から鳥栖ボールのフリーキック。名古屋ゴール前へのボールは闘莉王がクリア。
27分、名古屋1人目交代:中村→矢野
名古屋陣内右から鳥栖・藤田のロングスローは阿部がヘディングで触り、小川がクリア。
28分、自陣で小川のパスカットからハーフライン付近の玉田へと楔のボールを入れるが、ここは相手ディフェンスにタッチラインへとクリアされる。
勝ち越しながらも、またしても追いつかれた名古屋。試合は残り15分、最後まで勝利を信じ戦って欲しい。
31分、ハーフラインを超えた増川から左サイド高い位置の阿部の前へ速いボールを狙うが、タイミングが合わず、ボールは直接ゴールラインを割る。
32分、鳥栖陣内左でボールを受ける鳥栖・豊田を増川が倒し、ファールの判定となる。
33分、名古屋ペナルティエリア内左からマイナス方向へのボールに走り込んだ鳥栖・豊田のシュートはディフェンスに当たり、クロスバーを超える。
34分、鳥栖1人目交代:水沼→金井
鳥栖・左からのコーナーキックは中央の増川がヘディングでクリア。ここからカウンターを仕掛ける名古屋。左サイドからダニルソン、小川と持ち上がり、鳥栖陣内左でフリーキックを得る。
35分、名古屋2人目交代:小川→ダニエル
鳥栖陣内左から名古屋ボールのフリーキック、藤本が鳥栖ゴール前へ上げたボールは鳥栖・赤星にクリアされる。
【得点】
36分、鳥栖陣内中央でボールを受けた玉田から縦へのボール、これをペナルティエリア内の闘莉王が肩で落とし、こぼれ球を藤本が頭で流し込みゴールネットを揺らす。ダニエルをディフェンスラインへ入れ、前線へ上げられた闘莉王が最初のチャンスで仕事をし、再び名古屋が勝ち越した。
39分、名古屋陣内中央でボールを受けた鳥栖・野田が縦へのドリブルを仕掛けるが、ダニエルがノーファールでこれを止めボールをクリア。
40分、鳥栖2人目交代:野田→岸田
鳥栖ペナルティエリア内へのボールをケネディが落とし、右から走り込んだ矢野が足先で触り玉田へ。ここから玉田の左足アウトサイドでのシュートはクロスバーを超えてしまう。
42分、鳥栖・金井からのアーリークロスは楢崎が直接抑える。
43分、鳥栖・岸田が右サイド高い位置でボールを受け縦へのドリブルからクロスを狙うが、その前にゴールラインを割る。
44分、左サイドタッチハーフライン付近でボールを受けたケネディが倒されるがノーファール、ボールはタッチラインを割る。
45分、自陣中央でボールを受けたダニルソンが力強いドリブルで中央突破。左のケネディへ繋ぎ、さらにペナルティエリア内へ走り込むが、ボールは鳥栖・赤星にクリアされる。
(ロスタイム表示:ロスタイム表j4分)
ロスタイム1、楢崎からのロングボールに玉田が相手ディフェンスラインの裏を狙うが、このボールは鳥栖・赤星に直接クリアされる。
ロスタイム2、鳥栖3人目交代:池田→小林
ロスタイム3、右からのアーリークロスが名古屋ゴール前を通り抜け、ファーサイドの鳥栖・金井に頭で合わせられるが、枠へのボールは楢崎が戻りながら外へと弾き出す。鳥栖・左からのコーナーキックは中央でディフェンスがクリア。これを右サイドで受けた矢野が鳥栖・コーナーフラッグ付近まで持ち上がり、相手のファールを誘う。
名古屋3人目交代:玉田→田中(輝)
ロスタイム4、鳥栖・右コーナーフラッグ付近からの名古屋ボールのフリーキック。リスタートでボールを受けた矢野がボールをキープ、再び相手のファールを誘う。
ロスタイム5、ここからのフリーキック、矢野のボールは直接ゴールラインを割る。
ロスタイム6、鳥栖・金井から名古屋ゴール前へのボールは楢崎が直接抑える。
そして、ここで試合終了。
3度目の勝ち越しを何とか守り切った名古屋。試合90分を通し、連戦の疲れもあったのか、名古屋が目指すサッカーは見られなかった。しかし、降格圏付近の鳥栖との直接対決、勝ち点3が必須とされる試合で闘莉王を前線へ上げるパワープレーなど、内容よりも勝利にこだわった名古屋がぎりぎりのところで貴重な勝ち点3を獲得した。
試合終了後記者会見
今日はとてもタフな内容になりました。今日は我々が一番欲しかった、"結果"というもの出せて、勝ち点3を取ることができ、とても満足しています。
今シーズンは、先制しても、すぐに追い付かれてしまう展開が目立ちますが?
集中力が欠けているのだと思います。この点については、すぐにでも改善していかなければならないと思っています。
今日の試合は、鳥栖側がボールを支配していたように思えます。やはり豊田選手はとてもハイクラスで本当に素晴らしいストライカーでした。我々の守備陣も彼を相手に困難を強いられてしまいました。
今日は我々がプレッシャーを掛けるつもりが、逆にプレッシャーを掛けられてしまった部分もあります。簡単には勝てないような内容でした。そのゲームを、ホームの地でサポーターの皆さんの前で勝つことが出来たということは、非常に喜ばしいことです。今日の試合は、最後までファイティングスピリット"戦う姿勢"というものを見せることが出来ました。
今日のゲームで決定的だったのは、戦術的な変更だったと思います。後半、闘莉王を前線において、ダニエルを後ろに置きましたが、やはりその変更が大きかったと思います。この判断が功を奏して、闘莉王から藤本に素晴らしいボールが渡り、3点目のゴールを得ることが出来ました。ここが今日の勝敗を分かつ、決定的なポイントだったと思います。
試合の直前には、ケネディと玉田に『とにかく得点してくれ』ということのみを伝えました。今日の結果は、チーム全体にとっても、彼ら個人にとっても大きな自信になったと思います。そして忘れてはならないのは、楢崎の素晴らしいプレーです。
藤本選手は今まで、高いテクニックから美しく決めるというシュートが多く、今日のゴールシーンのように"泥臭く"ボールに飛び込むということは、あまりありませんでした。この彼の変化はどう感じていますか?
藤本は後半の立ち上がりで、非常に良い状況の中、ゴールを決めることが出来ませんでした。3点目のシーンのように、藤本がヘディングで決めるというのはとてもレアなことだと思います。彼はあのシーンでの可能な限りのプレーをしてくれ、"勝つための"とても価値ある一点を手にしてくれました。例え美しくなかったとしても、この彼のプレーは高く評価したいと思います。
今日は大宮戦の後の対戦でした。あのような内容だったこともあり、我々もある程度落胆していたため、今日は何としてでも勝ちたい試合でした。この勝利はとても大きいものです。サポーターの皆さんが後ろから支えてくれていたからこそ、勝ち得た"勝利"だと思います。