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2006 Jリーグ ディビジョン1:第26節 |
昨日までの雨が嘘のように晴れ渡った名古屋市瑞穂陸上競技場。しかしながら、ホームからアウェイ方向へ吹く風が強く、サポーターの掲げる応援旗やクラブフラッグが大きくたなびいている。ここ2ヶ月ホームで負けの無い我らがグランパスエイト、今日は現在6連敗中と下位に低迷するFC東京を瑞穂へ迎えての一戦となる。
午後1時20分過ぎ、選手達がピッチに姿を現すと、ゴール裏を中心としたサポーターから大きな声援が上がる。
前節・大宮戦を4-1と快勝し、好調な攻撃陣。特に前節、プロ初となるハットトリックを決めた杉本と3試合連続ゴール中のヨンセンがコンビを組むフォワードは、両者の特徴を活かした攻撃が魅力。高さ、ポストプレーの得意なヨンセンと、その回りを持ち味であるスピードと運動量で衛星のように走り回る杉本の2人は、相手チームにとってわかっていても止められない、強力コンビなのでは無いだろうか。ここに2列目から藤田、中村、本田、そして金がうまく絡んでいけば、大量得点も期待出来る。
また、ディフェンス陣では7月の再開後から好調を維持する古賀と、鳴り物入りで入団したものの、いまひとつ調子の上がらないFC東京・平山のマッチアップが見物。190cmと長身で足下のテクニックも高いと言われる平山を、スピラールを中心とした強固なディフェンスが抑え込めば、この試合の勝利も見えてくるのでは無いだろうか。
午後1時45分、試合前のアップを終えた選手達がロッカーへと姿を消していくが、表情はみんな明るく、ホームで負けていない事から来る自信が現れていた。 |
〜前半15分 |
スタジアムDJからの選手紹介が行われた後、国立競技場で高円宮杯を戦うグランパスユースの勝利が告げられると、スタジアムには大きな拍手が起こる。
そしてサポーターの歌声がスタジアムに響き渡るなか、ユニフォームへと着替えた選手達が入場。ホームでは負けた事の無いFC東京を迎えての今日の1戦、中位争いに食い込むためにも、是が非でも勝たなくてはならない試合だ。 |
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今日の布陣はゴールキーパーに楢崎、ディフェンスラインは左から古賀、スピラール、大森、中盤は藤田、金の2ボランチと左に本田、右に中村、そして高い位置からのプレスを狙いトップ下の位置に須藤を配置。フォワードはヨンセンと杉本の強力2トップ。
前半はいつもと違い右側にエンドを取るグランパス、ちょうど風下から風上へ向かっての攻撃となる。グランパス側のキックオフで試合開始。
1分、中盤でボールを奪った本田が相手ディフェンスラインとキーパーの間へ浮き球を上げる。これに中村が抜け出してゴールを狙うが、ディフェンスと交錯し、ファールを取られてしまう。
2分、左サイド高い位置で徳永からボールを奪った杉本が1度切り返し、右足で中央のヨンセンへクロスを上げるが、このボールは長く、合わせる事ができなかった。
4分、土肥からのロングキックを古賀と平山が競るが、しっかりと古賀が弾き返す。
6分、カウンターからFC東京左サイドの戸田に中央へクロスを上げられるが、楢崎がしっかりとキャッチ。 |
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8分、金が前線へ蹴ったボールが風に戻されるが、このこぼれ球を杉本が右足でダイレクトに、この日初となるシュートを打つが、相手ディフェンスに当たってしまう。
9分、カウンターから中央へ走り込んできた戸田にシュートを打たれるが、これは精度が悪くクロスバーを越える。
12分、相手のオフサイドで得たボール、楢崎が前線へと大きく蹴りヨンセンが頭でこれを流すが、誰も寄せる事ができなかった。
13分、大森からの浮き球を右サイドで杉本が受け中央へクロスを上げるが、大きく風に流されてしまう。 |
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14分、中央でボールを受けたヨンセンが、右サイド杉本の前へスルーパスを出すが、相手キーパーに先に取られてしまう。
ここまでの時間帯、予想以上に上空での風が強く、ロングパスからの攻撃を得意とする両チームの持ち味が出せない展開となっている。 |
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〜前半30分 |
16分、左サイドで2回3回と切り返した金のクロスをヨンセンが落とし、藤田がシュートを打つが、相手ディフェンスに当たり跳ね返されてしまう。
17分、右サイドを抜け出した杉本が中央へ低くて速いクロス。これをヨンセンが右足で合わせるが相手ディフェンスに当たり、跳ね返ったボールを藤田が再度シュートを打つが、枠の上を越えてしまう。 |
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19分、右を上がった大森のクロスに、ゴール前へ顔を出していた中村がボレーで合わせネットを揺らすが、これはオフサイドの判定でゴールは無効となってしまう。 |
