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2007 Jリーグ ディビジョン1:第14節 |
午後6時30分、先にウォーミングアップをスタートさせている川崎の選手達の前に名古屋の選手が駆け足で登場すると、まるで雷と間違うばかりの大声援がスタジアムの屋根に響き渡る。
屋内でしっかりと体を解してきているようで、選手達は既に気合い充分な様子で、早速芝生の上で走り込みやダッシュを見せる。しかし、フィールドプレイヤーより先にピッチでトレーニングを始めていたGKの2人は既に準備は万端のようだ。かつての同僚・川島が相手ゴールマウスを守るだけに、我らが守護神・楢崎も、冷静な表情を見せながらも、気合いが入っている事は間違いないだろう。 |
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U-22代表だけでなく、A代表にも招集されることが増え始めた本田も、気合いの入った様子でボールを捌いている。いまだA代表でのデビューは飾れてはいないが、日本のトップレベルの選手達と共に過ごしてきた日々の中で得たものは間違いなく大きな経験になっているはず。代表合宿で得たものを今日はしっかりと発揮して、チームを勝利に導く活躍を見せてくれると信じたい。そして、本田と共に、韓国代表に招集され、こちらはしっかりとオランダ代表との試合で力を発揮してきた金も元気な様子を見せている。今日も切れ味鋭い切り返しを見せて、川崎DFを混乱に陥れて欲しいものだ。 |
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午後6時50分、楢崎と山口が最後の仕上げを終えると、ゆっくりとした足取りを見せながら、スタンドから送られる熱い応援を背中を感じながらピッチを後にする。 |
〜前半15分 |
両サイドからの応援がスタジアムに響き渡る中へ、両チームの選手が入場すると、それまで落ち着きが無かったスタンドの雰囲気を張り詰めたものへと変貌させる。
前半左にエンドを取った川崎に対し、ホームの名古屋は右から右へと攻め上がる。
GKは守護神・楢崎。DFは右から大森・米山・吉田・阿部の4人。MFは藤田・山口・金・本田の4人。FWはヨンセンと杉本の11人だ。 |
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開始15秒、ヨンセンが縦に落としたボールを杉本が抜けだして拾おうとしたところで倒され、PKを得る。 |
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1分、このPKを藤田がゴール右隅にきっちりと決めて、早くも名古屋が先制点を挙げる幸先の良いスタートを切る。
4分、右の大森が早めのボールをゴール前へと入れて、ヨンセンを使おうとしたが、ここは川崎・川島に抑えられる。
5分、大森の戻したボールを処理しようとした楢崎目掛けて川崎・黒津が寄せてくると、一瞬危うい場面になるが、ここは楢崎が落ち着いて処理する。
7分、川崎の右からのCK。川崎・大橋の入れたボールは中央で跳ね返す。 |
【得点】
1分 藤田(名古屋) |
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8分、右からの川崎のCK。大橋の入れたボールは逆サイドへと大きく抜ける。
9分、自陣から本田の出した縦のロングボールに合わせて杉本が猛スピードで駆け上がるが、これはオフサイドに。
10分、左サイドで川崎・大橋がジュニーニョに当てて抜け出そうとしてくるが、その前に山口がパスをしっかりとカットする。 |
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12分、本田の落としたボールを金が縦に送るが、これは球足が速く、反応しようとした杉本を追い越してしまう。
13分、中央で川崎・中村のボールを金が奪うと、縦に送ってヨンセンが頭でスペースへ落とし、これを杉本が拾うが、オフサイドの旗が上がる。
14分、本田がカットしたボールを杉本が拾って右に上がるヨンセンへとパスを繋ごうとするが、ここは長すぎてしまいタッチの外へ。 |
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〜前半30分 |
16分、米山からのボールをもらった大森が、前線へと飛び出しを狙う山口に合わせてロングボールを蹴るが、これはトラップしたボールがタッチを割ってしまう。
18分、川崎・黒津が右から上がろうとしたところを奪った金が素早く縦に送ると、杉本がスピードを飛ばしてこれを追いかけるが、走り込んできた川崎・寺田にボールをカットされてしまう。 |
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21分、右からの川崎のCK。大橋のボールは中央で跳ね返す。 |
