2013シーズン試合結果
試合前
好天に恵まれた名古屋市瑞穂陸上競技場。ゴールデンウィークへと突入する初戦はホームで昨年のJリーグ王者、サンフレッチェ広島との対戦となる。
前節アウェイでのFC東京戦、さらに水曜日に行われたアウェイでのヤマザキナビスコカップ・鹿島アントラーズ戦で連敗を喫したグランパス。このままずるずると順位を落とさないために、今日の試合での勝ち点3獲得は必須となる。
ファミリーJoinデイズとして試合前から各種イベントを楽しんだサポーターが徐々に席に着きはじめた午後1時30分少し前、ウォーミングアップのためフィールドプレイヤーがピッチへと姿を現すと、すでに真っ赤に染まるサポーターズシートを中心に拍手と歓声が沸き起こった。
その鹿島戦では怪我明けのコンディションや連戦の疲れを考慮しメンバーから外れた闘莉王、ケネディの2人が今日はスターティングメンバーに名を連ねる。また、FC東京戦での退場により鹿島戦をの出場停止が明けた田口もメンバーに入り、怪我の藤本を除き現時点でほぼベストと考えられる11人とベンチ入り7人が揃っている。
キックオフまで30分を切り、メインスタンド、バックスタンドにも続々とサポーターが集まっているが、ウォーミングアップを行う選手達の表情を見れば、ある程度リラックスした様子でホーム瑞穂の雰囲気を楽しんでいるようにも感じられる。
前半
名古屋サポーターによるアンセムの合唱が終わり、広島サポーターの歓声が入り混ざるスタジアムに22人の選手が姿を現す。
今日の名古屋、ゴールキーパーは楢崎。ディフェンスラインは右から田中(隼)、闘莉王、増川、阿部の4人。田口、ダニルソンが中盤底に位置し、ケネディの1トップ、その後ろに矢野、玉田、小川の並ぶ4-5-1(4-2-3-1)のシステムでのスタートが予想される。
前半、メインスタンドから向かって左にエンドを取った赤のユニフォーム・名古屋に対し、広島ボールでキックオフ。
1分、左サイドでダニルソン、小川、阿部、小川と繋ぐが、広島ペナルティエリア手前で小川へのボールは奪われクリアされる。
2分、広島・塩谷から縦へのボールは増川がタッチラインへとクリア。
3分、広島・右からのスローインを名古屋ゴール前へ運ばれ、エリア内の広島・佐藤が僅かに触るが、このボールは楢崎が抑える。
4分、広島ペナルティエリア内左を突いた玉田がゴールライン付近から中へと折り返すが、その前にゴールラインを割り、広島ボールのゴールキックとなる。
5分、広島・ミキッチが右サイドから突破を狙うが、阿部がスライディングでブロック、ボールは広島・ミキッチに当たりゴールラインを割る。
6分、右サイドを突破した広島・ミキッチからの折り返しを名古屋ペナルティエリア内左の広島・高萩に頭で中へと折り返されるが、このボールは田口がクリア。
7分、ハーフラインを超えた闘莉王から広島ゴール前のケネディを狙ったボールは、風に流され、直接ゴールラインを割る。
8分、左サイドを上がった阿部からのクロス。広島・西川が弾き、ファーサイドの矢野が倒れながら中へと折り返すが、ケネディに当たったボールはゴールラインを割る。
9分、右サイドを上がった広島・ミキッチからのクロスは阿部が体に当てて、ゴールラインを割る。
10分、広島・右からのコーナーキック。変則的に低く中へ狙ったボールを小川がクリアすると、これを拾った広島・高萩から中へのクロスは逆サイドへと流れる。
11分、広島ペナルティエリア手前左から玉田が中へとドリブルで持ち込むと、流れたボールを拾った矢野がペナルティエリア内へ狙うが、このボールは広島・千葉にクリアされる。
12分、右からのボールを名古屋ペナルティエリア手前の広島・佐藤が後方へ落とし、走り込んだ広島・高萩が右足でミドルシュートを狙うが、ここは素早く前へと出た闘莉王が体でブロック、クリアする。
15分、名古屋ペナルティエリア手前から中へ広島・高萩の入れたボールは左を上がった広島・山岸に対し、オフサイドの判定となる。
ホームからアウェイ側への風が強く、縦への高い精度のボールが難しい状況となる序盤。名古屋としては高さとは別の、機動力を活かしたパスサッカーにも活路を見い出したい。
16分、センタサークル内での闘莉王のパスカットから右の矢野へ。再び闘莉王へ戻し、ゴール間へと入れるが、このボールは相手ディフェンスにクリアされる。
17分、名古屋・左からのコーナーキック。田口が右足で上げたボールは広島・西川がパンチングでクロスバーの上へとクリアする。
