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Jリーグ ディビジョン1・第23節 |
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6時を回った頃から見る見るうちに暗さを増した空の下、試合前のウォーミングアップに選手が現れると、大きな拍手と声援が沸き起こる。スタンドにマスコットボールを放り込んで、サポータの声援に応えると、選手達はピッチへ入り、ゆっくりとしたペースで体をほぐし始める。午後5時頃には黒い雲が北の方に控え、雨が心配されたが、この分なら大丈夫だろう。
前節は、ルイゾンの来日初ゴール、そして、決勝点となる追加点で残り数分のところまで横浜Fマリノスを追いつめながらも、古賀への不可解なイエローでPKを与えてしまい、最後の最後のところで、同点とされ悔し涙をのんだ選手達。今日はその悔しさを吹き飛ばそうと、アップ中から全員気合い充分だ。 |
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4ヶ月ぶりの先発となった秋田からはオーラが上るほどの気迫がピッチの中から伝わってくる。秋田には、これまでの長い経験を生かし、“闘将”らしさを見せて貰い、楢崎と共に選手を後ろから鼓舞して欲しい。そして、彼の迫力に呼応するように、他の選手達の表情には気合いが込められてゆくのが見て取れる。それは慣れない外国でのプレイで苦しんでいるルイゾンも同じようで、今週の練習でも表情が変わり始めていた。様々な問題を抱えてはいるだろうが、今日のピッチの中だけは、ゴールハンターとしての役割を発揮して貰い、チームを勝利に導くプレイを見せて貰いたい。 |
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午後6時40分、ストレッチや2人1組でボールを蹴り合いながら体を仕上げてきた選手達は、狭いエリアの中でボール回しを行いながら最後の調整に入る。そして総仕上げとして、思い思いにボールを扱いながら芝生のコンディションを確かめてゆく。特に杉本は何度もエリアの中へ走り込んでボールを受けながらのシュートを入念に行う。ルイゾンに注目が集まりがちだが、杉本の頑張り無くしては、決して良い結果は生まれない。彼のスピード、そして、藤田の司令塔としての活躍が今日の試合の大きな鍵となることは間違いないだろう。 |
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〜前半15分 |
眩しい水銀灯の光が、瑞穂の芝生の緑をより一層、鮮やかに際だたせている中へ、両チームイレブンが足を踏み入れると、スタジアムの声援は一気に高まってゆく。
右エンドの柏に対し、左にエンドを取った名古屋。先発メンバーは、GK楢崎、DFは中央に秋田がリベロとして入り、右に角田、左に増川の3バック。中盤は、右から山口・安・クライトン・中谷、ひとつ前に藤田。FWはルイゾンと杉本のコンビだ。前半は、そのホーム・名古屋のキックオフで試合開始。 |
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1分、左サイドで細かくパスを回して、抜けてこようとしたがクライトンがパスをカットしてゆく。
2分、自陣中程でボールを拾った柏・クレーベルが距離のあるところだったがシュートを打ってくる。しかし、ボールはポストの右に流れてゆく。
4分、相手陣内右中程でのFKのチャンス。藤田のボールは中央に飛び込んだ増川がスルーしたところを遠いサイドであわせようとするが、柏のDFにカットされてしまう。
5分、左に一気に上がっていった中谷からのゴール前へのクロスにファーサイドからルイゾンが入ってくるが、このボールはその前でDFがカットしてしまう。 |
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7分、左からボールを持ち込んだ中谷が右足で中へと押し流すと、これを藤田が強引に入っていって押し込もうとしたが、倒れ込んだ柏のGK南に阻まれてしまい、ゴールは奪えなかった。 |
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9分、右の山口からのボールをゴール前で背を向けて受けたルイゾンがヒールで中へ流し込むと、杉本がこれを左へ。そして、このボールに走り込んだルイゾンがDFを交わして、右足からのシュートを相手ゴールに叩き込み、2試合連続試合連続となる鮮やかなゴールを決める。 |
【得点】
9分 ルイゾン(名古屋) |
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11分、ゴール前で待ち受ける柏・レイナウドに縦にパスが入るが、ここは秋田がガッチリと抑えボールを奪って行く。
12分、左からのCKのチャンス。藤田の長いボールに右から角田が入ってゆくが、DFが先にカット右からのCKに変わる。
13分、右からのCKのチャンス。
2本立て続けに柏のクリアで3本目のCKに。ニアへと蹴ったボールはDFが縦に弾き、結局このチャンスには追加点は奪うことが出来なかった。
14分、右からドリブルで抜け出そうとした杉本だったが、相手DFのファウルに止められチャンスを潰されてしまう。
15分、中央でボールを持って上がっていったクライトンが中谷に預けて、エリアの中へと入って行くが、寄せてきたDFへのファウルを取られてしまう。 |
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〜前半30分 |
16分、中央の柏・玉田からのスペースへのボールを左から持ち上がった柏・矢野のゴール前を狙ったクロスは楢崎が正面で抑える。
18分、自陣中央ゴール正面の位置でボールを持って前を向こうとしたレイナウドには、戻ってきた藤田が後ろから行ってしっかりとボールを奪う。
