午前11時、朝から雲が上空を覆い、蒸し暑さが駒場スタジアムを包んでいる中、高円宮杯第19回全日本ユース(U-18)サッカー選手権の1次ラウンドの第3戦が、強敵・浦和レッズユース相手に行われた。名古屋は初戦の青森山田高を引き分ける苦しいスタートだったが、第2戦の横浜F・マリノスを逆転勝ちで制し、その勢いでこの試合に臨んだ。
試合は、右エンドの名古屋のキックオフで前半開始。この日の先発メンバーは、DFは右から、金編・岸(光)・西部・本多の4バック。中盤は、右に磯村、左は矢田、中央は岸(寛)と小幡の2人、FWはアルベスと奥村の2人。基本布陣は4-4-2だ。
“強豪”の評判通り、序盤からしっかりとボールを繋いで攻め上がってくる浦和に、名古屋は守勢から試合に入る。
2分、右から勢いに乗って浦和・礒部(24)が仕掛けてくるが、矢田がしっかりと寄せてボールをクリア、右からの浦和のCKに。浦和・田仲(10)のゴール前へのCKのボールは中央で西部が弾く。6分、中央を浦和・山田(8)がドリブル突破を見せてくるが、マークの岸(寛)が厳しく寄せてボールを奪う。浦和の早い攻撃に慣れるかと思われた7分、ゴール正面でボールを受けた浦和・山田にミドルシュートを決められ、先制点を許してしまう。
13分、右サイドから磯村が仕掛けてゆくが、DFの厳しい寄せにボールを失う。このこぼれ球に岸(寛)が寄せてシュートを狙いに行く。しかし、浦和DFの早い反応に惜しくも止められてしまった。14分、左サイドに開いた小幡からのパスが矢田に通ると、これを持ち上がって速いボールを中へと入れる。ニアポストでDFが弾くものの、こぼれたところを小幡が強烈にシュート。しかしボールはポスト左に流れてしまった。
21分、右から中へとキレのあるドリブルで入り込んできた浦和・原口をエリア内で倒してしまい、1点リードの浦和にPKを与えてしまう。しかし、ここはGK岩田の気迫が勝り、原口のシュートはポスト左に外れ、この決定的なピンチをはね除けた。
30分、中央のアルベスが楔のパスをスペースに丁寧に落としたところで磯村がDFの裏へとパスを入れ、これに奥村がタイミング良く抜け出すが、触れる前に浦和GKに押さえられてしまう。35分、中央の浦和・原口からDFラインの裏へとパスを入れられると、浦和・阪野が抜け出してくるが、ここは西部、金編が厳しく寄せてきっちりと潰した。
41分、中央の小幡からのパスを受けた西部が、ドリブルを仕掛けて左を上がると、深い位置でゴール前へとクロスボールを入れてゆくが、これは中央に入り込むアルベスの頭上を抜けてしまった。ロスタイムには、右に流れてボールキープを見せたアルベスからのパスを寄せていった磯村がクロスを入れ、これに上がっていた本多が飛び込むが触れることは出来なかった。
早い時間帯での失点で苦しい展開の前半だったが、相手の早い攻撃を1点で凌ぎきり、PKミスもあって、流れをイーブンに引き戻したところで、前半終了を迎えた。
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