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前節の柏戦では失い掛けていた自信を勝利で取り戻すことができた。チームは、この自信を連勝への弾みとしてゆくために1週間、全選手が監督・スタッフと共に一丸となってトレーニングに取り組んできた。
そして、チームは日本平で行われた第28節・清水エスパルス戦に満を持して臨んだ。この試合、先発メンバーの11人も布陣も、前節で自ら引き寄せた良い流れを全く変えることなく、J1リーグ4位の清水に挑んだ。 |
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試合は、前半立ち上がりから中盤でのボールの支配率に勝る名古屋が主導権を握り、前節で初ゴールを挙げた小川や金、中村、本田で構成する中盤と前線の玉田が良い連携で清水陣内へと攻め上がりチャンスを作る。しかし、目下2連敗中とホームで負けられない清水もDF陣が踏ん張りをみせる。そのため名古屋は、いいリズムで試合を進めているものの、最後の場面で厳しいプレッシャーから簡単に決定機を作り出すことが出来ない。
そんな中むかえた前半28分。清水・左サイドからの兵働のクロスに詰めたフェルナンジーニョと競った渡邊に当たったこぼれ球が、ファーサイドの最も警戒していたチョ・ジェジンの足下へに渡ってしまう。チョ・ジェジンはこれを無理なくゴールに流し込み、数少ないチャンスから清水に先制点を許してしまう。名古屋にとっては、最近3年間で2分け4敗と清水には勝ち星が無く、特にFWのチョ・ジェジンにはいつも得点を許してしまっているだけに、開始からチーム全体での厳しいマークを続けていたが、一瞬の隙を突かれてしまう形になってしまった。
34分、右サイドでパスを受けた金の右足シュートは、ゴール右ポストに惜しくも跳ね返されてしまう。更に、名古屋はこぼれ球を丁寧に繋いで逆サイドに詰めてきた本田へパス。本田は豪快なダイレクトボレーでゴールを狙うが、シュートはまたしてもポストに嫌われてしまう。名古屋は、いい攻撃の形をつくりながらも相手ゴールをどうしても割ることが出来ない。その後も、終始ボールを支配し続け清水を攻め立ててるものの、最終局面での正確さを欠き同点に追い付くことが出来ない。前半は、0−1で試合を折り返す。 |
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後半、フェルフォーセン監督は、山口を下げてDFラインを3バックに変更、FWにスピードのある杉本を投入して3−5−2のシステムにする。この修正が実を結び、清水にはDFのマークのずれからスペースが生まれる。そして、スペースを狙って玉田と杉本が果敢に勝負を仕掛けることが出来るようになる。名古屋は、後半の立ち上がりから清水を押し込み、失点をしたものの良いテンポで試合を運べているため、この流れを完全に掌握しようと試みる。
ところが4分、左からのフェルナンジーニョのCKから、ニアへ入り込んでチョ・ジェジンに背中で流し込まれて手痛い追加点を奪われてしまう。そして、この出鼻をくじかれる2点目のゴールが清水に余裕を与えてしまい、その後は圧倒的にボールを支配する名古屋に対し、しっかりと引いて守って得意のカウンターを狙う清水という試合展開になる。
すこしでも早く1点を奪って、反撃の足掛かりを掴みたい名古屋は、早いパス回しを見せて多くの時間帯で清水陣内へと攻め入る。しかし、敵陣深く持ち込もうとしたところで堅固な守備を見せる清水の選手のチェックにあうため、シュートを数多く打つことができても殆どがGKの正面を突いてしまう。
72分には玉田に代えて津田を、74分には吉村に代え攻撃的な片山を投入し、リスクを負う形でゴールを狙う名古屋だが、逆に77分、交代で入ったばかりの清水・藤本のFKを中央に入ったチョ・ジェジンに頭で合わせられ、3失点目。名古屋は、最も警戒する選手にハットトリックを許してしまう。
シュート数では、前半4本、後半4本の清水に対し、前半だけで8本、後半は12本と圧倒的な差を見せ、終始良い攻撃の形を作り続けた名古屋だったが、90分間戦って最後まで清水のゴールネットを揺らすことは出来なかった。
そして、柏戦の勝利の勢いで狙った開幕4連勝以来の連勝も叶えることが出来ず、0−3という結果で試合終了のホイッスル迎えることとなってしまった。 |
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