2006Jリーグ ディビジョン1・第8節
 午後2時55分、名古屋のイレブンの面々がピッチへと登場。遠く応援に駆けつけたサポーターに向けて大きく手を振って挨拶を終えると、すぐにピッチ内に於いてウォーミングアップをスタートさせる。
 体調が心配された玉田は顔色も良く、表情も明るい。コンディション問題なさそうだ。彼には大きな期待が寄せられているだけに、今日の試合では2試合を休んだ分を取り戻す活躍を見せて欲しい。また、水曜の、セレッソとの試合で太もも怪我を負い、途中交代を余儀なくされた本田も問題はなさそうだ。京都戦でのアシスト、そして、ナビスコ・セレッソ戦では自らFKを決めるなど、調子は上向きなだけに、彼の出場もチームにとっては嬉しい限りだ。
 ここ新潟は浦和並みに強烈なサポータの後押しがあることで有名なスタジアムの1つ。しかし、ここでの試合を制することは、チームにとって大きな自信に繋がる事は間違いない、とばかりにGK川島は、この時間から気合いがみなぎっている。水曜のセレッソ戦で、怪我から戻った、守護神・楢崎が好セーブを連発したことも大きな刺激となっているはず。しかし、今は彼がチームの守護神。フェルフォーセン監督の頭を悩ませるほどの好セーブを今日も見せて、チームの勝利に大きく貢献して欲しい。
 午後3時15分、新潟サポーターの唱う応援歌を背に、名古屋の選手達はシュートやドリブルで芝生のコンディションをチェックし終えると、次々と消えていった。気合いの入ったアップを続けるGKの2人を残して。
 スタジアムには太陽の光が当たり、バックスタンドは暖かそうな雰囲気だが、ピッチ上には強い風が吹き抜け、ホームのサポータの掲げる旗を大きく揺らしている。予想されていた天候とはいえ、やはり思ったほどは暖かくない。しかし、ピッチでプレイをする選手達にはちょうど良い天候と言えるかもしれない。
〜前半15分
午後3時30分、それまでざわついていたスタンドが、新潟サポーターの応援歌で緊張感を漂わせ始めると、両チームイレブンが審判団を先頭に入場。スタジアムはガラリと雰囲気を変え、大きな歓声で揺れ出す。
左エンドのホーム・新潟に対し、今日は上下真っ白のユニフォームの名古屋は右にエンドを取り、左へと攻め上がる。前半はその名古屋のキックオフで試合開始。先発は、GKは川島、DFは角田・古賀・増川・有村の4バック。中盤は右に中村、左に本田、中は須藤と吉村の2人。FWは藤田と玉田、と言う布陣だ。まずは立ち上がりを落ち着いてプレイしたい。
2分、右から新潟・三田がゴール前に入れてくると、新潟・中原が競りに来るが、ここは増川が頭ひとつ高く、ボールを弾いてゆく。
3分、右でパスを奪った角田が中へと流れ込んでいこうとしたが、新潟・シルビーニョに奪い返されてしまう。
 
 
5分、中央をドリブルで上がっていったシルビーニョが左に上がる新潟・田中にパスを通すと、エリアの外からシュートを狙ってくるが、このボールは川島の正面。
6分、中央でボールを持った藤田が縦のスペースへパスを出すが、前にいた玉田は外に流れてしまい、気持ちが通じず。
7分、ロングボールを本田が競り合いに勝って前を向くと、エリア内へ侵入、シュートは打たせてもらえなかったが、右から詰めた玉田が左足で強引にシュートを狙ってゆく。しかし、このボールはDFに当たり弾かれてしまう。
9分、自陣右入った位置での新潟のFK。新潟・鈴木のゴールに向かうボールは一旦は外へと弾くが、こぼれ球に入った寺川がダイレクトで合わせてくる。しかし、ボールは大きく浮いて、反対に抜けていった。
 
 
11分、右に抜けてきた鈴木のゴール前へのボールに矢野が合わせに来るが、ここはDFが体をしっかりと寄せ、前を向かせることはなかった。ここまで飛ばしてきた新潟の攻撃はここへ来て落ち着き、名古屋もボールを触る時間が増え始める。
13分、右で中村の落としたボールを須藤が縦に大きく蹴り出してゆくが、これには玉田が反応出来ず。
14分、中村のサイドを大きく変えたボールが左の本田に通ると、これを中へと入れようとしたがクリアされ、CKに。
 
