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先週から開幕した高円宮杯第20回全日本ユース(U-15)サッカー選手権。名古屋グランパスU15の若武者達は、1次ラウンドの試合会場である宮城県サッカー場で、東京ヴェルディジュニアユースとの第2戦に挑んだ。うっすらと白い雲が上空を覆っているため気温は低いが、風もなくピッチでプレーする選手達にとって良いコンディションで試合が行われた。

前半は、右にエンドを取る名古屋のボールで試合開始。この日の先発メンバーは、石井・三鬼・奥山・川本・佐藤・水野・都竹・辻・加藤(翼)・樋江井・高原の11人。

3分、辻の縦パスに反応して右タッチ際を抜け出した高原が、深いところで中へと切れ込むと、ゴール前にパスを送る。しかし、ニアサイドへ寄せてゆく樋江井に届く前に東京VのGKに押さえられてしまう。立ち上がりの名古屋は、後方からロングボールを蹴って、樋江井が落としたセカンドボールを拾ってからの攻撃を仕掛けようと試みる。しかし、東京Vも球際での厳しさを見せ、なかなかシュートチャンスを作ることが出来ない。

11分、DFの川本が蹴ったボールに追い付こうと樋江井が走るが、追い付く前にゴールラインを割ってしまう。12分、中央で仕掛けた高原が深い位置で倒され、ゴールやや左寄りの絶好の位置でのFKを得ると、これを水野が直接狙って蹴る。GKの頭上を抜けたボールが見事枠を捕らえたかと思われたが、クロスバーに当たって弾かれてしまい、惜しい先制のチャンスを逃してしまった。

14分、東京Vの右CK。東京・安在の蹴ったボールは直接ゴールラインを割る。19分、左から仕掛けた高原が深い位置でDFをかわそうとして倒され、好位置でのFKを得る。水野がゴール前に上がる選手を使うと見せて、角度のないところを狙って直接蹴ったが、惜しくもGKの正面を衝いてしまった。

22分、右タッチ際を、三鬼の縦パスを受けた辻が持ち上がる。中央を上がろうとする樋江井のタイミングに合わせて辻が縦にパスを送ったが、先に反応したDFに渡ってしまう。この時間まで両チームが互いに相手より先に試合の主導権を握ろうと、球際での厳しさを見せているため、ボールがなかなか落ち着かない。

30分、右から力強いドリブルで縦に高原が仕掛けてゆくと、深い位置から手薄になった東京ゴール前にグラウンダーのボールを入れる。逆サイドから加藤(翼)が狙って抜け出してくるが、飛び出した東京GKが僅かに早く、ボールを押さえてしまった。

そして35分。自陣からのGKを樋江井がDFに競り勝ってスペースへ落とす。そして、このボールを拾った高原が、エリアの外から左足で狙い澄まして放ったシュートが、東京ゴール右上に突き刺さり、見事な先制点が名古屋に決まる。

38分、左を持ち上がってきた東京・倉澤の上げたゴール前へのボールに合わせようと、中央に何人かが走り込んでくるが、早い反応見せた三鬼がこれをしっかりと跳ね返し、名古屋のゴールを守る。そして、前半は1-0で名古屋がリードして終了する。

エンド入れ替わり、後半は、右にエンドを代えた東京のボールから試合が再開する。

1分、後半から代わって入った東京・杉本が右に展開したボールを、右サイドを上がって来た東京・高橋が鋭く中へと入れてこようとするが、精度を欠きゴールラインを割る。3分、左から勝負を仕掛けた加藤(翼)が、深い位置でDFに阻まれながらもボールをキープ、エリアの外からのミドルシュートを狙うが、クロスバーを越えてしまった。

8分、東京陣内中央やや左で、FKのチャンス。佐藤がこれを左足で直接狙って蹴るが、ボールはポスト左へと流れ出てしまった。10分、巧みなドリブルを見せて水野が長い距離を一気に持ち上がると、ペナルティボックス手前の位置からシュートを狙う。しかしボールが流れてしまい、枠に蹴ることは出来なかった。

17分、東京の左CK。東京・端山が鋭いボールを蹴り入れてくるが、ニアで奥山がキッチリと弾き出す。19分、右に出たロングボールに追い付いた水野が、ゴール前に速いボールを蹴り入れる。これに反応した高原が、タイミング良く走り込むが、先にコースに入った東京GKに押さえられてしまった。21分、下がってボールを受けた高原が、東京DFの裏に蹴り出したボールに反応して辻が抜け出してくるが、東京GKが先に追い付いてしまった。

その後、東京は早く同点に追い付こうと怒濤の攻撃を見せるが、この日ゴールマウスを守ったGK石井が何度も好セーブを見せる。石井は、名古屋ゴールを襲ってくる東京のシュートを次々と阻止し、高い集中力を見せるDF陣と共にゴールを死守する。

38分、左から抜け出してきた東京・外山とGK石井が1対1になるが、ここでも落ち付きを見せた石井が至近距離からのシュートをガッチリと取り押さえる好セーブを見せた。名古屋は前半に奪った1点をしっかりと守って後半40分を戦い抜くと、試合は約3分のロスタイムに突入。

自陣左深くでの東京のFK。名古屋としては逃げ切りを図りたいところだが、東京はこの場面でGK以外の全員が名古屋陣内に上がり、何とか同点に追い付こうと最後の意地を見せてくる。

そして、自陣からカウンターで出たボールを持ち上がった都竹が深い位置で放った左足のシュートがクロスバーを越えたところで、主審の高円宮杯第2戦の勝利を告げる笛が、宮城県サッカー場に大きく鳴り響いた。

名古屋は初戦を落としたものの、残り2試合はもう絶対に負けられないと、チームは終始集中したプレーを全員が見せた。そして強豪・東京Vを1-0の完封勝利で下した名古屋。この日の勝利で得た大きな自信を胸に、14日の第3戦でもしっかりと集中したプレーを見せて欲しい。