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2007 Jリーグ ディビジョン1:第11節 |
午後1時25分、強い日差しに緑が鮮やかな日産スタジアムのピッチに名古屋の選手達が、ウォームアップを行うため、勢いよく駆け込んでくる。そして、目の前に陣取る名古屋サポーターに軽く挨拶を交わすと、もう一度横1列に並んで、今度は大きく手を振る。 |
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今日でリーグ戦も第11節を迎え、どのチームも戦力が安定し、その力を発揮し始めている。名古屋も連敗が続いてはいるが、前節の磐田戦では、圧倒的に試合を制し、ゴールこそ奪うことは出来なかったが、開幕から連勝していた雰囲気が戻り始めてきた。しかし、それをきっちりと結果にしてこそ、初めて本当の名古屋と言えるだけに、今日の横浜戦は絶対に落とせない大事な試合だ。
FWヨンセンは、リーグ戦現在3得点とまだまだ物足りない数字だ。来日した昨年の事を思えば、今季はしっかりと各チームが研究してきているため、相手DFのマークは厳しいのは確かだ。しかし、ノルウェー代表としての長い経験では、そんな事は承知の上だろう。それが証拠に、5月を境に体のキレが良くなり始め、ポストプレイだけでなく、スペースへの抜け出しも見せるようになってきている。今も元気良く、その長身に気迫を漲らせて,ボールを捌いている。水曜のナビスコ杯を欠場して、心身共にリフレッシュして臨むもう一人のFW杉本共に、横浜DFを混乱に陥らせるようなプレイで名古屋に勝利をガッチリと引き寄せる大役をきっと果たしてくれるはずだ。 |
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そして、この試合の後、U-22日本代表の招集でチームを離れる本田も今はチームの勝利しか頭にないはず。練習でも精度の良さを見せている得意のFKでの得点シーンもそろそろ見せて貰いたいところだ。今日は、出来れば自らのゴールでチームを勝利に導いて、気持ち良く代表に合流して欲しいと望むのは欲張り過ぎか。 |
〜前半15分 |
見上げると、目が開けられないほど眩しい日差しの差し込む、日産スタジアムのピッチへと両チームの選手達が入場を果たすと、スタジアムは両サポーターの挙げる声援と打ち鳴らす太鼓の低音が、BGMに彩りを添え、雰囲気を盛り上げる。
前半は、左エンドのホーム横浜に対し、上下白の名古屋は右にエンドを取り、左へと攻め上がる。そして、試合の幕は名古屋のキックオフで切って落とされる。
今日の先発メンバーは、GK守護神・楢崎、DFは右に大森、左に阿部、中は吉田と米山の4バック。MFは右に今日は金が入り、左は本田が務め、中は山口と藤田が並び、FWはヨンセンと杉本の4-4-2の布陣で臨む。 |
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2分、左から横浜・山瀬(幸)がドリブルで強引に突破しようと仕掛けてくるが、米山が粘り強いマークを見せてこれを抑える。
3分、本田のショートパスに阿部が左から入り込んでゆこうとするが、これは厳しいマークに倒されてボールを奪われてしまう。
4分、横浜陣内からのロングボールを右のスペースで受けようとした、横浜・吉田へは阿部がしっかりと体を入れてゆき、ボールをクリア。 |
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5分、中央をドリブルでDFをかわした杉本が入り込むが、ここは日本代表にも名を連ねる、横浜・中澤に阻まれてしまい、シュートを打たせては貰えなかった。
7分、左で山口が出したボールを阿部が落としたところを杉本が拾いにいくが、横浜DFを倒してしまい、チャンスに繋げることが出来なかった。
9分、左からワンツーで抜け出してきた横浜・山瀬(功)の右足からのゴール前へのボールに、中央から横浜・坂田が飛び込んでくるが、ここは楢崎が落ち着いてボールを抑える。 |
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10分、中盤でルーズになったところを藤田が縦に蹴りだすと、ヨンセンがこれを拾いにゆこうとしたが、横浜DFがGKへと頭で戻してしまう。 |
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11分、中央でパスに抜け出した杉本が、DFを上手くかわして右足のシュートを横浜ゴールに突き刺し、見事な先制点を挙げる。
14分、自陣から相手ボールを奪ってカウンターを仕掛けてゆこうとするが、中央を持ち上がろうとした本田が相手の激しいタックルに潰されてしまう。 |
【得点】
11分 杉本(名古屋) |
〜前半30分 |
16分、右で相手のボールがこぼれたところを拾ったヨンセンが、すぐに縦に送ると一気に杉本がこれを拾って持ち上がる。最後エリアの近くまで来たところから積極的にシュートを放つが、惜しくもこれはポストの左に外れてしまう。
19分、左でボールを受けた本田がサイドを変えると、右に上がっていた金がこれを受けるが中へ入れて貰えず、マイナスに流したところを藤田が中央でシュートに行ったが、これはクロスバーの上を抜ける。 |
