試合結果 マッチレポート フォトギャラリー スタジアムイベント
 先週行われた天皇杯4回戦では、J2・ザスパ草津相手にきっちりと快勝を収めて5回戦へと駒を進めた名古屋。しかしJリーグに目を移すとチームは、ここ3試合で無得点、そして勝ち星からも見放されている。第31節:ジュビロ磐田との東海ダービーは、このような苦しいチーム状況の中で迎えた。
 5月に行われたアウェイでの戦いは、名古屋が内容では圧倒したものの残念ながら結果は0-1と磐田に敗れてしまっただけに、試合前の選手達からは絶対に負けたくないという気合いが伺えた。
 対する磐田は、シーズン序盤こそ安定しない戦い方が続いたものの、内山新監督就任後は好調を維持している手強い相手だ。
 この日の先発は、GK守護神・楢崎、DFは米山を中央に、吉田と阿部の3バック。中盤は、草津戦で大活躍を見せた吉村を中央下がり目に置いて、右は小川、左は渡邊、攻撃的な位置には藤田と中村が入り、FWはヨンセンと玉田の2人。3−5−2の布陣で好調・磐田に挑む。
 試合は、序盤からサポーターの大きな後押しを受けた名古屋がゲームを支配し、積極的なプレイを展開する。開始5分、玉田のスルーパスに左から抜け出したヨンセンが、磐田GK・川口と1対1の決定的なシーンを迎える。しかしヨンセンの放ったシュートは、川口にクロスバーの上へ弾き出されてしまい絶好のチャンスに先制点を挙げることは出来なかった。

 この日は、本田・金が出場停止のため中盤でのボールポゼッションが心配されたが、左サイドを務めた渡邊が積極的な攻撃参加をみせる。渡邊は、磐田DFの裏のスペースを積極的に駆け上がりサイドを制圧し、マッチアップする磐田・太田を押さえ込んで攻撃陣を引っ張る。

 22分、相手ボールを力業で奪った中村からのパスを受けた玉田が左に抜け出しながらクロスボールを入れる。このボールに反応したヨンセンが逆サイドから入り込んでヘディングシュートを放つが、ここは磐田DFがしっかりと身体を寄せていたこともありボールを前に飛ばす事が出来ない。24分には中央でパスを受けた玉田が、裏へと抜け出す小川にタイミング良くパスを出し、小川が左足でシュートを放つ。しかし、これは前に出た磐田GK・川口にセーブされ、枠の外へと弾き出されてしまう。

 良いリズムで試合の流れを掴んでいた名古屋だったが、31分、左サイドで積極的な攻撃を見せていた渡邊が相手DFとの接触、転倒による怪我のたね津田と途中交代。嫌なムードが名古屋の選手達に漂う。
しかし、この雰囲気を払拭しようとヨンセンがゴール前で再三に渡って体を張ったプレイで好機を演出。だが前半は、磐田のゴールに迫りながらもを突き崩すことが出来ないまま0-0で折り返す。

 エンド入れ替わり、後半は右にエンドを取った名古屋のボールから試合が再開する。
 後半の立ち上がりは磐田が、前半から終始ペースを握っていた名古屋の勢いを跳ね返そうと積極的な攻撃で名古屋陣内へと襲いかかってくる。

 2分、磐田・太田のクロスを遠いサイドで待っていた磐田・カレンにヘディングシュートを許すが、このシュートはポストの左に抜けてサイドネットを揺らす。4分、後半からファブリシオに変わって入った磐田・成岡が前田からパスを受けて前を向こうとしたが、前半から磐田の好機をことごとく潰していた吉村が厳しく寄せて相手のファウルを誘いボールを自分達のものにする。

 6分、磐田が早い展開を見せ、中央のカレンが右のスペースへとボールをはたいてペナルティエリア中へ入り込む。カレンは、太田からのクロスにヘディングシュートを狙うが、ボールは大きくゴールの上へ抜ける。

 名古屋は、後半開始から攻撃の糸口を掴めず決定的な場面を作れない展開が続いていたが、後半13分、磐田・茶野がこの日2枚目のイエローカードで退場となり数的優位に立つ。しかし、この後もボールポゼッションは出来るものの、人数が1人少ない事で引いて守る磐田の守備をなかなか崩すことが出来ない。そして、刻々と時間だけが過ぎてゆく。

 後半24分、名古屋メンバー交代:米山→杉本
 フェルフォーセン監督は、膠着した状況を打開しようと攻撃的に勝負を仕掛ける采配をふるう。後半29分には左に抜け出した杉本が、右足でゴール前へと入れたボールに逆サイドから玉田が飛び込む。玉田は、何とかボールを押し込もうとするが僅かにボールに触ることは出来なかった。
37分、名古屋メンバー交代:玉田→山口

 後半38分、左の阿部からのアーリークロスに中央へ入り込んだヨンセンがヘディングで合わせるが、ボールはクロスバーの上へ抜けてしまう。最終的に名古屋のシュート数は、10本の磐田に対し18本と終始試合の主導権を握りながら、磐田のゴールネットを揺らすことが出来ず0-0のスコアレスの勝ち点1で終了のホイッスルを迎えた。