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名古屋グランパスエイトU-18は、2日前の22日(土)千葉県習志野市秋津で行われた決勝ラウンド初戦・アビスパ福岡U-18戦に3-1と快勝し、勢いに乗って広島皆実高校との準々決勝に臨んだ。名古屋イレブンは、今日の試合を絶対勝ち上がって欲しいという名古屋の応援席からの大きな声援に気持ちを高めて、気合い充分の表情で選手達は試合に臨んだ。
前半は、右エンドの名古屋のボールで試合がスタート。この日の先発は、GK鈴木、DFは三宅・津田・西部の3バック。中盤は、三島・安藤・西山・中田の4人。FWは、鈴木・太田・磯村の3人。3-4-3の布陣で試合に挑んだ。

対戦相手の広島皆実高校は、固い守備に定評のあるチームだがこの日は序盤からどの選手も高い位置でのチェックの出足が良く、セカンドボールを拾うとすぐさま両サイドに展開し中央に走り込んでゆく選手へとしっかり繋ぐ積極的な攻撃で攻め立ててくる。しかし、名古屋のDF陣は落ち着いた対応を見せて相手の攻撃を跳ね返す。

名古屋は、前回の試合で積極的な攻め上がりを見せた太田・中田の両サイドのスピードを活かし、この日初先発となったFW鈴木にボールを集める。しかし、鈴木は相手の厳しいプレッシャーを受けてなかなかボールが収まらず、味方の攻め上がりを待つ前に潰されてしまう。

20分過ぎから名古屋は、広島に中盤でセカンドボールを拾われることが多くなってきたため、最終ラインを4人にして相手の両サイドの攻め上がりへの対処をする。これで名古屋の守備には、良いリズムが生まれピンチらしいピンチを防ぐことができるようになる。しかし、広島皆実高校に前半殆どの時間帯でボールを持たれてしまい、名古屋は自陣で奪ってからのカウンターを仕掛ける形で試合が展開する。

37分、磯村が、右からドリブル勝負を仕掛けた際にペナルティーエリア内で倒されるが、相手のファウルは認められなかった。39分には、三島とのワンツーで太田が右から仕掛けるが、ここでも広島DF2人の厳しい寄せに遭い潰されてしまう。結局、前半は両チームとも無得点のまま0-0で終了する。
エンド入れ替わり、後半は広島皆実高校のボールで試合再開。広島皆実高校は、前半同様に中盤での運動量が豊富でセカンドボールを拾うと積極的に攻め立ててくる。更に、球際への厳しさは相変わらずで、名古屋が中盤でボールを持てても最前線へとボールを運ぶ前に阻止されたり、やむを得ずバックパスを選択してしまうことが多い。そのため名古屋は、FWにボールを集めてこれを2列目が拾って仕掛けるという得意の攻撃の形を作ることが出来ない。

10分、自陣で広島のパスをインターセプトした津田が、ドリブルで一気に持ち上がる。津田は、そのまま相手陣内深くで鈴木とのパス交換をして、左足で強烈なシュートを放つ。しかし、これは広島DFに弾かれて決定的なチャンスを決めることが出来ない。14分、名古屋メンバー交代:鈴木→岸。

後半は広島の運動量が少し落ちてきたこともあり、名古屋が相手のプレッシャーをかいくぐって深くまで攻め込むようになる。しかし、なかなか広島ゴールをこじ開けることが出来ないまま時間が経過する。35分、右から侵入した太田からのリターンパスに、安藤が左から入り込んで右足でシュートを放つが、ポストの僅かに左へ。

40分には広島皆実高校が3人目の選手を投入し、90分で勝負をつけようとかさに掛かった攻撃を見せてくる。名古屋は、ロスタイムに自陣深くで立て続けにファウルを犯して相手にFKを与えてしまうが、GK鈴木がゴール前に立ちはだかり、失点することなく後半の終了を迎えた。
90分間を戦い、0-0の無得点のため試合は10分ハーフの延長へと突入する。気温はあまり高くないとはいえ、選手達には疲労が見え、互いにパスミスやファウルが目立つ苦しい内容で試合が進む。しかし、延長前半8分、磯村が右から勝負を仕掛けて相手ペナルティエリアへと深くえぐったところで倒されてホイッスル。名古屋にPKのチャンスが転がり込んでくる。そして、これを中田が相手GKの動きの逆を突くシュートを冷静に決めて、待望の先制点が名古屋にようやく生まれる。ロスタイムには広島皆実高校・加藤が、西山へのファウルで一発退場になる。
このままでは終われない広島皆実高校は、人数が少ないこともありボールを持つとすぐにロングボールを使った攻撃で攻め立ててくる。これに対し名古屋は、7分に太田に代えて中野を、9分に磯村に代えて羽根田を入れて、時間を使って逃げ切りにかかる。

そして、相手に試合の主導権を握られて苦しい内容の試合になりながらも、110分間集中力を切らすことなく戦った名古屋が1点を死守して勝利。2年連続の決勝戦進出を目指して10月6日(土)の12時からサッカーの聖地・国立競技場で行われる準決勝へと駒を進めた。