JリーグヤマザキナビスコカップD組第3節
 いつもの試合開始時間よりも30分遅く、午後7時30分からのキックオフとなった今日のナビスコ杯・第3節:清水エスパルス戦。昼間は初夏の天気にふさわしく、相当に気温が上がり暑かったものの、カラッと晴れて心地のよい1日だった。しかし、午後6時を過ぎたあたりから、ここ瑞穂陸上競技場は昼間の暑さも収まり、心地よい風がスタンドを吹き抜け、絶好のサッカー観戦日和となった。
 4月は厳しい日程を戦ったこともあって、怪我人が多く出、メンバーを組むのでさえ大変だった状況だったが、ここへ来て井川が、そして、今日は本田・増川が無事復帰を果たし、ようやくチームにも安定感が戻ってきてくれることだろう。これまでチームの攻撃の顔として大活躍を見せてくれた、ウェズレイ・マルケスがチームを去ることとなり、名古屋は新しい時代を迎える時が来たと行っても良いかもしれない。今後のチームの行方を知るためにも、今日の清水との1戦は絶対に落とせない。
 涼しげなピッチの上では、日に焼けて真っ黒な顔をした選手たちが黙々とウォーミングアップに勤しんでいる。連敗でリーグ戦が中断に入ったこともあってか、嫌な雰囲気ではないかと心配されたチームの雰囲気も、元気な本田や増川が戻ったことで、明るく良い感じに見える。今日は代表に楢崎を取られた以外、怪我の安・中谷を除けば、ほぼベストに近い布陣と言っても良いメンバーで臨む。連勝をしていた頃の、チームとしての勝ち方を再び思い出すために、そして、選手達自身がプレイに自信を取り戻すためにも、しっかりと、そして落ち着いた試合運びを見せて、今日の清水戦に勝利して、今日を含め、残り2試合で名古屋を去るマルケスの退団に花を添えたいところだ。
 午後7時15分、真っ暗になった瑞穂陸上の空の下、しっかりとアップを終えた選手達はゆっくりとした足取りでピッチを後にした。
〜前半15分
右にエンドを取った清水に対し、いつも通り左にエンドを取り右に攻め上がる名古屋。
今日は、GK川島、DFは右から井川・古賀・増川・角田、中盤は右に山口、ボランチは吉村、左にクライトン、前目に本田、FWはマルケスが中央に右に中村が位置するという、4−3−3の布陣。
 
1分、右サイドを清水・平松に突破されると、最後ゴール前の清水・チェテウクに決められ、早くも先制を許してしまい、苦しい立ち上がりを強いられることに。
3分、清水の左からのCK。平松が短く出したボールを山西が入れてこようとするが、これは味方に当たり再度CKに。今度は長いボールを入れてくるが、ゴールラインを割り、マイボールとなる。
【得点】
1分 チェ テウク(清水)
 
5分、右に上がる山口のパスを受けた中村が中央で待つマルケスに渡してゆくと、これを落として2列目に渡そうとしたが、相手選手にボールを攫われてしまう。
8分、中央の中村からのボールを左で受けた本田が寄せてきた相手DFをかわしながら左足でシュートを放つが、これはポストの左に外れる。
9分、自陣左深い位置での清水のFK。平松の縦に出したボールを久保山がシュートに来るが、これは川島が正面で弾く好セーブを見せ、失点を食い止める。
 
 
10分、清水・山西が前線に待つチョジェジンに当ててゆこうと、自陣から長いボールを入れてくるが、川島が前に出てこれは直接キャッチ。  
11分、チョジェジンと古賀が競り合い、川島がそれを目の前で譲る形となると、最後ゴールを左から決められてしまい、早くも2失点目を喫してしまう。
13分、相手陣内やや入った中央の位置でのFKを得る。
14分、中村が前に上がっていた増川に狙ってゴール前へと蹴ってゆくが、これはボールが長すぎて、相手GKが押さえてしまう。
【得点】
11分 チョ ジェジン(清水)
〜前半30分
15分、右で中村からのボールを受けた井川が抜け出そうとする中村の前のスペースへと縦にボールを蹴り出してゆく。何とかこれを折り返してゆこうとしたが、相手DFのスライディングに遭いクリアされてしまう。
16分、右からのCKのチャンス。中村のボールにファーサイドで古賀が合わせるが、惜しくもクロスバーの上へ。
18分、中央で相手パスを奪った吉村が右に一気に抜け出すと、グラウンダーのボールをゴール前へと入れてゆくが、戻った相手DFが足で弾いてしまい、このチャンスを潰されてしまう。ここまでは清水の引いて守ってカウンターという意識がしっかりと機能し名古屋は苦しい状況が続いている。ここは攻め急がず、まずは1点を取りに行きたい。
 
