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2006 Jリーグ ディビジョン1:第30節 |
午後2時25分、直前の激しい雨に芝生がしっかりと水を含んだピッチへ名古屋の選手達が最後の調整のために現れる。遠く名古屋から声援に訪れたサポーターの大きく手を振ると、早速、屋内で暖めてきた体を冷やさぬようにと、こまめに体を動かしながら、アップを進めてゆく。
J2仙台との、天皇杯4回戦直前の体調不良のため、急遽、出場を取りやめた杉本も今日は元気に先発に顔を揃えている。心なしか頬がこけた様だが、顔の色も良く、足取りもしっかりとしている。彼には、天皇杯に出られなかった分、堅守・大分の守備陣を混乱させるようなスピードを生かしたプレイを立ち上がりからしっかりと見せて欲しい。 |
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既にチームの顔として、存在感タップリなのが本田だ。今季はここまで6得点と、昨年以上に攻撃でも目立ち始めている。ここ最近は、4バックの左サイドバックを務めることも多く、守備でもしっかりとチームに貢献し、もはや欠かせない選手の1人。今後、彼が世界へと向け、日本代表の顔となる事は間違いないはず。今日もFWのヨンセンや玉田・杉本を操る、左足からの変幻自在のパスを量産し、大分DFを脅かして欲しいものだ。 |
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2時45分、今後の雨を避けるために大きな目を閉じたスタンドの下、水銀灯に照らし出された芝生の上で、納得ゆくまでボールを使って調整を行った選手達は、スタンドに軽く挨拶を交わした後、試合前の練習を終えて、足早にロッカーへと向かっていった。 |
〜前半15分 |
試合前の雨のため、気温があまり上がらず、ヒンヤリと冷え込んで肌寒い九州石油ドームに、トリニータサポーターの唱える応援歌が響き渡ると、スタジアム内の温度が心なしか上がり始めたような雰囲気に。そして、両チーム・イレブンが入場し始めると、トリニータサポーターの声につられるようにして、名古屋サポーターが太鼓を大きく叩きながら、熱い声援を始めてゆく。
左エンドの大分に対し、上下赤の名古屋は右にエンドを取る。前半は、大分のキックオフでスタート。
今日の名古屋は、GK守護神・楢崎、DFはスピラールを真ん中に、右の大森、左が増川、MFは右に中村、左が本田、中は山口と金が並び、FWはヨンセンを中央に、玉田と杉本の3トップ、3-4-3で大分に挑んで行く。 |
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1分、右のスペースへのボールに大分・松橋が抜け出してくるが、増川が先にボールへと寄せて行く。
2分、相手陣内左で玉田が縦に上がろうとするが、これはDF3人に囲まれボールを戻すことに。
3分、相手陣内中程やや左でのFKのチャンス。本田が得意の無回転のボールを直接狙って蹴っていったが、ボールはクロスバーの上を揺れながら抜けてしまう。
5分、左からのCKのチャンス。玉田が左足からカーブをかけたボールを蹴ると、中央でヨンセンが競り合うが、これは相手へのファウルを取られてしまう。 |
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7分、右タッチ際深くでのボールを、大分・山崎が中へと入れてこようとするが、このボールは精度を欠き、ゴールラインを割ってゆく。
9分、左から抜け出そうとした金が高い位置で倒され、FKのチャンスを得る。今度も本田が直接狙って蹴ってゆくが、先ほどと同じような軌道をボールが辿り、クロスバーを越えてしまう。
10分、自陣からのロングボールにヨンセンが中央から抜けて行くが、これはオフサイドに。
12分、中央で相手パスをカットした山口の落としたボールを金が大きく右のスペースへと蹴り出してゆくが、これは中村が追いつけず。 |
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13分、増川が大きくサイドを変えたボールを受けた杉本が勝負を仕掛けようとしたが、寄せてきたDFにトラップが流れたところをクリアされてしまう。ここまでは両チーム共に余り攻め急ぐことなく、相手の出方を見計らっている時間帯と言える。
15分、右タッチ際を杉本が縦にドリブルを仕掛けるが、マークに付いた相手DFに阻まれ、倒されてしまい、ボールを失ってしまう。 |
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〜前半30分 |
16分、右に抜け出した中村からの、速いゴール前へのクロスに、中央からヨンセンが走り込んでゆくが、これは伸ばした足にボールが届かず。
18分、左でボールを持って前を向いた本田を意識して、中央で山口が待ちかまえるが、パスは遠いサイドへと送られ、詰めていたヨンセンが頭で合わせるものの、前には飛ばず、流れてゴールラインを割ってしまう。
19分、中央深い位置で玉田がヨンセンとのワンツーで縦に抜け出しを図るが、パスをカットされてしまう。 |
