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高円宮杯第19回全日本ユース(U-18)サッカー選手権決勝戦が行われる埼玉スタジアム2002は、U-18世代の頂点を決める日に相応しく、抜けるような青空に恵まれた。

11日にサッカーの聖地・国立で行われた準決勝でFC東京を2-0で下し、夏のクラブユースで味わった悔しい敗戦のリベンジを果たした名古屋グランパスユースだったが、この日の埼玉スタジアム2002は、1万人以上の浦和サポーターで埋め尽くされ、完全にアウェイの雰囲気で迎える対戦となった。

この日の先発メンバーは、GK岩田、DFは右から金編・岸(光)・西部・本多の4人。中盤は、右にキャプテンマークを付けた磯村、左に矢田、中央は小幡と岸(寛)の2人が並び、FWはアルベスと奥村の2人、4-4-2の布陣で浦和に挑む。

予選トーナメントで一度対戦し、1-3と敗れた浦和がこの日の相手と言うこともあり、立ち上がりから積極的にゴールを狙いに行きたかった名古屋だったが、ホームの利を活かした浦和が序盤から早いパス回しを見せ、名古屋ゴールに襲いかかってくる。

前半4分、浦和・山田のゴールで先制点を奪われると、そこからは浦和の派手なゴールショーとなってしまう。前半だけで5失点を奪われ、名古屋は苦しい展開に追い詰められてしまう。立て続けの失点で埼玉スタジアムの独特な雰囲気に完全に呑まれてしまった選手達は、全く自分たちのサッカーをすることが出来ない。一度は39分に奪った奥村のゴールで流れを変えようと試みるが、前半は勢いに乗る浦和の攻撃を止めることは出来なかった。

後半立ち上がりは、早めに前線へロングボールを送って、FWのアルベスを使おうとする名古屋だったが、集中したプレーを見せる浦和のDF相手に、全く自分の仕事をさせて貰えなかった。

その後も浦和の早い攻撃に押し込まれる一方的な展開になり、2年ぶりの決勝の舞台・埼玉スタジアム2002で悲願の優勝を賭けた試合は、1-9と力の差を見せつけられた悔しい敗戦という形で終了を迎えることとなってしまった。


<試合後コメント>
・朴 才絃監督
まず決勝にふさわしくないスコアになってしまったことを心からお詫び申し上げます。

ちょうど一昨年ですが、敗者の面を考えておらず「今は頭の中が真っ白です」という話しをさせて頂きました。あれから2年でここへ帰ってくるとは、正直なところ想像していませんでした。

というのは、2年前は北京五輪代表の吉田麻也など、多くの選手がトップへの昇格を果たしましたが、彼らと共にタイトルを意識して活動を続け、決勝に辿り着きました。プレッシャーの中で準優勝を勝ち取ったのですが、その当時と今とでは力に大きな差があり、今年度名古屋グランパスU-18がここまで来られるとは誰も予想していなかったと思います。「我々が今日この舞台に立てるのは幸せなことだ」と選手達に話しましたし、選手達自身も実際にそのように感じていたと思います。

夏の全国大会でベスト8の相手・FC東京に4-8で負けたという有名な話しもありますが、そのチームが一昨日は準決勝でリベンジが出来たこともやや奇跡的ですし、大会を通じて選手達が成長してここに辿り着いたという経緯があります。

このような雰囲気の中で立ち上がりに強力なミドルシュートを決められて、踏み止まる力が無く、選手自身も少し足が凍り付いてしまったのでしょう。そのような意味ではかわいそうな経験になったかもしれません。しかしどのような結果になろうと、今回はここに来られたこと、浦和レッズのホームスタジアム・アウェイ状態の中で試合が出来る機会を与えてもらえたこと、それ自体が幸せなことです。

常々言い続けてきましたが、彼らの能力だけでなく、一昨年にここに連れてきてくれた先輩達の力や昨年に準決勝ま連れて行ってくれた先輩達の力、それを得た3年生達がチームをここへ導いてくれたのだと思います。夏に8点取られて負け、今日さらに9点取られて負ける、これはあってはならないことですので、責任は僕にあると思います。しかし選手達と一緒に再びここに来られたことを幸せに思いますし、一緒にもっともっと強いチームになってまた戻ってこられるように、名古屋グランパスユースがずっと強いチームで良い選手が排出されることの足がかりにしていきたいと思っています。

・奥村 情選手
優勝できなかったことは残念です。レッズは強かったです。次にJユースカップがあるので、もっと強くなって良い結果を出したいです。今後は、多く点が取れる、怖い選手になりたいと思います。

・磯村 亮太選手
これまでやって来たことをやろうと思って試合に臨みましたが、決勝でそれが出来ず悔しいです。

・アルベス デリキ タケオ選手
浦和は力もあり、強かったです。大敗したことは悔しいですし、力の差も感じました。ただ、次にユースカップもあるので、そこでまた浦和と対戦できたら、今度はリベンジして良い結果を残したいです。