18分、名古屋・左からのコーナーキック。田口からのボールを相手ディフェンスが弾き、こぼれ球に闘莉王が頭で詰めるが、混戦の中でのボールはゴールライン付近でクリアされてしまう。
20分、玉田からのパスに小川が左サイドを上がるが、コーナーフラッグ付近から中へは折り返せず、玉田を狙ったボールはクリアされる。
21分、中央を上がった闘莉王から右の矢野へ。ワンテンポ置いてグラウンダーで中へと狙ったボールは、広島ゴール前を通り抜け、逆サイドでクリアされる。
22分、広島・ミキッチの右サイドでのドリブルは阿部がゴールラインへボールをクリア。広島・右からのコーナーキック。ファーサイドで広島・千葉の折り返しは阿部が繋ぎ、センターサークル付近の玉田へ。しかし、ここで玉田が後ろからのタックルで倒され、名古屋ボールのフリーキックとなる。
23分、名古屋ペナルティエリア手前で細かく繋ぎ、広島・高萩がグラウンダーのシュートを狙うが、このボールは楢崎が正面で抑える。
25分、広島陣内中央でインターセプトした闘莉王がそのまま強烈なミドルシュート。枠を捉えたかに見えたボールは広島・西川にパンチングで枠の外へと弾き出されてしまう。
26分、名古屋・右からのコーナーキック。玉田が左足で上げたボールは広島・西川が中央でキャッチ。
27分、広島ペナルティエリア手前で田口と縦へのワンツーで玉田が抜け出すが、球足が速く、ゴールライン付近で玉田がスライディングで戻したボールは相手ディフェンスにクリアされてしまう。
29分、広島・ミキッチからのクロスを闘莉王が胸に当て、楢崎へ戻そうしたボールに広島・佐藤が詰め交錯するが、ここは広島・佐藤のファールの判定となる。
依然として得点の無い両チーム。ここまでボールポゼッション、シュート数共に互角の戦いが続く。
31分、広島陣内右、ハーフライン付近で広島・山岸から矢野がボール奪取を狙うが、お互いの足が交錯し、ここは矢野のファールの判定となる。
32分、広島ペナルティエリア手前左の阿部から低く曲がるクロスは、倒れながら広島・千葉にヘディングでクリアされる。
33分、センターサークル内で田口のパスカットから矢野、左の玉田と繋ぎ、さらに右を上がる田中(隼)へのサイドチェンジを狙うが、このボールは手前に入った広島・水本にクリアされる
34分、自陣ハーフライン付近でハイボールを競り合った闘莉王と広島・石原の頭が激突。このプレーで広島・石原にイエローカードが提示される。
36分、広島陣内左サイドで阿部、小川、玉田と繋ぐが、ペナルティエリア付近でコントロールの大きくなったボールは相手ディフェンスにクリアされる。
37分、広島陣内中央の闘莉王から左を上がる阿部の前を狙ったダイレクトパスはコースが合わず、直接ゴールラインを割る。
39分、広島陣内右の田中(隼)から横へのボール、これをダニルソンがスルーし、その奥の田口が右足で狙うが、このシュートは抑えが効かずクロスバーを大きく外れる。
40分、広島陣内中央でダニルソンが仕掛け、こぼれたボールを小川が30m強の位置から右足で狙うが、このシュートは広島・西川に枠の外へと弾かれる。名古屋・左からのコーナーキック。田口が右足で上げたボールはゴール前でこぼれ、相手ディフェンスにクリアされる。
41分、左サイド低い位置の広島・山岸から縦へのボールが風で止まり、名古屋陣内へ入るが、戻った増川が楢崎へと戻しクリア。
42分、広島陣内右、タッチライン付近でドリブル突破を仕掛けた闘莉王が広島・佐藤にスライディングで倒され、フリーキックを得る。
43分、ここからのフリーキック、玉田が左足で広島ゴール前へ上げたボールは中央で相手ディフェンスにクリアされる。
44分、自陣でパスカットした広島が左に開く広島・高萩へ繋ぎ、カウンターを狙うが、素早く戻ったダニルソンが体を上手く入れ、ノーファールでボールを奪う。
45分、右サイドから名古屋ペナルティエリアへと迫った広島・ミキッチから中へ浮かせたボールは闘莉王がヘディングでクリア。
(ロスタイム表示:1分)
ロスタイム1、右サイドで矢野からの戻しを受けた田中(隼)のクロスは、中央で相手ディフェンスにクリアされる。
ロスタイム2、ダニルソンから右の田中(隼)へと展開、ここからのクロスも相手ディフェンスにクリアされる。
ここで前半終了。
風が強く、縦への1本のパスは通りにくい前半の戦い。サイドに展開してのクロスや中央でのコンビネーションなど攻撃パターンを見せた名古屋だが、それでも守備時は両サイドが下がり5バックで守る広島に対し、スコアレスでの折り返し。風下となる後半、攻撃の精度を高め先制ゴールを奪いたい。
後半
エンドを替えた後半、名古屋ボールでキックオフ。
