Jサテライトリーグ・Dグループ・第15日
名古屋グランパスエイト vs ジュビロ磐田

この日は、朝からよく晴れ渡り、秋らしい雲が所々を流れ、最高のサッカー日和となった、岐阜県多治見市・多治見運動公園星ヶ台競技場。また、ここ数年、この競技場でサテライトの試合が行われてきたこともあり、プロサッカーチームの公式戦を一目見ようと、数多くの地元の方たちが観戦に訪れている。

前日は、豊田スタジアムで行われた、ジェフ千葉との一戦をトップチームが見事勝利したこともあって、スタッフの表情は明るい。しかし、その一方で、自分も早く上へ、という気持ちが強いのか、この日試合に出る選手たちの表情はアップ中から気合い十分だ。

前 半
地元の方たちによるセレモニーを終えると、早速、試合開始の笛が鳴り、今季のサテライト最終戦・ジュビロ磐田との一戦の幕が切って落とされる。前半は、左にエンドをとった名古屋に対し、右エンドの磐田のボールで試合がスタート。この日の名古屋の先発メンバーは、GK川島、DFは秋田を中心に、右に竹内、左に阿部の3バック。MFは右から高橋、須藤、井上、渡邊、FWは、豊田・津田・片山の3人。トップチームと同じ、3-4-3で臨む。

立ち上がりは、地元での開催ということで、名古屋が積極的に攻撃を仕掛けてゆく。単純にワントップ気味の豊田に当ててゆくだけでなく、両サイドのスペースを使って、津田や片山、渡邊らを走らせてゆくが、磐田の守備も固く。簡単にはゴール前へとボールを入れさせてはもらえない。そして、名古屋が攻撃の形を整える前に、磐田の方が徐々に形を見せ始め、西・船谷という技術の高い選手らが、盛んに左右のポジションを変えながら、名古屋陣内へと攻め入るようになる。しかし、ベテラン秋田を中心に、若い竹内・阿部がDFラインを高く構え、磐田のDFの裏への飛び出しをことごとくオフサイドの網にかけてゆく。

この日、落ち着いたプレイを見せていたのが須藤。中盤で貫禄すら漂うプレイで、両サイドへの的確なボール捌きを見せ、攻守の起点に相応しい働きを前半から続けてゆく。また、トップチームではスーパーサブ的な存在感が高まりつつある津田もアクセントのある動きで相手守備を揺さぶり続けてゆくが、なかなか磐田の守備を突き崩すことができないまま時間が過ぎてゆく。それでも前半終盤は、名古屋がしっかりとパスを繋ぎながら相手のスペースを再三に渡り突いてゆこうとするが、磐田の守備に阻まれる形で前半を終え、0-0で試合を折り返してゆく。
後 半

エンド入れ替わり、後半は、右にエンドを変えた名古屋のキックオフで試合再開。

前半は須藤や渡邊、津田のプレイが目立ったが、後半に入ると、先日の千葉戦でベンチ入りした井上が持ち前の高いテクニックを披露し始め、磐田の守備陣を翻弄するようなトリッキーなプレイで名古屋の攻撃のチャンスを創出し始める。

対する磐田は、前半同様、西を中心に、早く的確なパス回しを見せながら名古屋の守備を切り崩しにかかってくる。6分、中央から高いDFラインを保っていた裏のスペースへと出たパスに、磐田・西が飛び出してフリーになるが、DF陣が慌てることなく、オフサイドに仕留めてゆく。11分、磐田・船谷からの左スペースへのパスが、磐田・西野に通ると、これをシュートを狙ってくるが、ボールはポストの右へ抜けてゆく。

名古屋は前半同様、須藤だけでなく、井上も攻撃に積極的に絡み始め、片山や上手く使いながら、自らも相手ペナルティエリア内へと果敢な攻め上がりを見せるようになる。後半は、左スペースを使って片山・渡邊のスピードあふれる突破をメインに磐田陣内深く攻め入るようになるが、相手の固いDFを崩すことが出来ないまま、時間が刻々と過ぎてしまう。29分、中央で津田が落としたボールに走り込んだ片山のシュートは僅かにバーの上。

そして、33分。左サイドをスピードになったドリブルであがってきた渡邊からの横パスを中を中を上がってきた須藤が受けると、右足から大きく左へと曲がる技ありのシュートをゴール右上に決め、ついに名古屋が先制点を挙げ、磐田を突き放す。そして、このゴールでそれまで攻め疲れていた名古屋の選手たちに活気が戻り、さらに追加点を挙げるべく、積極的に攻撃を仕掛けてゆく。特に、岐阜県出身の津田は、地元で良いところを見せようと、果敢に勝負を仕掛けてゆく。44分、片山に代わり、ユース・三島が交代で入る。
終盤に入っても、名古屋がホームサポーター前で良いプレイを見せて続け、最後まで、磐田に攻撃させることなく自分達のプレイを見せ続けて、残り時間を使い、今季最後のサテライト戦を見事勝利で飾って終えてゆく。