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開幕4連勝という好スタートを切った今シーズンの序盤。しかしその後は、良い流れの時間帯や攻撃の形を作ることができるが点を奪えないという苦しい状態で、勝ち点3をものにできない試合が続いた。チームは5月26日のアウェイでのFC東京戦に勝利したあと5試合も勝ち星から遠ざかるという苦しい状況でリーグの中断を迎えた。
中断期にチームは、2週間の完全休養を経て北海道・網走での強化キャンプを敢行。約10日間のキャンプでは、あらゆる面に於いて鍛え直すというコンセプトのもと、連携面、攻撃や守備面の向上を徹底して図った。ハードなキャンプを終え名古屋に戻ってからは、故障で離れていた選手も合流を果たし、連携面やコンディションを微調整し準備を終えた。リーグ再開の初戦となる広島との試合は、まさに万全の体制で臨むことができたといえるだろう。 |
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対戦相手の広島は、リーグ屈指と言われる決定力を誇るFWウェズレイと佐藤(寿)の2人を擁し、固い守りから早いカウンターを仕掛ける意識が全員に浸透しているチームのひとつ。駒野や服部と言った両サイドの選手も非常にスピードがあり、勢いに乗せたら手が付けられない。フェルフォーセン監督もその点を選手に意識させ、チームは序盤から前線からの厳しい守備を怠らない。
前半、広島は引いた守備から早く攻撃を仕掛けることを徹底し続ける。そのため試合序盤から中盤にかけて、名古屋はボールを持たされている状態が長く続いた。しかし、前半35分に本田のコーナーキックからのボールをヨンセンが頭で叩き込んで先制。悪い流れを断ち切って、ようやく良い流れを掴んだかに思われた。
だが、その7分後に右からのコーナーキックのボールクリアが自陣ゴールへ入ってしまうアンラッキーなオウンゴールで広島に同点とされてしまう。この失点で再び流れを広島に引き戻されて後半を迎える。 |
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後半も立ち上がりから広島が早い攻撃を見せ、ウェズレイ・佐藤に柏木が絡み、厚みのある攻撃を仕掛けてくる。しかし、米山や大森、楢崎らを中心とする経験豊富なDF陣が高い集中力を保ち、冷静なプレーで広島の攻撃を跳ね返す。逆に広島は、ゴールに何度も迫りながらも得点を挙げることができないためか徐々に焦りが見え始める。そして、広島の猛攻をしのいだ名古屋は、後半21分に山口のゴール前へのクロスにあわせようと入っていったヨンセンが倒されてPKを獲得する。これをヨンセンが難なく沈めて待望の追加点を奪い勝ち越し。エースのゴールで広島に勝ち越す。
ホーム白星のために何としても得点が必要な広島は、人数を掛けて名古屋陣内へと積極的な攻め上がりを見せてくる。しかし、この日も楢崎がスーパーセーブを連発。ゴールにしっかりと鍵を掛け、抜群の存在感を示す。そして終了間際の43分、前掛かりになった広島の裏のスペースを途中交代の杉本が突く。杉本は、自陣から出たボールをオフサイドラインのギリギリで貰うと、一気に相手陣内深くドリブルで持ち込んで広島GKの股間を抜くシュートを決め、合計で3-1と広島を突き放す。結局このゴールが名古屋の勝利を決定付けた。
中断前のチーム状況を考えると、再開後の初戦という大事な試合を戦った監督や選手達それぞれが様々な思いを抱えて、この日ピッチに立ったはず。それだけに今日の勝利は、再開後のスタートダッシュを決めて再浮上するためにも、大きな自信を積み上げることが出来たまさに価値ある“1勝”と言えるだろう。 |
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