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Jリーグ ディビジョン1・第10節 |
午後6時30分、上空はうっすらとした青色になり、徐々に夕暮れ時を迎えたこの時間帯。昼間の暑さもようやく落ち着きを見せ、今はサッカー観戦にもってこいの、涼しい瑞穂陸上となった。そして、スタンドからの名古屋サポーターの声援に応えながら、グランパスの選手達は、ウォーミングアップの為ピッチに現れると、最後の仕上げをスタートする。
先日の浦和戦では、途中交代ながらリーグ戦初デビューを果たした須藤は津田を相手に黙々とボールを蹴っている。あの時は浦和サポーターの凄い勢いにどこかに遠慮のある、それでいて落ち着きのないプレイを見せていた須藤だったが、今日はホーム・瑞穂で行われる試合。遠慮すること無く、溌剌としたプレイで与えられた役割を果たして欲しい。その須藤や津田とは逆に、本田と杉本は落ち着いた雰囲気で体を動かしている。 |
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2人にはここまでの出場経験を他の若い選手に示し、若いチームの先頭に立ってもらいたいところ。そして、ピッチの一番隅でアップを行う秋田とマルケスは、他の選手とは違い、どちらも厳しい表情でボールを扱っている。秋田にとってはそれまで守備の要として、チームを後方で支えながら、ここ2試合連続失点の汚名を晴らすため、マルケスは累積警告によって浦和戦に出場できなかった悔しさを消し去るため、それぞれの思いを背負いながら、今日の大分戦に臨んだはずだ。若い選手中心で組まれた先発メンバーの中で、しっかりと彼らを統率し、ベテランらしい存在感を見せて、若い選手達の活躍の後押しを彼らには見せて貰おう。
6時45分、さらに濃さを増した夕暮れ空の下でしっかりとアップを終えた選手は、ゆっくりとした足取りでピッチを後にロッカーへと消えていった。 |
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キックオフ直前、4月の月間ランクル賞として楢崎選手が表彰されました。 |
また、前節・浦和戦でリーグ通算100試合出場を果たした中村選手にも記念品が贈られました。 |
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〜前半15分 |
心地よい風が右から左に、名古屋のサポーターの陣取るスタンドに向けてぬけてゆくようになった、瑞穂陸上競技場のピッチに、両チームの選手が入場。両チームサポーターの声援の勢いが高まり、それまで穏やかだったスタンドの雰囲気が変わって行く。
右エンドの大分に対し、左から右に攻め上がる名古屋のキックオフで前半が開始。今日の名古屋は、GK楢崎、DFは須藤・秋田・古賀、MFは津田・吉村・クライトン・渡邊、トップ下に本田、FWは中村とマルケスという若い選手の多い布陣で臨む。
2分、大分の右からのCKはニアへのボールをマグノアウベスが流し込もうとしたボールをカットすると、縦にクリアして行く。 |
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4分、右サイドから入れ替えて左に出たボールを吉田が受けると、ついていた津田をかわしてシュートに来ようとするが、須藤が上手くボールをカットして行く。
6分、自陣から右のスペースへと大きくボールが出ると、津田が拾いにゆくが、これはボールに追いつくことが出来ず。
7分、クライトンが右でボールを持つと、縦に走る中村へと蹴り出してゆくが、これはDFに囲まれ、前を阻まれてしまう。
8分、右のスペースへとボールを持ち出した中村がDFの足を上手くかわして、ゴール前へ早いボールを入れて行くが、ニアにいた相手DFが頭でカットしてしまう。 |
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9分、中村の縦に出したボールを相手DFと競り合いながら本田が拾おうとするが、厳しい寄せにプレイさせてもらえなかった。
10分、左サイドで縦のスペースに出たボールをマルケスが受けに行ったが、寄せてきたDFの厳しいプレッシャーに、ファウルを取られてしまう。
12分、左からの大分のCK。小森田のゴール前へのボールが飛び出した楢崎の上を思った以上に伸びて抜けて行くと、ドドが飛び込んできたが、ボールには触れることはなかった。
14分、左で本田が下がってきてボールを受けると、横を抜けて上がっていった渡邊へと出して行こうとするが、大分の厳しい寄せに前を向けさせて貰うことが出来なかった。 |
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〜前半30分 |
17分、相手陣内でボール受けた本田が前を向こうとしたが、個々でも相手の厳しいプレッシャーを受け倒されてしまう。
18分、自陣中央でサイドから入ったボールに詰めていた吉田がダイレクトで前へシュートを打ってこようとしたが、これはクロスバーを大きく越えて行く。ここまでは両チームとも決定的な場面も無く、時間が淡々と過ぎているという状況だ。名古屋にはもう少し積極的に仕掛けることがそろそろ欲しいところだ。21分、左に持ち上がった渡邊からの早いクロスに、右から津田が抜け出したが、その時点でオフサイドの旗が上がってしまう。 |
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22分、左からの吉田のクロスをゴール正面に詰めていた西山がヘディングシュートに来るが、ボールはポスト左に外れる。
