|
|
2006 Jリーグ ディビジョン1:第14節 |
心地よい風の吹く中、両チームの選手達がボールを蹴り合いながら、コンディションを上げて行く。チームの状態がよいと言うこともあってか、今日の万博記念競技場は満員だ。サポーターも試合前から応援に力が入っている。しかし、名古屋のメンバーもその雰囲気をしっかりと感じ取っているようで、アップ中から気合い充分だ。特に杉本・須藤は高すぎるくらいのテンションを抑えようと、抑え気味に臨んでいる位だ。また、普段は笑顔の絶えない杉本だが、やはりキックオフを前に相当の気合いだ。 |
|
ボールを使ったメニューを終えた後、先発メンバーは狭いエリアを使ってボール回しをスタートさせるが、そこでも誰もがいつも以上に声も大きく、気迫溢れる雰囲気だ。ともかく今日は勝たなければいけない、負けて帰ることはあり得ない、と言うことを全員が心に刻み込んでこの試合前の最後の調整に臨んでいると言っても良いだろう。そんな中で表情を殆ど変えることなく、いつも通りの飄々とした様子で練習に臨んでいるのが、金と山口だ。 |
|
しかし、今のチームにとって彼ら2人の頑張り無くして、勝利はあり得ないと言っても言い過ぎではない程。彼ら2人がどれだけボールを持って前を向けるか、相手陣内深くへと侵入できるかが、チームに勢いをもたらす。 |
|
〜前半15分 |
午後6時45分、サブのメンバーのシュート練習を相手に、最後までボールを受ける楢崎を残し、先発メンバーはピッチを後にしてゆく。ガンバサポータによる、マスゲームでにぎわう中に、両チームイレブンが入場。久し振りの超満員というスタジアムの雰囲気は早くも最高潮だ。左エンドのホーム・大阪に対して、名古屋は右にエンドを取り、左へと攻め上がる。前半はその名古屋のボールで試合開始。今日の名古屋の先発は、GK川島、DFは大森・スピラール・増川の3人。MFは右に中村・左が本田、中は金と須藤の2人。トップ下には山口、FWは杉本と玉田と言う11人で臨む。対するガンバも宮本を中心とした3-5-2の布陣だ。
|
|
|
|
1分、エリア右すぐ外で大阪・橋本にファウルを犯し、危険な位置でのFKを与える。ガンバにはFKの名手の遠藤が居るだけに、危ない位置でのファウルは禁物だ。壁の左を狙って蹴ってきたボールは、壁に飛んだ選手がしっかりと跳ね返して、このピンチは逃れる。
4分、左エンド深くでのスローインのチャンスだったが、本田のファウルスローで相手ボールに。 |
|
|
|
7分、スピラールが斜めに鋭いパスを入れてゆくと山口が受けるが、ガンバの早い寄せに前は向けない。
8分、右からのガンバのCK。ガンバ・遠藤の右足からのボールがゴール前に入ってくるが、ここはしっかりと跳ね返してゆく。
10分、左からのCKのチャンス。本田の左足からのボールはDFに跳ねかえされるが、こぼれ球を杉本がミドルシュートを狙ってゆくが、クロスバーに当たって外へ弾かれてしまう。 |
|
|
|
12分、相手陣内左で須藤がボールを持つと斜め前を走る山口にパスが通る。これを見て右に抜け出してゆこうとした玉田がフリーになるが、その前に山口が倒されてしまう。
13分、左サイドから独特のドリブルで抜け出してきたガンバ・フェルナンジーニョだったが、ここはスピラールがしっかりと体を入れてファウルを誘う。
14分、相手陣内左深くでのFKのチャンス。中村が遠いサイドの玉田を狙って蹴ってゆくが、ボールは大きく頭上を抜けてしまう。 |
|
〜前半30分 |
16分、右の中村からのサイドを変えたボールがゴール前に入ると本田が頭でゴール正面のスペースへと落としてゆくが、FWの玉田・杉本の2人が前に詰めてしまい、DFにクリアされてしまう。
17分、左からガンバ・家長がドリブルを飛ばして入り込んでくるが、これは須藤と大森でしっかりと潰してゆく。
19分、右からのガンバのCK。遠藤の右足からのボールが短く出てくると、加地が戻して、再度遠藤が浮かせて入れてくる。ゴール前でこのボールが何度かルーズになったところでシュートを打たれるが、DFが体を張って、川島と共にこれを阻止、ゴールを守る。 |
|
|
|
