Jリーグ ディビジョン1・第21節
協力:
 午後6時35分、太陽は西の空の下へ消え、すっかり暗さを増した空の下、両チームの選手達がウォーミングアップをピッチ上で行っている。名古屋の選手達はホームでの試合と言うこともあり、気合い充分なのが見て取れる。GK楢崎はいつも表情を変えず練習を行っているが、今日は前節の失策を取り戻そうと言うこともあって、他の選手達以上に試合前から気迫溢れる雰囲気を見せながら練習を行っている。彼には今日の試合で、浦和の強烈な攻撃をしっかりと阻止して、名古屋の勝利に貢献してほしい。
 そして、もう1人気合い充分なのが、誰あろうルイゾンだ。期待されて移籍加入しながら、ここまで無得点と結果を出すことが出来ないでいることへの苛立ちなのか、その雰囲気は、外で見ていても神経質なほどだ。中断期の練習試合では、一番良いコンビネーションみせていた杉本が今日はFWの相手なだけに、来日初ゴールが今日は見せてもらえそうだ。
 午後6時45分、久し振りに超満員にふくれあがったホーム・瑞穂陸上競技場のスタジアムのサポーターから熱い声援を背に受けながら、1人また1人と選手達がロッカーへと消えて行く。
 1番最後には楢崎がゆっくりとした足取りでピッチを離れたのが印象的だった。
キックオフ前、7月の月間ランクル賞が発表され、3ゴールをあげた中村選手が受賞しました。
また、ホーム初出場となった新加入・ルイゾン選手に、花束が渡されました。
〜前半15分
試合前の両チームのメンバー紹介から激しいブーイングが乱れ飛ぶ瑞穂陸上。今日の試合が激しくなることを予感させてくれる。浦和のサポーターの声援で選手入場のBGMすら聞こえないほどのボルテージだ。
右にエンドを取った浦和に対し、右から攻め上がるホーム名古屋のキックオフで試合開始。
GKは楢崎、DF右から井川・古賀・増川・中谷、中盤は右に中村、左に藤田、ボランチは安とクライトン。FWは杉本とルイゾンの11人で今日は戦う。
 
 
 
1分、DFの裏へのボールに左へ抜け出した杉本がクロスを上げていこうとしたが、これはゴールラインを割ってしまう。
2分、中村から右に上がる安の前にパスが出ると、これを杉本に預け安が更に縦に上がって行こうとしたが、ボールは相手DFがカットしてしまう。
4分、左サイドを浦和・長谷部がスピードに乗ったドリブルで上がってくるが、中村がしっかりとついてゆき、これを阻止する。序盤から両チームとも激しく来ている。
5分、右でパスを受けた浦和・ポンテがゴール前に上げてきたボールは増川がしっかりと先に入り頭で跳ね返してゆく。
7分、相手陣内でのFKのボールが浮いたところを拾った相手DFに、杉本とルイゾンと突っかけにゆくが、これはボールをタッチの外へ出されてしまう。
8分、右サイドタッチライン沿いで中村の縦パスに井川が上がって行くが、浦和のDFの厳しい寄せに倒されてしまう。
 
 
9分、自陣ペナルティの外でボールを持った浦和・マリッチがミドルシュートを放ってくるが、これは大きくクロスバーの上へ抜けてゆく。
10分、右サイドでスローインのボールを受けた井川が早めに入れると、ニアの杉本がヘディングで中へすらしてゴールを狙うが、ボールは惜しくもクロスバーの上へ。
12分、井川からのDFの裏へのボールに抜け出した中村がチャンスになりかけるが、浦和のDFの厳しいマークに倒されてしまう。
14分、右で井川が杉本とのワンツーで抜け出して行くが、最後のところでボールをDFに奪われ、チャンスを生かし切れなかった。ここまでは名古屋がボールをしっかりと持って、試合の主導権を握っている良い展開が続いている。
 
〜前半30分
16分、右からの浦和のCK。ポンテの右足からのボールをエリアの外で捕らえたトゥーリオのボレーが枠を捕らえると、楢崎が一旦は弾いてクロスバーに当たるものの、中にこぼれたボールがそのままラインを割ってしまい、浦和の先制点となってしまう。良い流れで来ていただけにここは早く切り替えたいところだ。 【得点】
16分 闘莉王(浦和)
 
18分、杉本が相手陣内でボールを持つと、右に上がってた井川に渡す。これをすかさず中へと入れるが、DFに弾かれてしまう。しかし、こぼれ球に右から詰めた中村が左足でシュートにゆくが、枠を大きく外してしまう。
19分、右に抜け出した井川からのグラウンダーのクロスは中央で藤田・ルイゾンと飛び込むがあわせることが出来なかった。
 
