名古屋は前半で奪った1点をしっかりと守りきったことで選手達には後半の立ち上がりから自信が溢れ、前半の時のように相手に押し込まれる場面よりも、かえってボールを持って相手陣内へと攻め上がることの方が目立つ展開に。前半は持ち前の攻め上がりの少なかった右の酒井やゴールこそ上げたものの、殆どの時間を守備に費やしていた花井が攻撃に顔を出すようになり、名古屋が鹿島を押し込んでゆくようになる。
3分、花井が酒井のパスを受けると、DFをかわして、右をオーバーラップしてゆく酒井に狙って鋭いパスを入れてゆくが、これは足下に上手く収まらなかった。8分、左サイドをスピードに載ったドリブルで持ち上がっていった新川からゴール前のクロスに中央でタイミング良く飛び込んでいった福島のヘディングシュートは、頭をかすって、前には飛ばず。
試合はロスタイム、第4の審判の掲げる表示は2分。鹿島は何とか追い付いて延長へと持ち込もうと、両サイドからロングボールをドンドンと放り込む、なりふり構わぬ攻撃を見せてくるが、最後まで気持ちの途切れることなく、選手全員が、正に一丸となって鹿島の攻撃をはね除けてゆく。そして、名古屋の若い戦士達はクラブ史上初となる、高円宮杯全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会・準決勝へと駒を進める大きな大きな勝利の時を、主審の右手とスタジアムに響くホイッスルの音を聞いて確信する。
<試合後、花井 聖選手コメント> Q:ゴールについては? A:久保君から良いボールが来たので決めるだけでした。あそこは狙ってました。 Q: 後半は引いていたようですが? A:1点リードした時点で引きすぎるのは良くなかったんですが、相手が出てきていたので、引くしかなかったです。ただチャンスがあれば出てゆくようにしてました。もっと前に出たかったんですが。 Q: 初の準決勝入りですが? A:正直嬉しいです。みんなで力を合わせて、優勝杯を持って帰れるよう、次の試合では良いパフォーマンスを見せてゆきたいです。 Q: 今日の勝利については? A:自分のゴールで勝てたことは自信になります。