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山梨県富士北麗公園陸上競技場において開催されたサテライトリーグ。我らが名古屋グランパスは、J2甲府を相手に90分を戦った。連日続いていた雨も収まり、午後2時のキックオフを前に試合会場の上には青空が拡がり、強い日差しが降り注ぐ中で選手達はアップを行った。スタンドには、J1チームとの対戦と言うこともあってか、多くの地元サポーターの方が詰めかけ、賑やかな声援を送ってキックオフを待ちかねていた。

試合は、右エンドの名古屋に対し、左にエンドを取るホーム・甲府のキックオフでスタート。この日の名古屋の先発メンバーは、GK広野、DFは、右から大森・筑城・渡邊・佐藤の4人。中盤は、片山・花井・福島・藤田の4人。FWは巻と津田の2人。4-4-2の布陣だ。

1分、右に抜け出した甲府・神崎からのクロスに中央で甲府・ジョジマールがヘディングシュートを狙ってくるが、ここは大森がしっかりと体を寄せて、前にシュートを飛ばさせなかった。2分、右から甲府・宇留野の早いクロスは筑城が体を入れて跳ね返す。

7分、右から甲府・神崎の折り返しにジョジマールが飛び込んでくるが、先に大森がコースへと入り込み、頭で確実にクリアする。

試合は序盤から早いパス回しを見せる甲府が積極的な仕掛けを見せ、名古屋の両サイドを崩してゴール前の甲府・ジョジマールへとボールを集めてくる。しかし、ようやく怪我から復帰しコンディションを上げ始めた大森が冷静な対応を見せ、危なげないプレーでゴールを守ると共に、慣れないCBを務める筑城をしっかりとフォローし、チームに落ち着きを与える。

12分、甲府陣内中央の花井から出たDFの裏への浮き球に、中央から津田が抜け出して甲府GKと1対1になるが、これは惜しくもオフサイド。15分、またしても花井が中央で巻からのくさびのボールを落ち着いて収めると、右に抜けだす津田へと絶好のパスを供給。津田はドリブルでそのまま持ち込むと、得意の右45度の角度からシュートを体勢を崩しながらも確実に甲府ゴールに沈めて先制点を決めた。

立ち上がりからの甲府の早いパス回しに振り回され、守勢が続いた名古屋だったが、津田のゴールで優位に立つと、ようやく選手達の動きも良くなり、甲府陣内深くへとボールを運べるようになる。23分、甲府陣内左深くでのFKのチャンス。花井の蹴ったボールをファーポストの巻が頭で折り返すと、中央の津田が鋭く左足を振り抜いたシュートは惜しくもクロスバーを叩いてしまい、追加点を決めることが出来なかった。

27分、甲府の右CK。甲府・國吉のボールを中央の甲府・御厨にヘディングシュートを許してしまうが、これは渡邊が体をしっかりと寄せ、シュートミスを誘った。

29分、セットプレーからのこぼれ球をエリアの外で拾った花井がゴール前へと放り込むと、相手DFと激しい競り合いを見せた巻が、ペナルティ内でルーズになったボールを見逃さず、左足で押し込んで2-0とする。

2点リードで試合の主導権を握った名古屋だったが、ここから再び甲府の猛攻に晒されることとなり、29分、31分、33分と立て続けに甲府にCKを与えてしまう。名古屋の選手は自陣ゴール前に押し込まれ、甲府の攻撃に耐える苦しい展開が続く。そして34分。左からの國吉の入れたCKのボールを中央に詰めていた甲府・田森が右足で合わせたボールを枠に決められてしまう、甲府に1点差と詰め寄られてしまう。

36分、左寄りの位置で藤田の落としたボールを持ち込んだ巻が、エリアの外から強烈なシュートを放つ。これを甲府GKがゴール前でファンブルし、チャンスかと思われたが近くにいた津田は詰めきれなかった。

39分、中央で甲府・ジョジマールが縦に突破を見せると、DF2人が寄せて出たスペースに入り込んだ宇留野へと絶好のスルーパスを通されてしまう。しかし、あわやシュートとかと思われたところで鋭く寄せた大森がボールをカット、冷静なプレーを見せてこのピンチを救う。そして、苦しみながらも名古屋は2-1と、甲府を1点リードして試合を折り返す。

エンド入れ替わり、後半は左にエンドを代えた名古屋のボールから試合再開。名古屋メンバー交代:広野・巻・大森→長谷川・新川・井上。

開始1分、右からロングボールが中央に入り込んだジョジマールに通るが、筑城が厳しいマークを見せてシュートを打たせず、ルーズになったところを代わったばかりのGK長谷川が押さえる。

4分、5分と甲府のCK。しかし、ゴール前に陣取る選手達が慌てることなく、相手のボールを確実にクリアして見せ、リードを守る。8分には中央から甲府・田森にフリーでのシュートを許すが、長谷川が片手でこれをバーの上へと弾き出す好セーブを見せる。

11分、高い位置で相手ボールをカットした藤田が、パスをすかさず新川に送る。新川は、これをすぐさまDFの足下を抜いたボールで裏へと入れようとするが、走り込んだ津田に届く前にカットされてしまった。そして14分。左からドリブルで持ち込んできた花井が中へと切り返したところで鋭く右足を振り抜いたシュートが鮮やかに甲府のゴールネットを揺らし、再び甲府を2点差と引き離すゴールが名古屋に決まる。

22分、甲府陣内左深くでのFKのチャンス。花井が精度の高いボールを蹴り入れるが、前に飛び出した甲府GKのパンチングに弾かれてしまった。

26分、藤田が厳しく寄せて甲府のボールをインターセプトすると、左から抜け出してくる片山へと見事なサイドチェンジのボールを通す。片山は、DFが寄せてきたところで中央の井上へとボールを託すが、井上がシュート体勢へと入ったところで甲府DFに潰されてしまった。30分、右から新川が、花井とのパス交換でDFを崩して入り込んでゆくが、後ろからの厳しい守備にあいボールを失ってしまった。

2点差を何とか追い付こうと甲府の攻撃が前掛かりになり始め、名古屋の選手達は冷静な守備を見せて、これに対応。カウンターのチャンスを狙う時間が続く。

そして30分、自陣からのカウンターで、井上からのボールに左を抜け出してきた津田が、深い位置で中央に追走してきた井上へと戻すと、井上は左足で冷静にゴール右に叩き込み4-1として甲府の息の根を止める追加点が名古屋に決まる。34分、名古屋メンバー交代:花井→岩田(U-18)。

36分、左から持ち込んだ片山が中へと切れ込んで裏へのスペースにヒールでパスを落とす。これを津田が、ダイレクトでシュートを放ったが、惜しくも甲府GKの正面を衝いてしまった。39分、左を崩して入り込んできた甲府・ブルーノが放った右足のシュートは、渡邊が体を投げ出して跳ね返す。

後半に着実に追加点を積み重ねて、完全に試合を自分達のものにした名古屋は、約3分と長めのロスタイムも甲府に殆どボールを触らせず、チャンスらしいチャンスを作らせることなく試合終了の笛を待つ、余裕の試合運びを見せた。

ホームサポーターの大きな声援を力に自分達の持ち味をしっかりと見せてきた甲府に対し、確実に“ゴールを挙げる”という高い共通意識を終始見せた名古屋が、4-1でこの日の試合を終えた。