まるで初夏を思わせるほどの強い日差しが照りつける静岡県のエスパルス三保グラウンドで、今シーズンのサテライトリーグの初戦となる清水エスパルスとの試合が行われた。この日は快晴の天候もあってか、、午後2時のキックオフに向けて数多くの両チームサポーターが観戦に訪れた。

試合は右にエンドを取る名古屋のボールから前半がスタートする。この日の先発メンバーは、GK広野、DFは右から青山・三木・米山・渡邊の4バック。中盤は、右から井上・福島・花井・片山の4人。FWには津田と巻。トップチーム同様、4-4-2の布陣で臨む。

立ち上がりは、トップチーム同様に名古屋が、両サイドを使った攻撃で清水を攻め立てる。一方の清水は、最終ラインでボールを持つと早めに名古屋DFの裏へとロングボールを使った攻撃を仕掛けてくる。

3分、左サイドを仕掛けてきた清水・大前が深い位置から右足でシュートを放ってくるが、これはサイドネットを揺らす。5分、相手の横パスをカットした片山が縦に仕掛けるが、追走してきたDFの厳しいプレッシャーを受けて潰されてしまい、チャンスを作るまでには至らなかった。7分、花井の出したパスを受けた渡邊が早めに中へと入れて井上を使おうとするが、ボールをDFにカットされてしまう。9分、清水陣内左深くでのFKのチャンス。花井がボールを丁寧にゴール前へと蹴り入れるが、走り込んだ巻に届く前にDFにカットされてしまった。

清水の両サイドを突く攻撃で、試合の主導権を握ろうとした名古屋だったが、清水の固い守りをなかなか崩す事が出来ず、次第に流れが清水へと傾き始める。18分、DFの裏へのロングボールに清水・マルコス・アウレリオが抜け出してくると、右足でシュートを放つ。しかし、これはゴールの上へと大きく外れる。20分、中央でのこぼれ球を拾った清水・岡崎がミドルシュートを放つが、これは広野が正面でガッチリと捕らえる。23分、左に上がった清水・高木からのクロスに、中央へと清水・岡崎が飛び込んでくるが、これは触ることが出来ずボールは外へと流れた。

24分、井上が中央で仕掛けようとしたところをカットされるが、こぼれ球を福島が拾ってミドルシュートへ。しかし、ボールは抑えが効かずクロスバーを越えてしまう。28分、左からのCKのチャンス。花井の入れたボールを遠いサイドに上がっていた青山が狙うが、ボールは頭上を越えてしまう。34分、中央の巻が縦パスにDFをかわして抜け出すと、右に上がる津田に展開。これを津田は、中央へと走り込む片山に合わせてマイナスに入れる。しかし片山がシュート体勢に入る前に、飛び出したGKにクリアされてしまう。

42分、清水・山本のゴール前のクロスに中央で岡崎が飛び込んでくるが、ボールは僅か上を抜けてゆく。前半は、両チーム共に攻撃の形を作りながらも決定力を欠く形で終えることとなり、0-0のスコアレスで後半へ。

エンド入れ替わり、後半は左にエンドを変えた清水のボールで試合が再開する。名古屋メンバー交代：広野→長谷川。

名古屋は、何とか早い時間帯で先に点を奪って試合を楽に進めたかったが、後半に入ると清水の選手達の出足が早くなり、セカンドボールを拾われるシーンが目立ち始める。名古屋は、攻撃のリズムをなかなか掴むことができぬまま時間が過ぎてしまう。

7分、自陣左深くでの清水のFK。清水：マルコス・アウレリオがゴール前へと丁寧なボールを入れてくるが、これは飛び込んできた選手の頭上を越える。9分、左からのCKのチャンス。花井からのボールを、中央で巻がヘディングシュートを狙うが、DFが体をしっかりと寄せていたため枠へと飛ばすことは出来なかった。

14分、名古屋メンバー交代：井上→新川。名古屋は、FWだった津田が右サイドへ回り、新川を前戦に入れて巻き返しを狙う。しかし21分、清水：マルコス・パウロから外へと展開されたボールを、清水・高木にゴール前へと放り込まれると、中央に入り込んだ岡崎に頭で押し込まれ、失点を許してしまう。

25分、中央で新川からのスルーパスに抜け出した巻がチャンスを作るかと思われたが、これはオフサイドの判定。名古屋は、早いパス回しの清水の攻撃に苦しみ、その後も攻撃のチャンスを作らせて貰うことが出来ない。32分、中央の花井から左サイドを抜け出した渡邊に速いボールが出ると、ダイレクトで折り返すが、ニアサイドで清水DFの足にコースを変えられてしまいゴール前にクロスを供給することが出来なかった。

36分、自陣深く左でのセットプレー。清水・高木の蹴ったボールを中央に詰めた清水：廣井にヘディングシュートを決められ、清水に追加点を奪われてしまう。名古屋メンバー交代：青山→佐藤。

37分、清水陣内右深く、ペナルティボックスのすぐ外の好位置でFKを得る。片山が左足で鋭くゴール前に蹴りこむが、ひと足早く飛び出した清水GKにパンチングで弾き出されてしまい、このチャンスを活かすことが出来なかった。41分、右から片山が新川とのワンツーで抜け出してエリア内へ入り込みシュートにゆくが、これは右のポストをかすめてゴールマウスを捕らえることが出来ない。

名古屋の選手達は、残り時間が無くなるまで諦めることなくハードワークを見せ続け、何とか1点でも取り返そうと踏ん張りを見せる。しかし、清水はしっかりとボールを回し、CKではボールを短く繋ぎ合う等の時間稼ぎを見せて殆どチャンスを作らせて貰うことが出来ないまま試合は終了。名古屋の今シーズンのサテライト初戦は、残念ながら、悔しい黒星スタートとなってしまった。