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肌寒い日立柏サッカー場で行われたJ1リーグ第31節。フィールドプレーヤに先立ちゴールキーパーの2人がウォームアップのためピッチに姿を現すと、移籍後初のリーグ出場となる西村にサポーターから大きな声援が送られた。
この日の試合では、怪我で5試合を欠場していたマギヌンと先日の天皇杯を欠場した玉田、そして警告累積によりリーグ戦2試合の出場停止が明けた中村も加わり、中盤から前では久しぶりに好調時のグランパスを支えたメンバーが揃う事になった。 |
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この日の名古屋は、ゴールキーパーに西村。ディフェンスラインは左から阿部、増川、吉田、竹内が、中盤は怪我から戻って来たマギヌン、吉村、中村、小川。そしてフォワードは玉田とヨンセンの2トップによる4-4-2の布陣で試合に臨んだ。前半は、メインスタンドから向かって右にエンドをとった名古屋に対し、柏のボールでキックオフ。
試合は開始早々に、右サイドで柏にフリーキックを与えると、エリア内のフランサを狙ってキックを入れられるが、戻ったヨンセンがクリア。ここから名古屋はカウンターを仕掛けると、左サイドでマギヌンが倒されてFKを得る。しかし、小川が蹴ったボールは相手DFにクリアされてしまう。
4分、柏のカウンターから上げられたクロスに、ゴール前で菅沼にヘディングで合わせられるが、西村がクリアをして相手CKに。ショートコーナーからまたも中央で柏・村上にヘディングシュートを打たれるが、これは枠の外に。村上は、完全にフリーだっただけに、危ない場面だった。
7分、マギヌンが倒されて得たフリーキック。素早く阿部が逆サイドを上がる小川へとロングボールを蹴るが、これには追いつけずラインを割ってしまう。
その後もコーナーキックやサイド攻撃から何度か柏にゴール前へボールを入れられるが、増川、吉田の高さのある2人がクリアをして相手の攻撃を跳ね返す。
11分、相手GKの短いパスをマギヌンが奪うと、相手DFの裏スペースにパスを通す。これを受けたヨンセンが斜め45度の位置から左足でネットを揺らすが、オフサイドの判定でゴールは取り消されてしまう。
序盤は、お互いに縦へのスピードが早くゴール前へと迫る場面が見られるが、柏のフィニッシュまで持ち込む気迫を前に、名古屋はシュート数で相手に大きく上回られる苦しい展開となった。
20分、中盤でボールを奪った吉村がそのまま右サイドの玉田へとロングパスを狙うが、相手DFにクリアされてしまう。
21分、柏選手同士のワンツーパスからアレックスにエリア内へ侵入されるが、増川がクリア。
23分、ゴール正面30mの位置で柏にフリーキックを与えると、素早くディフェンスの裏を狙ったパスを上げられてシュートを打たれるが、枠の外に。
25分、持ち上がった阿部からのパスを受けた中村がゴール正面30mの位置からミドルシュートを放つ。しかし、相手キーパー菅野にキャッチされてしまう。
26分、ヨンセンがゴール右寄り、絶好の位置で倒されフリーキックを得る。これを玉田が得意の左足で直接狙うが、またしても菅野が反応してクリアされる。
怪我から戻って来たマギヌン、玉田の軽快なパス回しを軸に、徐々に前線で効果的なプレーが見えて来た名古屋。そして向かえた32分。
フリーキックの素早いリスタートから吉田が中央を上がり、左サイドのマギヌンへパスを出す。受けたマギヌンは、ゴール前のファーサイドにいたヨンセンへクロスを上げると、ヨンセンはダイレクトでシュートは狙わずボールを中へ。ここにフリーで詰めた小川が「触るだけだった」というボールをスライディングで合わせ、先制ゴールを決める。小川の今シーズン10得点目となるゴールで、先取点を名古屋が奪う。
36分、カウンターから玉田が右サイドを狙ったパスは相手DFに当たり方向が変わるが、このボールは運良く左サイドを駆け上がるマギヌンの足下へ。さらに中央を上がるヨンセンへと低いクロスを狙うが、相手DFがクリア。
38分、右サイドをオーバーラップした竹内が中央へクロス。マギヌンがこのボールをヘディングで狙うが、クリアされてしまう。
40分、中央から攻撃参加した吉田が、相手ディフェンス裏へ走り込む小川へスルーパスを狙うが、相手GKが飛び出してクリアされてしまう。
小川のゴールで完全に流れを掴んだ名古屋は、両サイドからの効果的な攻撃やディンスラインからの攻撃参加など、攻撃的なサッカーを展開し、30分以降は柏を押し込む展開で前半を終えた。 |
