Jサテライトリーグ・Dグループ・第10日
名古屋グランパスエイト vs 清水エスパルス

九州地区に向けて上陸した台風の影響もあり、この日のサテライトの試合会場となる、岐阜県関市、中池公園内グリーンフィールド中池の上空は今にも雨が落ちてきそうな厚い雲に覆われている。そんな中、清水とのサテライト戦に向け、選手達はじっくりと体を解して、ゲーム開始に向けて、コンディションを整えてゆく。前日、ホーム・瑞穂での新潟戦で見事ゴールを決め、トップチームの快勝に貢献した津田もメンバーに顔を揃えている。

前 半
選手入場後、地元の方達によるセレモニーを終えると、両チーム選手達は各エンドに広がり、キックオフを告げる笛を待ち受ける。前半は右エンドのアウェイ・清水のボールからスタート。この日の名古屋の先発は、GK内藤、DFは右に増川、左に阿部、中央は竹内という3バック、MFは右にユース・三島、左は片山、ボランチには須藤と高橋が肩を並べ、トップ下の位置には井上が入る。FWは津田と橋本という2人だ。

立ち上がりは、名古屋が積極的にボールを持つと、相手DFの裏へ津田や橋本を走らそうと、須藤・高橋、井上等が長いボールを入れてゆくが、清水の4バックの固い守りに阻まれ、良い形でフィニッシュまで持ってゆくことが出来ない、じれったい展開が続く。逆に清水は、セカンドボールを拾うと速い展開で両サイドを使い、前線に待ち受ける清水・矢島の高さを生かした攻撃を仕掛けてくる。しかし、名古屋DF陣も落ち着いてこれに対処、危なげないプレイを見せてゆく。

20、22分とたて続けに清水がエリア内へと攻め込んでくると、枠を捕らえたシュートを放ってくるが、GK内藤が、この日はコンディションが良く、再三に渡って好セーブを見せこれを阻止し、チームを勢いづける。しかし、相変わらず清水がセカンドボールを奪って、速いパス回しからきっちりと最後まで攻め込んでくることもあって、名古屋はなかなか自分達のテンポを掴めない。

名古屋も、この日右サイドを務めた、若いユースの三島が物怖じしないプレイを発揮、何度か好クロスをゴール前に放り込んでゆくが、この日のFWには高さが無く、飛び込んだ頭にあわせる前に相手GKにボールを押さえられてしまうことが殆どに。しかし、40分。三島からのクロスにタイミング良く飛び込んだ津田のヘディングシュートはクロスバーに弾かれてしまい、惜しくも先制点を奪うことは出来なかった。
後 半

エンド入れ替わり、後半は右から攻め上がってゆく、名古屋のボールで試合が再開する。前半は清水の右サイドのケアに時間を割かれてしまっていた片山が立ち上がりから積極的な攻め上がりを見せて、試合の主導権を掴みにゆく。そして、これに呼応するように、前半は中で仕事をすることが多かった井上が左に流れるようになると、相手陣内深くへとボールを持ち込んでゆくようになる。

8分には、その井上が縦パスに抜け出して、相手GKと1対1に。しかし、シュートはコースに入ったGKに弾かれ、こぼれ球を左で拾った橋本のゴール右上を狙い澄ましてはなったシュートも枠を捕らえることは出来なかった。また、右サイドからも三島が何度か良いボールを放り込んでゆくが、津田・橋本の走り込んでゆくタイミングにあわず、シュートを清水のゴールに向けて放つことが出来ない。22分、メンバー交代:三島(ユース)→太田(ユース)。

26分、自陣中央ゴール正面の位置で清水にFKを与えると、清水・森岡がこれを直接ついに先制点を奪われたかと思われたが、これは直接FKではなく、間接FKを直接蹴ったとして、名古屋のボールになり救われる。28分、メンバー交代:橋本→和田。

後半立ち上がりから、片山や井上が再三好機を作ってゆくが、清水の厳しい守備に次第に流れを持ってゆかれ、清水・平松、太田等の正確なパスからの、スピードに載ったぶ厚い攻撃に、何度か危険な位置でFKを与える等、次第に名古屋は清水にペースを握られて劣勢を強いられるようになり始める。そして、38分。清水・山本からのDFの裏へのボールに左から抜け出した太田がそのまま持ち込んで強烈なシュートを放つ。ここまで好セーブを繰り返してきた内藤もこのシュートは指に当てるのが精一杯でゴールマウスの外まで弾き出すことは出来ず、試合開始から81分、とうとう均衡の破る得点が清水に入ってしまう。

何とか同点に、更に逆転へとしてゆく為、名古屋は増川を前線に上げて清水陣内へと怒濤の攻撃を仕掛けてゆく。しかし、堅い守りを切り崩すことが出来ず、およそ3分以上あったロスタイムを含め、10分以上に渡って、執拗にパワープレイを仕掛けてゆくが、清水のゴールを最後までこじ開けることは出来なかった。そして、試合は清水の0-1で終了を迎え、名古屋は残念ながら敗戦を喫してしまう。