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高円宮杯第18回全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会ラウンド16は、良く晴れ渡った千葉県習志野市秋津総合運動公園サッカー場で行われた。予選リーグを2勝1分けと無傷の1位で勝ち上がった名古屋グランパスエイトU-18は、ベスト8進出を目指してアビスパ福岡U-18との戦いに臨んだ。

前半は、右にエンドを取る名古屋のキックオフで試合がスタート。この日の先発メンバーは、GK岩田、DFは、左から三島・津田・三宅・中田の4人。中盤は安藤・西山・西部。FWはアルベスを中央に配置し、そのサイドに太田と磯村という3人。4-3-3の布陣で戦う。
試合は、序盤から名古屋が少ないタッチでパスをテンポ良く繋いで試合の主導権を握ろうと試みるのに対し、福岡はしっかりとゴール前を固めてカウンターを狙うという戦い方で進む。名古屋の前線では、アルベスや磯村が味方からのパスを受けて勝負を試みるが、次々と押し寄せる福岡の厳しいマークに苛まれて、なかなか前を向いてプレイをさせて貰えない。

一方、名古屋の守備陣もこの日キャプテンマークを付けた西山を中心に、安藤や西部、三宅等が集中したプレイを見せて福岡の速い攻め上がりを体を張って阻止し、福岡の攻撃陣を簡単にはシュートまで持っていかせることはない。25分には、福岡がコーナー付近でのスローインの場面で長いボールを放り込んでこようとしたが、ここでも守備陣が慌てることなくこれを跳ね返し、ピンチを防ぐ。

ところが33分。左サイドからのクロスをゴール前で福岡・前田に頭でスペースへと落とされると、右から走り込んだ福岡・表に右足でのボレーシュートを許してしまう。このシュートが、GK岩田の逆を突いてゴールネットを揺らして、福岡に許した最初のシュートが先制点となってしまう。結局前半は、唯一許したシュートで得点を決められるという不運な展開で終了となる。
エンド入れ替わり、左から攻め上がる福岡のボールで試合が再開する。名古屋は、中盤にいた西部を左のサイドバックに配置し3バックに変更をする。更に、太田と中田をひとつ前のポジションに上げて、3-5-2の布陣で後半を戦う。

中田・太田が攻撃的なポジションに上がったことで、名古屋が両サイドを使って縦への突破を仕掛けることができるようになり、相手DFの裏を突く攻撃が徐々にできるようになる。9分、左の太田からの縦パスに抜け出した磯村が、長い距離を福岡ゴールまでドリブルで持ち込み、マークに付いてきた相手DFに体を寄せられながらもシュートを放つ。このシュートは、一度は阻まれてしまうものの、再びこぼれ球を拾った磯村が右足からのシュートをきっちりと沈めて、値千金のゴール。名古屋が1-1の同点に追い付く。

さらに15分、右に持ち上がった津田からのクロスが、相手DFに当たってこぼれたところをフォローに上がっていた三島が拾うとクロスを上げる。そして、中央に詰めていた磯村が、冷静に福岡DFとGKのポジションを見てこのクロスを右足で流し込み、2-1と福岡を逆転する。

逆転ゴールの2分後には、三島のシュートを福岡GKが弾いてこぼれたところに詰めたアルベスが、シュートを豪快に叩き込んで3-1と福岡を突き放す。前半に挙げられた1点が重くのしかかっていた名古屋だったが、後半序盤の磯村の同点弾で勢いに乗ると、怒濤の反撃を見せて僅か10分足らずで3点を挙げ、見事試合をひっくり返す。29分、名古屋メンバー交代:アルベス・デリキ・タケオ→岸。33分:名古屋メンバー交代:西山→鈴木。

福岡は、何とか名古屋に追い付こうと、ゴール前に迫ってくる。しかし、名古屋の選手達は3-1と2点差を付けていることもあり、落ち着いて福岡の攻撃を跳ね返す。40分:名古屋メンバー交代:太田→中野。

そして選手達は、約3分間のロスタイムでも全く危なげないプレイを見せて、試合終了のホイッスルを迎える。名古屋は、3-1の大逆転劇でアビスパ福岡U-18を下し、24日(月・祝・11時〜):西が丘サッカー場で行われる準々決勝へと駒を進めた。