 
22分、右からのCKのチャンス。ファーサイドへのボールがゴール正面にこぼれたところを拾った本田が左足でシュートに行ったが、慌てたのか、クロスバーの上へ外してしまう。
23分、清水・チェテウクが左に出たボールを素早くダイレクトで折り返してきたが、これは川島がガッチリとキャッチ。
24分、右のスペースへ出たボールを中村が拾うと、相手DFが下がってゆく裏を突いてマイナスに中へ折り返したボールを本田がダイレクトで、ゴール左に狙ってシュートを放つ。相手GKの指先を抜け同点かと思われたこのボールは、左のポストに当たって中へ弾かれてしまい、残念ながら決まらず。
 
 
29分、ボランチにポジションを代えていた山口が、角田が縦に出したパスを拾いにゆくが、これは相手DFの厳しいチェックに仕事をさせてもらえなかった。  
〜前半終了
33分、自陣中央をドリブルで突破を図ってきた高木を倒すと、FKを清水に与えてしまう。この場面で清水・山西が、追い風と言うこともあり、距離を気にすることなく、ロングシュートをゴールを狙って直接打ってきたが、クロスバーの上へ外れる。
34分、右からのCKのチャンスは中村の入れたボールを簡単に弾かれてしまった。
35分、相手陣内左でボールをカットした角田がドリブルで持ち込むと、前に残っていた古賀に短く繋いでゆく。しかし、相手DFの足下への厳しい寄せに踏ん張るが、ファウルを取られてしまい、このチャンスを生かし切れなかった。
38分、相手陣内右入った位置でクライトンが倒されFKのチャンス。中村の入れたボールを前に弾かれるが、これを拾った吉村が縦に、マルケスへと蹴ると、これをDFの裏へと出してゆくが、これは誰も感じることが出来ず、相手GKへのパスとなってしまう。
 
 
40分、自陣から川島が大きく蹴り出していったボールが、相手DFの頭を越え、GKの前にと落ちたところを狙って中村が飛び込んでゆくと、エリア内でGKと交錯して倒れるが、これはファウルは認められなかった。
43分、右から井川がDFをかわして上がってゆくと、ゴール前へとクロスを放り込んでゆくが、DFがコースに体を入れ、中央に詰めていった味方に届く前に弾かれてしまう。
ロスタイム1、自陣左深く危ない位置で相手選手を倒してしまい、清水にFKを与えてしまう。平松が入れた早いボールに中央で飛び込んでくるが、これは川島が飛び出してパンチングで弾き出してゆく。
ロスタイム2、自陣から古賀の出したボールを本田が競り合いながら落として、味方の寄せてくるのを待つが、これは相手選手が先に反応、カットされてしまう。そして、ここで前半が終了。開始いきなりの相手の先制で守備陣が混乱したこともあって、名古屋は苦しい立ち上がりとなる。更には勝ちから遠ざかっていることからか、遠慮したプレイをつけ込まれる形で失点を許し2−0とされてしまう。その後はそれまで自由にさせすぎた中盤の選手を押さえるためにポジションチェンジをしたことで、試合の主導権を取り戻すようになったが、清水の堅い守りになかなか点を取らせてもらえないと言う流れのまま前半が終わってしまった。後半はともかく1点を早く取って、試合の流れをしっかりと掴んで、逆転を狙いたい。
 
〜後半15分
ネルシーニョ監督は早速、中盤の選手を下げ、攻撃の駒を増やして、攻撃的な布陣に打って出てきた。後半は左にエンドを変えた清水のボールで試合が再開。
1分、右から井川を抜き去って清水・杉山がドリブルで上がってくるが、ここは戻った井川が後ろから行ってボールをカットし、辛うじて失点を防ぐ。
2分、左に抜け出したマルケスからの折返しに、中央で待っていた本田がヘディングシュートにゆくが、ボールは惜しくもクロスバーの上へ抜けてしまう。
3分、右のスペースへと出たボールを拾った津田がそのまま持ち込んでゆくとシュートを狙うが、これはDFに当たりCKに。右からの中村のCKのボールをファーサイドで受けた古賀が頭でシュートに行ったが、狙いすぎたのか、右のポストの外へ外してしまう。
4分、右から市川が折返しを狙ってくるが、これは井川が足を伸ばし弾き出しCKに。平松の入れてきたボールはDFがしっかりと跳ね返してゆく。
6分、左から久保山がチョジェジンのパスを放り込んでくるが、増川が飛び込んだ選手に競り勝ち、ボールを弾き出してゆく。
【交代:45分・名】
山口津田
 
