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2006 Jリーグ ディビジョン1:第13節 |
午後6時を回ると、太陽が西に傾き始め、空は綺麗な茜色へと変わり始める。しかし、直前までは厳しい西日を照りつけていた太陽のせいもあって、スタンドはまだまだ蒸し暑い。
15分程経つと、サポーターの前に真っ黒に日焼けした選手達が登場、彼らを待ちわびた大きな声援に応えながら、スタンドへとグッズを放り込んで久し振りのピッチへと軽やかに足を踏み入れて行く。そして、改めて横に並んで、名古屋サポーターの陣取るスタンドに向け大きく手を振り、ウォ−ミングアップを開始する。我らが名古屋グランパスエイトは、リーグ再開の初戦をサンフレッチェ広島をホーム・瑞穂に迎える。約2週間の長い期間のオランダキャンプを経て、間違いなく一回りも二回りも逞しくなって帰ってきた。 |
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7月は、今日の広島戦を含め、2週間で4試合と厳しいスケジュールが続く。再開前の苦しい状態から抜け出すためにも必ず今日は勝利が必要だ。キャンプでは、3−5−2の布陣を徹底的に強化、スピラールが完全復帰を果たし、抜群の安定感を見せだしたことで、DF陣はしっかりと落ち着いた。また中盤は、再開前もそうだったが、山口と金が攻撃的なポジションで水を得ると、欧州の強豪チーム相手に一歩も譲らない好プレイを繰り返した。
今日も外から見ていてもアップ前から2人共に気合いタップリな事がよく分かる。 |
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FW玉田や豊田の活躍に期待が掛かる事は間違いないが、今の名古屋にとってはこの2人の活躍無くしては、勝利は無いと言える程の存在と言っても良いだろう。そして、やはりあのブラジル戦でのファインゴールの興奮を再び、と思うサポーターは多いはず。オールスターから戻って、短い間だったが休養も出来、コンディション的には問題ない、と語っていた玉田には絶対にゴールを、それもファインゴールを見せて貰いたい。 |
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試合前、先日のW杯日本代表の楢崎、玉田、そして広島の駒野選手へ花束が贈られました。 |
また、5月度の月間ランクル賞が発表され、山口選手が受賞しました。 |
〜前半15分 |
午後6時45分、ゆっくりと夕暮れの気配が深くなり始めた頃、選手達は芝生のコンディションを確認し終えると、大きな拍手に包まれながらロッカールームへと向かった。午後6時55分、夏らしく浴衣を着たサポーターとハイタッチをしながら名古屋イレブンが入場すると、スタンドが大きく沸き始める。そして、大きな拍手の中、両チームイレブンはピッチに散らばってゆく。前半は右エンドの広島のキックオフで試合開始。ホームの名古屋は左から右へと攻め上がって行く。
今日の先発は、GK川島、DFは右から大森・スピラール・増川の3バック。MF、右に中村、左が本田、ボランチは吉村、やや前目に山口と金。FWは豊田と玉田の11人。 |
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1分、大森が縦に入れたボールを下がって落とした豊田のところに詰めた玉田がミドルシュートを狙うが、これは枠の右に。広島は前線の佐藤・ウェズレイがDFがボールを持つとプレッシャーを掛けてくるが、落ち着いている。 |
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3分、右の中村が落としたボールを吉村が強烈なミドルシュート。GKの指先を抜けたボールは惜しくもポストに当たって弾かれるが、早速、キャンプで見せていた積極性が現れたシュートだ。
5分、吉村の相手DFの裏へのパスに中央を抜けてきた金がエリア内で倒され、PKに。 |
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【得点】6分、このPKの場面を玉田が落ちついてゴール右に決め、幸先の良い先制点が決まる。
7分、大森が縦に抜ける玉田に合わせてロングボールを出すと、これを落として味方を待つがこのボールは先に奪われる。
8分、広島・ウェズレイが縦パスに抜け出すとエリアの外から強烈なシュートをお見舞いしてくるが、これはバーの上へ抜けて行く。 |
【得点】
6分 玉田(名古屋) |
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10分、ウェズレイに回して裏へ抜け出されると、エリア内で川島が1対1となるが、落ち着いたところからのシュートを決められてしまい、早くも同点とされてしまう。
12分、左からのCKのチャンス。本田の左足からのボールをニアでスピラールが落としたボールが増川に当たってこぼれるが、ボールを先にGKに抑えられてしまう。 |
【得点】
10分 ウェズレイ(広島) |
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14分、スピラールの自陣からの長いボールに右から中村が飛び出して行くが、追い付いたものの足下に落ち着かず、ボールにゴールラインの外に逃げられてしまう。 |