名古屋1人目交代:矢野→田中(輝)
1分、楢崎からケネディを狙ったボールは広島・水本にクリアされる。
2分、左サイドで阿部から縦の田中(輝)を狙ったボールは、広島・ミキッチにタッチラインへとクリアされる。
【得点】
3分、広島陣内中央で玉田が潰れながらもボールを繋ぎ、これを拾ったダニルソンが一気に縦へ突破、広島ゴールライン付近からグラウンダーで折り返す。このボールをファーサイドの小川が左足で合わせ、名古屋サポーターの目の前のゴールネットを揺らし、名古屋が先制ゴールを奪った。
4分、広島陣内左でダニルソンが倒され、フリーキックを得る。
5分、広島ゴール左、35m強の位置から名古屋ボールのフリーキック。玉田が左足で上げたボールはニアサイドで広島・高萩にクリアされる。
6分、広島陣内左でダニルソンが倒され、ファールの判定となる。
7分、左サイドから田中(輝)がドリブルを仕掛け、コーナーキックを得る。
8分、名古屋・左からのコーナーキック。田口が右足で上げたボールに中央のケネディが頭で飛び込むが、相手ディフェンスと激突、ボールは枠を外れる。このプレーでケネディが倒れたため一旦プレーが止められるが、そのまま立ち上がりプレーは続けられるようだ。
9分、左サイドで阿部からのボールを受けた田中(輝)。縦へと仕掛け、右足に持ち替えてクロスを狙うが、このボールはクリアされる。
10分、広島陣内で相手のカウンターを止めた田口にイエローカードが提示される。
11分、広島・左からのコーナーキックはニアサイドでクリア。
12分、コーナーキックからのこぼれ球を持ち上がった闘莉王が広島陣内中央で広島・青山に後ろから倒される。このプレーで広島・青山にイエローカードが提示される。
13分、広島ゴール正面30m程度の位置から名古屋ボールのフリーキック。ダニルソンが左足で強烈なシュートを狙うが、このボールは壁に当たりクリアされる。
14分、広島陣内中央でダニルソンが潰れ繋いだボール、これを拾ったケネディから左へ進入した田中(輝)へのスルーパスは広島・ミキッチにクリアされる。
15分、広島ディフェンスライン裏へオフサイドぎりぎりのタイミングで抜け出した玉田。広島・西川と1対1で浮かせたシュートを狙うが、ここは弾かれてしまう。
後半開始早々、小川のゴールで先制した名古屋。ACLアウェイ遠征の疲れも見え始める広島に対し、更なる追加点を奪いたい。
16分、右サイド高い位置で粘った小川からの折り返しは広島・西川が直接抑える。
18分、右サイドを上がった広島・ミキッチからのクロスは風に流され、直接ゴールラインを割る。
19分、右サイドに開いた広島・石原からのクロスも風に流され、直接ゴールラインを割る。
20分、右サイドを上がる田中(隼)の前を狙ったボールは広島・水本にタッチラインへとクリアされる。
【失点】
22分、名古屋陣内で闘莉王から増川へのボールをカットされると、名古屋ペナルティエリア付近で3度繋ぎ、後方から走り込んだ広島・青山にミドルシュートを決められ、同点とされてしまう。
23分、広島1人目交代:山岸→パク
24分、広島・千葉から縦へのボールは追い風の状況で闘莉王が見送り、直接ゴールラインを割る。
25分、ハーフライン付近で玉田からケネディ、縦へのボールに体半分抜け出した小川。ペナルティエリア付近で後ろから相手ディフェンスと交錯し倒れるが、ノーホイッスル、ボールはクリアされる。
26分、名古屋ペナルティエリア手前右でボールを受けた広島・高萩のミドルシュートは枠の左へと外れる。
27分、広島・青山から縦へのボールに広島・佐藤が抜け出そうとするが、ここは阿部がヘディングでクリア。
28分、センターサークル付近でボールを拾った広島・佐藤が縦へのドリブルからミドルシュート。楢崎が左へ倒れながら僅かに触ったように見えたボールは、ポストに当たり枠を外れる。
名古屋2人目交代:玉田→ヤキモフスキー
29分、自陣右の小川から縦の田中(輝)を狙ったボールは広島・水本にクリアされる。
30分、左から中へと持ち込んだ広島・パクのシュートは楢崎が弾き、クリアする。
同点とされた名古屋。昨年2度の悔しい思いをさせられた広島が相手だが、残り15分で再びサポーターを湧かせる勝ち越しゴールを奪いたい。
31分、阿部からのパスに左を上がったヤキモフスキーのクロスからコーナーキックを得る。名古屋・左からのコーナーキック。田口が右足で上げたボールは中央でクリアされる。
33分、名古屋ペナルティエリア手前で広島・青山と田口が交錯。ここは田口のファールを取られてしまう。
