高円宮杯第17回全日本ユース（U-18）サッカー選手権大会　準々決勝
先日の、埼玉でのラウンド16「vs湘南ベルマーレ」戦とは打って変わり、この日は朝から雲一つ無い青空が広がる、快晴の柏の葉公園総合競技場。ウォーミングアップをスタートした選手達の表情も自ずと明るくなっている。湘南戦では、相手のスピードに苦しみながらもDF陣が奮起し、ロスタイムのそれもセットプレイでの失点のみに抑えての勝利は、選手達に大きな自信を植え付けたと言えよう。そして、準々決勝の対戦相手は鹿島アントラーズユースだ。
前半は、右にエンドを取った名古屋。試合は鹿島のキックオフで幕が切って落とされる。先発は、GK長谷川、DFは酒井・三宅・森本・後藤の4人、MFは右に西山、左に新川、中央に吉田、FWは久保を中心に、花井と福島、と言う布陣で臨む。
前　半
対戦相手・鹿島は、しっかりとパスを繋ぎながら名古屋陣内深くへと攻め入ってくるが、この日もDF陣が安定感溢れるプレイを見せ、ペナルティエリア内へは簡単に入れさせることはない。スピードに載ったドリブルを仕掛けてくる選手に対しても、厳しいマークにつきながらも、エリア近くでの不用意なファウルを与えることもなく、しっかりと集中した守備で試合を進めてゆく。

攻撃では、鹿島の攻撃を自陣でしっかりと受け止めて、前線に張る久保に対してロングボールを入れ、落としたところに福島や花井、新川と言った選手が絡んでゆくという、速いカウンターを仕掛ける形を狙ってゆく。そして、17分。相手ボールを奪った吉田が左サイドに上がる久保にロングパスを通すと、これをDFが寄せてでスペースに詰めた花井へと繋ぐと、左足を振り抜いて相手GKの届かない高さからゴール右上に決まるシュートを決め、見事な先制点を挙げる。

しかし、この名古屋のゴールが鹿島の奮起を誘ったのか、ここからは鹿島の怒濤の攻撃が始まり、名古屋は殆ど自陣での守備を強いられる。20分過ぎからは、10分以上に渡り、何度も続く鹿島のCKに選手達は苦しい対応を迫られるが、先制したことで気持ちがひとつになった選手達は、全員が高い集中力を見せて、鹿島のボールをことごとく跳ね返してゆく。

30分、名古屋に久々のチャンスが訪れる。左で新川から福島へと繋いだボールを、最後右サイドから詰めてくる久保にあわせてクロスボールを入れると、是をヘディングシュートを狙っていったが、体勢が悪く、ボールは枠は捕らえたものの、相手GKに難なく押さえられてしまう。36分には、楔に入ったボールを久保が上手くスペースへと落としたところに、攻撃参加してきた西山がゴール前へと飛び込んでいったが、これは惜しくもオフサイドに。

前半終盤は先制していることもあってか、名古屋は攻め急ぐことなく、落ち着いてボールを回しながら、相手の出方を待つことに終始してゆく。終了間際の44分には、自陣で奪ったボールが縦に出たところを久保が貰ってそのままドリブルで上がってくる。相手ペナルティエリア近くでDFの厳しい寄せにあうと、中央に追走してきた福島にパスを送ってゆく。更に追加点のチャンスかと思われたが、ここは鹿島DFの厳しプレッシャーにシュートを打たせて貰うことは出来なかった。結局、前半は花井の挙げた1点を、しっかりと集中した全員の守備で守りきった、と言える内容に。