〜前半30分
15分、左からのCKのチャンス。本田のボールを角田が頭で合わせて枠を捕らえるが、ボールはクロスバーに跳ね返され決めることは出来なかった。
16分、右からのゴール前へのクロスボールに、田中、矢野と飛び込んでくるが、ボールはその頭上を抜け、川島が抑える。
 
 
18分、川島の蹴り出したボールを古賀がゴール前で跳ね返したところに矢野が詰めてゴールに背を向けながら枠を狙ってシュートをしてくるが、これはバーを越えてゆき、名古屋サポーターをホッとさせる。
20分、中央でルーズになっていたボールを中村が拾って外へはたくと、これを縦に来た本田が足を伸ばして、左タッチ沿いへと送るが、左に待っていた玉田は追いつくことが出来ず。
21分、左サイドで本田が縦のスペースへ出したボールに有村がオーバーラップを図るが、相手DFに体を入れられ邪魔をされて、触れることは出来なかった。
 
 
22分、相手陣内中程、中央でボールを持った本田が縦に出したスルーパスに玉田が走り込むが、僅かに前に出てきた相手GKが先に抑えてしまう。
25分、上がっていた新潟・海本がゴール前へと送り込んできたボールは前に詰めていた選手の頭上を抜け、そのままゴールラインを割る。
 
27分、ゴール前へ入ってきたボールが大きく弾んだところをDFが処理をもたつくところに走り込んできた鈴木に右足でシュートを決められてしまい、新潟に先に先制点を奪われてしまう。
29分、ゴール前でのDFの裏へのボールを新潟の選手がかさに掛かって押し込もうとしてくるが、何とかクロスバーの上へボールを弾き出してゆき、追加点は与えず。
【得点】
27分 鈴木(新潟)
〜前半終了
32分、相手FKのボールを自陣で受けた須藤が大きく縦に蹴りだしてゆくが、DFラインの位置にいた玉田には大きすぎてしまう。
34分、右で有村のパスが小さいところを、新潟・三田に奪い取られると、そのままゴール前へと運ばれるが、川島が落ち着いてボールに詰め、飛び込んで選手が合わせる前にボールを抑えてゆく。
 
 
35分、中央でボールを持った玉田が左のスペースへ出すと、これを本田がゴール前へ放り込んでゆくが、右から詰めた中村には届かず。
38分、相手陣内中程左の位置で玉田が倒され、FKのチャンスを得る。
39分、このFKの場面を遠いサイドから古賀、更に奥から増川と飛び込んでいったが、2人の間をボールが抜けてしまい、残念ながら同点にするチャンスを決めることがは出来なかった。
 
 
41分、増川のバックパスのボールを田中に奪われると、これが川島と1対1に。しかし、田中のシュートは川島が右足で跳ね返す好セーブでゴールを守り、追加点は許さなかった。
43分、新潟の縦に入ったボールがDFの裏へとこぼれると、これを矢野が追いかけて拾いゴールに向かってくる。しかし、ここは増川がしっかりとマークについてゆき、エリア内で相手のミスを誘ってピンチを逃れる。
 
 
ロスタイム1、約1分と短いロスタイムを経て、前半が終了するが、名古屋の落ち着きのないプレイに思わず名古屋サポーターからは不満の声が上がる。後半に向けて、気持ちを切り替え、早く攻撃の糸口を見つけ、同点に繋げていきたい。  
〜後半15分
エンド入れ替わり、後半は右エンドの、ホーム・新潟のキックオフで試合が再開。
1分、須藤から右に出たボールを拾った中村がそのまま持ち上がると、ゴール前へと速いクロスを入れてゆくが、詰めていた玉田には収まらなかった。
3分、相手陣内深く右にこぼれ出たボールを角田が拾いに走るが、足に触れるのが精一杯で、ボールはゴールラインを割ってしまう。
【交代:45分・名】
増川深津
 
5分、左のスペースへ出たボールを拾ったシルビーニョがこれを持ち上がろうとするが、体勢を崩したところをマークに付いていた古賀がボールを奪い去る。
7分、自陣からの古賀のロングボールにゴール前に飛び込んだ本田がトラップしたボールをシュートを狙うが、DFに体を寄せられて体勢を崩し、シュートはポストの右に流れてしまう。
 
