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 昼間の蒸し暑さは残るもののキックオフを目前に控えた瑞穂競技場には、心地良い風が時折吹き抜けるようになりスタジアム周辺の蝉の声にも元気さが溢れている。
 試合は前半、右にエンドを取るアウェイ・大宮に対し、左エンドのホーム・名古屋のキックオフで前半がスタート。今日の先発メンバーは、GKは我らが守護神・楢崎、DFは右から竹内・バヤリッツァ・増川・阿部の4バック。中盤は、小川・中村・吉村・マギヌンの4人。FWはヨンセン・玉田の2人という4-4-2の布陣で臨んだ。
 「ホームで勝ったということ。選手が惜しみない労力をはらい、勝つ事が出来た。そして、素晴らしい集中力も見せてくれた。おめでとうと言いたい。」と、試合後の会見で語ったストイコビッチ監督の言葉が全てを表すように、この日の名古屋の選手達は、前節磐田とのふがいない内容を振り払うかの如く、序盤からボールと共に良く動いて試合を優位に進める。

 7分、阿部が鋭いボールをゴール前のヨンセンに狙って入れるが、体を前に入れたDFに弾かれてしまう。8分、吉村からの鋭いパスに左サイドを抜け出したマギヌンが、相手陣内深くで中へとパスを送る。これに反応した小川が、中央へ走り込むがDF2人に厳しく寄せられて、シュートを打つ前に潰されてしまった。

 対する大宮は、名古屋と同じ4-4-2の布陣。中盤でのボールを早く奪って、個人技に長けた藤本や小林(大)が早めにFWのデニス・マルケスへとボールを集めてくるが、名古屋のDF陣が常に厳しいプレッシャーで対応して簡単にプレーをさせない。

 12分、右から細かいドリブルでデニス・マルケスがエリアに入り込んでこようとするが、中を狙ってきたボールは阿部と増川で押さえる。14分、下がってボールを受けた大宮・藤本が、DFの裏へと狙って長いボールを入れる。これをデニス・マルケスが受けようとするが、増川とバヤリッツァが良い連携を見せてボールを奪う。

 そして16分。中央を上がる玉田が、右サイドを上がってくる小川を待ち受けてタイミング良くパスを送ると、これをマイナス気味に小川が折り返す。そして、このボールに中央へと走り込んできた吉村が、落ち着いて押さえの効いた右足のミドルシュートを大宮のゴールに豪快に突き刺し、見事な先制弾を叩き出す。

 21分、右サイドでこぼれ球を拾った竹内が、コントロールしたボールをゴール前に蹴り込む。これをファーポストにいた小川がヘディングシュートを放つがポストの左へ流れてしまう。

 24分、大宮・佐伯の縦パスに抜け出してきた藤本が、楢崎のポジションを見て頭上を越えるループシュートを狙って来る。しかし、ゆっくりとゴールに向かって転がったボールはポストの左へと流れ出て、チームは難を逃れる。26分、中央でボールを持って前を向いた藤本が、バヤリッツァを切り返してかわすと、遠目からシュートを放ってくるが増川が正面に体を入れて跳ね返す。

 28分、大宮陣内の左サイド深くで小川が、ロングボールを受けに行ったところを大宮・レアンドロに倒され、好位置でのFKのチャンスを得る。キッカーの中村がゴール前に丁寧なキックを入れると、ファーポストのヨンセンとDFに競りあってボールが浮く。そして詰めていたマギヌンが、このチャンスを見逃さず頭でゴールへと叩き込んで2点目が名古屋に決まる。連日取り組んできたセットプレーの“特訓”が、見事結実した結果と言えるこのゴールで、大宮を突き放す。

 32分、マギヌンが中央で縦に抜け出そうとする玉田にあわせて縦パスを繰り出すが、戻りながらの守備を見せたDFの頭にカットされてしまう。

 前節、連戦の浸かれと熱さからくるコンディション不良で試合に出られなかった玉田が、この日はチームの攻撃の中心となる。そして、縦横無尽にピッチ内を動く彼のプレーが、名古屋の選手に良いリズムを与える。
 43分、左から小川のパスを受けた玉田がドリブルを仕掛けると、中央に上がるヨンセンにパスを送る。しかし、ボールが足下に上手く落ち着かず相手DFにボールを奪われてしまう。

 ロスタイム、吉村からの縦パスを受けて前を向こうとした玉田だったが、後ろからの厳しいファウルに潰されてしまう。そして、ここで主審の長い笛が響いて前半が終了。名古屋が、良い試合運びで前半を終える。
 後半は、エンド入れ替わって左エンド大宮のボールから試合が再開される。
 大宮1・2人目メンバー交代:小林(大)・片岡→ラフリッチ・斉藤
 大宮・樋口監督は、前半からなかなか攻撃の糸口が見つけられないこともあってか、後半開始から選手2人を入れ替えて臨んでくる。