 
20分、相手陣内で細かくパスを繋ぐと、最後、ゴール前に入った早いクロスに右から中村が入って中へと折り返すが、中央では誰もあわせられず、反対に抜けてしまい、これをひろったクライトンが再度持ち替えて入って行こうとしたところでDFを倒してしまいファウルで相手のボールに。
21分、左でボールを持った浦和・ポンテが安を交わして左足でシュートを狙ってくるがポストの左に外れる。
23分、相手陣内右寄り中程でのFKのチャンス。中村のボールに中央でルイゾンが頭でシュートを狙うが、これはクロスバーの上へ。
 
 
24分、右に抜け出した浦和・永井のクロスに中央でポンテが飛び込むが、ヘディングのボールは左に流れる。
26分、DFの裏へのボールを拾った永井が中へ入れてくるが、戻った古賀がしっかりとクリアしてゆく。
28分、自陣からの井川の長い縦パスに杉本が坪井と競り合いながら抜け出してゆこうとするが、ファウルを取られてしまう。
 
30分、ポンテからのクロスをファーサイドで詰めていたマリッチにヘディング決められてしまい、2点目を浦和に奪われてしまう。 【得点】
30分 マリッチ(浦和)
〜前半終了
31分、藤田のDFの裏への頭で落としたボールに杉本が走って行くが、これはDFがクリアしてしまう。
33分、相手陣内へボールを回しながら押し上げて行くが、最後、右サイドで中へと出しどころを捜しているところでクライトンがボール奪われ、チャンスを潰してしまう。
35分、クライトンの右スペースへ狙ったパスは井川の上がりを待つ前にDFにカットされてしまう。
 
 
38分、左で浦和・平川からの縦パスをマリッチが受けて、体を入れ替えて抜けてこようとするが、増川がしっかりと入ってボールをクリアしてゆく。
39分、中央で藤田からのパスを受けた安が縦に抜け出す藤田にあわせてスルーパスを入れてゆこうとしたが、DFにこれを読まれ、ボールをカットされてしまう。
40分、中村からの縦パスに抜け出した井川がグラウンダーを入れてゆくと、コースに入った浦和DFの間をボールが抜けるが、誰も詰め切れず。
 
 
42分、DFの間に出たボールに抜け出そうとした浦和・マリッチをエリア内で古賀と井川が両側から挟み込んだところで倒してしまい、なんとPKを与えてしまう。
43分、そしてこのPKをマリッチ自ら蹴りにくると、左に狙ったボールを横っ飛びで楢崎が弾き出し、奇跡的なセービングでこの決定的な場面を救う。
 
 
ロスタイム1、クライトンからの右のスペースへのボールに井川が入って行くが、トラップが流れたところをDFにボールをカットされてしまう。そして、前半は2−0のまま終了。序盤から名古屋が押し気味に試合を進めていたものの、浦和の堅い守りに苦しめられているうちに闘莉王に決められてから浦和ペースに。しかし、楢崎のPK阻止もあって、名古屋が流れを引き戻し前半を終えることが出来た。後半はこの勢いを生かして早い時間帯に得点を挙げて、試合の主導権をしっかりと掴み、同点そして、逆転と狙っていきたいところだ。  
〜後半15分
エンド入れ替わって、右から攻め上がる名古屋に対し、左エンドの浦和のキックオフで後半戦が開始する。
ここでついにメンバーを入れ替えたネルシーニョ監督は、3バックしシステムを変更してくる。DFラインは、古賀・秋田・増川の3人。中盤は安をワンボランチにして、井川・中村・本田・中谷の5人。FWはルイゾンと杉本という布陣だ。
【交代:45分・名】
クライトン秋田
藤田本田
2分、左に開いた杉本にルイゾンからパスが出ると、これを寄せたDFを交わし、中へと入れてゆこうとしたが、相手DFの足に弾かれ奪われてしまう。
3分、右に開いた井川に中村からパスが出ると、これをゴール前へと入れて行くが、ボールは飛び出したGKがキャッチしてしまう。
 
 
4分、右からのCKのチャンス。中村からのボールは相手GKがパンチングで跳ね返してしまう。
5分、右に出たボールを浦和・山田が中へと入れると、中央で待っていた永井がシュートに来るが、これはポストの左。
6分、左からゴール前へと入ったボールに杉本が走り込んで行くが、僅かに伸ばした足にはボールが届かなかった。
7分、相手陣内でこぼれ球を拾った本田が入れたボールは右に流れるが、これを安が拾って更に井川に出して行く。最後ゴール前へと入れようとしたボールはニアのDFにカットされてしまい、チャンスに決めることが出来なかった。
 
