この日は、朝からよく晴れ渡り、秋らしい雲が所々を流れ、最高のサッカー日和となった、岐阜県多治見市・多治見運動公園星ヶ台競技場。また、ここ数年、この競技場でサテライトの試合が行われてきたこともあり、プロサッカーチームの公式戦を一目見ようと、数多くの地元の方たちが観戦に訪れている。
前日は、豊田スタジアムで行われた、ジェフ千葉との一戦をトップチームが見事勝利したこともあって、スタッフの表情は明るい。しかし、その一方で、自分も早く上へ、という気持ちが強いのか、この日試合に出る選手たちの表情はアップ中から気合い十分だ。
立ち上がりは、地元での開催ということで、名古屋が積極的に攻撃を仕掛けてゆく。単純にワントップ気味の豊田に当ててゆくだけでなく、両サイドのスペースを使って、津田や片山、渡邊らを走らせてゆくが、磐田の守備も固く。簡単にはゴール前へとボールを入れさせてはもらえない。そして、名古屋が攻撃の形を整える前に、磐田の方が徐々に形を見せ始め、西・船谷という技術の高い選手らが、盛んに左右のポジションを変えながら、名古屋陣内へと攻め入るようになる。しかし、ベテラン秋田を中心に、若い竹内・阿部がDFラインを高く構え、磐田のDFの裏への飛び出しをことごとくオフサイドの網にかけてゆく。
エンド入れ替わり、後半は、右にエンドを変えた名古屋のキックオフで試合再開。 前半は須藤や渡邊、津田のプレイが目立ったが、後半に入ると、先日の千葉戦でベンチ入りした井上が持ち前の高いテクニックを披露し始め、磐田の守備陣を翻弄するようなトリッキーなプレイで名古屋の攻撃のチャンスを創出し始める。
対する磐田は、前半同様、西を中心に、早く的確なパス回しを見せながら名古屋の守備を切り崩しにかかってくる。6分、中央から高いDFラインを保っていた裏のスペースへと出たパスに、磐田・西が飛び出してフリーになるが、DF陣が慌てることなく、オフサイドに仕留めてゆく。11分、磐田・船谷からの左スペースへのパスが、磐田・西野に通ると、これをシュートを狙ってくるが、ボールはポストの右へ抜けてゆく。
名古屋は前半同様、須藤だけでなく、井上も攻撃に積極的に絡み始め、片山や上手く使いながら、自らも相手ペナルティエリア内へと果敢な攻め上がりを見せるようになる。後半は、左スペースを使って片山・渡邊のスピードあふれる突破をメインに磐田陣内深く攻め入るようになるが、相手の固いDFを崩すことが出来ないまま、時間が刻々と過ぎてしまう。29分、中央で津田が落としたボールに走り込んだ片山のシュートは僅かにバーの上。