 後半も名古屋は立ち上がりから積極的に攻め立てて、試合の主導権を握る。1分、左で吉村からのパスを受けた阿部が、早めのクロスを入れる。これを中央で待ちかまえるヨンセンが、ヘディングシュートを放つ。しかしボールは僅かに高く、惜しくもクロスバーの上へ抜けてしまう。3分、左から中村とのパス交換で入り込んでいった小川が、中へと入り込んでシュートチャンスを覗うがボールが流れたところをDFに奪われてしまう。

 後半の4分。大宮陣内左深くを切れ込む玉田が、ゴールライン際からグラウンダーのボールを大宮のゴール前へと流し込む。このボールに対し、ニアに飛び込んだ小川が絶妙なスルーを見せ、ファーサイドで待つヨンセンに。これを左足でゴールにダイレクトで流し込み3-0。立ち上がり早々に大宮を突き放す追加点を上げる。

 8分、右から縦に入ったパスを持ち上がって来た大宮・ラフリッチが中へと入り込もうとしたが、阿部、増川、吉村の3人が厳しい寄せで囲い込んでボールを奪い去る。10分、右の高い位置から大宮・佐伯が入れたボールに走り込んだデニス・マルケスがシュートを狙ってくるが、阿部がしっかりと体を寄せてシュートミスを誘う。

 15分、玉田が出足良く中央で奪ったボールを小川から阿部へと繋ぐと、中へと走り込む玉田へと再びパスが通る。玉田は小川にボールを出すと、小川は深い位置まで持ち込んで中へとクロスを入れる。しかし、中央に詰めたヨンセンの前でDFがクロスのコースを変えてしまい、逆サイドに詰めたマギヌンのボールが頭上を越えてしまう。

 18分、藤本からの縦パスに抜け出そうとした大宮・ラフリッチを増川が倒してしまい、ペナルティエリアすぐ外のゴールほぼ正面の位置でFKを与えてしまう。大宮はレアンドロが蹴ると見せかけて、大きく右足でフェイクのキックをした後、デニス・マルケスが直接ゴールを狙って蹴ってくるが、ボールに精度を欠きクロスバーの上へと抜ける。
 20分、名古屋1人目メンバー交代:中村→米山

 23分、右に出たパスをマギヌンがゴールラインギリギリのところからスペースへと蹴り出したところへフリーの米山が詰めて行くが、先に追い付いたDFがクリアしてしまった。26分、右に開いていた大宮・佐伯からのクロスを中央に詰めていたラフリッチが高い打点からのヘディングシュートにくるが、ボールには勢いが無く楢崎が正面でボールを捕らえる。
 30分、名古屋2人目メンバー交代:ヨンセン→杉本
 32分、大宮3人目メンバー交代:藤本→橋本

 大宮は、ボールコントロールに長けた小林(大)だけでなく、藤本を交代させてラフリッチとデニス・マルケスという外人2人の強さに勝負を託してくる。しかしこの日の名古屋DFは、終始高い集中力を見せると共に、スムーズな連携を見せてゴール前を支配して大宮の攻撃を尽く跳ね返す強さを見せる。

 33分、左タッチ際からマギヌンの出した裏のスペースへのパスに、交代したばかりの杉本が俊足を飛ばして抜け出すが、これは惜しくもオフサイド。
 名古屋3人目メンバー交代:玉田→花井

 35分、右タッチ際で相手DFのボールを厳しく寄せて奪おうとした小川がファウルを誘うと好位置でのFKを得る。マギヌンがこれをゴールに向かう早いボールを蹴り、ニアサイドに杉本が飛び込むが、僅かに伸ばした足には届かず大宮GKがボールをキャッチしてしまう。

 39分、中央から右へとボールを持ちながら流れてきたデニス・マルケスが強烈なシュートを放つが、楢崎が正面で阻み、しっかりとゴールを守る。40分、左から裏へのボールに抜け出した杉本が、DFの寄せをかわして中へと入り込もうとするが、ここはDFをかわしきれずボールを奪われてしまう。

 41分、左から華麗な個人技を見せて花井がDF2人を抜き去ると、中央のマギヌンにパスを入れる。これをDFの戻るタイミングを見計らいながら、意表を突いてヒールでパスを出したがDFに読まれてボールを奪われてしまう。42分、右の大宮・村山からのアーリークロスをゴール前で受けたラフリッチが、ワントラップからダイレクトで右足シュートにくるがバーを越える。

 43分、中央でロングボールを花井が頭でスペースへと落とすと、これを抜け出した杉本が一気に持ち上がり、GKと1対1に。杉本は、ペナルティエリア内でGKをかわそうとして交錯し倒れ込んでしまうが、苦しい体勢ながら右足から無人のゴールへとシュートを蹴り入れ、大宮の息の根を止める4点目が名古屋に入る。

 ロスタイム、ゴール前へと入り込んでこようとした大宮・橋本を倒してしまい、ペナルティエリアすぐ外の危険な位置でのFKを大宮に与えてしまうが、この場面で橋本が直接狙った左足のシュートは、楢崎が難なく正面で捕らえる。

 そして前後半で2点と効果的なゴールで着々と得点を積み重ねた名古屋が、最後まで試合の主導権を渡すことなく大宮を完封。終わってみれば夏休み最初のホームゲームを、4-0の完勝で終えた。