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ハーフタイムに柏は、フランサに代えポポを投入し巻き返し狙って後半のキックオフを迎えた。
すると、縦へのスピードが速くなった柏が開始早々、一本のパスで名古屋ゴール前を狙うが増川が足でしっかりクリア。
5分、名古屋も右サイドでボールを受けた玉田が、ドリブルで中を向くと左足で強烈なシュートを放つ。これは、しっかりと枠を捉えた弾道だったが、相手キーパー菅野の素晴らしい反応でクリアされてしまう。
8分、柏にゴール前までボールを運ばれると、最後は太田に右足でシュートを打たれる。しかし、このボールはディフェンスに当たりコーナーキックに。このボールを中央へ上げられるが、増川が頭でクリア。
11分、中村のパスに反応してゴール前へ上がった小川が頭でボールを落とすと、ヨンセンがダイレクトボレーでシュートを放つが、これも柏・菅野が見事に反応してクリアされてしまう。
13分、柏・杉山にエリア内でコースを狙ったシュートを打たれる。キーパー西村が手を伸ばしたが届かず、ボールはゴールに向かって転がるが、わずかに逸れて枠の外へ。
ホームで負けられない柏と優勝争いのために負けられない名古屋。試合は、前半戦に瑞穂で行われた対戦同様に1点を巡る白熱したテンポの速い展開になる。
16分、左サイドで小川がボールを受けると、エリア内へ入り込む。小川は中央のヨンセンへクロスを狙うが、ボールは高くファーサイドへ流れてしまう。
17分、中盤でボールを受けた玉田が、前線へ走り込む小川へスルーパスを狙うが、相手DFにクリアされてしまう。
21分、中央、玉田からのスルーパスにマギヌンが反応して右サイドを抜け出す。そして、右足で中央へとクロスを上げるが、このボールは高くファーサイドへ抜けてしまう。
25分、柏アレックスのカウンターから左サイドへ危険なスルーパスを狙われるが、増川が追いつきクリア。
26分、左からのクロスボールにゴール前でキーパーの西村が、味方選手と交錯。このボールがなんと柏・ポポの足下に転がり、一瞬のキープからキーパーのいないゴールにフリーでシュートを打たれるが、枠の上へ。絶体絶命のピンチだっただけに、名古屋は相手のミスに助けられた。
27分、名古屋、右サイドタッチライン際でマギヌンが倒されFKを得る。そしてこのタイミングで、先の接触プレーで傷んだ玉田に代えてスピードのある杉本を前線に投入。徐々に焦りの見えて来た柏に対し、カウンターでの追加点を狙う。
33分、柏・左からのコーナーキックをゴールへ押し込まれそうになるが、吉田がしっかりクリア。このタイミングでストイコビッチ監督は、怪我明けでまだ万全のコンディションではないマギヌンに代え米山を投入。中盤の守備を強化する作戦へと出る。しかしながらその直後、右からのコーナーキック。
選手交代でマークのズレが生じたのか、中央でクリアしきれなかったボールを最後、菅沼に詰められゴールを決められてしまう。残り15分を切ったところでの同点ゴールで、試合は振り出しに戻されてしまう。
さらに続く36分。カウンターからのスルーパスに中央をポポに抜け出されると、西村の飛び出しを見極められてシュートを決められてしまう。
「勝ちたいという気持ちが出過ぎ、前掛かりになったのかもしれない（吉村）」、「ほんの一瞬、集中力の欠けるだけでもゴールを決められてしまう、それがサッカーというスポーツ（マギヌン）」という2人の言葉通り、僅か2分で試合をひっくり返されてしまう。
追いかける立場となった名古屋は38分、左サイドから小川がドリブルで仕掛け、そのまま中央で右足シュートを放つが、これは枠の上へ。
さらにストイコビッチ監督はサイドバックの阿部に代えてフォワードの巻を前線に投入。途中出場の杉本のスピードと合わせてパワープレーを仕掛ける。
40分には竹内が右サイドを上がる杉本の前へパスを狙うが、相手DFがクリア。
42分、米山からのパスを中央で受ける小川が、相手の意表をつくダイレクトでのシュートを狙うが、これも枠の外へ。
ロスタイムにはサイドチェンジを狙い、右サイドを竹内が果敢にオーバーラップするが、長いボールは相手に渡ってしまい、逆にカウンターから危ない場面を招いてしまう。しかし、ここは吉田が集中を切らさず対応しクリア。
その後もなんとかゴールを決めようと前線へボールを送り続ける名古屋だったが、守りの意識を高めた柏のディフェンスに跳ね返されて試合が終了。
先制点を決め試合を支配していた名古屋だったが、相手キーパの菅野に決定的なシーンを何度か止められて追加点を挙げることができなかった。そして、残り15分でまさかの逆転を許しての痛い敗戦を喫してしまった。 |
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