21分、右でボールを持った中村を見て左から山口が飛び出すが、パスはガンバ・寶好に邪魔され、受けることが出来なかった。
23分、右から抜け出してきたフェルナンジーニョと川島が1対1になるが、ここは我慢して角度のないところまで、追い込み、そこから放ったシュートはラインの外へと弾いてゆく。
24分、中央から右にと流れるフェルナンジーニョとスイッチする形で中でパスを受けた加地の左足のシュートはポストの左へ。この時間帯はガンバがボールを持つ時間が長く、名古屋にとっては苦しい状況が続くが、何とかDF陣が集中してこれに対処してゆく。 |
|
|
|
27分、自陣中央ほぼ真ん中でのガンバのFK。ゴールまで30m近くの距離だが遠藤が直接狙って蹴ってくる。しかし、ボールは抑えが効かず、大きくバーを越えてゆく。
28分、右タッチ際でスピードに乗った杉本がドリブルで上がってゆくと、相手陣内深くでマイナスに流し込んでゆく。中央で玉田が詰めてゆくが、コースに入ったDFがカットしてしまう。
30分、左からのCKのチャンス。本田の入れたボールを中央で合わせたスピラールのヘディングシュートが枠を捕らえるが、相手選手に当たって弾かれ、ゴールを割ることは出来なかった。 |
|
〜前半終了 |
31分、右で遠藤が強引なドリブル。増川がかわされると、金が寄せてゆく前に左足からのミドルシュートを狙ってくる。しかし、ボールは左に逸れ、ポストを巻いて外れる。
33分、右でこぼれ球を拾った中村が縦に長いボールを蹴り出すが、前にいた玉田はこれには追いつけず。
35分、中央でこぼれ球を拾った杉本がドリブルで仕掛けてゆくが、前を阻んだガンバ・宮本に突破を阻止される。 |
|
|
|
36分、右サイド自陣やや深くでガンバにFKを与える。
|
|
37分、遠藤がゴール前に入れてきたボールは増川が跳ね返してゆくが、こぼれ球を拾われて、右から遠藤の放り込んできたボールに前に残っていたガンバ・山口にヘディングからのシュートを許し、ゴールを割られてしまう。 |
【得点】
36分 山口(大阪) |
40分、増川が中途半端に出した横パスをフェルナンジーニョに奪われると、大森、増川が寄せたところで中央に詰めたガンバ・二川にシュートを決められ、0-2とされてしまう。
43分、ガンバの左からのCK。ここはフェルナンジーニョが蹴ってくるが、増川がしっかりと頭で弾き出してゆく。 |
【得点】
40分 二川(大阪) |
|
|
44分、相手陣内で玉田が金の当てたパスを落とすと、これを左のスペースへ山口がパスを送ってゆくが、抜け出していた杉本の意図した位置にはボール届かず、相手に渡ってしまう。 |
|
|
|
その後も、名古屋はガンバのボールを奪えず、良い形を作ることなく前半を終えてしまう。予想されたとはいえ、ガンバの早いパス回しに翻弄される形で名古屋は自分達のサッカーを殆どやらせてもらえず試合を折り返すことに。後半は、まずは自分達のリズムを早く掴み、試合の流れを掴んで、1点ずつゴールを積み重ねて、早く同点に追い付きたいところだ。後半の修正を期待しよう。 |
|
〜後半15分 |
ガンバの選手よりも早くピッチへと入ってくる名古屋の選手。これ以上の失点は出来ない中、しっかりと気合いを入れ直し、気持ちを入れ替えて来た。両チーム共にメンバー交代は無し。後半はガンバのキックオフで試合が再開。
1分、右でボールを持った中村が左足からゴール前へ入れてゆくと、本田が上がってきてヘディングシュートを狙うが、ボールはバーを越えてしまう。
3分、右で相手ボールを奪うと、玉田が右足からゴール前へと入れてゆく。スピラールが上がっていたため、これを頭で合わせにゆくが、その前で弾かれてしまう。 |
|
|
|
4分、左から金が鋭いパスを相手DFの裏へと入れると、玉田が抜け出すが、これはパスが足下に入らず、前に出たGKが抑えてしまう。
7分、自陣左深めの位置で金が相手へのスライディングでファウルを取られ、FKを与えるが、ここは相手の早いリスタートにしっかりと対処、ピンチを凌いでゆく。
9分、自陣からの長いボールが相手GKとDFの間へと落ちるところを狙って金が抜け出していったが、エリアを飛び出したGKが先に処理してしまい、チャンスには出来なかった。 |
