その中でも、名古屋移籍後、初の公式戦、それも古巣・鹿島が相手と言うことで、早くも気合い十分なのが金古選手だ。出場機会を求めて、鹿島を離れ、神戸、福岡と渡り歩き、名古屋につい先日移籍してきた彼にとって、まさかの初戦が鹿島と言うのでは、興奮を抑えろと言うのが無理なことだろう。 そして、もう1人、気合いが入っているのが本田だ。先日の広島戦では、代表の駒野とのマッチアップながら、失点のきっかけとなるボールを彼に簡単に入れさせてしまったことは、相当に反省しているようで、昨日、一昨日の練習でもこれまで以上に力の入ったプレイを見せていた。この試合後は、U-22のメンバーとしてすぐにシリアに向かう彼としては、この前の鬱憤を晴らすようなプレイを見せて、名古屋にカシマスタジアムでの勝利という置き土産をして旅立ちたいはずだ。
6時25分、屋内からピッチへとアップの場所を移動すると、雨で濡れた芝生の感触を入念に確かめ始める選手達。先発2試合目となるGK長谷川も力一杯のセービングを見せている。吉田や、先輩の津田と共に、名古屋ユース出身の彼らの活躍も、勝利への大きな力になると信じたい。 約15分ほど、水を含んだ芝生の上でシュート練習やトラップを行って、コンディションを整えた選手達は、早くも火照り始めた体を冷やさぬように、軽く名古屋のサポーターに手を振ると、駆け足でロッカーへと向かっていった。