Jサテライトリーグ・Dグループ・第5日
名古屋グランパスエイト vs ヴァンフォーレ甲府

 愛知のお隣・三重県鈴鹿での開催となった今回のサテライトリーグ。地元小学生を筆頭に駆けつけたファンの期待を感じながら、選手たちは試合前のアップを行う。
 日本中に雨を降らせた雲も、久しぶりに開催されるここでの公式戦に、不機嫌ながらもなんとか持ちこたえてくれるのではないだろうか。

前 半
前半、右にエンドを取る甲府ボールでキックオフ。この日の名古屋は、GKに高嵜、ディフェンスラインは左から有村・古賀・竹内、中盤は左から片山・中島・青山・平林、トップ下に井上、2トップに鴨川・津田というオーソドックスな3-5-2の布陣。
開始早々、前線で相手のパスをカットした津田がドリブルで持ち込もうとするが、甲府のセンターバック・ビジュに止められてしまう。その後、両チームとも攻め込むシーンが見られるが、お互い慎重にボールを扱うため、比較的な立ち上がりとなった。それでも6分、相手ディフェンスラインでのパスを奪った鴨川が持ち込んで右足でシュートを打ったり(残念ながらキーパーの正面へ)、12分、井上からのコーナキックを1度クリアされながらも前線で平林、竹内がしっかりキープし古賀が右足でシュートを放ったりと、攻撃では何度か決定的なチャンスを作りだしていた。

そして得点の香りが漂い出した15分、前線での相手パスをカットした青山が相手ゴールまで30mの位置から右足を一閃、ボールは見事にゴール左ネットを揺らし、待望の先取点を名古屋が決めた。
理想的な時間帯に得点を決めた名古屋、その後も右サイド平林が個人技でエリア内へ侵入し右アウトサイドでのシュートや、中央・中島からのフィードに抜け出した鴨川がドリブルで持ち込み、中央へ折り返したボールへ津田がヘディングで合わせたりと、効果的な攻撃を見せていた。甲府にも何度かカウンターから危ない場面を作らせるが、GK高嵜を中心にしっかりとしたディフェンスを築き、ゴールラインを脅かされるほどの事はない。
そして27分、左サイド片山のドリブルから得たコーナーキックを、前線へ上がってきていた古賀が高い打点で基本に忠実なヘディングで叩き付け、追加点を決める。

前半30分過ぎは、2点差を追う甲府の時間帯が続く。右サイドをドリブルで攻め込まれ、速いクロスから中央でシュートを放たれたり、コーナーキックからしっかりとヘディングを合わされたりと危ないシーンが続くが、それでもディンフェンス陣がぎりぎりのところではじき出したり、相手のシュートが枠を逸れたりとここでもゴールラインを割られる事はなかった。また、攻め込まれながらも中島・津田・平林とまわしてのクロスや、相手ボールをカットした鴨川が個人技で持ち込んだりとカウンターから何度かチャンスも作れていた。
後 半

ハーフタイム、甲府はディフェンスラインでビジュに代えて三井を投入。後半は名古屋側のボールでキックオフ。開始早々、ゴール左25mの位置で相手にフリーキックを与えてしまうが、これはディフェンスに立つ壁にあたり事なきをえる。5分には自陣でボールを得た片山が60mをドリブルで上がり中央へクロス、これは相手ディフェンスにクリアされるが続くコーナーキックを短く繋ぎ、平林が右足でミドルシュートを狙うなど、点差を考えしっかり守ってカウンターを仕掛けていく。14分には右サイドで個人技から抜け出した平林が中央の津田へ、これをしっかりとポストプレーでつなぎ井上が得意の左足でミドルシュートまでもちこんだりと、前線での連携はしっかりと行えていた。

後半18分、右サイドを切れ込んだ津田が倒され、フリーキックを得る。長身ディフェンダーが前線へ上がってのセットプレーとなるが、左足で蹴った井上のボールは相手ディフェンスにクリアされてしまう。
20分には甲府のスローインから右サイドを攻め込まれ強烈なミドルシュートを放たれるが高嵜がしっかり弾く。こぼれ球も拾われ再度シュートを放たれるが、これも起き上がった高嵜が弾きだす。
22分、「津田選手のシュートが見たい〜」と地元小学生からのコールを受けた津田が素早いリスタートからエリア内に侵入、左足でシュートを放つが、これはクロスバーを超えてしまう。しかしながらこの時間帯から、サポーターの声援を受けた選手たちが盛り返し、各ポジションで個の勝負をしかけ、押されかけていた試合の主導権を取り返した。

試合も残り15分、甲府のコーナーキックにファーサイドでしっかりと合わされたりと危ない場面もなんどかあったが、34分、中央でボールを受けた井上が右サイドへ開く津田へ、そこからの速いクロスに鴨川が相手ディフェンスと交錯しながらも飛び込んだりと、追加点を狙って行く。41分には、右サイドでボールを受けた平林が大きくサイドチェンジ、これを左サイド・フリーで受けた井上がワントラップからシュートを放つ。(これは残念ながら枠を捉えられず。)
そして迎えた41分、左サイドから強引にドリブルを仕掛けた津田が、ペナルティエリアへ入り込んだところで倒されPKを獲得。これを鴨川が落ち着いてゴール中央右寄りに決め、試合を決める3点目が名古屋に入った。ロスタイムにはコーナーキックをゆっくりまわしたりと時間を有効に使いながら試合終了。理想的な試合運びで、サテライトリーグでの今シーズン初勝利を飾った。