 
8分、相手陣内中程で吉村が縦に入れたボールを横に流れながら藤田が受けて、前を向こうとするが厳しいDFのディフェンスに倒され、ボールを奪われてしまう。
11分、右のタッチ際でパスを受けた玉田が前を向こうとするが、これに詰めてきた中村と重なってしまい、ボールはこぼれて相手のものに。
13分、左からのCKのチャンス。本田のボールはニアの選手が頭でカットしてしまう。
 
〜後半30分
 
 
 
15分、相手DFのクリアが小さくなったところを本田がボールを奪うと、左から強烈なシュートを相手ネットに突き刺し、2試合連続となる見事な同点ゴールを決める。
17分、自陣左でフリーでボールを持った有村が縦に長いボールをDFの裏へと入れてゆくが、走り出した中村には届かなかった。
20分、自陣右に入った位置での新潟のFKは、鈴木の入れたボールをしっかりと跳ね返してゆく。
21分、相手陣内右中程でのFKのチャンス。中村のボールを上がっていた吉村が合わせに行くが、ボールは弾かれて反対に。詰めていた深津がこれを合わせようとしたが、コントロール出来ず、バーを越えてしまう。
23分、自陣右中程での新潟のFK。鈴木のゴール前へのボールは相手選手の頭に触れるものの力は無く、川島が正面で抑えてゆく。
【得点】
60分 本田(名古屋)
 
24分、先ほどと似たような位置での新潟のFK。今度は鈴木が壁の足下を抜ける意表を突いたボールで狙ってくるが、川島は焦ることなくこのボールを正面でキャッチしてゆく。
26分、川島のフィードを杉本が落とすと、藤田が拾って右に展開。これをドリブルで中村が持ち上がって、相手GKとDFの間を狙ってグラウンダーのボールを入れてゆこうとしたが、GKの守備範囲に。
29分、自陣左深い位置で新潟・田中を倒してしまい、危険な位置でセットプレーのチャンスを与えてしまう。
【交代:68分・名】
玉田杉本
  【交代:74分・新】
田中ファビーニョ
〜試合終了
30分、シルビーニョの早いFKにゴール正面で代わったばかりのファビーニョが飛び込んでくるが、ここは川島がガッチリとボールを抑える。
31分、左サイドで縦に入ったボールを杉本が拾いにゆこうとするが相手DFの執拗なプレッシャーを相手にしているうちにファウルを取られてしまう。
33分、自陣からの長いDFの裏へのボールに杉本が走り込んでゆくが、ここは相手DFも体をしっかりと入れて、ボールを触らせてくれなかった。
 
 
34分、相手陣内で相手ボールを奪った藤田がスペースに出すと、これを中央で受けた中村が左に展開、有村を経由して本田が受けると、ダイレクトでゴール前へと入れてゆくが、ボールは大きく流れてしまい、ゴールラインを割ってしまう。
36分、右で矢野が深津をかわしてエリア内へと侵入を試みるが、ここは落ち着いて体を入れ、ボールをクリアしてゆく。
 
38分、右からの新潟のCK。鈴木のボールは一旦はクリアするが、こぼれ球を拾った鈴木に左から鈴木が入れたボールに残っていた海本にヘディングシュートを決められてしまい、最後の最後に来て、新潟に突き放されてしまう。
40分、新潟の右からのCK。古賀をFWに入れて、山口は右サイドに入り、中村がトップ下となって、3−5−2にシステムを変更する。鈴木のCKのボールは何とか跳ね返すと、こぼれを合わせたボールはゴールラインを割ってゆく。
【得点】
83分 海本(新潟)
 
43分、右でスローインのボールを拾った杉本が中へ入れると、中村がダイレクトで縦のスペースへ送るが、ボールは長すぎてしまう。(ロスタイム表示:2分)ロスタイム1、左に展開したボールを本田が中へと入れてゆくが、スペースへのボールに杉本が追いつけず、新潟DFがカットしてしまう。何とか同点に追いつこうとパワープレイを仕掛けるが、なかなかゴール前で待っている古賀にボールが集まらない。 【交代:85分・名】
藤田山口
ロスタイム3、自陣左深くで新潟・中原がキープして時間を稼ぎ、ボールがラインを割ったところで主審の右手が上がり、新潟の勝利が告げられる。名古屋は後半の本田のゴールで同点にして、試合の流れを掴んだものの、ホームサポーターの声援と言う、力をを受けた新潟の前に、逆転ゴールを許すという悔しい結果に終わってしまう。最後まで熱い声援をありがとうございました。 【交代:89分・新】
矢野藤井