7分、マルケスがスペースに出したボールをクライトンが左で持ち込んでゆくと、再度戻したボールをゴール前へと狙ってゆくが、清水のDFに弾かれ、これをチャンスに繋げなかった。
11分、右で清水・市川がスペースに出たボールに足を生かして走り込んでくるが、これはクライトンが寄せていってタッチの外へと出してゆく。
12分、自陣から長い距離をドリブルで上がっていった本田がペナルティ手前のところで倒され、好位置でFKを得る。
13分、これを本田が左足で蹴っていったが、壁に当たって弾かれてしまい、このチャンスをものに出来なかった。
14分、相手DFの間を狙った古賀のパスが右から上がる井川へのスルーパスの形になり、絶好の形で相手陣内へと攻め上がるが、最後のところでクロスを上げきれず、このチャンスを潰してしまう。
15分、左からのCKのチャンス。相手DFがこれをクリアし、右からのCKに変わる。中村のボールに今度はニアにポジションを代えていた古賀が合わせるが、決めることは出来なかった。
 
〜後半30分
ゲーム全体に動きが出始め、名古屋がボールを支配することが増え、流れがこちらに傾きだしているこの時間帯。ここで何とか1点欲しいところだ。
18分、右に抜け出していった中村からのクロスをマルケスが中央であわせにゆくが、これはDFに前を阻まれてしまう。
 
 
19分、右からのパスを受けた中村が中央のマルケスへと入れてゆくと、これを流す形でマルケスが左からの選手を期待して入れてゆくが、惜しくもDFに反応され、カットされてしまった。
21分、相手パスをカットした増川からのボールを本田が持ち上がると、中へと流れながら前を向こうとするが、ついてきた相手DFの厳しいチェックに倒されてしまう。
22分、自陣からの吉村の前線への長いボールは津田が追いつく前にGKが取りに行ってしまった。
24分、左から角田がドリブルで持ち上がってゆくと、左にいた本田に渡してさらに中へと入ってゆこうとするが、このボールはDFが本田の前でカットしてしまう。
 
 
26分、中央のマルケスが左に出したボールを受けた角田が、DFとGKの間を狙って蹴ってゆくが、風に流されてボールはゴールラインを直接割ってしまう。  
28分、右のスペースへクライトンが出したボールを受けた津田が、持ち込んでゆくと切り換えして左足でシュートにゆこうとするが、これはDFが弾いてしまう。 【交代:72分・名】
吉村セバスティアン
〜試合終了
31分、相手ペナルティのすぐ外でクライトンが拾ったボールをDFの裏へと入れてゆくと、左に詰めたマルケスへパスが通る。これをGKの脇を狙ってシュートに行ったが、体に当たって弾かれ、決めることが出来なかった。  
32分、攻め上がりを逆手に取られて、清水にカウンターを食らう形になり、チェテウクが左を持ち上がってくると、最後は左足によるシュートを決められ、3−0とされてしまう。
33分、相手エリア内で放ったシュートはクロスバーに当たり、跳ね返されてしまう。
34分、こぼれ球を相手エリアの外で拾った中村がコースを狙ってシュートを打ってゆくが、今度はゴール内にいた選手に弾き出され決まらず。名古屋は正にゴールに見放されてしまった状態に。
【得点】
76分 チェ テウク(清水)
36分、右からのCKのチャンス。ニアへの中村のボールはDFにはじき返されてしまう。 【交代:79分・清】
久保山山本
38分、自陣右深い位置での清水のFK。縦に出したボールを市川がゴール前へ上げてきたが、これはそのまま反対に抜けてゆく。
40分、中村の縦パスを受けた本田がDFの足下を抜くパスで津田を使おうとするが、これは相手DFがカットしてしまう。
【交代:81分・清】
平松高木(純)
 
42分、中央をドリブルで持ち上がっていった古賀のパスを受けた中村が右にいた津田へと出すと、これを縦に上がってクロスを入れようとするが、ボールはそのままゴールラインを割ってしまう。
44分、左から清水・チェテウクのシュート気味のクロスは川島が好セーブで弾き出してゆく。名古屋も何とか一矢報いようと全員で押し上がるが、逆に清水のカウンターに晒される形となり、なかなか最後のところで詰め切れない状態が続いている。
ロスタイム1、右からのCKのチャンス。中村のニアへのボールは簡単に弾かれてしまう。
ロスタイム2、クライトンが右から押し上がっていった井川の前のスペースへパスを放り込もうとしたところを弾き返されてしまったところで、無情にも試合終了の笛が、スタンド内に響き渡り、名古屋はナビスコ杯3敗目を喫してしまう。後半開始直後からボールを支配し、相手陣内へと攻め上がってゆくが、最後のところで決め手に欠く形で時間を費やしてしまい、無得点のまま試合を終えてしまう事となった。最後まで応援ありがとうございました。