35分、名古屋ゴール正面25m程度の位置から広島ボールのフリーキック。広島・青山が壁の間から狙ったシュートは枠の左へと外れる。
名古屋3人目交代:田口→ダニエル
36分、左サイドを上がった広島・パクからのクロスは阿部がゴールラインへとクリア。ショートで繋ぎ、中へのボールはケネディがクリア。
37分、広島2人目交代:ミキッチ→ファン
広島・右からのコーナーキック。中から再度右サイドへ戻してのクロスは闘莉王がクリア。
38分、小川からのボールを受けたヤキモフスキー。足先でコントロールしペナルティエリア付近へ持ち込むが、小さく浮かせたボールはクリアされてしまう。
39分、左サイド高い位置の広島・パクからの折り返しはダニエルがクリア。
40分、左に開いたケネディからのクロスに小川が飛び込むが、ボールは相手ディフェンスに当たり、ゴールラインを割る。名古屋・左からのコーナーキック。小川が右足で上げたボールはニアサイドでクリアされる。
41分、ハーフライン付近で田中(輝)が広島・高萩からボール奪取を狙うが、足を引っかけてしまい、ファールの判定となる。
43分、自陣で阿部のパスカットからボールを受けたダニルソン。一瞬のスプリントダッシュで相手ディフェンス2人の間を抜き、さらに左の小川へとスルーパス。しかし、前へと出た広島・西川と交錯し、ここは小川のファールを取られてしまう。
44分、この接触でゴールキーパーの広島・西川が痛んだため、試合が止められる。
(ロスタイム6分)
ロスタイム2、治療を終えた広島・西川からのフリーキックは闘莉王が見送り、ゴールラインを割る。
ロスタイム3、ダニエルからの縦へのクリアボールを田中(輝)が頭で前へと流すが、このボールは相手ディフェンスにクリアされる。
ロスタイム4、名古屋陣内中央を上がる広島・とダニエルが交錯。このプレーでダニエルにイエローカードが提示される。
ロスタイム5、名古屋ゴール正面左寄り、30m強の位置から広島ボールのフリーキック。広島・高萩が壁の下を狙ったシュートは楢崎が正面で抑える。
ロスタイム6、右サイドを上がった広島・ファンからのクロスはヤキモフスキーがクリア。
ロスタイム7、右サイドを上がった広島・ファンからのクロスは直接ゴールラインを割る。
ここで試合終了。
相手キーパーの2度の治療のため、長いロスタイムとなったが、それでも勝ち越しゴールを奪えなかった名古屋。先制しながら追いつかれての引き分けにはサポーターからもブーイングを浴びせられる結果となった。
試合終了後記者会見
今日のゲームはとてもハードかつ良い内容だったと思います。ただ、ドローという結果には少しガッカリしています。ホームゲームだった上、みなさんが楽しみにしていたGWの最初の試合でもありました。そういう部分から、もう少し良い結果が出せれば良かったと思います。細かい点はたくさんありますが、全体的に見ると以前よりも良くなっていると言えます。特にアディショナルタイムでの失点がなかったことは大きなプラスですね。
失点の前後でチームが変わったように感じられましたが、あそこから立て直していくというのは難しいことなのでしょうか?
我々の素晴らしいプレーが出きていた中で失点を許してしまったことはとても心苦しいことです。玉田があのシーンで得点を決めてさえいれば2-0だったものの、残念ながら、あの決定的なチャンスを活かすことは出来ませんでした。あのシーンを皮切りに、その後の守備はスローなものになっていきました。その心の緩みを突かれて、結果、失点を許してしまう形になりました。先制点を取り、我々が勢いを盛り返してきたところで、やられてしまったのは悔しい限りです。広島というチームは守備をしっかりと構築しながら、その中でミスを待ち、得点を狙ってくるチームだと言うことを改めて思い知りました。
追い付かれてから3バックへと変えていましたが、それは闘莉王選手などを前線に出すことで、攻撃的な変化を期待しての変更だったのでしょうか?
もちろんそうです。今日は1対1の部分で満足出来ていなかったこともあり、攻撃に人数をかけて得点を取るように変化を加え、その中で田中隼磨が上がっていけるようなスペースを作りながら、広島の5バックを崩す陣形へと変えていきました。
今日の試合で特に残念なのは、これだけハードにプレーしたにも関わらず、それが結果に結びつかなかったことです。広島はミスからのカウンターを得意としているチームですが、今日は戦術的な面では我々に分があったと思います。そういう部分から、今日の結果には満足出来ません。我々がゲームの流れを作れていただけに、本当に惜しいことをしたと思います。