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 開場の頃にはまだ西日が当たり、スタジアムには夏の暑さが残っていたが、試合開始前になると涼しげな風がピッチの上を抜けるようになる。また、周辺から聞こえてくる虫の音からは秋の気配が伝わってくる。
 大宮戦での快勝で得た自信を確信に変えようと臨んだ29日水曜日のアウェイ・川崎戦。チームは、玉田の2試合連続となるゴールをしっかりと守って戦ったが、後半44分、まさに最後の最後で同点に追い付かれてしまった。それでも、強豪相手に互角な戦いを見せることができた試合内容ということもあり、中2日のホーム・瑞穂での第24節:ガンバ大阪戦に自信を持って臨んだ。
 この日の先発はGK楢崎、DFはこの日でJリーグ通算200試合出場を迎えた大森・米山・吉田の3バック。両サイドは、右に津田、左には出場停止の本田に代わって渡邊が入る。そして、中盤は従来のアンカー1人を置いてトップ下を2人配置するという布陣ではなく、山口・中村の2人をダブルボランチに起用し藤田がトップ下を務める。FWは玉田・杉本の2トップでキックオフを迎えた。

 試合の立ち上がりは、ガンバ大阪がバレー・幡戸という高い決定力を誇るFW2人をバランス良く使うことが出来ない。そのため名古屋の選手達は、それほど慌てることもなく冷静にガンバの攻撃を抑える。しかし14分、中盤でのパスミスを簡単にガンバに奪われると、右に上がった遠藤からのパスを、DFのタイトなマークをものともしないバレーに叩き込まれ、先制点を奪われてしまう。

 しかしその後は、名古屋が自分達のペースでゲームを運ぶようになり、特に中盤の山口・中村の運動量が相手の中盤をしっかりと押さえ込む。さらに左の渡邊も、持ち前の縦への突破だけでなく切れ味鋭いドリブルを見せて中へと切れ込み存在感を示す。
 先制を許したものの、その後は名古屋がガンバの攻撃を押さえ、何度も相手陣内へと攻め上がりを見せて試合の主導権を握る。そして32分、縦パスに抜け出した杉本がガンバ・シジクレイを置き去りにして縦への突破を見せる。その杉本の相手陣内の深い位置から出されたクロスに玉田が逆サイドから走り込むが届かず、惜しくもボールは頭上を抜けてしまう。
 前半は、名古屋が自分達のリズムを掴んだところで終了し、後半に向けて良い雰囲気を持って試合を折り返す。
 後半に入ると、ガンバは左の安田に代えて寺田を投入する。そして、名古屋に支配されていた中盤を自分達のものにしようと、右にいた遠藤を中のポジションに入れてゲームメイクを託してくる。名古屋は前半の落ち着いた試合運びを継続し、まずは同点をしたいところであったが、いきなり出鼻をくじかれてしまう。
 後半3分、ガンバ遠藤が名古屋DFの裏へと出したボールの処理にDF陣が戸惑い、楢崎と吉田が交錯してしまう。そして、こぼれ球を拾ったバレーにシュートを決められて2-0。ガンバに手痛い追加点を奪われてしまい、前半から握り掛けていた自分達のペースを、ガンバに渡してしまう。

 その後、ガンバにボールを支配される時間帯が続き、25分には幡戸、続く27分には、バレーにこの日3点目となるシュートを決められ、名古屋はガンバに4点差をつけられてしまう。それでも選手達は、気持ちを切らすことなく、スタジアムに足を運んでくれた18,000人を超えるサポーターのために高い集中力を持って意地のプレーを続ける。

 そして41分、途中交代の片山から出されたガンバDF裏のスペースを狙った縦パスを出す。このボールに素早く反応し相手DFラインを抜け出した杉本が、冷静に相手GKの頭上を超える意地のシュートを決め1-4とする。
 その後も、選手達は1点でも追加点を奪い、少しでも点差を縮めようと一丸となって攻撃を仕掛ける。

 しかし、最後まで諦めることなく相手からゴールを奪おうと必死の形相を見せていった選手達だったが、焦ることなくボールを繋いで時間稼ぎをするガンバを切り崩すことは出来なかった。名古屋は、結局1-4というスコアのまま試合終了を迎えるという非常に悔しい敗戦を喫してしまった。