19分、右からパスを受けて中へと入ってきた柏・小林のドリブルは、安がしっかりと寄せていってボールを奪う。 |
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21分、右の深い位置でボールをキープしていた杉本が後ろから倒され、好位置でのFKを得る。藤田がゴール前へと曲がるボールを蹴ってゆくが、相手GKが飛び出してキャッチしてしまう。
22分、自陣からドリブルで上がっていった杉本がDFを交わしてエリアの外からシュートにゆくが、相手GKが体をひねってボールを弾き、惜しくも決めることは出来なかった。
24分、右で山口のDFの裏を狙ったボールにルイゾンが抜けようとしたが、コースをDFに阻まれボールには触れられず。 |
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25分、相手陣内中程やや右寄りの位置でのFK。今度はルイゾンが自らこれを蹴りにゆくと、相手GKが判断を誤るが、枠を捕らえる前にパンチングで弾いてしまう。
27分、クライトンの縦パスに抜け出した杉本がDFを交わして素早くクロスを入れてゆこうとしたが、体勢に無理があったのか、ボールは大きく反対に抜けてしまう。 |
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28分、右サイドで中谷の裏を狙ったボールを入れて柏・玉田を使おうとしてくるが、ここはしっかりとボールをキープ、チャンスを作らせなかった。
29分、柏陣内からドリブルで一気に上がってきた土屋を止めきれず、最後、エリアのすぐ近くまで来たところで秋田がファウルで辛うじて止める。 |
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〜前半終了 |
31分、ゴールほぼ正面のこのFKを柏・クレーベルがクロスバーギリギリを狙って蹴ってくるが、楢崎がしっかりとこれに反応、外へと弾き出してゆく。
32分、右からの柏のCK。玉田の左足のボールは楢崎がパンチングで弾き返してゆき、こぼれたところを山口が大きく縦に出してゆく。 |
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33分、左のスペースへと大きく出してきたボールに、柏・矢野が上がって来るが、山口が体をしっかりと入れ、ボールは渡さなかった。
34分、自陣で相手ボールをカットした安からの縦のボールがフリーでいたルイゾンの下へ。しかし、ルイゾンがこのボールの目測を誤り、タッチの外へ逃してしまう。 |
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36分、右のスペースへルイゾンの出したボールに杉本が追いつくと、相手エリア内へとドリブルで仕掛けながら、2回3回と切り返して相手DFを翻弄、最後右足からのシュートを豪快に決め、2−0と柏を突き放す。 |
【得点】
36分 杉本(名古屋) |
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38分、自陣からの安の長いボールに杉本が走り込むと、スタンドからの大声援が沸き起こるが、ボールに触る前に飛び出した相手GKが奪ってしまう。
39分、右からドリブルで上がっていった山口がクライトンに預けると、中へと流れながらパスを受け、相手DFの足下を抜く縦パスを狙って杉本を使おうとするが、これはボールを読まれ、パスが通る前にカットされてしまう。
42分、中央の藤田からの左サイドDFの裏へのボールを受けた中谷がギリギリでマイナスに入れると、これを受けたクライトンがシュートに。しかし、慌てたのかポストの右に外してしまう。 |
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44分、クライトンからのスペースへのボールを拾った杉本がすかさずゴール前へ入れてゆくが、ボールは詰めていたルイゾンの僅かに上へ抜けてしまう。
ロスタイム1、中央でドリブルで突破を藤田が図るが、相手の厳しいファウルに阻まれてしまう。そして、前半は名古屋が2−0としっかりとリードして終了する。ここまでは完全に名古屋が試合のペースを握り、全く問題なく進んでいるといえるだろう。後半も守りに入ることなく、更に追加点を奪いに出て、柏に攻撃のチャンスを与えないほどの勢いを続けて欲しい。 |
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〜後半15分 |
前半早くのルイゾンのゴールでチームに漂っていた暗雲が吹き払われたのか、試合の主導権を完全に握って、2−0と完璧な試合運びで試合を折り返すことができた。柏としては後半は開始から激しく来るはず。しっかりと集中して試合に入りたいところ。
エンド入れ替わって、左から攻め上がる柏のキックオフで後半が始まる。 |
【交代:45分・柏】
矢野谷澤 |
1分、左で秋田からのボールをもらって藤田が前に上がろうとするが、前を向いたところで倒されてしまう。
2分、相手陣内左中程でのFKのチャンス。ここでもルイゾンが自らボールに進み出ると、直接狙って蹴ってゆくが、ボールは大きくクロスバーの上へ抜けてしまった。
3分、相手陣内右深い位置でボールを拾った杉本が、DFの間に抜けようとするが、これは阻まれてしまう。 |
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4分、右からのCKのチャンス。藤田の入れたボールはファーサイドに流れるが、これを角田が拾って再度ゴール前へ。しかし、今度はDFが弾いてしまい追加点は奪えず。
5分、左からのCKのチャンス。藤田のゴールを直接狙い気味のボールは、パンチングで弾かれてしまった。
7分、クライトンの縦のスペースのボールに抜け出したルイゾンだったが、DFの厳しい寄せにシュートにはゆけず。しかし、右からのCKに。藤田の精度のあるボールがゴール前へはいるとルイゾンが飛び込んでいったが、ボールは体を寄せたDFが頭で先にカットしてしまう。
