第32回 全日本少年サッカー大会 決勝大会 決勝
マッチレポートフォトギャラリー

8月2日(土)からスタートした第32回全日本少年サッカー大会も、この日の決勝でいよいよ幕を閉じる。福島県Jヴィレッジで、48チームが参加して行われた過酷な1次ラウンド。そしてこれを勝ち上がったチームで行われた決勝トーナメントでは、1回戦、準々決勝を制した4チームだけが西ヶ丘サッカー場に立つことが許された。そして、我らが名古屋グランパスU-12の若武者たちは、前日に行われた水原SSとの準決勝を4-0と完勝し、この日午前9時30分行われた、全国の頂点を極めるFC浦和との決勝戦に臨むこととなった。

この日も、試合開始前になると厳しい日差しがアップ中の選手達に照りつける厳しいコンディションとなり、連戦での疲れもピークを迎えている両チームの選手にとっては、体力勝負の試合となりそうだ。

そして決勝戦は、左エンドの名古屋のキックオフからスタート。この日の先発メンバーは、GKは田端、フィールドプレーヤーは、畠山・前田(知)・赤塚・青山・渡辺・笹沼・中村・桜井・杉原・田崎の11人で決勝に挑む。

試合は、序盤からしっかりとボールを繋いで攻め立てる名古屋が試合を優位に進める。1分、左から仕掛けた杉原が中へと入れたボールを渡辺が右に展開し、中村が積極的にシュートを放つ。しかし、これは体を入れた浦和DFに跳ね返されてしまう。

4分、自陣右中程での浦和のFK。浦和・岡野が鋭いボールを入れてくるが、壁に立った選手がクリアする。5分、中央の渡辺が左に叩いたボールをダイレクトにゴール前へと流し込んだところへ桜井が飛び込む。しかしボールは、浦和GKに先に押さえられてしまった。

7、8分と連続でCKのチャンスを得るが、集中したDFを見せる浦和の守備に跳ね返され、なかなかゴールを奪えない。10分、ゴール前へと浦和の入れてきたボールがこぼれたところを浦和・清川が押し込もうとしてくるが、DF陣が集中し、赤塚がしっかりとクリアしてピンチを逃れる。

そして11分、笹沼からのパスを受けた杉原が左で勝負を仕掛けると、角度のないところから左足のシュートを放つ。これを浦和GKがクリアし切れず、見事枠を捕らえて名古屋に先制点が決まる。

13分、自陣左中程での浦和のFK。ゴール前への正確なボールを浦和・福岡がヘディングシュートに来るが、DFが体をしっかりと寄せ、枠を外させる。

19分、ゴールまでのこぼれ球のクリアが小さくなったところを、浦和・佐藤にシュートを決められてしまい、1-1の同点とされてしまったところで前半が終了。

エンド入れ替わり、後半は、左にエンドを変えた浦和のボールから試合が再開。

3分、中央から笹沼がドリブルを仕掛けてゆくと、DFを1人2人とかわしてシュートを放つ。笹沼は浦和DFが弾いたこぼれ球を再び狙うが、左足のシュートはポスト左へ。

後半は、体格に勝る浦和のパワーに徐々に押し込まれる場面が目立ち始める。7分、浦和・清川が強烈なミドルシュートを放ってくるが、これはGK田端が落ち着いて正面でパンチングで弾き出してゆく。10分、名古屋メンバー交代:田崎→杉森。

11分、代わって入ったばかりの杉森が、軽快なステップを見せて左を仕掛けてゆくとDFを引きつけて出来た中央のスペースにパスを出す。しかし、これは誰も寄せることが出来なかった。

14分、中央の桜井に入ったパスを上手くスペースへと落としたところへ入り込んだ渡辺のシュートはGKの正面を衝いてしまう。

18分、左からの浦和のCK。岡野のボールを中央で清川がヘディングシュートに来るが、これはバーの上。19分、名古屋メンバー交代:杉原→田崎。

後半は、浦和に主導権を握ぎられ苦しい展開が続いたが、守備陣が踏ん張りを見せて試合は5分ハーフの延長戦へ突入した。

延長前半は、右エンドの浦和のボールでスタート。この頃になると厳しい日差しが容赦なく選手達に照り付け、かなりの暑さになる。

1分、左から杉森がドリブルを仕掛けてエリア内へと持ち込んでゆくが、厳しいプレッシャーにボールを奪われてしまう。2分、右から浦和・清川が強引なドリブルで持ち込んでくると、中へと入れてこようとするが、ここはDFが体を投げ出してボールを跳ね返す。名古屋メンバー交代:中村→前田(拓)。

4分、左を深く上がった田崎の折り返しを、中央の笹沼が落としたところへ桜井が入り込んでシュートを狙ったが、これは惜しくもGKがキャッチしてしまった。

そして、エンドを右に変えた名古屋のボールから延長後半が始まる。1分、名古屋メンバー交代:渡辺→中崎。2分、左の杉森からゴール前へのボールに前田(拓)がシュートを放つが、これもGKの正面に。名古屋メンバー交代:前田(拓)→中村。

3分、名古屋メンバー交代:青山→長滝。ここまで何とか浦和の攻撃に耐えていた名古屋だったが、浦和の左からのCKの場面。岡野の入れたボールを中央で清川にヘディングシュートを許し、これが名古屋のゴールを割ってしまい、名古屋は土壇場で浦和に逆転を許してしまう。

4分、中崎がこぼれ球を大きく縦に蹴り出すと、中央を上がってゆく田崎が頭でスペースへと落として味方の上がりに期待するが、ボールはタッチを割ってしまう。そして、ここで主審の両手が上がり、終了のホイッスル。厳しいコンディションの中で行われた激戦の終わりが告げられてしまう。

残念ながら名古屋グランパスU-12の若い戦士達は、全国の頂点へと上り詰めることは出来なかった。しかし、愛知の代表として、全国7973チーム参加の中から、栄えある“準優勝”を自らの力で戦い抜いて勝ち取ったことは、素晴らしい結果。そしてこの大会が参加した選手達に、今後に向けて大きな自信を与えてくれたことは違いない。