2007 Jサテライトリーグ・Eグループ・第7日

前日は真夏のような気温の高さと蒸し暑さを記録した兵庫県・神戸市。しかし、サテライトリーグ・ヴィッセル神戸戦が行われる三木総合防災運動公園は午前中から厚い雲に覆われ、午後2時のキックオフを前に時折粒の大きな雨が降る生憎のコンディションとなってしまった。今シーズン、J2から返り咲いた神戸とは既にJ1リーグ戦ではホーム・瑞穂での対戦を勝利で終えているだけに、若手中心のメンバーでの戦いとはいえ、しっかりと勝って力の差を示したいところだ。
 【 前 半 】
先週、スポーツセンターで行われたHondaFCとのトレーニングマッチから、代表招集の青山に代わって金古をDFに起用した以外は同じメンバーで臨むこの試合。システムも3-5-2と同じ形だ。

序盤は、これまで通り最終ラインで落ちついたパス回しを繰り広げながら、時折テンポを速めて相手のバランスが崩れたところを狙って増川や竹内が前線で張っている巻にロングボールを供給。そして、こぼれ球を吉村や中村、渡邊が狙って縦に片山や小川を走らせる策を見せる。しかし、神戸DFの激しい守備に遭って良い形でゴール前へボールを入れてゆくことが出来ず、なかなかゴールへと結びつけることが出来ない。

対する神戸は、名古屋のサイドが攻め上がった裏を衝いて早いカウンターを仕掛け、MF中村やMFガブリエルがスピードのあるドリブルで縦に突破を図ると、190cmと上背のあるFW土井にボールを集めてくる。だが、怪我から完全復帰した増川や竹内が1対1での強さをしっかりと見せて、簡単には神戸に付け入る隙を与えない。

しかし前半22分、自陣右中程でのファウルで神戸にFKを与えてしまうと、MF曽我部の右足からのゴール前へのボールを神戸・土井に頭で合わせられ先制点を奪われてしまう。試合前からの雨で濡れていたピッチの影響もあってか、名古屋らしい得意の早いパス回しが見られなかったが、前半終盤は、芝も乾き始め細かいパス回しを見せながら神戸陣内へ襲いかかる。しかし、先制点を奪って気合いの入る神戸の高い集中力の壁に阻まれてしまい、ゴールを割ることが出来ないまま、試合を折り返すことになる。
 【 後 半 】
エンド入れ替わり、後半は左から右へと攻め上がる名古屋のボールで試合再開。後半も前半と同様、最終ラインでボールを回しながら、神戸のバランスの綻びを狙ってロングボールを前へと入れて、両サイドを起点に攻撃の形を作ってゆく。しかし、前半から続く神戸の集中力は衰えることはなく、セカンドボールを拾おうとする名古屋の選手へ厳しいプレッシャーを掛けてくるためフィニッシュまで持ち込めない。

それでも、ボール支配率では名古屋が圧倒的に勝り、神戸陣内でパスを繋ぎながらチャンスを作ろうとする。しかし、相手の厳しいプレッシャーにプレイに焦りが出てしまい、効果的なパスを前線の巻や片山に送ることが出来ず、時間だけが過ぎてゆく。また、前半からペースを変えることなく、早いテンポでのプレイが続いていたこともあってか、後半20分過ぎ辺りから選手達の運動量が落ち始め、それまではスペースを使っていたパスワークが足下へのパスになり始め、神戸の守備の網に掛かり、なかなか攻撃の糸口を見つけることが出来なくなる。

終盤は、増川を前線へと上げて、何とかゴールを狙おうとパワープレイを仕掛けるものの、神戸のゴールを割ることは出来なかった。試合は前半に神戸がセットプレイで挙げたゴールを守りきり、0-1で終了を迎えることとなった。