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20分、右からの横浜CK。横浜・山瀬(功)が右足で入れてきたボールに横浜・中澤が入ってくるが、ボールはその頭上を抜ける。
22分、右から金がヨンセンの落としたボールを拾って上がると、エリアの外でDFをかわそうとするが、ボールが足下には収まらず、奪われてしまった。 |
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23分、左からの横浜のCK。横浜・山瀬(幸)が入れたボールがエリア内でこぼれたところを押し込まれそうになるが、選手達が体を張ってこれを跳ね返し、最後は阿部が大きくクリアしてこの難を逃れる。
25分、左からの横浜のCK。ゴール前へ入れてきたボールを横浜・大橋が頭で合わせるが、ボールは大きくエリアの外へ。
27分、左から横浜・小宮山が持ち上がってきて中を狙ってくるが、大森がコースをしっかりと読んでこのボールを抑える。 |
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28分、右で横浜・田中のパスを受けた山瀬(功)が縦にと抜けだしてこようとするが、本田と阿部がしっかりと詰め寄り、ミスを誘う。
29分、本田のスルーパスに、中央から左へと流れながら、杉本が猛スピードで抜け出しす。しかし、僅かに前に出てきた横浜GKのタイミングが早く、スライディングでボールを抑えられてしまう。 |
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〜前半終了 |
31分、左のスペースへと出たボールを杉本が受けると、そのまま持ち上がる。エリア内へと深く入り込んだところで左足でシュートを放つが、ボールは左ポスト近くでGKに抑えられてしまう。
32分、右からの横浜のCK。山瀬(功)の入れたボールを遠いサイドで受けた中澤が、もう一度中へと折り返そうとして左足で蹴ったボールはゴールラインを割る。 |
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35分、自陣左深くでスローインのボールを受けた山瀬(幸)が中へと入れてこようとしたが、大森の厳しいマークにボールが小さくなったところをしっかりと拾って縦に大きくクリアする。
36分、自陣中程左での横浜のFK。山瀬(功)のゴールに向かってくるボールに横浜・栗原が中央から飛び込んでくるが、これを恐れることなく前に出た楢崎がガッチリとキャッチ。 |
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39分、左で本田が杉本に当てたボールを再度もらって、中央を走るヨンセンを狙ってパスを出してゆこうとしたが、ここは集中した横浜DFの守備の網に掛かってしまい、ボールを奪われてしまう。 |
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40分、相手のGKのフィードを直接受けた大森が右に送ると、これを受けた金が遠目から早めにゴール前へ入れてゆこうとしたが、ボールが大きく流れてしまい、ゴールラインを割ってしまう。
43分、左の高い位置からゴール前へと入ってくるボールに、逆サイドから横浜・大橋が頭から飛び込んでくるが、これはボールがその前を通過。 |
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44分、ハーフウェイラインから横浜・中澤がDFの裏へとパスを送ってくるが、ここは吉田が打点の高いところを見せて、しっかりと跳ね返す。そして、ロスタイムもほとんど無いまま、前半45分が終了。
名古屋は杉本の挙げた1点を全員が集中したプレイを見せて守りきり、後半へと最高の雰囲気で折り返す。 |
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〜後半15分 |
エンド入れ替わり、後半は右エンドのホーム・横浜のキックオフで試合が再開する。前半をリードして試合を折り返したこともあってか、選手達はしっかりと集中した表情を見せながらも、充実した様子でピッチに戻ってきた。
1分、左のスペースへと縦に出たボールを横浜・坂田が狙ってくるが、ここは大森がしかりと体を入れてボールを触れさせることはなく、相手のファウルを誘う。
2分、大森が右のスペースと出たボールを拾うと、鋭く中へと入れるが、待っていたヨンセンの前で横浜DFの頭に跳ね返されてしまう。 |
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3分、本田のスルーパスに左からタイミング良く抜け出した杉本がこれを拾うと、GKと1対1になる。右足でコントロールしたシュートを放っていったが、GKに片手で弾かれゴールネットを揺らすことは出来なかった。
5分、左からのCKのチャンス。本田の入れたボールがこぼれたところを吉田が押し込もうとしたが、上手くミートできず、大きく弾んだところをGKに抑えられてしまった。 |
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6分、横浜・河合のDFの裏へのロングパスに抜け出してきた横浜・吉田を、楢崎がペナルティ内で倒してしまい、PKを取られてしまう。
7分、このPKの場面で、山瀬(功)の右隅に狙ったシュートを楢崎がきっちりとコースを読んで止め、自ら失点を阻止する。