25分、大分の早い攻撃で右からマグノアウベスが持ち上がってくると、エリア内でシュートを狙いに来るが、ここは戻った渡邊がカットして行き、右からの大分のCKに。小森田のファーサイドへの長いボールにドドがあわせに来るが、競り合ったDFへのファウルでマイボールに。 |
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27分、右からのCKのチャンスはニアの選手のクリアで再び右のCKに。今度も中村がゴール前へ精度の高いボールを入れて行くが、誰も押し込むことは出来なかった。
28分、相手GKの蹴ったボールが味方を経由して、DFの裏へとこぼれると、これに大分のドドが抜けだし、GKと1対1になりかけるが、これはオフサイドに。 |
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〜前半終了 |
31分、自陣右深い位置での大分のFK。ここは集中力を欠かさないようしっかりと凌いで行きたいところ。小森田の低いボールはニアサイドにいた吉村が落ち着いて跳ね返して行く。
33分、右サイドタッチ際で本田がDFの間を抜くループ気味のボールを蹴り出して中村を走らせるが、球足が速く、中村が追いつく前にタッチを割ってしまう。
34分、今度は右のタッチ際でボールを受けた中村が大きく縦に蹴り出すと、津田を走らせようとするが、ボールに追いつくことは出来なかった。 |
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36分、相手陣内中央ゴール正面の位置でのFKを得る。これを中村が直接狙って行くと、相手GKが反応が遅れるが、惜しくもボールは正面に飛んでしまい、前へと弾かれてしまう。
38分、ドド→マグノアウベスとパスが繋がると、右から走り込む西山にあわせて、スルーパスを入れてくるが、ここは楢崎が判断良く飛び出して、ボールを押さえる。
40分、左寄りの上がった位置からのクライトンのサイドチェンジのボールを中村が右で頭で中へと折り返すが、誰も詰め切れず、これにあわせることが出来なかった。ここへ来て徐々に名古屋がボールを持つ時間が増え、相手陣内へと攻め上がることが増え始める。残り時間を考えると、このままの勢いで、良いイメージを持ったまま前半を終えることが大事だろう。 |
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44分、右でボールを持った須藤が縦に走る津田にあわせて長いボールを蹴って行こうとしたが、コースにいたDFにボールが当たってしまい、相手に渡ってしまう。
ロスタイム1,ドドが左から裏へと抜け出すと、右に走り込んだマグノアウベスにパスが通る。しかし、これを寄せていった古賀をかわしてシュートに来ようとしたところで、後ろから吉村がタイミング良く入っていってボールを奪い返し、このピンチを救う。大分のカウンターを怖がってか、開始しばらくは消極的なプレイが目立ったが、その後は徐々に名古屋が前へボールを運ぶ時間が増え、チャンスを作るようになる。この勢いで、後半の早い時間帯で先制点を奪って試合を早く楽に進めたいところだ。後半に期待しよう。 |
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〜後半15分 |
エンド入れ替わり、左エンドの大分のキックオフで試合が再開。
膠着した状況を打開させるためなのか、早速メンバーを入れ替えてきたネルシーニョ監督。
1分、自陣ゴール正面での相手選手との接触プレイで秋田が負傷、なんとピッチを去ることになってしまう。
3分、この1人少ない状況の中で、大分・有村が左から早いボールを入れてくるが、DF中央に入っていた吉村がクリアして行く。 |
【交代:45分・名】
津田エドアルド |
4分、DFは右に中島が入り、須藤、古賀と並ぶ。
5分、大分の右からのCK。小森田の右足からのボールに一旦クリアするが、小さくなったところをもう一度入れてこようとしたが、ファーサイドで須藤が競り勝ち、縦にクリアして行く。 |
【交代:48分・名】
秋田中島 |
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7分、中央から右のスペースへ出たボールに吉村が走るが、これは大きく弾んで、ゴールラインの外へ。
8分、左で本田とのパス交換で渡邊が抜け出そうとするが、芝に足を滑らせ、この流れが止まってしまう。
9分、マグノアウベスが一人で持ち上がってくると、西山に預けて裏へ抜け出そうとしたが、これはクライトンが体を入れて、このボールをカットして行く。 |
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10分、相手陣内右でボールを持った中村がすぐにゴール前で張っているエドアルドに入れて行くと、これをDFに競り勝ってヘディングシュートを前へ飛ばすが、惜しくも枠は捕らえられず。
14分、クライトンの縦パスをマルケスがヒールで流して、これをエドアルドが拾って抜けてゆこうとしたが、ついてきたDFの足に弾かれ、チャンスを作ることが出来なかった。 |
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〜後半30分 |
17分、左で本田がドリブルで持ち上がると、渡邊に当ててさらに上がろうとするが、DF2人に阻まれ、ボールを弾かれてしまう。