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22分、右に持ち上がってきた川崎・森の入れた低い弾道のボールにニアサイドへ走り込んできたジュニーニョにダイレクトで押し込まれてしまい、同点に追い付かれてしまう。試合は振り出しに。 |
【得点】
22分 ジュニーニョ(川崎) |
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24分、右で藤田からのパスを貰った大森がゴール前へと入れると、中央でヨンセンが頭で合わせるが、このシュートはポストの左へ。
26分、右からDFの裏へと狙ったボールに合わせて飛び込んできた黒津が右足からのシュートを打ってくるが、これは楢崎が正面で抑える。
28分、右に流れる杉本の前のスペースへと狙って大森がパスを送るが、これはオフサイド。 |
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30分、右からスライディングを見せた阿部をかわして川崎・森が抜け出してくると、マイナスにパスを入れてくるが、これは吉田が体を入れてカット。 |
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〜前半終了 |
31分、中央でボールを持った金が軽いステップワークを見せて右サイドへと流れながら上がると、ゴール前へと長いパスを放り込むが、これは誰も入り込むことが出来なかった。
33分、左で阿部の落としたボールを拾った本田がそのまま中へと持ち込むと、得意の左では無く、右足でシュートを放つが、ボールは僅かに高く、クロスバーの上を抜けてしまう。 |
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36分、左の藤田からのスルーパスにタッチ際から走り込んでいった本田が川崎・川島と1対1になるが、ボールを先に抑えられてしまい、シュートまで行くことは出来なかった。
37分、左で本田が抜け出すと、DFに寄せられ体勢を崩しながらもゴール前のヨンセンへパスを入れる。これに藤田が詰めるが、コースに入ってきた選手に奪われてしまう。 |
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39分、右からの川崎のCK。大橋のゴール前へのボールは楢崎が飛び出してキャッチ。
42分、自陣相手パスを金がカットすると、これを縦に送って杉本がこれを受けて持ち上がるが、シュートにゆこうとしたところで前を阻まれると、右足でゴール前へ入れる。こぼれたところを藤田が拾いに行ったが、厳しいプレッシャーに止められ、シュートまではゆけず。 |
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44分、相手陣内中程左でのFK。セットした米山が自ら蹴りに行ったが、ボールを深く蹴りすぎたのか、大きく外してしまう。
ロスタイム1、吉田がカットしたボールを左に開いていたヨンセンに送ると、これを縦に叩いて本田を走らせるが、ここは川崎・寺田にカットされてしまう。そして、ここで前半が終了。
立ち上がりのPKでの先制後も良い形で試合を進めていた名古屋だったが、一瞬の隙を衝かれて同点とされてしまう。しかし、その後も果敢な攻撃を見せ続け、後半に大きく期待の持てる内容で試合を折り返したと言えよう。 |
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〜後半15分 |
エンド入れ替わり、後半は右にエンドを変えた川崎のキックオフで試合再開。
1分、右で競り合いに勝ったヨンセンが縦に送って杉本を走らせるが、これはオフサイド。
2分、左サイドでスペースへと出たボールに杉本が追い付くと、そのままエリア内へと仕掛けるが、シュートは打たせては貰えなかった。
3分、中央の山口がパスをダイレクトに右へと送って杉本を走らせるが、これは追い付く前にタッチを割ってしまう。 |
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4分、左からの川崎のCK。大橋のボールに中央へ何選手か走り込んでくるが、ニアサイドで先にボールをカット。
6分、左からスピードに乗ったドリブルを見せた川崎・黒津を米山がエリアのすぐ外で倒してしまい、危険な位置でFKを与えてしまう。
8分、このFKを大橋が蹴り入れてくるが、ここは中央で弾く。 |
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9分、川崎陣内左深くでパスを受けた阿部がクロスを中へと放り込むが、中央で川崎・寺田に弾かれてしまう。
10分、左に開いた阿部に山口からパスが通ると、これをゴール前へと鋭いボールを入れる。本田・ヨンセンが中央に、遠いサイドからは藤田が飛び込むと、最後は藤田が合わせたボールがサイドネットを揺らす。 |
