2008日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会 東海大会:3位決定戦
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上空に居座る梅雨前線の影響で朝から強い雨が降り続いたこの日。磐田スポーツの里ゆめりあ多目的広場で、名古屋グランパスUー18は、愛知FCと日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会東海大会3位決定戦を行った。上位3チームだけが日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会(7月25日〜:Jヴィレッジ)に駒を進められるとあって、絶対負けられないこの試合に向け選手達は気合いの入った表情を見せてアップを行い、午後1時からのキックオフに備えていた。

試合は、前半左エンドを取った名古屋のボールからスタート。この日の先発メンバーは、GK磐田、DFは右から金編・岸(光)・西部の3人、中盤は、右に三浦(俊)、左は矢田、中は近藤と奥村が並び、FWにはアルベス・藤田・磯村の3人、3-4-3の布陣だ。

試合は、序盤からテクニックに勝る名古屋が両サイドの早さを活かす攻撃を見せて主導権を握る。

3分、岸(光)からの長いボールを左で受けた矢田が持ち上がると、深い位置からクロスをゴール前へ上げようとしたが、これはボールが流れてゴールラインを割ってしまう。5分、右から相手DFを崩して近藤が勝負を仕掛けるが、エリア手前で潰されてしまう。9分、相手DFの裏へと抜け出す藤田にパスが通る。藤田は左足でシュートを狙うが、ボールはポストの右に流れてしまう。

12分、愛知FC陣内中程左でのFKのチャンス。短く繋いだボールを矢田が、グラウンダーでゴール前に流し込むと逆サイドから飛び込んだ三浦(俊)がダイレクトで合わせる。しかし、このボールはクロスバーの上へ抜けてしまう。16分、中央でボールを持って前を向いた磯村が縦にドリブルで仕掛けると、やや左の位置から強烈に左足を振り抜く。この抑えの効いたシュートがゴール枠を捉えるが、愛知GKの好セーブに阻まれて外へと弾き出されてしまった。

ボール支配率で圧倒する名古屋は、再三に渡って愛知FCのゴールを陥れようとするが、相手GKの好プレーもあり、なかなか先制点を奪うことが出来ない。そして、愛知FCも次第に名古屋のテンポに慣れ始めて、自陣でボールを奪ってからの早いカウンターを仕掛けはじめる。

37分、左からのCKのチャンス。奥村、矢田、再び奥村へと繋ぎ、大きく蹴り入れたボールをファーポストの藤田が頭で合わせたが、惜しくも枠を捉えることは出来ない。名古屋は、一方的な展開を見せるが、前半は愛知FCのゴールを割ることが出来ず、無得点のまま試合を折り返す。

エンド入れ替わり、後半は左にエンドを代えた愛知FCのボールから試合再開。

1分、愛知FCゴール前でのルーズボールに寄せた磯村が、鋭いシュートを放つが僅かに浮いてクロスバーをかすめてしまう。3分、中央で近藤が楔のボールを落とすと、これを磯村が遠目からシュートを狙うが、ポストの左へ流れてしまう。名古屋は5、6分と立て続けにCKのチャンスを得るが、愛知FCのGKの速い判断の前に阻まれ、どうしてもゴールを決めることが出来ない。

10分、左タッチ際でのボールを持った近藤が中央に抜け出してくる藤田に絶妙のパスを出すが、これは惜しくもオフサイドの判定。12分、左オープンスペースへとこぼれ出たボールを相手DFから奪った藤田が、ゴール前に持ち込んでシュートを放つが、惜しくもGKの正面を衝いてしまう。14分、左深くへと持ち上がった奥村の落としたボールを矢田がすかさずゴール前に放り込むと、中央の近藤がヘディングシュート。しかしここでも愛知GKがゴール前に立ちはだかり、ボールは枠の外へと弾き出されてしまう。15分、名古屋メンバー交代:藤田→小幡。

降り続く雨の影響と、前半から攻め続けてきたこともあり徐々に名古屋の選手も疲労の色が見え始め、中盤にスペースが出来るようになる。すると、愛知FCにセカンドボールを拾われるようになる。しかし、交代した小幡が馬力のあるところを見せ、高い位置での守備を精力的に見せて、愛知の攻撃の芽を潰す。すると、名古屋のテンポが良くなり、攻撃に勢いが戻るようになる。

そして24分。小幡からボールを貰った奥村が、中央を仕掛けて相手DFを引きつける。そして裏へと飛び出したアルベスに絶妙のスルーパスが通すと、アルベスがこれを落ち着いて沈め、待ちに待った先制点が名古屋に決まる。更に26分には、左深くの角度の無いところから磯村がシュートを放つ。これは一度はGKに阻まれるものの、バーに当たったところに走り込んだ三浦(俊)が頭でねじ込み、2点目を挙げて愛知FCを突き放す。29分、名古屋メンバー交代:近藤→岸(寛)。

前半から愛知FCを押し込み、再三のチャンスを決められなかった名古屋だったが、終盤の2点で息を吹き返すと、その後も相手にチャンスを奪われることなく、試合を優位に進める。37分、自陣からのロングボールを前に上がっていた愛知DF:濱口が頭で合わせようとするが、途中からセンターバックを務めていた西部が競り勝って、ボールをしっかりとクリアする。

そして、最後まで攻撃の手を緩める事無く攻撃を続けた名古屋が2-0のリードを保ったまま、激しい雨にもかかわらず最後まで勝利を信じて声援を送り続けたサポーターの歓喜の中で終了の笛を聞く事となった。名古屋グランパスU-18の若鯱達は、日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会東海大会を愛知FCを破って3位で終え、7月の日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会へ進出を果たした。