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22分、FC東京・右サイドからのクロスに中央で梶山にシュートを打たれ、楢崎が弾くが、こぼれ球を平山に決められてしまう。先制されてしまったが、ここまでの好機は名古屋の方が多いだけに、これで崩れずにしっかりと持ち直して欲しい。
24分、FC東京コーナーキックからのこぼれ球を梶山にボレーで打たれるが、これは枠の上へ。 |
【得点】
22分 平山(東京) |
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25分、ヨンセンが前線で丁寧に繋いだボール、須藤がシュートを打つが、これは力が無く相手キーパーの正面へ。
27分、金が中盤から右サイド中村の前へロングパスを狙うが、相手ディフェンダーにカットされてしまう。
29分、右・大森が大きくサイドチェンジして左にいる杉本へパスを狙うが、風に戻され相手ディフェンスの足下に収まる。 |
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〜前半終了 |
30分、FC東京右サイドの石川がロングボールに抜け出そうとするが、本田がしっかりと体を入れ通させなかった。
33分、須藤からのパスに左サイドを抜け出した中村が中央へクロスを送るが、ファーサイドまで風に流されてしまう。
35分、金が倒されたフリーキック、藤田が素早いリスタートを見せ杉本の前へパスを出すが、これには追いつく事ができず、ラインを割ってしまう。 |
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36分、中盤へ戻っていた平山へ本田がプレスをかけるが、足が引っ掛かった相手を倒してしまいファールを取られる。
37分、本田からの縦パスに中村が抜け出そうとするが、徳永と交錯して倒れ、攻撃へと繋げる事はできなかった。
40分、ディフェンスラインと中盤に出来たギャップを狙われ、右サイドから石川にクロスを上げられるが、これは相手FWが上手く合わせる事ができず流れる。
41分、エリア手前でボールを受けた金が、切り返し侵入をねらうが相手ディフェンスの後ろからのタックルで止められてしまう。 |
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42分、カウンターからFC東京左サイドの戸田にミドルシュートを打たれる。これが風に乗って強烈な当たりとなって名古屋ゴールに迫るが、枠の上を越え事なきを得た。
43分、ディフェンスラインまで戻ってボールを奪った中村が前線のヨンセンへロングパスを送るが、これは長すぎてしまう。
44分、FC東京・石川からの低いクロスに中央で梶山に合わされるが、うまくヒットする事ができず楢崎が抑える。名古屋にとっては非常に危ない場面だった。
ロスタイム1、右サイドを狙った平山のボールを古賀がしっかりとカット、中盤へボールを繋ぐが、ここで前半終了となってしまう。 |
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前半の名古屋は風の影響もあってか、長短のパス共に精度が悪く、ボールを奪いながらもしっかりとしたカウンターへ繋げられず、またゴール前での精度も低かったように見える。エンドが変わり風上に立つ後半、このあたりを修正し、同点、そして逆転へと繋げて欲しい。 |
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〜後半15分 |
後半、左にエンドを取ったグランパス。FC東京のキックオフで試合開始。両チームともこの時間での選手交代はない。
風は依然強いままだが、風上となるこの45分、強力ミドルを有する名古屋の中盤が東京を出し、なんとしても早い時間帯にまずは追いついて欲しいところだ。
1分、右サイドでボールを奪った中村が中央へ切れ込み、左足でミドルシュートを打つが、これは相手キーパーに正面で弾かれてしまう。 |
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3分、中盤からのパスでFC東京左サイドの戸田に抜け出されそうになるが、杉本が最終ラインまで戻りボールを外へと蹴り出す。
4分、右サイド大森からのアーリークロスを藤田が頭で繋ぎ、最後、ヨンセンが後ろ向きのヘッドで合わすが、相手キーパーに抑えられてしまう。
6分、古賀、スピラール、そして大森とディフェンスラインでボールを回しながらジリジリとラインを上げる名古屋。ハーフライン近くから大森がヨンセンの前へパスを狙うが、相手ディフェンスがカット。 |
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8分、藤田が頭で落としたボールを拾った須藤が前線へアーリークロス。しかしこれは僅かに長く、シュートへ持ち込む事はできなかった。
10分、中盤でのパス回しから最後、中村が中央へ放り込むが、相手ディフェンスに弾かれてしまう。 |