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〜前半30分 |
17分、広島・佐藤がドリブルから抜けてくると、中央に走るウェズレイへとパスを送ってくるが、ここはスピラールがコースに入ってパスをカット。
18分、右の深い位置のボールに追い付いた山口が寄せてきた金にパスを通すと、これを切れ味鋭い切り返しで前を向き、ゴール前へとパスを入れてゆく。しかし、ゴール前には誰も詰められず、逆から詰めた本田は足に当てるのが精一杯。 |
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19分、相手陣内深く左でのスローイン。本田のロングスローのボールが逆サイドにこぼれたところに詰めた中村のミドルシュートは、またしてもバーに当たって弾かれ、ゴールを割ることは出来なかった。
21分、広島の左からのCK。森崎(浩)のゴール前へのボールはスピラールが高い打点で弾き出してゆく。 |
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22分、左でボールをキープしてゆく本田がDFをかわして前を向くと、DFの裏へ狙う玉田に合わせてパスを入れてゆこうとしたが、DFにカットされてしまう。立ち上がりのゴールの奪い合いが響いたのか、この時間帯はお互いがボールをゆっくりと回す時間が目立っている。 |
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25分、相手陣内中程でのこぼれ球に詰めた金がエリアの外から左足を振り抜くと、低い弾道のシュートを狙ってゆく。しかし、ボールは僅かに左に逸れポストの左へ。
27分、右でパスを受けた中村が縦に入れると、豊田がキープして右のスペースへと落とすが、これには反応する選手がいない。 |
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〜前半終了 |
31分、ウェズレイのドリブルからのボールを奪った玉田が前を向いて仕掛けてゆこうとするが、広島・森崎の厳しいファウルに倒されてしまう。
33分、右に開いていった山口からパスを中に流れて受けた中村が左足からミドルシュートを狙ってゆくが、これは抑えが効かず、左に大きく流れてゆく。 |
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34分、左から縦パスに抜け出した豊田がGKと1対1になると、エリア内へと入ったところでシュートを打って行くが、角度がないところだったこともあり、コースを限定され、GKにこれを止められてしまった。
35分、山口の縦パスへDFの裏へ走り込んだ豊田が追いかけるが、ボールに追い付いたものの、足に当てるのが精一杯。
37分、DFの裏へ出してきたボールを拾いに来た佐藤を川島が止めて倒したということでPKを取られてしまう。 |
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38分、このPKをまたしてもウェズレイが川島の動きを誘って、落ち着いたチップシュートを決めて、逆転を許してしまう。 |
【得点】
37分 ウェズレイ(広島) |
39分、左から本田が上がってゆくと、逆サイドに出てきたボールを豊田が左足からのシュートを狙っていったが、ボールは左に外れてしまう。
42分、右サイドに詰めていた玉田にパスが通ると、これを前を向いて持ち込んでゆこうとしたが、DFの厳しい寄せに倒されてしまう。 |
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44分、自陣からスピラールがボールを持ってスルスルと上がって行くと、相手陣内深くで左から抜けてきた金へラストパスを。そしてこれを右足から綺麗に振り抜いたシュートで枠を捕らえ、終了間際の最高の時間帯で同点とし、名古屋は後半戦を良い状態で迎えることに。 |
【得点】
44分 金(名古屋) |
〜後半15分 |
前半の立ち上がりのPKによる先制で、良い流れで試合を進められるかと思われたが、古巣相手に燃えるウェズレイのゴールで逆転を許し、嫌な雰囲気になったところで金の起死回生のゴールで同点に追い付く粘り強さを見せた名古屋。後半はこの流れで試合の主導権をもう一度掴んで、勝利を勝ち取りたい。後半はエンドを右に変えた名古屋のボールで試合再開。両チームメンバー交代は無し。
1分、相手パスをカットした山口が豊田に預けて縦に上がると、豊田からのボールを引き出そうとするが、DFにパスをカットされてしまう。 |
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2分、広島の左からのCK。森崎の左足からのボールを中央で広島・盛田が合わせるが、ボールはバーの上へ大きく飛んでゆく。
4分、左で本田がキープしているところを狙って吉村がオーバーラップを仕掛ける。そのタイミングに合わせパスを出していったが、DFに倒されチャンスは作れず。 |
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9分、左の金からのパスを下がって玉田が受けると、相手DFの多くいる狭いエリアでパスを繋いでDFの間をぬけてゆこうとするが、これは止められてしまう。 |
