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 朝早くから気温が上がり、試合前には30度を超える厳しい暑さの中で行われたこの日の第18節・ヴァンフォーレ甲府戦。G大阪・清水・鹿島と、内容ではほぼ互角の戦いを見せながらも決定力の差から敗戦を喫してしまい、3連敗中の名古屋グランパスエイト。しかし、この日は、試合開始前から前人未踏の公式戦400試合出場を飾った藤田を祝う名古屋サポーターによる盛大な応援もあって、絶対に勝ちたい、と言う強い気持ちを誰もが持って試合に臨んだ。
 前半は、右エンドのホーム・名古屋に対し、左にエンドを取ったアウェイの甲府のキックオフでスタート。先発メンバーは、GK守護神・楢崎、DFは、大森・米山・阿部・渡邊の4人。MFは山口・吉村・本田・藤田、FWにはヨンセンと杉本と言う11人。4-4-2の布陣で試合に挑んだ。

 連敗が続いいることもあって、何としてもホームのサポーターに勝利をもたらしたいという気合いが立ち上がりから見られる。選手達は、厳しい暑さを気にすることなく前線から甲府のボールを奪いにゆく。開始5分、相手DFのパスを高い位置で藤田がカットし、そのまま中央を持ち上がると右に上がってきた本田にラストパスを送る。本田は左足でコースを狙ったシュートを放つが、ボールは右のポストに嫌われてしまい、この決定的な場面を逃してしまう。

 19分、21分とこの日左サイドバックを務めた渡邊が鋭い抜け出しからゴール前に詰めるヨンセンを狙ってクロスボールを入れる。しかし、甲府DFが集中したプレイを見せてゴール前のヨンセンを押さえ込み、簡単にはシュートを打たせては貰えない。

 対戦相手の甲府も、名古屋の攻め上がりの裏を狙ってボールを放り込むと、細かいパスワークと意表を突く2列目からの飛び出しを見せて、名古屋ゴールに迫ってくる。しかし、そこは絶好調の名古屋の守護神・楢崎が立ちはだかり、簡単にはゴールを割らせない。

 29分。この日センターバックを務めた阿部からのロングボールが左に位置する渡邊の足元に収まると、一気に持ち上がる。そして、マークに付いてくる相手DFをかわしてゴール前に入れたクロスボールをヨンセンがヘディングシュートで沈め、名古屋に待望の先制点が生まれる。前半はこのヨンセンのゴールをしっかりと守り、積極的に追加点を狙う試合運びを見せた名古屋が良い流れを掴んだまま試合を折り返す。
 エンド入れ替わり、後半は右にエンドを変えた名古屋のキックオフで試合が再開。
後半も立ち上がりから前半で試合の主導権を握った名古屋がボールを支配して試合を進めてゆく。後半57分、ゴール前へ米山が入れたボールをヨンセンが受けてシュートを狙うが、甲府DFの厳しいプレッシャーにボールがルーズになってしまう。しかし、藤田がそのボールを逃さずシュートを狙って走り込むが、先に飛び出してきた甲府GKにボールを押さえられてしまう。

 58分には甲府陣内左中程のFKで、本田が甲府DFの裏へと入れたボールに抜け出した藤田がワンタッチで枠を狙ってゆくが、ここでも甲府GKに阻まれてしまい追加点を決めることは出来ない。61分、前半から再三に渡って良い上がりを見せ、甲府DFにプレッシャーを与えていた渡邊が交代すると、チームのバランスが崩れ徐々に甲府がボールを持つ場面が目立ち始める。

 65分には、短いパスをしっかりと繋いで自陣深く迫ってくると、最後、ゴール前へと走り込んできた甲府・藤田がフリーでシュートを放ってくるが、楢崎がまたしてもボールをワンタッチで弾き出す好セーブを見せてゴールを守る。

 しかし68分、甲府の左からのCKで、甲府・石原からの低いボールがニアの選手を経由して、ゴール正面の甲府・須藤へと繋がると、これをダイレクトであわせたボールが名古屋ゴールに吸い込まれ、同点にされてしまう。

 その後、名古屋・フェルフォーセン監督は、疲れの見え始めた本田・杉本に代えて片山・津田とスピードのある選手を交代させて甲府を突き放しにかかる。しかし、甲府・大木監督も、試合をひっくり返そうと立て続きにメンバーを代えて名古屋ゴールに襲いかかり、苦しい展開が続く。

 前半から暑さをものともせず、積極的なプレイを見せていた名古屋の選手達だったが、最後は体力の消耗が著しく運動量が落ちて、名古屋陣内で短いパスを繋いでくる甲府の選手を捕まえきれない場面が目立った。結局、試合は両チームとも追加点をあげることができず、1−1のドローで終了を迎えた。