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12分、エリア手前右からヨンセンがエリア内へ絶妙のスルーパス。これに抜け出した杉本が、相手キーパーの位置をみて冷静に流し込み見事ゴール!なんとしても2試合連続でゴールが決めたかったという杉本の得点で理想的な時間帯に同点として名古屋、このまま一気呵成に試合をひっくり返して貰いたい。
14分、カウンターから中央をヨンセン、そして右サイドを中村が上がるが、相手ディフェンスにうまく体を入れられてしまい、決定機を作る事はできなかった。 |
【得点】
57分 杉本(名古屋) |
〜後半30分 |
16分、中村、須藤の中盤でのワンツーパスから中村が前線へ抜け出すが、ボールが長く、ラインを割ってしまう。
17分、FC東京ディフェンスラインからのロングパスに楢崎が飛び出すが、ボールが風に戻されエリア手前に落ちてしまう。そしてバウンドが変わったところをヘディングで楢崎が交わされてしまうが、大森が戻り体を入れた事で、相手のシュートはゴールを大きく越える。
19分、カウンターから金、そして中央を上がる本田へとパスが繋がり、ミドルシュートを打つが、これはわずかに枠の上を越えてしまう。 |
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20分、藤田が倒され中央、ゴールまで30m強の位置でフリーキックを得る。この距離から本田が直接ゴールを狙うと、強烈なボールはキーパー正面へと飛んでしまい、キーパーに弾かれる。
22分、中村からのスルーパスに杉本がトップスピードで裏を狙うが、体を張った相手ディフェンスに防がれてしまう。 |
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25分、本田からのパスを中央で受けたヨンセンが右サイドの中村へ。これを再度中央へと放り込み、金が体ごと飛び込むが相手ディフェンスが一歩早く、これを弾き出す。
26分、左サイドをドリブルで上がる本田が強引にシュートを打つが、これは枠の右へとそれてしまう。
28分、中盤で細かく繋いだボールをヨンセンが落とし、中村が抜け出そうとするが、この場面でハンドの判定を取られてしまう。 |
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29分、エリア内でボールを受けた平山に粘られシュートを打たれるが、これは楢崎がしっかりと正面でキャッチ。 |
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〜試合終了 |
30分、ゴール前中央25mの位置でヨンセンが倒されフリーキックを得る。これを本田が、今度はカーブをかけてゴールを直接狙うが、追い風に乗ってしまい、枠の上を越えてしまう。
33分、中盤でのファールから与えてしまったFC東京のフリーキック、これは楢崎がしっかりと抑える。 |
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34分、エリア内でFC東京・平山にキープされ、これを何とかクリアするが、そのボールに左サイドをフリーで走り込んできた石川に決められてしまい、この時間で相手に勝ち越しを許してしまう。 |
【得点】
79分 石川(東京) |
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37分、前線でボールを求める津田に反応したスピラールがロングパスを送るが、相手ディフェンスに抑え込まれてしまう。
38分、右サイド・杉本から中央への速いクロスにヨンセンが中央で合わせるが、これは枠の上を越えゴールにはならなかった。 |
【交代:81分・名】
須藤津田
藤田渡邊 |
40分、右サイドでボールを受けた杉本がエリア内で切り返し、豪快に左足でシュートを打つが、大きくはずしてしまう。
41分、左サイドから本田が中央へクロスを上げるが、相手ディフェンスがカット。
44分、楢崎からのパントキックをヨンセンが繋ぎ本田へ。これをトラップし再度中央のヨンセンへと戻しミドルシュートを打つが、枠の上へ。 |
【交代:84分・東】
戸田阿部
平山赤嶺 |
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ロスタイム1、フリーキックからのこぼれ球を本田が拾い、中村へ戻し中央へクロス。これに津田が頭で合わせるが、力無く、相手ディフェンスに弾き出されてしまう。 |
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ロスタイム2、エリア右で粘る相手選手を金が倒してしまいファールを取られる。そしてここで試合終了のホイッスル。
中盤でのパス回しや前線への展開など、名古屋らしい攻めを見せながらも、風の影響もあってか最後まで、パスの精度を欠いた名古屋が、効率よく2点を奪ったFC東京に、残念ながらホームで2ヶ月ぶりとなる敗戦を喫してしまった。しかしながら、後半早々に追いつき勝ち越すチャンスも作れただけに、次節、またもホームゲームとなる清水戦に期待したい。
最後まで応援ありがとうございました。 |
【交代:89分・東】
石川川口 |