【交代:51分・広】
李八田 |
11分、CKのこぼれ球をゴール前で拾われシュートを打たれるが、これは川島が止めてゆく。しかし、右に残っていた佐藤にこのボールを拾われ、シュートを決められてしまい、またしても広島に先行を許してしまう。 |
【得点】
56分 佐藤(広島) |
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14分、左でボールを持った本田が右に上がる山口に出して行く。走り込んで前にボールを弾き返そうとしたが、寄せたDFにボールを止められてしまう。 |
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〜後半30分 |
16分、相手陣内左深い位置で豊田が抜け出そうとして倒され、好位置でFKを得る。本田が後ろから走り込んでくる選手に合わせて蹴り入れていったが、前に出たGKにパンチングで弾き出されてしまう。 |
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18分、自陣中程左寄りの位置で広島にFKを与えてしまうが、ここは広島も攻め急がず、横へ流すと広島・駒野がゴール前へ入れてくるが、増川がクリアしてゆく。
20分、右の中村が左足でゴール前へ入れてゆくと、逆サイドの豊田が頭で落としたところに詰めた金がミドルシュートを狙ってゆく。しかし、ボールはポストの左に。 |
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21分、左サイド深い位置で仕掛けていった豊田が倒されFKを得ると、本田がゴール前へ入れていったが、これは逆に抜けてしまう。
23分、縦に入ったパスを豊田が体を張って落とすと、玉田がこれを前を向いて受けようとしたが、詰めていたDFが豪快なクリアでボールを蹴り出してゆく。
26分、左からCKのチャンス。本田の速いボールにスピラールが飛び込んでゆくが、詰めていたDFを押さえたとしてファウルに。 |
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27分、左サイドで駒野を抑え込んで縦に抜けだした本田の入れたゴール前へのパスはDFがカットしてしまう。 |
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30分、広島がカウンターを仕掛けてくると、左から上がる森崎にパスが通る。しかし、左足からの強烈なシュートは右のポストに当たって中へ跳ね返るという運に助けられる。 |
【交代:73分・名】
玉田杉本
吉村藤田 |
〜試合終了 |
31分、中央で藤田のパスを豊田が前に流して杉本へ渡そうとしてゆくが、これはDFがカット。 |
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34分、中央で藤田のパスを受けた中村が左に展開すると、片山が逆サイドの本田へとサイドチェンジを図るが、ボールが右に流れ、タッチを割ってしまう。 |
【交代:77分・名】
豊田片山 |
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35分、片山が左からドリブルを仕掛けると、そのままDFをかわしてエリア内へと侵入を試みるが、体を入れたDFに阻止され、チャンスには出来なかった。
37分、相手陣内右中程で金が倒され、FKを得る。片山が左足でニアを狙って蹴ってゆくが、これはDFに跳ね返される。
39分、左サイドで本田からのパスを受けた片山がゴール前へ速いボールを入れてゆくと、中央で中村が飛び込むが、ボールはその頭上を抜けてしまう。 |
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42分、片山が落としたボールを本田が藤田に渡すと、ゴール前へと放り込んでゆく。しかし、このボールは広島DFに跳ね返されてしまう。
43分、片山の入れたボールが相手エリアの中で落ちると、本田がこれに詰めてシュートを打とうとしたが、DFの寄せにボールをカットされてしまう。(ロスタイム表示:3分)。ここで監督はスピラールを前線に上げてゆく。 |
【交代:86分・広】
ベット中里
【交代:87分・広】
ウェズレイ上野
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ロスタイム1、エリアの外でのこぼれ球を中村が左足でダイレクトでシュートにゆくが、これはGKの正面となり、弾かれてしまう。
ロスタイム2、エリアの外でボールを持って前を向いた中村がミドルシュートを左足から狙っていったが、これはゴールの僅かに右。 |
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ロスタイム3、左からのCKのチャンス。これが最後のプレイと言って良いだろう。しかし、本田の入れていったボールがDFに弾かれ、更に浮き球を狙いに行ったところを相手陣内へと蹴り出されてしまったところで笛が鳴り、名古屋は再開後の初戦を勝ちきれず、痛い星を落としてしまう。最後まで熱い声援ありがとうございました。 |
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