9分、右から本田のスルーパスにヨンセンが抜け出していったが、これはオフサイドを取られてしまう。 |
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12分、エリア内でルーズになったところに走り込んできた横浜・山瀬(功)の右足のシュートはポストの右へ流れる。
14分、横浜・小宮山が左タッチ際でパスを受けると、中へと入り込んでこようとしたが、金がしっかりと体を入れてボールを奪い取り、相手のファウルを誘っていく。 |
【交代:55分・横】
吉田狩野 |
〜後半30分 |
16分、相手陣内右深くで藤田がスローインでDFの裏へと出したボールをヨンセンが拾いにいくが、これは横浜DFにしっかりと体を寄せられしまい、ボールに触れることが出来なかった。
17分、ヨンセンが競り合って落としたボールを藤田がダイレクトで縦に送ると、これに金が抜けだして拾いにいくが、戻ってきた横浜DFにボールをカットされてしまい、中央に走り込むヨンセン、杉本へと入れることは出来なかった。 |
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19分、左でボールを下がって貰った阿部が縦に長いボールを蹴り出すと、杉本がこれを拾って縦に突破を図る。左足で中へと入れたクロスは、遠いサイドでヨンセンが受けたときにはゴールラインを割っていた。
20分、DFの裏へのボールに、俊足を飛ばして抜け出した杉本が右足からシュートを放っていったが、これは枠を捕らえることは出来なかった。名古屋は杉本が先程のシュートで足がつってしまい、この時間1人少ない中でボールを回す。 |
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24分、右でボールをもらった片山がそのまま勝負を仕掛けるが、ここは横浜DFに潰されてしまう。
25分、右の横浜・田中が中央へ上がる横浜・坂田の前へとパスを入れてくるが、米山と大森がしっかりと併走して、コースを消す。 |
【交代:68分・名】
杉本片山 |
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27分、自陣からのボールをハーフウェイライン上で受けようとしたヨンセンだったが、横浜DFの執拗なほどの厳しいマークに倒されてしまう。
28分、中盤で細かくパスを繋がれると、中央を抜ける横浜・坂田にパスを通されるが、ここは楢崎がしっかりとボールを抑える。
29分、自陣左深くでの横浜のFK。ここはしっかりと集中したいところ。横浜・狩野がゴールに向かうボールを蹴ってくるが、DFが集中力を見せ、しっかりと跳ね返す。 |
【交代:71分・横】
山瀬(幸)清水 |
〜試合終了 |
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30分、DFの裏へのボールに抜け出した片山が右足を振り抜くと、強烈な弾道のボールが横浜のゴールネットを揺らし、見事な追加点が名古屋に入る。監督の期待にしっかりと応えた、値千金のゴールだ。
32分、横浜・田中が右から早めに入れてきたボールに、ニアで坂田、中央に横浜・大橋が飛び込んでくるが、楢崎がしっかりとこれを抑え、ゴールを守る。
35分、左に抜け出してきた横浜・狩野が中を狙ってくるが、選手全員が集中したプレイを見せて、体を張ってこのボールをクリア。 |
【得点】
75分 片山(名古屋) |
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36分、相手陣内右中程で山口からのスローインのボールを受けた片山が、マークに付いていた中澤を振り切って抜け出してゆこうとしたが、ここはファウルを取られてしまう。
38分、右に抜け出してきた横浜・田中がマイナスにクロスを入れてくるが、これは中央で米山が弾き出す。
40分、左からドリブルで仕掛けてきた横浜・山瀬(功)だったが、金がしっかりとスライディングでボールを奪って、相手のチャンスを潰す。 |
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44分、中央に放り込んできたボールに、片山が相手選手と激しい奪い合いを見せるが、ここは激しくいきすぎ相手ボールに。 |
【交代:88分・名】
藤田竹内 |
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ロスタイム1、自陣左深くの位置での横浜のFK。狩野がゴールに向かうボールを蹴り入れてくると、大橋が頭で合わせようと飛び込んでくるが、ボールはそのまま抜けて、楢崎の下へ。
ロスタイム2、横浜・山瀬(功)がロングボールを簡単に放り込んで味方を裏へと走らせようとしてくるが、これは正確さを欠き、楢崎の正面へ。そして、ここで主審の手が上がり試合終了が告げられる。
名古屋は待望の勝ち点3を、それも久し振りの完封勝ちという最高の形で手に入れることになる。
ずっと勝てなかった悔しさを、最後まで尽きることのない集中力で吹き飛ばした今日の横浜戦。杉本の先制弾、そして、楢崎のPK阻止、最後は片山のリーグ戦初ゴールで締めくくって得た勝ち点3は、今後に向けて選手達に自信を与える、大きな大きな勝利と言えよう。
最後まで熱い声援ありがとうございました。 |
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