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20分、右からの大分のCK。大分・根本が左足からのボールをゴール前へと入れてくるが、頭一つ高い増川がしっかりとクリアしてゆく。
22分、相手陣内中程左寄りの位置でのFK。本田が大きく曲がるボールを蹴ると、遠いサイドに上がっていたスピラールが合わせにゆくが、ボールはその前で大きく弾んでタッチの外へ。
24分、中央で浮き球を拾った大分・高松が左に素早く捌いてくるが、このボールは、大分・根本が追い付く前にタッチを割ってゆく。 |
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25分、左サイド深くでボールを持った本田が、寄せてきたDFをかわしてゴール前へと入れてゆくが、これは大分GKに抑えられてしまう。
28分、中央で金がパスをカットされると、大分が早い攻撃を仕掛けてこようとしたが、快足を飛ばした本田が相手の前に立ちはだかり、攻撃の芽を潰してゆく。
30分、左から持ち込んでいった金が寄せてきたDFを1人2人とかわして、更に深く入り込もうとしたが、2回目の切り返しでボールをカットされてしまう。 |
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〜前半終了 |
31分、左サイドで深くでルーズボールを拾った大森に大分・山崎がしぶとくプレッシャーを掛けてくるが、ここは落ち着いてボールをキープし、奪われることなくゴールキックへとしてゆく。
33分、大分・根本が左から持ち込んでくると、得意の左足ではなく右足からシュートを放ってくると、これは味方に当たり、力無くペナルティエリア内の大分選手に渡るがオフサイド。 |
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34分、左から持ち込んでいった本田のアウトサイドのパスを相手ゴール正面で受けた玉田だったが、こぼれたところをDFにカットされてしまい、シュートまでは持ってゆけず。
35分、大分の右からのCK。根本が左足で蹴ったボールが遠いサイドで楢崎の指をすり抜けこぼれ、混戦の中でルーズになるが、最後、ゴール前に詰めていた杉本が大きく蹴り出してゆく。 |
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36分、左にポジションを替えていた杉本からのDFの裏へのボールに中央から金が上手く抜け出したように見えたが、これはオフサイドの判定。
37分、自陣ゴール正面でパスを受けた大分・高松が左足からの強烈なシュートを放ってくるが、これは楢崎がコースをしっかりと読み、大きく弾き出してゆく。
39分、相手陣内右深くで玉田からのパスを受けたヨンセンがペナルティエリアのすぐ外で倒され、絶好の位置でFKを得る。
40分、この場面で本田が蹴りにゆくと見せて、後ろに流したところを中村が狙っていったが、壁の右端の選手に弾かれてしまい、枠へと飛ばすことは出来なかった。
42分、左で金からの横パスを受けた本田が大きくスペースへと蹴りこんでゆくと、玉田が拾いにゆくが、ボールへのタイミングが合わず、触れることが出来なかった。 |
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ロスタイム、1分と表示されたロスタイムの間は、ボールが両チーム陣営を行き来するに終わり、決定的な場面がないまま試合は後半へと向かってゆく。
前半はどちらも互いに相手のカウンターを警戒してか、無理な攻撃を仕掛けることなく試合が進んでいったといった感じだ。ただ、自分達のサッカーをしているとはいえ、テンポが変わらず、攻撃に変化がないこともあり、ゴールの生まれる雰囲気がほとんど無かっただけに、後半はもう少しバリエーションを加えることで、流れを変えていきたい。 |
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〜後半15分 |
賑やかな、トリニータサポータの打ち上げる風船の音に迎え入れられた名古屋のメンバー。後半はメンバー交代は無し。後半は名古屋のキックオフで再開。
1分、左のスペースへと楢崎の蹴り出したボールを大分・山崎に拾われると、深い位置まで持ち込まれて逆サイドの大分・松橋へと繋がれる。しかし、叩きつけてきたヘディングシュートは大きく弾んで、クロスバーを越えてゆき救われる。
3分、左からドリブルで仕掛けた玉田からのミドルシュートは、大分GKに正面で弾かれてしまう。 |
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4分、左から大分・根本の入れたアーリークロスを止めようと走り込んだ増川の足下にこぼれたボールを大分・西山がシュートを狙ってきたが、ボールはポスト左に外れてゆく。
6分、左でパスを受けた杉本が右足から中央に待つヨンセンに入れると、これを落としたところに中村が中央で詰めていったが、ボールが大きく流れてしまう。
9分、中央で山口のスルーパスに走り込んだ杉本の右足からのダイレクトシュートはポストの右に流れてしまい、枠を捕らえることは出来なかった。 |
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10分、自陣左深くでの大分のFK。大分・梅田が右足でゴール前へと放り込んでくるが、楢崎が落ち着いてパンチングで弾き出してゆく。