|
|
|
|
|
11分、相手陣内右やや深い位置でのFKのチャンス。そしてこの場面でオランダでも見せたFKの再現のような綺麗な放物線が掛かったボールを玉田が蹴りこみ、1-2とする。 |
【得点】
55分 玉田(名古屋) |
|
|
12分、右からのガンバのCK。フェルナンジーニョの入れたボールは一旦は、弾き出すが、こぼれ球を拾われると、逆サイドから入ったボールをガンバ・中山がヘディングシュートにくる。しかし、ボールはバーを大きく越えてゆく。
13分、ハーフウェイラインでのセカンドボールを須藤が落ち着いて奪うと、左のスペースへと出してゆく。このボールに反応した杉本だったが、既にオフサイドの位置。
14分、右からのCKのチャンス。中村が入れてゆくが、これはDFが跳ね返してしまう。 |
|
〜後半30分 |
16分、二川からのパスに右から抜け出したフェルナンジーニョに右足からのシュートを決められ、またしても2点差とされてしまう。
18分、自陣左深くでのガンバのFK。遠藤がこの場面でゴール前に緩いボールを入れてくるが、ここはDFが外へとクリアしてゆく。 |
【得点】
61分 フェルナンジーニョ(大阪) |
|
|
19分、自陣からテンポ良くパスを繋ぐと、右に抜け出した杉本が長いパスをダイレクトでゴール前へ。これに詰めていった玉田がトラップから左足に持ち替えようとするが、戻ったDFと前に詰めたGKに阻まれシュートを打ちきれず。 |
|
22分、左からのガンバのCK。遠藤の入れたボールしっかりと跳ね返してゆくが、こぼれ球がガンバに渡るとフェルナンジーニョが後ろからシュートに来るが、これはDFが足に当てて跳ね返してゆく。 |
【交代:65分・大】
二川寺田
【交代:71分・名】
須藤豊田
【交代:72分・大】
フェルナンジーニョ播戸 |
|
|
29分、中央で自陣から蹴り出したボールを受けた豊田が前を向こうとするが、ガンバの厳しいDFに倒され、チャンスに結びつけることが出来ない。 |
|
〜試合終了 |
31分、左サイドを上がってきたガンバ・山口が大森をかわしてゴール前へと入れてくると、中山が飛び込んでくるが、スピラールがしっかりと体を入れてファウルを誘ってゆく。
33分、左に持ち上がってきたガンバ・寺田のゴール前への低いクロスに播戸がヘディングシュートを狙ってくるが、これは左のポストに当たって救われる。 |
|
|
|
35分、右から放り込んだボールを金が頭でゴール前へと流し込むと、豊田の前へと入る。しかし、これをシュートにゆこうとしたところで詰めたDFに抑え込まれ打たせてはもらえず。 |
【交代:82分・名】
本田片山 |
38分、DFの裏へと抜け出した播戸の正面からのシュートをゴールに沈めてくるが、これはオフサイド。 |
|
|
|
40分、右から持ち上がっていかれたボールをゴール正面に入れられると、これに詰めた播戸にシュートを決められ、1-4とされる。名古屋はますます苦しい状況に立たされてしまうことに。 |
【得点】
85分 播戸(大阪)
【交代:85分・名】
杉本津田
【交代:87分・大】
家長前田
|
43分、自陣左中程でのFKの場面。遠藤のボールに合わせた山口にまたしてもヘディングシュートを決められ、これで1-5とされ、ガンバに更に突き放されてしまう。
ロスタイム1、玉田がパスを受けて前を向いたところで倒され、相手陣内右やや深い位置でFKを得る。ここでも玉田が自ら左足で直接狙って蹴っていったが、ボールは右に曲がりすぎてしまい、ポストの右に。 |
【得点】
87分 山口(大阪) |
|
|
ロスタイム2、左から抜け出していった津田がエリアに入ったところで右足からのシュートを狙いにゆくが、これはDFの厳しいプレッシャーに打ちきれず。そして試合は、よもやの5失点という結果でガンバに完敗を喫してしまうことに。立て直しを賭けたキャンプを経て、臨んだここ2試合だったが、思うような結果が出せず、辛い状況はまだ続くことに。選手達にはこの敗戦をしっかりと受け止め、一方で気持ちを次に切り替えて、早く結果を出してほしいところだ。
ご声援ありがとうございました。 |
|