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13分、中央を上がってきた川崎・村上の裏へのパスを受けた川崎・黒津にエリア内でのシュートを許すが、楢崎がこれを片手で抑えゴールを守る。
14分、左からの川崎のCK。大橋のボールを中央で寺田がヘディングシュートに来るが、ボールはクロスバーの上へ。 |
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〜後半30分 |
この時間帯は川崎が早いテンポで試合を進めてきており、名古屋が押し込まれる場面が続いているが、慌てることなく対応し、危ない場面は少ない。
17分、右でパスを受けたジュニーニョがドリブルで中へ入ってこようとしたが、金と藤田でしっかりと挟んで、ボールを奪い取る。
18分、左で阿部がボールを持って前を向くと、金が開いて出来たスペースにそのまま持ち込みゴール前へ鋭いボールを入れる。これを中央でヨンセンが頭で合わせてシュートを放ったが、ボールはGKの正面。 |
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19分、右からのCKのチャンス。本田のボールをヨンセンが落下点で待ち受けていたがこれはGKに弾かれてしまう。 |
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20分、左サイドで相手DFに競り勝った吉田が右足で入れたクロスを、中央でヨンセンが頭で叩きつけたヘディングシュートが川崎のゴールネットを揺らし、ついに名古屋が川崎を突き放す。 |
【得点】
65分 ヨンセン(名古屋) |
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【交代:65分・川】
黒津鄭 |
22分、右に抜け出してきたジュニーニョのゴール前へのボールに飛び込んだ、代わったばかりの川崎・鄭に押し込まれ、同点とされてしまう。
26分、川崎陣内右中程でのFKのチャンス。本田が長いボールを蹴るが、川崎GKに抑えられてしまう。 |
【得点】
67分 鄭(川崎)
【交代:70分・川】
大橋谷口 |
27分、川崎の右からのCK。川崎・中村(憲)のボールは大きく逆サイドに抜ける。 |
【交代:72分・名】
藤田中村 |
〜試合終了 |
30分、右から川崎・中村が持ち込んでくるが、ここは慌てず体を入れた吉田が阻止。
32分、左タッチ際で杉本からのパスを縦に送ると、これを杉本が走って拾いにゆこうとしたが、体を入れたDFと交錯、ボールを失ってしまう。
33分、左の深い位置でボールを持った阿部が縦に大きく蹴り出すと、ヨンセン頭で落としたボールに中村が反応、GKと1対1になるが、これはオフサイドを取られてしまう。 |
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36分、右の大森からのゴール前への早めのクロスを上がっていた金が合わせにいくが、これはファウルを取られてしまう。 |
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40分、大森の縦のパスを右に流れていた片山が受けると、右足でマイナスに入れるが、ゴール前に詰めるヨンセンはこれを触ることが出来ず。 |
【交代:83分・名】
杉本片山 |
41分、エリア左で川崎・鄭が粘りを見せてくるが、大森が体を入れてこれを抑え、ファウルを誘う。
43分、右で中村からの縦のロングボールに片山が走るが、これは追い付くことが出来なかった。 |
【交代:85分・川】
落合原田 |
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44分、右から持ち上がる中村がゴール前へと精度の高いボールを入れると、これをヨンセンが合わせにいくが、DFとの競り合いから飛んだボールは枠を捕らえられず、右に流れゴールラインを割ってしまう。
ロスタイム1、左に上がってきたジュニーニョが左足で鋭いクロスを入れてくるが、これは大森がしっかりとついて行き、ミスを誘う。 |
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ロスタイム2、自陣からボールを奪って右サイドを本田が上がると、縦に上がる片山にパスを送るが、川崎DFの厳しいプレッシャーに遭い抜け出すことは出来なかった。
そして、約4分の長いロスタイムの末、試合終了が告げられた時には両チームの大半の選手が膝に手をつき、試合の内容が激しかったことを物語っていた。
2度のリードを見せながらも、強敵・川崎の勝負強さから追い付かれてしまう試合展開となったが、最後までしっかりと自分達のプレイを続けて川崎と渡り合ったことは、間違いなく大きな自信となったはず。今日の勝ち点1は、胸を張って良い価値ある1点だったと言えよう。
最後まで熱い声援をありがとうございました。 |
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