12分、右のスペースへと送られたパスを大分・梅田が持ち込んで、速いボールを入れてくるが、中央に戻ったスピラールが体を入れて、ボールを頭で弾き出してゆく。 |
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13分、右からの大分のCK。大分・根本がゴールから離れてゆくボールを蹴ってきたが、杉本が頭で弾き出してゆく。
14分、相手陣内中央でボールを持って前を向いた金が、そのままその位置からシュートを狙っていったが、ボールはポスト左へ。 |
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〜後半30分 |
16分、相手陣内右すぐでのFKの場面。中村が長いボールを蹴ってゆくと、中央で待っていた山口がヘディングシュートを狙ってゆくが、ボールはクロスバーを越えてしまう。
21分、右からのCKのチャンス。玉田のボールを増川がニアで合わせるが、前には飛ばせず。
22分、中央で山口が相手のパスを奪うと、左に上がる本田へとパスを出してゆくが、これはマークに付いていたDFにボールをカットされてしまう。
23分、左から本田のパスに抜け出した杉本が深い位置でマイナスに折り返すが、中央に詰めていた玉田の足には届かず。 |
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26分、大森からのロングボールが相手DFとヨンセンとの競り合いでこぼれてきたところを狙った杉本が左足からのシュートを相手ゴールに突き刺し、待望の先制点が、ようやく名古屋に決まる。
28分、自陣中央でルーズになっていたボールを、大分・藤田がミドルシュートを狙って打ってきたが、これは楢崎が正面で抑えてゆく。 |
【得点】
71分 杉本(名古屋) |
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29分、左からのCKのチャンス。玉田が大きくファーサイドへ蹴り入れてゆくが、これは大分・高松にクリアされてしまう。 |
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30分、右のスペースへと出たボールをヨンセンが詰めたDFの頭越しに入れてゆこうとしたが、パスが小さくなり相手GKの正面に渡ってしまう。 |
【交代:74分・大】
山崎高橋 |
〜試合終了 |
32分、右タッチ際で山口のパスを受けた杉本が厳しいプレッシャーをかいくぐって縦に抜けようとしたが倒されてしまう。
34分、左で玉田のパスを受けた金が入り込んでゆくと、中央に待ち受ける中村の足下へとパスを送る。最後これを直接狙ってシュートにいったが、ボールはクロスバーを越えてしまう。 |
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35分、左から俊足を飛ばして抜け出す杉本に合わせて本田がスルーパスを出してゆくが、僅かにタイミングが合わず旗が上がってしまう。 |
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38分、本田からのパスを下がって貰ったヨンセンが前を向こうとするが、厳しい足下へのプレッシャーに倒されてしまう。
39分、右のスペースへ抜け出した山口からのマイナスのボールを、ニアで玉田が走り込むがこれには触れられず。しかし、遠いサイドに待っていたヨンセンが右足からシュートを放っていったが、これはクロスバーの上へ。 |
【交代:80分・大】
上本増田
【交代:80分・名】
杉本津田 |
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43分、自陣左深くでの大分のスローイン。大分・高橋がロングスローをゴール前へと入れてくるが、スピラールがきっちりと頭で弾き出してゆく。
44分、右スペースへ出たボールを津田が寄せてゆくと、相手DFのミスを誘ってCKを得てゆく。この場面で玉田が短く出して、津田とのパス交換を見せるが、これは厳しいプレッシャーに倒される。 |
【交代:87分・大】
高松ラファエル |
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ロスタイム2、左から大分・根本がロングボールを早めに入れてくるが、これはコースを察知したスピラールが余裕を持って跳ね返してゆく。
ロスタイム3、大分・松橋がボールをもって中へと入ろうとしたところを山口が奪うが、その松橋に前を向いたところを足下へと厳しいファウルを受けてしまう。 |
【交代:89分・名】
玉田阿部 |
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そして、最後まで高い集中力で、危なげない試合を進め、杉本の挙げた値千金の1点を守りきった名古屋が、1-0で7位の大分を下して勝利、久し振りのリーグ戦の連勝を決め、チームとして、先制した1点を守って勝ちきる、と言う最高の試合運びを見せることが出来た。
最後まで熱い声援をありがとうございました。 |
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