8分、左からのCKのチャンス。藤田の蹴ったボールはファーサイドの角田の横を抜けてゴールラインを割ってしまう。 |
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10分、左で藤田からの縦パスにクライトンが抜け出すが、これは旗が上がってしまった。
12分、柏・薩川がドリブルで上がって行こうとしたところを杉本がちょっかいをかけにゆくが、これは激しすぎたのか相手を倒してしまった。
13分、右からのCKのチャンス。藤田の入れたボールに中央で安・増川があわせにゆくが、ボールは反対サイドに流れてしまう。
15分、柏・クレーベルが右の遠い位置から豪快なミドルシュートを打ってくるが、楢崎がこれにしっかりと反応、右手に当てたボールはポストに当たり、中へと跳ね返ってゆく。 |
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〜後半30分 |
17分、自陣からの楢崎のフィードのボールをルイゾンがDFと競り合いながらスペースへと落とすと、これに杉本が反応、裏へと飛び出してゆくが、その前にオフサイドとなってしまった。
18分、右サイドへ大きくクライトンが出したボールを山口が拾って早めに入れてゆくと、これを受けた藤田がトラップしてエリア内へと入ったところで倒され、PKを得る。 |
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19分、このPKをルイゾンが豪快に叩き込んで決め、3−0に。今日もまた1試合2ゴールという派手な演出を見せてくれたルイゾン。本物の真価が発揮され始めたようだ。 |
【得点】
63分 ルイゾン(名古屋) |
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21分、レイナウドのパスを受けた明神が外からシュート気味のボールを中へと入れてこようとしたが、DF陣はこれをきっちりと跳ね返してゆく。 |
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24分、柏・クレーベルがボールを持って中を狙おうとしたが、右サイドにポジションを代えていた山口が、厳しいプレッシャーをかけて前を向かせることはなかった。
25分、藤田の縦パスを前で受けたクライトンが落としたボールを中谷が受けてDFの間を抜けて中へと入ってゆこうとするが、これはトラップしたボールを奪われてしまう。 |
【交代:67分・柏】
小林平山 |
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28分、左で中谷が入れたボールを藤田がDFの裏へと出して杉本を走らせるが、これは間に合わず。
29分、自陣から大きく出たボールを杉本が拾うと、そのまま勝負に行き、最後エリアの外から右足で打ったシュートは右のポストに当たって跳ね返されてしまった。 |
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【交代:74分・名】
中谷本田 |
〜試合終了 |
この時間帯で3−0でリードという展開もあり、ゆっくりとボールを回して時間をかける名古屋。
32分、左から上がってきた柏・平山のクロスに中央でレイナウドが飛び込んでくるが、楢崎がしっかりとこれを弾き返してゆく。さらにこぼれたところに詰めた玉田がシュートに来るが、今度は安が体を張ってこのボールを止める。
34分、本田のエリア内へのスローインのボールを杉本が奪いにゆくが、これは相手DFに阻まれシュートまで持ってゆくことが出来なかった。
35分、自陣からの長いボールにルイゾンが追いかけて行くが、これはDFが先にボールの下へ入り、GKに戻してしまう。 |
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37分、自陣左深い位置での柏のFK。柏・平山の入れたボールをゴール前のクレーベルが頭であわせてくるが、ボールはポストに右に流れてゆく。
39分、柏・玉田が右の深い位置でキープしようとするが、本田がしっかりとこれに体を寄せてゆき、シュートは打たせなかった。
42分、楢崎からのロングボールを豊田が頭で縦に送ると、これに中村が寄せるが、その前でDFカット。 |
【交代:81分・名】
杉本豊田
【交代:82分・名】
ルイゾン中村 |
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43分、左で本田からの縦パスを受けた豊田がそのまま前を向いてシュートに。これが相手DFに当たってコースが変わり、見事相手の枠を捕らえ、柏の息の根を止めるにふさわしい4点目が決まる。 |
【得点】
88分 豊田(名古屋) |
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ロスタイム1、左からのCKのチャンス。本田の低いボールはDFがカットしてしまう。
ロスタイム2、相手陣内でこぼれ球をフリーで拾った増川がエリアの外だったが、右足でシュートにゆく。しかし、ボールはポスト左に流れてしまった。
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ロスタイム3、相手陣内中央でボールを受けた本田が、すぐにDFの裏へと出すと中村がこれに飛び出すが、惜しくもボールに先に触れたのは相手GK。そして、試合は名古屋が完全に支配したまま終了。柏に何もさせることなく、力の差を見せつける形で完璧な試合運びを見せて終了を迎えることができた。今日のような試合内容を見せれば今後も心配ないはず。これからもこれを続けて見せて欲しい。最後まで熱い声援ありがとうございました。 |
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