2007 Jサテライトリーグ・Eグループ・第5日

抜けるような青空の下、我らが名古屋グランパスエイトのサテライトリーグ初戦が、大阪市の南津守スポーツ公園サッカー広場からスタートする。この日は、昨年J2へと降格してしまったセレッソ大阪が対戦相手だ。

少し強めの風が時折吹け抜けてゆくが、日差しは強く、初夏を思わせる快晴の中、午後2時、キックオフの笛が鳴る。前半は、ベンチから見て右にエンドを取り左へと攻め上がる名古屋のボールから試合が開始する。
 【 前 半 】
この日の先発メンバーは、GK長谷川、DFは金古を中央に、右に竹内、左は渡邊の3バック。MFは右に筑城が入り、左は先日の横浜戦で名古屋の勝利を引き寄せるゴールを決めた片山が、中央ボランチの位置は青山、前目の攻撃的な位置には須藤と小川、FWは巻と井上の2人、3-5-2の布陣で臨む。セレッソは、J2降格後なかなかチームのコンディションが上がらず、苦しい試合を続けていることもあり、この日クルピ新監督が就任、スタンドから観戦する中で試合を進めてゆく。

序盤は、新監督の見る中、個々でしっかりとアピールしてやろうという意気込みがセレッソの選手は強く、積極的なプレイを見せて名古屋陣内へパスを繋ぎながら攻め込んでくる。特に、セレッソFW、186cmの森島と187cmの小松という大型の選手にあわせて早めに放り込んでくる攻撃で名古屋ゴールを脅かしてくるが、金古・竹内が1対1での強さを発揮し、しっかりとボールを跳ね返して、セレッソの攻撃の芽を潰してゆく。10分を過ぎた辺りからは、セレッソの選手へのマークも明確となり、徐々に自分達のテンポで試合を進めるようになると、両サイドの片山や筑城が相手DFの裏へのボールに果敢にオーバーラップを仕掛けるようになり、試合の主導権を掴んでゆく。しかし、セレッソDFの球際での厳しさもあって、良い形で前線で体を張る巻にボールが入らない。

ところが前半20分。左の片山が相手DFの中途半端なバックパスを見逃さず、厳しく寄せてゆくと相手GKのミスを誘い、最後は左足から放ったボールが無人のゴールネットを揺らし、名古屋が先制点を挙げる。横浜戦の時同様、迷いのない積極的なプレイを見せた結果がゴールを生んだと言えるだろう。その後は、良い時間帯のゴールで試合のリズムを掴んだ名古屋が、自分達のペースで試合を進め、良い雰囲気で前半を終えてゆく。
 【 後 半 】
エンド入れ替わり、右にエンドを変えたホーム・セレッソのボールから後半がスタート。名古屋メンバー交代:渡邊→和田。立ち上がり1分としないうちにいきなりセレッソに自陣右やや中寄りの位置でFKを与えてしまうと、セレッソ・堂柿からのボールがゴール前でこぼれたところを拾ったセレッソ・小松にフリーでのシュートを許すが、ボールはクロスバーの僅か上に抜け救われる。

前半は相手DFの厳しいマークもあって思うようなプレイが出来なかったFW巻だったが、後半、セレッソが追い付こうと前掛かりになった相手DFラインの裏へのロングボールに抜け出す場面が目立つようになるが、なかなかシュートまではいかせて貰えない。後半11分、右からセレッソの選手がDFをかわしてエリア内へと入り込むと、フリーでのシュートを許してしまうが、飛び込んだ長谷川がシュートを体に当てて、この決定的場面を好セーブで押さえてゆく。13分、相手陣内深く右でのスローインの場面で、筑城が須藤に当てたボールを貰うと、相手陣内に切れ込んでゴール中央で待つ井上にラストパスを送る。しかし、DFが前を阻んでいたこともあって得意の左ではなく右足で放ったシュートは惜しくもポストの右に外れてしまう。

後半に入っても天気は良く、強い日差しと高い気温が選手達の運動量を次第に奪ってゆくようになり、時間の経過と共に選手達の足が止まるようになり、セレッソの選手のマークが遅れ出し、ファウルで止めざる得ない場面が目立つようになる。しかしこの日、前半から力の入ったプレイを見せていた須藤や竹内が奮闘して、相手にチャンスを作らせる前にしっかりと潰してゆく。それでも後半30分以降は、前半に飛ばした分のつけが回ったようで、試合は完全にセレッソのペースとなり、名古屋に苦しい時間帯が続く。特にセットプレイの場面では、セレッソ・濱田が精度の高いボールを蹴ってくることもあって、精神的にも厳しい状況が続いてゆく。

後半42分、左からロングボールに抜け出してきたセレッソ・濱田をエリアの近くで筑城が倒してしまい、危険な位置でセレッソにFKを与えてしまう。そしてこのFKをセレッソ・濱田に直接シュートを決められてしまい、試合終了までロスタイムを加えても残り時間は5分とない状況でとうとう追い付かれてしまう。そして、今季サテライトリーグ:セレッソ大阪との第1戦は1-1のドローとなり、勝ち点1を分けあって終了を迎える結果となる。