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9月からスタートした高円宮杯第19回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会。名古屋グランパスエイトU-15は、愛知県大会そして東海大会を勢いのある戦いで無敗で勝ち上がり、大きな自信を胸に鹿児島県鴨池で行われた全国大会第1次ラウンドに臨んだ。しかしチームは、初戦の日章学園中戦を0-1で落とし、まさかの敗戦を喫してしまう。だがその後は、残り2試合を快勝して見事予選を突破。チームは満を持して、茨城県・ひたちなか市総合運動公園で、ベストエイトを目指して決勝ラウンドの初戦を強豪・浦和レッズジュニアユースと戦った。

前半左エンドの名古屋の先発メンバーは、GK古川、DFは福田・濱口・奥山・佐藤の4人。中盤は、樋江井・水野・三鬼・小幡の4人。FWは高原と川村という4-4-2の布陣で臨んだ。この日は、午前中まで降っていた雨も上がり、雲間から日が差し始めて暖かい中でのキックオフとなった。

試合は、序盤から平均体重で5kg以上の差と体格に勝る浦和が、しっかりとしたパス回しと迫力あるドリブルを仕掛けて名古屋陣内へと攻め立てて来たため、チームは防戦にまわる苦しい展開が続く。しかし、名古屋のGK古川が相手選手を怖がらない積極的なプレイでチームを盛り立てると、徐々に相手の勢いを押し戻すようになる。

しかし11分、右からのCKのボールをニアサイドに飛び込んだ浦和・近藤(5)に頭で押し込まれて先制点を奪われてしまう。だが、この失点が名古屋の選手達にとって良い発奮材料になり、次第に最終ラインから中盤、そして中盤から前線へと良い流れでボールを運ぶことが出来るようになる。特に名古屋・小幡(10)が小柄ながらも迫力満点のドリブルを見せて名古屋の攻撃のテンポを作り出して浦和DF陣を翻弄する。そして、名古屋のFW高原(9)がフリーでボールを貰える事が多くなり、良い流れを掴んで前半を終える。

後半は、左エンドの名古屋ボールから試合が再開。しかし、後半の立ち上がりで流れを掴んだのは浦和だった。浦和は、前線から積極的な守備を見せてボールを奪うと、早い展開で名古屋DF裏のスペースを果敢に狙ってくる。しかし、名古屋は3、4分と立て続けのセットプレーにも選手達がしっかりと集中をして、こぼれ球を拾ってシュートを狙って来る浦和の怒濤の攻撃に耐える。

チームは、序盤の浦和の攻撃を凌いだことで落ち着きを見せ始めるようになり、早く同点に追い付こうと自陣で奪ったボールを早めに前線へと供給する。14分、左から抜け出してきた名古屋・川村(11)が、深い位置でゴール前へと流し込んだボールに中央に入り込んだ名古屋・福田(2)が鋭く反応する。しかし、彼のシュートは惜しくもDFに当たってしまう。

17分、中央をドリブルで仕掛けた名古屋・小幡(10)が細かいをパス繋いでエリアに入り込んで、飛び出した浦和GKをかわして角度のない左からシュートを放つ。しかしこのボールも、ゴール直前で浦和DFに弾き出されてしまう。更に、こぼれ球を名古屋・樋江井(14)が中央で拾って放ったシュートは、惜しくもポストの左に流れてしまい、絶好の同点のチャンスを逃してしまう。

19分、浦和陣内右の深い位置で得たFKのチャンス。小幡(10)がゴールに向かって弧を描くボールを蹴る。これに、中央で名古屋・濱口(17)が頭から飛び込んだが、触ることが出来なかった。26分、名古屋メンバー交代:樋江井→山田。

29分、名古屋メンバー交代:川村→加藤(18)。この時間帯は名古屋が怒濤の攻撃を見せて浦和を攻め立てるが、浦和DF陣がしぶとい守備を見せて、なかなかゴールをこじ開けることができない。すると31分、カウンターから攻め上がった浦和・磯部(10)にDF陣がつられることで、できてしまったゴール前のスペースに走り込んだ、途中交代の浦和・堀田(19)にゴールを決められてしまい、追加点を奪われてしまう。

ロスタイムに、名古屋・加藤(18)が中央突破から左足シュートを浦和ゴールに突き刺して1点を挙げて、ようやく名古屋が反撃の狼煙を上げる。しかし、前後半で約80分間に渡って走りきった選手達は、最後まで強豪・浦和を苦しめながらも逆転することは出来なかった。チームは残念ながら1-2の惜敗で高円宮杯を終えることとなった。