第32回 日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会 決勝トーナメント・準々決勝
マッチレポートフォトギャラリー

7月26日(土)に、福島県のJヴィレッジでスタートした第32回クラブユースサッカー選手権(U-18)。我らが名古屋グランパスU-18は、強豪揃いの厳しい予選グループとなったが初戦の鹿島を3-1で撃破。続いてG大阪に0-1で惜敗するものの、第3戦を川崎相手に4-0と圧勝して決勝トーナメントに駒を進めた。

朝から厚い雲が上空に居座り、今すぐにでも雨が降り出しそうな不穏な天候の中で決勝トーナメント準々決勝のFC東京戦が始まった。試合は関東地域予選を首位通過し、圧倒的な攻撃力で1位通過を果たしたFC東京が相手ということもあり序盤から苦しい展開が予想された。

この日の名古屋の先発メンバーは、GK岩田、DFは金編・岸(光)・西部・本多の4人。中盤は、奥村・磯村・岸(寛)・矢田の4人、FWはアルベスと加藤の2人。前半は左エンドの東京ボールでスタート。そして試合開始を待っていたかのように細かい雨が降り始め、ピッチを濡らし始める。

そしてキックオフ直後から名古屋は、積極的にパスを回しながら空いたスペースを狙い次々と選手が押し寄せてくる東京の早い攻撃にさらされてしまう。しかし名古屋の選手達は、慌てることなく東京の攻撃を跳ね返して、しっかりとゴールを守りながら試合を進める。

前半21分。右に開いてボールを受けたアルベスが右タッチ際を縦に抜けながら、中央へと流し込んだパスをを受けた奥村が、東京DFのプレッシャーをものともせず右足を鋭く振り抜く。このシュートが東京GKの脇を抜けてゴールネットを揺らし、名古屋が先制点を奪う。

しかし、このゴールが逆に東京の選手達に火を付けてしまったようで、東京の選手の勢いに拍車が掛かり、これまで以上に積極的な仕掛けを見せるようになると、名古屋の選手達はズルズルと自陣へと押し込まれてしまう。そして30分、東京・山村に同点ゴールを許してしまう。その後は、32分、東京・三田、34分、東京・岩淵・37分、東京・梅内、40分、東京・山村と、僅か10分間で、立て続けにゴールを決められてしまい、またたく間に5失点を喫してしまう。

それでも前半のうちに一点でもゴールを取り返そうと、FWのアルベスにボールを集めて奥村、岸(寛)が東京DFの裏への抜け出しを狙うが、東京の守備の前に簡単にプレーさせてもらえず前半を1-5と苦しい状況で折り返す。

エンド入れ替わり、後半は左にエンドを代えた名古屋のボールから試合再開する。名古屋は、後半立ち上がりの時間帯を注意し、自分達のリズムを掴んで試合を進めたいところだったが、開始2分、東京・岩淵に追加点を奪われて1-6とされ、ますます苦しい展開になってしまう。7分、名古屋メンバー交代:加藤→大西。

11分には、後半から代わって入った東京・重松に7点目をなるゴールを決められてしまい、更に引き離されてしまう。しかし、このまま大量失点を浴びて何も出来ないまま名古屋には帰りたくないと、名古屋の選手達が意地を見せ、東京のお株を奪うかのように早いパス回しを見せて、徐々に流れを自分達に引き戻しにかかる。しかし、7点を挙げて気持ちに余裕の見える東京の守備を突き崩すことは出来ず、なかなかフィニッシュまで辿り着けない。24分、名古屋メンバー交代:金編→三浦(俊)。

ここまで前線で一人体を張って、東京DFの厳しいプレッシャーを受けていたアルベスだったが、184cmと上背のある大西の途中交代でもう1枚ターゲットが増えたこともあって、東京DFのプレスを逃れながらボールを受けられるようになる。

31分、東京DFから高い位置でボールを奪った大西が中央からの強烈なシュートを東京ゴールに突き刺し、ようやく名古屋に追加点が決まる。34分には、左を上がってきた本多からのゴール前へのクロスを中央に詰めたアルベスがヘディングで3点目を挙げると、ようやく名古屋の選手達に元気が戻る。しかし38分、東京・重松にゴールを決められ、またしても東京に追加点を与えてしまう。

そして44分、奥村がこの日自身2得点目となるゴールを決めて再び4点差とするものの、連日のハードな試合と雨の影響もあって、選手達の体力は激しい消耗をきたし大量リードで逃げ切りを図る東京を追い詰めるまでには至らない。そして、第32回日本クラブユース選手権(U-18)大会・準々決勝は、FC東京に4-8という悔しい結果で終了を迎えることになってしまった。