18分、中央のマグノアウベスからのパスを右から上がってきた阿部が拾って中へと入ってこようとしたが、渡邊がタイミング良く寄せ、ボールを奪って行く。
20分、本田が競り合ってこぼれたボールを持ち上がったマルケスが、エリアの左外から右足でカーブの掛かったシュートを放つと、相手GKの指先を抜け、右のポストに当たって跳ね返り、ついに先制かと思われたが、僅かに中へ跳ね返り、ゴールとはならなかった。 |
【交代:60分・大】
西山阿部 |
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21分、左からの大分のCK。小森田のゴール前へのボールをファーサイドの深谷が頭で右に流れながらあわせてくるが、ポストの右に外れる。
23分、相手DFの裏へ出た早いボールに中村が右で飛び出して、何とか拾って中へと入れて行こうとするが、ボールを受けた時点でボールはゴールラインの外。名古屋がカウンター狙いで引き気味なこともあり、大分が何度もボールを持って仕掛けてくるが、名古屋の選手達はしっかりとこれを押さえ、まだ大きなチャンスは作らせていない。絶え間なく声援を送り続ける名古屋サポータのためにも、ここは何とか相手の攻撃を凌いで、得点を先に取りたいところだ。
26分、相手陣内中央でボールを持って前を向いた本田がドリブルで持ち上がると、エリアの外からミドルシュートを積極的に打ってゆくが、ボールはポスト右に流れてしまう。 |
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27分、相手陣内中程でボールを受けた本田が、斜めに入ってくるエドアルドにあわせてスルーパスを出して行こうとするが、DFに弾かれてしまう。
28分、左からのCKのチャンス。中村の蹴ったボールに古賀、吉村と飛び込んで行くが、その前で飛び出したGKが指に当てて弾き出してしまう。
29分、マグノアウベスが左から中島をかわして上がってくると、エリアに入ったところでシュートに来ようとするが、須藤が足下への上手いスライディングでボールを押さえ、このピンチを救うプレイでスタンドを沸かす。 |
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〜試合終了 |
31分、左から持ち上がってきた阿部のマイナスのボールを受けたドドがシュートに来ようとするが、しっかりとコースに何人かが入ってこれを止め、ピンチを救う。
33分、左でフリーでボールを受けた渡邊がすかさずゴール正面へ入れて行くが、これは精度を欠き、ゴールラインを割ってしまう。
34分、自陣中程やや左での大分のFK。 |
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35分、代わって入った原田に蹴らせると見せ、小森田が低いボールを蹴り入れてくるが、これはDFが弾きかえしてゆく。
36分、大分の左からのCK。小森田のゴール前へのボールはきっちりと跳ね返して行く。
37分、渡邊がワンタッチで中へと折り返したボールを走りながら受けようとしたエドアルドだったが、芝生に足を取られ転倒、相手のボールとなってhしまう。 |
【交代:79分・大】
パトリック原田 |
39分、ゴール正面でボールを受けた阿部のシュートは枠を捕らえるが、楢崎が横っ飛びでこれを弾き出す好セーブを見せ、ピンチを救ってくれる。
41分、マルケスとのワンツーで左を渡邊が抜けて行こうとしたが、相手選手のファウルで止められてしまう。 |
【交代:83分・名】
エドアルド杉本 |
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42分、左で渡邊の縦パスに抜け出したマルケスが左足でゴール前へと上げて行くが、中央で待っていた杉本の頭の上に抜けてしまう。
43分、右の深い位置でボールを持った杉本が粘りを見せてCKを奪う。右からのCKのボールはニアに弾かれるが、これを拾った渡邊のパスを受けたクライトンがゴール前へと入れて行くと、吉村がヘディングシュート。しかし、ボールは僅かに高く、スタンドのサポーターのため息と共にクロスバーの上へ抜けてしまう。 |
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ロスタイム1、自陣右深い位置での大分のFK。原田の蹴ったファーサイドへのボールは吉村がクリア。そのままボールを持って一気にカウンターにゆくと、杉本が一気に持ち上がり、最後ギリギリのところでマイナスに折り返して行く。これを中央でスルーして反対からクライトンが飛び込んできたが、その前に相手GKが飛び出して体を張ってこれを押さえてしまう。
ロスタイム2、相手陣内でDFが下がって出来た前のスペースでボールを持ったマルケスがループ気味にミドルシュートを狙って行くが、このシュートも僅かに高く、クロスバーの上へ抜けてしまう。最後までボールを拾って攻撃に繋げて行こうとしたが、約4分弱のロスタイムの末、試合は0−0のスコアレスドローで終了してしまう。苦しいメンバー構成で臨み、チームの魂とも言える秋田を怪我で失い、本当に厳しい展開となってしまったが、その中で最後まで大分の攻撃を凌ぎきり、失点を許すことなく自陣ゴールを死守して勝ち点1を手に入れたことは、勝利に値する結果といえるかもしれない。最後まで本当に熱い声援ありがとうございました。 |
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