Jサテライトリーグ・Dグループ・第1日
名古屋グランパスエイト vs 清水エスパルス

生憎の雨模様となってしまった、この日の清水・三保グランド。我らが名古屋グランパスエイトは、今季のサテライトリーグの初戦をアウェイの地で、清水エスパルスと迎える。

午前中は降ったり止んだりと断続的だった雨も、選手達がウォーミングアップを始める頃からは粒が大きくなり、観戦に訪れた両チームサポーターや選手達を容赦なく濡らし続けるようになってしまう。

前 半
前半は、左から右へと攻め上がる白のユニフォームの名古屋のキックオフで試合が始まる。この日の先発は、GK高嵜、DFは右から角田・青山・竹内・阿部の4バック、中盤は右に山口、左に井上、中は須藤と高橋、FWには平林と豊田と言う、11人だ。


前日の、トップによる、リーグ第2節・清水戦の敗戦を選手達も分かっているようで、開始から両サイドを広く使って、やはり4-4-2の布陣で臨んできた清水のフラットなDFラインを裏を狙って仕掛けてゆく。4分、相手陣内左のスペースへと斜めに入ったボールを豊田が拾うと、そのまま持ち込んでいって左足でシュートにゆくが、ボールはポストの右に流れてしまう。6分には、右で平林が倒されて得たFKの場面で、山口が前線に上がっていた角田に狙って放り込んでゆくが、僅かにボールが高く、頭上を抜けてしまう惜しい場面も。しかし、その後は清水の早い寄せにあい、ボールを前に送ることが出来なくなる。

徐々に清水が試合のペースを掴み始め、名古屋のお株を浮かぶ、早い両サイドの選手を使った攻撃に守勢を強いられる展開に。それでも角田が中心となって、若い阿部・青山・竹内等とのバランス良い守備を展開、ギリギリのところで清水の攻撃を跳ね返し、失点は逃れてゆく。20分過ぎには、清水の立て続けのCKで、平松の精度の高いゴール前のボールに苦しめられるが、何とかここも須藤・高橋等も加わりしっかりと耐えてゆく。

27分には、自陣で相手ボールを奪うと、左に阿部の出した絶妙のサイドチェンジのボールを山口が受けて、すぐさま縦に展開。これを豊田が抜け出して、シュートにゆこうとするが、清水DFの早い戻りにコースを阻まれ、打たせてもらえない。その後も、清水の攻撃に守勢を強いられながらも、苦しい状況を打破しようと、早い攻撃を跳ね返してのカウンター狙いをしてゆくが、清水の早い戻りとバランスの取れた守備に合い、平林・豊田に良い形でボールが入れる事が出来ない。

何とかこの嫌な状況を跳ね返そうと、山口や角田が自らドリブルで相手陣内へと攻め込んでゆくが、執拗なプレスに阻まれて苛立つ場面も。そして37分。自陣深くでの相手選手へのファウルで、この日2枚目のイエローを受けた角田が退場、名古屋はここからの時間を10人で戦うことを強いられる。

前半終了間際の44分。ここまで体を張って頑張ってきたDF陣だったが、清水の厚い攻撃に耐えきれず、最後は、清水・山本にゴール前でのこぼれ球を押し込まれ、先制点を奪われてしまう。ロスタイムには、阿部が相手陣内中央で前が空いたところをミドルシュートを放ってゆくが、ボールはクロスバーを越えてしまう。そして、前半は0-1のまま終了に。
後 半

後半、エンド代わって、右から攻め上がる、上下オレンジ色の、ホーム・清水のボールで試合が再開する。

何とか早い時間帯に同点に追いつきたいと、開始から山口が果敢な攻め上がりを見せ、相手のDFの背後を狙ってボールを入れると、平林が快足を飛ばして抜け出してゆくが、清水DFも落ち着いてこれに対処、なかなかシュートを打たせてはくれない。9分には、相手陣内中央ゴールほぼ正面で得たFKの場面で、阿部が直接狙って蹴ってゆくが、ボールに押さえが無く、バーの上へ。さらに平林のキープから相手DFを引きつけて出来たスペースに出たボールを豊田が拾って前を向くが、これは惜しくもオフサイドになってしまう。

しかし、この良い流れも、12分:清水・太田、16分:清水・岡崎の立て続けの得点により断ち切られてしまい、1人少ない名古屋はますます苦しい展開を強いられることに。18分、豊田を和田に代え、平林を1トップの形にして、彼の個人技を生かして何とか一矢報いようと図ってゆく。24分、右の山口からのサイドチェンジのボールを左で受けた平林がそのまま縦に突破、左足でエリアの外から強引にシュートを放っていったが、これはポストの左に外れる。

後半30分を過ぎた辺りからは、名古屋の運動量が落ち始め清水の攻撃ばかりが目立つ展開に。そして35分。清水の立て続けのCKに苦しめられて足が止まってしまったところで、後半代わって入った財津にゴールを決められて、痛恨の4点目を奪われてしまう。終盤、何とか意地を見せようと、須藤や高橋も攻撃に加わり、清水陣内へ攻め上がってゆくが、フィニッシュまでには至らない。

ロスタイム突入直前の44分。平林が青山からのロングボールを受けて、胸で落として、そのまま中へと持ち込んでゆくが、最後まで勢いの落ちない清水の厳しい守備に阻まれ、ボールをクリアされてしまう。結局、試合は終始清水のシュートシーンばかりが目立つ後半戦となり、名古屋は無得点のまま試合が終了に。

トップチームがフェルフォーセン新監督の標榜する、4-4-2の新しいシステムを築き上げてる中、サテライトの選手達も試合の中でしっかりと身につけてゆきたいところだったが、前半の角田の退場により、自分たちのサッカーをやることが出来なくなったことが、最後まで響いたこの日の清水戦と言える。最後まで声援ありがとうございました。