 
9分、中央でボールを受けた安がDFの裏へと出すと、これを杉本が頭で流し込もうとするが、これはオフサイドに。
12分、ルイゾンの頭で折り返したボールに本田が2列目から飛び込んでダイレクトシュートは相手GKに弾かれ決めることが出来なかった。
14分、浦和のカウンターから左にフリーの永井が井川を交わしてシュートを放ってくる。楢崎の指先を抜けて決められたかと思われたボールは、右のポストに助けられ、中へと弾かれる。
 
〜後半30分
17分、増川からのパスを受けた中谷の折返しを中央のルイゾンがあわせにゆくが、DFがこれはカットしてしまう。しかし、こぼれ球を中村が拾ってシュートにゆこうとしたが、浦和のDFに厳しくマークをされ、倒されてシュートまで持ってゆけなかった。  
 
18分、中谷からの縦への早いボールを相手DFと競り合いながら、更に抜け出してゆこうとしたが、ボールがゴールラインを割ってしまう。
20分、自陣からの増川の長いゴール前へのボールに井川が飛び込むが、その前で相手GKがボールを押さえてしまう。
21分、安が当てたボールをルイゾンが落とすと、これを本田が裏へと放り込んで抜け出したルイゾンにあわせてゆくが、ボールは相手GKの下へ渡ってしまう。
23分、左サイドで中村が中谷とのパスで抜けて行こうとしたが、ここは相手DFの厳しい当たりにあい、倒されてしまう。
 
 
24分、右のスペースに出たボールを拾った浦和・ポンテのヒールパスに詰めた鈴木がシュートに来るが、ボールはクロスバーの上へ。
25分、右サイド深い位置でボールを持った中村が安に入れると、これを浮かせて井川に繋ぎ、井川が浮き球をシュートにゆこうとするが、ゴールラインを割ってしまう。
26分、相手陣内左中程でのFKのチャンス。中村がこれを蹴ってゆくが、相手DFにカットされてしまう。
 
 
28分、中央の中村から安へパスが通ると、これを更にDFの間に入れて井川を走り込ませる。最後井川がこれをゴール前へマイナスに折り返していったが、中央で詰めた選手は誰もあわせることが出来なかった。 【交代:73分・名】
ルイゾン中山
【交代:75分・浦】
永井内舘
〜試合終了
31分、右サイドで競り合いながらも抜け出した井川が、最後ゴール前へと入れてゆくが、中央で中山が飛び込むが、相手GKが先に延ばした手でキャッチしてしまう。
33分、前線に上がっていた古賀を狙って秋田が入れると、こぼれ球を中村が拾って、左に流れながら左足でシュートを狙うが、これはDFに当たって弾かれてしまう。
 
 
34分、左サイドで相手パスを上がってカットした増川がゴール前の中山に狙って入れてゆくが、浦和のDFに弾かれてしまう。
36分、相手陣内でDFが弾いたボールを高い位置で拾った増川が直接ミドルシュートにゆく。しかし、これは枠を捕らえるまでには至らなかった。
38分、中谷がヒールで流したボールを上がってきた増川が左足で鋭いクロスを入れて行く。このボールに杉本が頭から飛び込むものの、ボールはポストの僅かに左に抜けてしまう。
 
 
40分、増川の縦のボールに抜け出した杉本が寄せてきた相手DFを交わして中へと入れると中山が頭から入って行くが、ボールには触らせてもらえない。  
41分、相手陣内中程左寄りの位置でFKを得る。中村が遠いサイドで待っていた秋田にあわせて蹴ってゆくが、DFに体を寄せられて前に抜けることが出来ず、ボールはゴールラインをそのまま割ってしまうことに。 【交代:85分・浦】
ポンテ田中
 
44分、秋田の長いボールを中山が頭で中へ折り返すと、これに杉本が詰めてシュートを狙うが、ボールはクロスバーの上へ抜けてしまう。
ロスタイム1、縦パスにDFと競り合って落ちたボールを中山がシュートにゆこうとしたが、GKがボールを押さえてしまう。
ロスタイム2、左サイド深くで粘った中村が右足で入れたクロスに古賀が頭であわせてシュートにいったが、ボールは惜しくもGKの正面。最後、右の深い位置でのスローインのボールを安が頭で競り合いながら中へ入れたところを相手DFが縦にクリアしたところで、主審の試合終了を告げる笛がスタジアム内に鳴り響き、名古屋は浦和相手にホームでの戦いを0−2で落としてしまう。最後まで熱い声援ありがとうございました。
【交代:88分・浦】
マリッチ三都主